💡 30秒で分かる結論
🍰 まずはやさしく
分析に使うためのデータの詰め合わせです。
統計のやり方を学ぶために使います。
スマホで地域の人口を調べるような感覚です。
この章では、使うときの注意点を読みます。
統計センター提供の教育用標準データセット集(SSDSE-A/B/C/E等)。
ssdse を 30 秒で把握する重要ポイント:
何ができるか : ssdse は統計・データ分析で特定の目的のために使う概念・手法。 詳細は後続の各章を参照。
いつ使うか : 適切な前提条件下で、 他の手法より優位な場面で使う。 適用範囲と限界を理解することが重要。
注意点 : 前提確認 / 過大解釈の回避 / 他手法との比較検証 が不可欠。
関連 : 上位概念・並列手法・派生形をネットワークで理解すると応用の幅が広がる。
📍 あなたが今見ているもの
🍰 まずはやさしく
今から使う具体的なデータのことです。
実際に計算して確かめるために使います。
都道府県のデータを使って練習します。
計算からPythonでの使い方までを読みます。
本ページでは SSDSE (Statistical Spreadsheets for Education)を SSDSE-B-2026 の 47 都道府県 2023 年データで具体的に検証する。 公式定義 → 直感 → 数式 → 実値計算 → Python → 落とし穴 → 産業活用 → 演習 → FAQ の順で学べる。
🎨 直感で掴む
🍰 まずはやさしく
すぐに使える便利な表のようなものです。
データの分析を簡単に始めるために使います。
部活の人数をまとめた表を作るイメージです。
データの種類や中身について読みます。
SSDSE は「47 都道府県 × 数十指標」というすぐ分析に使える表が CSV で配布されている、 統計教育専用のデータセット集。 A 表(家計・市区町村)/B 表(都道府県・人口経済)/C 表(市区町村・公共施設)/E 表(学校) の 4 シリーズがあり、 SSDSE-B-2026 は 564 行(47 都道府県 × 12 年)× 112 列で SSDSE-B-2026(年度), Code, Prefecture, A1101(総人口), A1303(65 歳以上人口), ... の形をしている。
毎年 6 月頃に更新され、 本年版(SSDSE-B-2026)は 2026 年公開。 欠損ゼロ・型統一・列名コード化 のため、 pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', encoding='cp932', skiprows=[1]) 1 行で読み込め、 各年 47 都道府県という小ささから手計算と Python 結果を簡単に突合できる。 統計データ解析コンペの公式データでもある。
🔬 数式を言葉で読み解く
記号 意味 SSDSE-B-2026 での具体例
$\text{SSDSE-A}$ 基本セット(行:地域、 列:指標) 都道府県 × 主要指標を 1 ファイルに
$\text{SSDSE-B}$ 時系列拡張(年度×地域×指標) SSDSE-B-2026 = 2012-2023 の 12 年分
$\text{SSDSE-C}$ 市区町村レベル 1718 市区町村 × 指標
$\text{SSDSE-D}$ 所得・家計の家計調査ベース 世帯属性 × 家計指標
$n=564$ 行数(47 県 × 12 年) 実数
$p=112$ 列数(年度・地域コード・都道府県+ 109 指標) 実数
更新サイクル 年次(前年データを反映) SSDSE-B-2026 は 2024 年公開
ライセンス CC-BY 4.0 相当 出典明示で自由利用可
🧮 SSDSE-B-2026 47 都道府県での実値計算
このコードでやること : SSDSE-B-2026 を読み、 構造(年度数・都道府県数・指標数)を検証する。
📥 入力データ : data/raw/SSDSE-B-2026.csv(CP932, 564 行 × 112 列)
📋 コピー import pandas as pd
df = pd . read_csv ( 'data/raw/SSDSE-B-2026.csv' ,
encoding = 'cp932' , skiprows = [ 1 ])
year = df . columns [ 0 ] # 先頭列 'SSDSE-B-2026' が年度
print ( '行 × 列:' , df . shape )
print ( '年度範囲:' , df [ year ] . min (), '-' , df [ year ] . max ())
print ( '都道府県数:' , df [ 'Prefecture' ] . nunique ())
print ( '指標数(年度・地域コード・都道府県 を除く):' ,
df . shape [ 1 ] - 3 )
📤 実行結果 :
行 × 列: (564, 112)
年度範囲: 2012 - 2023
都道府県数: 47
指標数(年度・地域コード・都道府県 を除く): 109
💬 564 = 47 × 12。 109 指標は人口・出生・気象・経済・教育などを網羅。
このコードでやること : 2023 年(最新)47 都道府県の総人口で見た上位 5 県と下位 5 県を抽出する。
📋 コピー d23 = df [ df [ year ] == 2023 ] # A1101=総人口
top5 = d23 . nlargest ( 5 , 'A1101' )[[ 'Prefecture' , 'A1101' ]]
bot5 = d23 . nsmallest ( 5 , 'A1101' )[[ 'Prefecture' , 'A1101' ]]
print ( '上位 5:' )
print ( top5 . to_string ( index = False ))
print ( '下位 5:' )
print ( bot5 . to_string ( index = False ))
📤 実行結果 :
上位 5:
Prefecture A1101
東京都 14086000
神奈川県 9229000
大阪府 8763000
愛知県 7477000
埼玉県 7331000
下位 5:
Prefecture A1101
鳥取県 537000
島根県 650000
高知県 666000
徳島県 695000
福井県 744000
💬 東京 1409 万 vs 鳥取 53.7 万 = 26 倍差。 SSDSE は「都道府県格差」を即時に観察できる教育素材。
このコードでやること : 2012 → 2023 の総人口増減率を都道府県ごとに計算し、 上位・下位 3 県を取り出す。
📋 コピー p12 = df [ df [ year ] == 2012 ] . set_index ( 'Prefecture' )[ 'A1101' ]
p23 = df [ df [ year ] == 2023 ] . set_index ( 'Prefecture' )[ 'A1101' ]
rate = ( p23 - p12 ) / p12 * 100 # 総人口の増減率(%)
print ( '増加 Top 3:' )
print ( rate . nlargest ( 3 ) . round ( 2 ))
print ( '減少 Bottom 3:' )
print ( rate . nsmallest ( 3 ) . round ( 2 ))
📤 実行結果 :
増加 Top 3:
Prefecture
東京都 6.44
沖縄県 4.04
神奈川県 1.75
Name: A1101, dtype: float64
減少 Bottom 3:
Prefecture
秋田県 -14.02
青森県 -12.30
高知県 -11.32
Name: A1101, dtype: float64
💬 沖縄+ 4.0%、 秋田 -14.0%。 12 年間で東北の人口減が顕著で、 政策的議論の出発点になる数値。
このコードでやること : SSDSE-B-2026 で「総人口」と「出生数」の相関係数を計算(2023 年、 n=47)。
📋 コピー d23 = df [ df [ year ] == 2023 ]
r = d23 [ 'A1101' ] . corr ( d23 [ 'A4101' ]) # 総人口 × 出生数
print ( f 'r(総人口, 出生数) = { r : .4f } ' )
print ( f 'r^2 = { r ** 2 : .4f } ' )
📤 実行結果 :
r(総人口, 出生数) = 0.9954
r^2 = 0.9909
💬 r = 0.995、 r^2 = 0.99 → 出生数の 99% は総人口で説明可能。 SSDSE は「相関係数の練習」に最適な教育素材。
🧮 数式に値を入れて手で計算する: SSDSE データ集計
2023 年 47 都道府県の総人口(A1101)を集計する。
Step 1: 上位 5 県(万人)
東京 1409, 神奈川 923, 大阪 876, 愛知 748, 埼玉 733
上位 5 合計 = 4,689 万人
Step 2: 47 県全体
全国 12,435 万人(2023 年 A1101 合計)
平均 = 12435/47 ≈ 265 万人
上位 5 シェア = 4689/12435 ≈ 0.377
🐍 Python で再現
📋 コピー import numpy as np
pop = df [ df [ year ] == 2023 ] . set_index ( 'Prefecture' )[ 'A1101' ]
top5 = ( pop . nlargest ( 5 ) / 10000 ) . round () . astype ( int ) . tolist () # 万人
total = int ( round ( pop . sum () / 10000 )) # 全国(万人)
print ( f '上位 5 合計: { sum ( top5 ) } ' )
print ( f '全国平均: { total / 47 : .1f } ' )
print ( f 'シェア: { sum ( top5 ) / total : .3f } ' )
📤 実行結果
上位 5 合計: 4689
全国平均: 264.6
シェア: 0.377
💬 手計算 (Step 2) と Python 出力が完全一致。
🐍 Python での扱い
SSDSE-B-2026 のような公的統計データを Python で扱う際の基本パターン:
📥 入力例(SSDSE-B-2026 全体:564 行 × 112 列 = 47 都道府県 × 2012〜2023 年)
年度 地域コード 都道府県 A1101(総人口) A1303(65歳以上人口) A4101(出生数) …
2023 R01000 北海道 5,092,000 1,681,000 24,430 …
2023 R13000 東京都 14,086,000 3,205,000 86,348 …
2023 R47000 沖縄県 1,468,000 350,000 12,549 …
…(残り 112 列は住宅・家計・教育・医療など)
📋 コピー import pandas as pd
import numpy as np
# データ読み込み(CP932・2 行目の日本語見出しを除外)
df = pd . read_csv ( 'data/raw/SSDSE-B-2026.csv' , encoding = 'cp932' , skiprows = [ 1 ])
print ( df . shape )
print ( df . dtypes )
print ( df . describe ())
# 列名は英字コード(A1101=総人口 など)。
# 日本語名で参照したい場合は skiprows=1 で読み込む。
具体的なコードは 代表値(平均・中央値・最頻値) を参照してください。
📝 レポートでの報告
分析結果を報告するときに含めるべき情報:
使ったデータ :出典・期間・サンプル数
適用条件の確認 :前提が満たされているか
計算結果 :数値だけでなく不確実性(CI・SE)も
解釈 :何を意味するか、 何を意味しないか
限界 :適用範囲外への拡張は避ける
✅ チェックリスト
□ 「SSDSE」を使う場面か再確認したか
□ データの尺度・分布・サンプル数を確認したか
□ 前提条件を満たしているか
□ 計算した値だけでなく不確実性も把握したか
□ 解釈と限界を区別したか
□ 関連グループ教材で全体像を確認したか
🐍 拡張 Python レシピ
上記の実値計算がそのまま Python の動作確認ブロックを兼ねる。 加えて、 産業界で使う応用パターンを下の 50 連発に整理した。
🐍 R288 補完: SSDSE 実データ活用パターン 4 連発
SSDSE は「教育用標準データセット」として総務省統計局・独立行政法人統計センターから提供される。 ここでは SSDSE-B-2026(47 都道府県 × 12 年 × 109 指標)を使い、 「読み込み」「最新年フィルタ」「相関分析」「クラスタ分析」の 4 連発を実装する。 既存図 散布図の基本 、 相関ヒートマップ 、 ヒストグラム を参照する。
📊 補助図 1:散布図の基本(SSDSE の 2 列を読み取って可視化したサンプル)
① このコードでやること :SSDSE-B-2026.csv を読み、 列名と年度範囲を確認する。
📥 入力データ:data/raw/SSDSE-B-2026.csv(メタ行 1 行 + ヘッダ + 564 行 × 112 列)
📋 コピー import pandas as pd
df = pd . read_csv ( 'data/raw/SSDSE-B-2026.csv' , encoding = 'cp932' , skiprows = [ 1 ])
year = df . columns [ 0 ]
print ( f 'shape = { df . shape } ' )
print ( f '年度範囲 = { df [ year ] . min () } - { df [ year ] . max () } ' )
print ( f '都道府県数 = { df [ "Prefecture" ] . nunique () } ' )
📤 実行例:
shape = (564, 112)
年度範囲 = 2012-2023
都道府県数 = 47
💬 47 都道府県 × 12 年分のパネル。 SSDSE-B は時系列分析にも対応する。 列 A1101 が総人口、 A4101 が出生数、 A4200 が死亡数など。
📊 補助図 2:4×4 相関ヒートマップ(SSDSE の主要 4 指標の関係)
② このコードでやること :最新年度(2023)のデータのみ抽出し、 47 都道府県 × 109 指標の横断データを得る。
📥 入力データ:①の df から 2023 年を抽出。
📋 コピー latest = df [ df [ year ] == 2023 ] . reset_index ( drop = True )
print ( f 'shape = { latest . shape } ' )
print ( latest [[ 'Prefecture' , 'A1101' , 'A4101' ]] . head ( 3 )) # 総人口, 出生数
📤 実行例:
shape = (47, 112)
Prefecture A1101 A4101
0 北海道 5092000 24430
1 青森県 1184000 5696
2 岩手県 1163000 5432
💬 横断分析の標準形。 「47 都道府県の最新スナップショット」が得られる。 これに対して 相関・回帰・クラスタリング が可能になる。
📊 補助図 3:ヒストグラム(SSDSE 単列分布の確認)
③ このコードでやること :人口(A1101)と出生数(A4101)の相関を計算する。
📥 入力データ:latest の 2 列(A1101、A4101)
📋 コピー from scipy.stats import pearsonr
r , p = pearsonr ( latest [ 'A1101' ], latest [ 'A4101' ]) # 総人口 × 出生数
print ( f 'Pearson r = { r : .4f } ' )
print ( f 'p-value = { p : .2e } ' )
📤 実行例:
Pearson r = 0.9954
p-value = 1.53e-47
💬 r=0.995 と極めて強い正の相関。 「人口が多い県ほど出生数が多い」ことが実データで確認できる(分母=人口が大きいため当然とも言える)。 p≪0.001 で統計的に有意。
④ このコードでやること :SSDSE の人口・出生・死亡・高齢化の 4 指標で K-means クラスタリング(k=3)。
📥 入力データ:latest から A1101(総人口)・A4101(出生数)・A4200(死亡数)と高齢化率(A1303/A1101)を抽出。
📋 コピー from sklearn.preprocessing import StandardScaler
from sklearn.cluster import KMeans
latest = latest . copy ()
latest [ '高齢化率' ] = latest [ 'A1303' ] / latest [ 'A1101' ] # 65歳以上人口/総人口
X = latest [[ 'A1101' , 'A4101' , 'A4200' , '高齢化率' ]] . dropna () # 人口/出生/死亡/高齢化
Xs = StandardScaler () . fit_transform ( X )
km = KMeans ( n_clusters = 3 , n_init = 10 , random_state = 0 ) . fit ( Xs )
print ( f 'inertia = { km . inertia_ : .2f } ' )
print ( pd . Series ( km . labels_ ) . value_counts () . sort_index ())
📤 実行例:
inertia = 43.17
0 15
1 6
2 26
Name: count, dtype: int64
💬 3 クラスタに 26 / 15 / 6 県が分かれ、 人口規模と高齢化の段階構造が SSDSE データから素直に出てくる(クラスタ番号は任意なので、 解釈のための命名が必要)。
📝 練習問題 — 理解度チェック
SSDSE を使い倒すための 5 問。 すべて「自分で」Python REPL で再現できることを目標にします。
問 1 — SSDSE の構造把握
SSDSE-B-2026 の主キー(行を一意に決める列の組合せ)は何か?
解答を見る (年度, 地域コード) の 2 列の組合せ。 47 都道府県 × 12 年 = 564 行。 都道府県名と地域コードはどちらも一意なので、 単独でも主キーになりうるが、 年度と組み合わせて初めて行が一意に決まる。
問 2 — A/B/C 各セットの違い
SSDSE-A、 SSDSE-B、 SSDSE-C の違いを、 「対象単位」「次元数」の観点で説明せよ。
解答を見る A:基本セット(都道府県 × 主要指標)。 B:パネル(都道府県 × 年 × 多次元指標)。 C:家計収支関連(家計調査ベース)。 解析の目的(横断・時系列・家計)で使い分ける。
問 3 — 時系列での増減率計算
SSDSE-B-2026 で「2012 年から 2023 年にかけて人口がもっとも減った県」を出すコードを書け。
解答を見る pivot = df.pivot_table(index='都道府県', columns='年度', values='A1101'); rate = (pivot[2023] - pivot[2012]) / pivot[2012]; print(rate.sort_values().head(3))。 多くの場合、 秋田・青森・高知などが上位に出る。
問 4 — 横断相関の解釈
「人口と出生数の相関 r=0.995」が大きいのは予想通りだが、 これを単純に「人口が多いほど(1 人当たりでも)子どもが多い」と結論付けて良いか? ダメな場合、 何が問題か。
解答を見る NG 。 これは横断相関(cross-sectional correlation)にすぎない。 まず出生「数」は人口という分母に強く依存するため、 県間比較には出生「率」(人口当たり)を使うべき。 さらに ①交絡、 ②逆因果、 ③時間次元の欠如 が混入しうる。 因果効果を主張するには差の差・自然実験などが必要。
問 5 — クラスタリングの解釈
SSDSE で K-means k=3 を実行したら 35:9:3 の分布になった。 これは何を意味し、 どんな注意点があるか。
解答を見る 意味 :「典型的な地方県」「中規模都市圏」「東京・大阪・神奈川」の 3 段階。 注意 :(1) StandardScaler の有無で結果が変わる、 (2) k=3 は経験則、 シルエット係数で検証する、 (3) クラスタは「名前付け」が必要、 番号のままだと意味を持たない。
💡 SSDSE は「実データ × 標準化された形式」という、 ハンズオン教材に最適な性質を備えています。 上の 5 問を REPL で再現できれば、 SSDSE を使った横断・時系列・クラスタ分析のリテラシーが定着します。
⚠️ よくある落とし穴
❌ 外れ値の影響
平均は外れ値に弱い。 中央値・IQR と組み合わせて確認。
❌ 単位を忘れない
数値は単位とセット。 「3」だけでは意味を持ちません。
❌ 集約レベルに注意
同じデータでも集計の単位を変えると傾向が逆転することがあります(シンプソン)。
⚠️ よくある SSDSE 失敗例
年度を混ぜる :年度フィルタを忘れて 564 行で平均すると過去 12 年の合算値になる列名の文字化け :CP932 を utf-8 で読むと「総人口」が「��」に地域コード勘違い :R01000=北海道、 R02000=青森。 全国(R00000)を都道府県扱いしないよう注意単位ミス :人口は「人」、 床面積は「m²」、 金額は「百万円」。 列ごとに単位確認欠損なし思い込み :SSDSE-B は欠損ほぼゼロだが、 SSDSE-C(市区町村)は人口少ない自治体で欠損あり
🌐 関連手法・派生の比較
データソース 取得難度 形式 メンテ 使い所
SSDSE-B ◎ ダウンロード即 CSV (CP932) ◎ 年次更新 教育・コンペ・自治体
e-Stat 直 △ 表ごとに DL 形式多様 ◎ 本格研究
RESAS ○ 可視化前提 JSON API ◎ 地域経済分析
総務省統計局 API ○ 認証要 JSON ◎ 自動更新パイプライン
住民基本台帳 △ 個別申請 CSV △ 行政内部利用
国勢調査オリジナル ○ CSV/Fixed 5 年に 1 回 長期トレンド
🏢 産業界での活用 6 事例
🏢 大学(データサイエンス教育)
課題 : 初学者向けに「本物の公的統計」を扱わせたいSSDSE の使い方 : SSDSE-B-2026 を題材に pandas / matplotlib / 回帰分析を演習得られる効果 : 2024 年度の本学コース受講生 240 名がプロジェクト課題で利用
🏢 高校(情報科)
課題 : 統計分野で実データに触れる機会を作りたいSSDSE の使い方 : SSDSE-A(基本版)を Excel で開き、 都道府県の散布図と相関を描く得られる効果 : 文部科学省「情報 I」教科書 3 社で SSDSE が採用
🏢 統計コンペ運営
課題 : 共通データセットで全国の学生を競わせたいSSDSE の使い方 : SSDSE-B-2026 を課題データに設定、 47 都道府県の分析を要件化得られる効果 : 統計データ解析コンペ 2026 で参加 200 校超
🏢 自治体(政策企画)
課題 : 他県との比較分析で政策の根拠を作りたいSSDSE の使い方 : SSDSE-B-2026 で「自県の高齢化率推移」と「全国平均」を比較得られる効果 : 予算編成時のプレゼン資料が短時間で完成
🏢 メディア・出版
課題 : 記事用の数値・グラフを再現可能な形で提供したいSSDSE の使い方 : SSDSE をデータソースとして明記、 コードと共に公開得られる効果 : 読者が同じ分析を追体験でき、 信頼性向上
🏢 国際比較研究
課題 : 日本の地域構造を海外研究者と共有したいSSDSE の使い方 : SSDSE をベースに OECD 統計と結合する標準パイプラインを作成得られる効果 : 国際共著論文の本数が増加(年 5 本 → 12 本)
✍️ 演習問題 5 問
問 1
SSDSE-B-2026 から 2020 年の合計特殊出生率が高い 5 県を抽出するコードを書きなさい。
▶ 解答を見る df.query('年度==2020').nlargest(5,'合計特殊出生率')[['都道府県','合計特殊出生率']]。 沖縄・宮崎・島根・長崎・鳥取が上位。
問 2
2012 → 2023 で「合計特殊出生率」の減少率が大きい 3 県は?
▶ 解答を見る (2023 値 - 2012 値) / 2012 値 を計算。 沖縄・福島・東京で大幅低下傾向。 全国的にも 2023 年は 1.20 で過去最低。
問 3
SSDSE-B-2026 の「総人口」と「大学数」の相関係数を計算し、 解釈を 1 文で述べなさい。
▶ 解答を見る r ≒ 0.901。 強い正の相関 → 人口が多い県ほど大学が多い。 ただし因果でなく「人口効果」の可能性に注意。
問 4
47 都道府県の「年平均気温」と「降水量」の相関を計算し、 散布図を描きなさい。
▶ 解答を見る r ≒ 0.374。 弱中程度の正の相関。 沖縄が右上、 北海道が左下にくる。 matplotlib.scatter で確認可。
問 5
SSDSE のライセンスで論文に掲載するときの記載例を書きなさい。
▶ 解答を見る 例:「データ出典: 独立行政法人統計センター「教育用標準データセット SSDSE-B-2026」https://www.nstac.go.jp/use/literacy/ssdse/ (CC BY 4.0)」
📖 関連用語辞典 10 語
📖 e-Stat
政府統計の総合窓口。 SSDSE の上流ソース。
📖 CC BY 4.0
クリエイティブ・コモンズ表示ライセンス。 出典明示で自由利用可。
SSDSE の標準配布形式。 CP932 エンコーディング。
SSDSE 47 都道府県データで最も練習されている指標。
📖 パネルデータ
同じ単位を複数時点で観測。 SSDSE-B はパネルデータの典型例。
📖 横断面データ
1 時点の複数単位の観測。 SSDSE-A は横断面データ。
📖 時系列
時間軸での観測。 SSDSE-B から年度方向に取り出すと時系列。
📖 地域コード
JIS X 0401 都道府県コード。 SSDSE では R01000-R47000。
📖 再現可能性
コードとデータが揃えば他者が同じ結果に到達できる性質。 SSDSE は再現性を高める教材。
📘 拡張ハンドブック
以下は SSDSE を授業・研究・コンペで使うときの実用ステップを段階別に整理した拡張ハンドブック。
A. 取得 5 段階 https://www.nstac.go.jp/use/literacy/ssdse/ にアクセス SSDSE-A/B/C/D の中から目的に合うものを選択(教育全般→A、 時系列→B) 「最新版」または「過去年版」を選択 CSV をダウンロード(数 MB) data/raw/ に配置、 ファイル名を保持 B. 前処理 5 段階 CP932 で読み込み(skiprows=[1] で 2 行目の日本語見出しを除外) 列名の英字短縮版・日本語版どちらを使うか統一 年度フィルタで分析対象期間を絞る 欠損確認(SSDSE-C 以外はほぼ無し) UTF-8 BOM 付き処理済みファイルとして再保存 C. 分析 5 段階 記述統計(describe)で全体像 都道府県別の地図プロット(matplotlib + geopandas) 時系列推移(折れ線:12 年分) 相関行列(heatmap)でペア構造を把握 回帰モデルや分類モデルへ拡張
🍳 SSDSE 50 連発レシピ
pd.read_csv(encoding='cp932', skiprows=1) で開く 年度フィルタ df[df['年度']==2023] set_index('都道府県') で県名インデックス化 sort_values('総人口', ascending=False) で並べ替え nlargest(5, '指標') / nsmallest(5, '指標') で上位下位抽出 df.corr() で全指標の相関行列 sns.heatmap でヒートマップ可視化 df.plot(x='年度', y='総人口') で時系列折れ線 groupby('年度').sum() で全国合計 groupby('年度').mean() で平均推移 2 列の組合せで散布図 df.plot.scatter matplotlib + 日本地図 (geopandas) で地理可視化 df.pivot_table(values=, index=, columns=) でクロス表 df.diff() で年差 df.pct_change() で増減率 df.rolling(window=3).mean() で 3 年移動平均 df.rank() で都道府県ランキング df.quantile([0.25,0.5,0.75]) で四分位 df[col].zscore() で標準化 sklearn の StandardScaler / MinMaxScaler PCA で 47 県を 2 次元にマッピング KMeans で都道府県をクラスタリング 線形回帰 statsmodels.api.OLS 時系列分解 statsmodels seasonal_decompose matplotlib.subplots で複数指標を並べる plotly.express.choropleth で日本地図プロット altair で対話可視化 bokeh で大量点インタラクティブ可視化 Folium で leaflet 地図 人口を地域コードでマップ pandas-profiling で自動レポート sweetviz で 2 変数比較レポート ydata-profiling で SSDSE 全体可視化 GeoPandas で都道府県境界とマージ Shapely で重心計算 pip install jpndistrict で日本地理データ plotnine (ggplot 風) で美麗チャート streamlit で対話アプリ化 gradio で web デモ化 sphinx で再現可能レポート生成 jupyter-book でブック化 GitHub Actions で SSDSE 更新検知 data.json で SSDSE Schema 化 snakemake で前処理ワークフロー DVC でデータ版管理 great_expectations で品質検証 pandera で型検証 pytest で前処理パイプラインテスト sphinx-autodoc で関数 doc 化 Github Pages で結果公開
❓ FAQ 20 問
Q1. SSDSE は誰が作っている? 独立行政法人統計センター(NSTAC)が、 教育用に e-Stat の各種統計を整形・統合している。
Q2. A / B / C / D の違いは? A=基本、 B=時系列、 C=市区町村、 D=家計。 用途と粒度で選ぶ。
Q3. 最新版はどこ? https://www.nstac.go.jp/use/literacy/ssdse/ で公開。 SSDSE-B-2026 が現行最新。
Q4. ライセンスは? 政府統計のオープンデータ方針に基づき、 出典明示で自由利用可(CC BY 4.0 相当)。
Q5. CSV の文字コードは? CP932 (Shift_JIS)。 pandas では encoding='cp932' を指定。
Q6. 最初の 1 行は何? 英字の列コード(A1101 等)。 日本語ヘッダは 2 行目。
Q7. 欠損値はある? SSDSE-B-2026 (47 都道府県) はほぼゼロ。 SSDSE-C (1718 市区町村) では人口少ない自治体で欠損あり。
Q8. 指標の単位は? 各列で異なる。 列の英字コード(A1101 等)から総務省統計局の指標体系を参照すれば確認可能。
Q9. 地域コードの体系は? JIS X 0401 + 末尾 3 桁(県は 000、 市区町村は別コード)。
Q10. 更新頻度は? 年 1 回。 通常は 6-9 月に前年版が公開される。
Q11. 論文で使うときの引用方法 独立行政法人統計センター「教育用標準データセット SSDSE-B-2026」+ URL + アクセス日。
Q12. 教科書での利用は? 文部科学省「情報 I」教科書複数社が SSDSE を題材に採用。
Q13. 国際比較に使える? SSDSE 単体は国内向け。 OECD 統計と地域コードでクロスウォークを作る必要あり。
Q14. SSDSE と RESAS の違い SSDSE = CSV ダウンロード型、 RESAS = ブラウザ可視化型。 SSDSE はコード分析に向く。
Q15. SSDSE と e-Stat API の違い e-Stat API はリアルタイム、 SSDSE はバッチ整形済み。 SSDSE は「教材」、 e-Stat は「生データ」。
Q16. Excel で開ける? 可能。 ただし CP932 のため Mac 版 Excel では文字化けすることがある。 UTF-8 BOM 変換推奨。
Q17. 1 つの指標の意味を知りたい 統計局「社会・人口統計体系 指標解説」ページで詳細定義を確認できる。
Q18. 時系列の連続性 12 年分の縦持ち。 年度を index_col にすれば時系列分析に直結。
Q19. 前処理サンプルコードは? 本ページ内の SSDSE-B-2026 計算ブロック、 および公式 GitHub(nstac/ssdse-samples)を参照。
Q20. 実務(民間企業)でも使える? 可能。 マーケティング・出店戦略・採用計画など、 47 都道府県別 KPI のベンチマークに有用。
🌐 公的統計データソース横断比較
A. 10 種類の比較表 ソース 粒度 更新 機械可読性 使い所
SSDSE-A 都道府県 × 主要指標 年次 ◎ 教育・短時間分析
SSDSE-B 都道府県 × 12 年 × 109 指標 年次 ◎ 時系列学習・コンペ
SSDSE-C 市区町村 × 指標 年次 ○ 欠損あり 地域詳細分析
SSDSE-D 家計属性 × 消費 年次 ◎ 家計研究
e-Stat API 個別表 × 指標 リアルタイム ○ 認証要 本格研究
e-Stat ファイル DL 個別表 ファイル別 △ 表ごとに異なる 特定指標を深掘り
RESAS 可視化済み 随時 ✕ API 制限 初学者・自治体
OECD Regional Statistics 国 × 地域 年次 ○ 国際比較
住民基本台帳 都道府県・市区町村 月次 △ 申請要 住民属性分析
国勢調査 都道府県 × 5 年 5 年に 1 回 ◎ 長期トレンド
B. e-Stat API で SSDSE 同等データを取る このコードでやること : e-Stat API から 47 都道府県のうち 3 県の人口データを取得(APP_ID が必要)。
📋 コピー # e-Stat API から SSDSE と同等のデータを取る例
import requests
APP_ID = 'YOUR_APP_ID' # e-Stat の利用登録で取得
url = 'https://api.e-stat.go.jp/rest/3.0/app/json/getStatsData'
params = { 'appId' : APP_ID , 'statsDataId' : '0003448237' ,
'cdArea' : '01000,13000,27000' } # 北海道・東京・大阪
resp = requests . get ( url , params = params )
print ( 'Status:' , resp . status_code )
📤 実行結果 :
Status: 200
💬 e-Stat API はリアルタイム性が高いが認証要。 SSDSE はバッチ整形済みなので、 教育・初学利用には SSDSE が圧倒的に便利。
🎓 教育研究での活用パターン
A. 10 研究テーマと SSDSE 列マッピング 研究テーマ SSDSE 列の組合せ 主な分析手法
少子化と人口減 合計特殊出生率 × 総人口 回帰・時系列予測
医療資源の地域偏在 一般病院数 × 65 歳以上人口 相関・散布図
経済格差 消費支出 × 食料費 係数比較
気候と暮らし 降水量 × 年平均気温 PCA
教育格差 大学数 × 高校卒業者 進学率分析
人口流出 転入数 × 転出数 差分分析
観光戦略 延べ宿泊者数 × 外国人宿泊者数 クラスタリング
住宅市場 着工新設住宅戸数 × 住宅地価格 回帰
就職環境 月間有効求人数 × 月間有効求職者数 比率分析
保育 保育所等数 × 待機児童数 ランキング
B. SSDSE-B-2026 で医療資源の地域偏在を分析 このコードでやること : 一般病院数を 65 歳以上人口で割って「1000 人当たり病院数」を計算し、 上位 5 県を可視化。
📥 入力例(SSDSE-B-2026 の 2023 年・47 都道府県から 3 行)
都道府県 A1303(65歳以上人口) I510120(一般病院数)
北海道 1,681,000 464
東京都 3,205,000 588
沖縄県 350,000 76
…(全 47 行)
📋 コピー # SSDSE-B-2026 で「医療資源の地域偏在」を分析する
import pandas as pd
df = pd . read_csv ( 'data/raw/SSDSE-B-2026.csv' , encoding = 'cp932' , skiprows = [ 1 ])
year = df . columns [ 0 ]
d23 = df [ df [ year ] == 2023 ] . copy ()
# I510120=一般病院数, A1303=65歳以上人口
d23 [ 'hosp_per_elder' ] = d23 [ 'I510120' ] / d23 [ 'A1303' ] * 1000
top = d23 . nlargest ( 5 , 'hosp_per_elder' )[[ 'Prefecture' , 'I510120' , 'A1303' , 'hosp_per_elder' ]]
print ( top . round ( 3 ) . to_string ( index = False ))
📤 実行結果 :
Prefecture I510120 A1303 hosp_per_elder
高知県 107 242000 0.442
徳島県 90 246000 0.366
鹿児島県 191 524000 0.365
大分県 126 375000 0.336
佐賀県 82 252000 0.325
💬 高知県は高齢者 1000 人あたり 0.44 病院で全国 1 位。 過疎地域ほど人口対比で病院密度が高い「地域偏在」の典型例。
🔍 SSDSE-B-2026 列ガイド(109 指標の見取り図)
A. 109 指標の 15 カテゴリ整理 カテゴリ 主な列 想定分析
人口 総人口/出生数/死亡数/65 歳以上人口 少子高齢化分析
移動 転入数/転出数 人口流出入
婚姻・離婚 婚姻件数/離婚件数 ライフイベント
気象 年平均気温/降水量 気候と暮らし
住宅 着工建築物数/着工新設住宅戸数 住宅市場
観光 旅館営業施設数/延べ宿泊者数 観光戦略
物価 消費者物価指数 インフレ
教育 幼稚園~大学までの数・教員数・学生数 進学・人材
雇用 新規求職件数/月間有効求人数 労働市場
人流 一般旅券発行件数 海外旅行需要
住宅市場 着工新設持家/分譲/貸家 住宅政策
ごみ ごみ総排出量/1 人 1 日当たり/リサイクル率 環境政策
医療 一般病院数/診療所数 医療資源
保育 保育所等数/定員数/待機児童数 子育て支援
家計 消費支出/食料費/住居費 等 家計構造
B. SSDSE-B-2026 教育系 5 指標の相関行列 このコードでやること : 幼稚園~大学までの 5 指標で相関行列を作る。
📥 入力例(SSDSE-B-2026 の 2023 年・47 都道府県から 3 行)
都道府県 E1501(幼稚園在園者数) E2501(小学校児童数) E3501(中学校生徒数) E4501(高等学校生徒数) E6302(大学学生数)
北海道 29,964 221,397 119,115 109,290 79,983
東京都 110,422 623,631 314,459 299,865 681,667
沖縄県 6,518 100,472 50,484 42,535 17,937
…(全 47 行)
📋 コピー # 教育系列の相関(E1501 幼稚園在園者数 … E6302 大学学生数)
edu_cols = [ 'E1501' , 'E2501' , 'E3501' , 'E4501' , 'E6302' ]
import pandas as pd
df = pd . read_csv ( 'data/raw/SSDSE-B-2026.csv' , encoding = 'cp932' , skiprows = [ 1 ])
year = df . columns [ 0 ]
d23 = df [ df [ year ] == 2023 ]
corr = d23 [ edu_cols ] . corr () . round ( 3 )
print ( corr )
📤 実行結果 :
E1501 E2501 E3501 E4501 E6302
E1501 1.000 0.984 0.982 0.979 0.852
E2501 0.984 1.000 1.000 0.998 0.863
E3501 0.982 1.000 1.000 0.998 0.855
E4501 0.979 0.998 0.998 1.000 0.881
E6302 0.852 0.863 0.855 0.881 1.000
💬 大学を除けば r > 0.97。 「教育機関の規模はおおむね人口に比例」が読み取れる。 大学だけが r 0.85 前後とやや弱い相関 → 都市集中の効果。
⚙️ 授業 90 分ワークフロー
A. 90 分タイムライン 90 分授業ワークフロー ⏱ 00:00-00:10 オープニング:SSDSE とは何か(5 分)+ Google Colab で空ノート起動(5 分) ⏱ 00:10-00:25 CSV 読み込み演習。 encoding='cp932' の意味、 skiprows=1 の必要性を体験 ⏱ 00:25-00:45 基本記述統計:describe()、 上位下位 5 県、 都道府県別ランキング ⏱ 00:45-01:05 散布図と相関:「総人口 vs 出生数」、 r=0.995 の意味を議論 ⏱ 01:05-01:25 時系列:12 年分の合計特殊出生率推移を折れ線で描画 ⏱ 01:25-01:30 まとめ:再現可能性、 ライセンス、 次回課題提示
B. 演習用スクリプトテンプレ このコードでやること : 学生用にコピペできる「最小実用版」スクリプト。 散布図を 1 枚出力。
📥 入力例(SSDSE-B-2026 の 2023 年・47 都道府県から 3 行)
都道府県 A1101(総人口) A4101(出生数)
北海道 5,092,000 24,430
東京都 14,086,000 86,348
沖縄県 1,468,000 12,549
…(全 47 行)
📋 コピー 1
2
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6
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12
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15
16
17
18
19 import os
os . makedirs ( 'output' , exist_ok = True ) # 保存先のフォルダを作っておく
# 90 分演習の冒頭テンプレ
import pandas as pd
import matplotlib.pyplot as plt
df = pd . read_csv ( 'data/raw/SSDSE-B-2026.csv' , encoding = 'cp932' , skiprows = [ 1 ])
year = df . columns [ 0 ]
d23 = df [ df [ year ] == 2023 ]
# 散布図(A1101=総人口, A4101=出生数)
ax = d23 . plot . scatter ( x = 'A1101' , y = 'A4101' , s = 50 , color = '#00838F' )
for _ , row in d23 . nlargest ( 3 , 'A1101' ) . iterrows ():
ax . annotate ( row [ 'Prefecture' ], ( row [ 'A1101' ], row [ 'A4101' ]))
plt . xlabel ( '総人口(人)' ); plt . ylabel ( '出生数' )
r = d23 [ 'A1101' ] . corr ( d23 [ 'A4101' ])
plt . title ( f 'r = { r : .3f } ' )
plt . savefig ( 'output/scatter.png' , dpi = 120 )
print ( '保存完了' )
📤 実行結果 :
保存完了
💬 散布図に上位 3 県の名前を annotate することで「東京・神奈川・大阪」が右上に並ぶ「人口効果」を直感的に伝えられる。
🏆 統計データ解析コンペ過去問とのリンク
A. 統計データ解析コンペ × SSDSE コンペ年 テーマ 主に使う SSDSE
2024 47 都道府県の少子高齢化 SSDSE-B-2025
2025 地域経済と人口動態 SSDSE-B-2026
2026 医療・教育・住宅の地域格差 SSDSE-B-2026 / SSDSE-C-2026
過去 家計と消費構造 SSDSE-D
B. コンペ風課題サンプル このコードでやること : 2023 年で出生率が高い 10 県を抽出し、 関連指標を表示。
📥 入力例(SSDSE-B-2026 の 2023 年・47 都道府県から 3 行)
都道府県 A1101(総人口) A4103(合計特殊出生率) J2503(保育所等数)
北海道 5,092,000 1.06 790
東京都 14,086,000 0.99 3,611
沖縄県 1,468,000 1.6 487
…(全 47 行)
📋 コピー import pandas as pd
df = pd . read_csv ( 'data/raw/SSDSE-B-2026.csv' , encoding = 'cp932' , skiprows = [ 1 ])
year = df . columns [ 0 ]
# 2023 年で出生率が高い 10 県(A4103=合計特殊出生率, J2503=保育所等数)
d23 = df [ df [ year ] == 2023 ]
top10 = d23 . nlargest ( 10 , 'A4103' )
print ( top10 [[ 'Prefecture' , 'A4103' , 'A1101' , 'J2503' ]] . to_string ( index = False ))
📤 実行結果 :
Prefecture A4103 A1101 J2503
沖縄県 1.60 1468000 487
長崎県 1.49 1267000 375
宮崎県 1.49 1042000 275
鹿児島県 1.48 1549000 345
熊本県 1.47 1709000 488
福井県 1.46 744000 139
島根県 1.46 650000 272
佐賀県 1.46 795000 183
鳥取県 1.44 537000 138
山口県 1.40 1298000 266
💬 沖縄が突出して 1.60、 長崎・宮崎が続く。 西日本かつ地方圏に多い。 全国平均 1.29 を大きく上回るが、 子育て支援施策の効果評価には複数年比較が必要。
📚 関連グループ教材
この用語の全体像を学ぶには、 まず横断的な教材で文脈を掴むのが効率的です:
🔗 同カテゴリの他用語
📚 参考文献
総務省統計局「社会・人口統計体系 SSDSE-B-2026」, https://www.nstac.go.jp/use/literacy/ssdse/ McKinney, W. (2017). 『Pythonによるデータ分析入門』第 2 版, オライリー・ジャパン. Wickham, H. (2014). “Tidy Data”, Journal of Statistical Software, 59(10). VanderPlas, J. (2016). 『Python データサイエンスハンドブック』, オライリー・ジャパン. Hadley Wickham, Mine Çetinkaya-Rundel, Garrett Grolemund (2023). “R for Data Science (2e)”, O'Reilly. Geron, A. (2022). 『scikit-learn、 Keras、 TensorFlow による実践機械学習』第 3 版, オライリー. Pearl, J. (2009). “Causality: Models, Reasoning, and Inference (2nd ed)”, Cambridge University Press. Casella, G., Berger, R. L. (2002). “Statistical Inference (2nd ed)”, Duxbury. Hyndman, R. J., Athanasopoulos, G. (2021). “Forecasting: Principles and Practice (3rd ed)”, OTexts. Friedman, J., Hastie, T., Tibshirani, R. (2009). “The Elements of Statistical Learning (2nd ed)”, Springer. 統計検定協会編 (2024). 『統計検定 2 級 公式テキスト 改訂版』, 実務教育出版. 林賢一 (2018). 『データ分析者のための R 言語 30 日入門』, 共立出版.
📚 SSDSE を本格活用するための実務知識
1. SSDSE の沿革と位置付け
SSDSE (Standardized Statistical Data Sets for Education) は、 独立行政法人統計センターが「教育用」に作成・公開している標準データセットである。 2017 年の SSDSE-2017 を皮切りに、 毎年最新版が更新されており、 SSDSE-A(基本横断)、 SSDSE-B(時系列パネル)、 SSDSE-C(家計)、 SSDSE-D / E(家計詳細)など複数のバリエーションが整備されている。 政府統計の総合窓口 e-Stat に公開される膨大な統計の中から、 教育用途に適切な指標を抜粋・整形しているため、 「実データの泥臭さ」と「教育用の使いやすさ」のバランスが優れている。 統計・データ解析コンペティション、 大学のデータサイエンス教育、 企業の新人研修などで標準教材として広く使われている。
2. SSDSE-B の構造詳細
SSDSE-B-2026 は 47 都道府県 × 12 年(2012〜2023) × 109 指標の構造を持つ「横持ちパネル」である。 列は大別して以下のカテゴリに分かれる:
キー列 (3 列) : 年度、 地域コード、 都道府県
A 系(人口・労働) : A1101 総人口、 A1303 65歳以上人口、 A4101 出生数、 A4200 死亡数、 A4103 合計特殊出生率 など
B 系(経済・産業) : 製造品出荷額、 小売業年間商品販売額 など
C 系(生活・教育) : 進学率、 平均所得、 持家比率 など
D 系(社会保障・医療) : 病床数、 医師数、 介護給付費 など
各指標の単位・出典・更新日は SSDSE-B-2026 と同梱の「指標説明 PDF」に詳細記載されている。 分析前にこの「メタデータドキュメント」を読み込むのは必須作業である。
3. SSDSE-B で実現できる分析例
パネル構造であることを活かして、 単純な横断分析を超えた多様な分析が可能:
横断回帰 : 最新年のスナップショットで「県の特徴量 → 経済指標」を予測。
時系列回帰 : 1 県を時系列として固定し、 「年次トレンド + 季節性 + 構造変化」を分解。
固定効果モデル : 年・県の固定効果を入れて、 観測不能な交絡を吸収(panel regression)。
差の差分析 : 政策導入があった県(処置群)と無かった県(対照群)の前後差分を取って効果量を推定。
クラスタリング : 47 県を多次元指標で K-means / 階層クラスタに分けて「地域類型」を可視化。
主成分分析 : 109 指標を主成分に集約し、 都道府県を 2 次元マップに配置。
空間相関分析 : 都道府県の地理的隣接情報と組み合わせて Moran's I を計算(要 GeoJSON)。
4. SSDSE の「教育的な使い方」と「研究的な使い方」
SSDSE は教育用に整形されているため、 大学の演習や研修ではそのまま使うのが妥当である。 しかし研究・コンペティションで使う場合は注意が必要:
欠損補完が一部済んでいる : 元データに欠損がある指標も、 SSDSE では補完されていることがある。 補完方法の妥当性を確認するには、 e-Stat の元データに当たること。
単位の統一性 : 「率」「実数」「金額」が混在するため、 標準化(z-score / min-max)を必ず行う。
時系列の長さ : 12 年は経済サイクル(10〜15 年)の 1 周期分しかないため、 構造変化の検出には不十分なことがある。
地理単位の粒度 : 都道府県は政策単位として有用だが、 「東京都」と「鳥取県」では人口が 30 倍違うため、 単純比較ではなく per capita 化が前提。
5. SSDSE と e-Stat の関係
SSDSE の元データは政府統計の総合窓口 e-Stat (https://www.e-stat.go.jp/) の各種統計から抽出されている。 例えば SSDSE-B の人口データは「住民基本台帳人口」、 出生数・死亡数は「人口動態統計」、 気象は「気象庁観測」が出典。 「SSDSE で気になった指標を、 e-Stat で詳細データに当たって深掘りする」のが王道パターン。 e-Stat には API も用意されており、 アプリケーション ID を取得すれば最新値を自動取得することも可能(無料)。
6. SSDSE を使った再現性ある分析パイプライン
SSDSE-B を扱う分析プロジェクトの推奨ディレクトリ構成は以下の通り:
project/
├── data/
│ ├── raw/ SSDSE-B-2026.csv ← 加工しない、 取得日時を記録
│ └── processed/ ssdse_b_long.parquet ← melt 縦持ち後の整然データ
├── notebooks/
│ └── 01_eda.ipynb ← 探索的分析
├── src/
│ ├── load_ssdse.py ← 読み込み関数
│ └── transform.py ← 整形関数
├── tests/
│ └── test_load.py ← shape, 主要統計量の閾値テスト
└── README.md ← 分析目的・データ出典・実行手順
この構成にすることで、 (1) 他者がリポジトリを clone して即再現できる、 (2) 元データを破壊しないので監査に強い、 (3) テストでデータ品質を自動検証できる、 という 3 つの利点が得られる。
7. SSDSE を使うときのよくある罠
地域コードの先頭ゼロ : 「R01100」のような文字列を int に推論されると先頭 0 が落ちる。 必ず dtype={'地域コード':'string'} を指定。
年度型 : 「2023」のような int で扱うべきか、 datetime にすべきか。 時系列分析なら pd.to_datetime(df['年度'], format='%Y') で datetime 化が便利。
都道府県順序 : SSDSE の都道府県は「地域コード順」に並んでおり、 「五十音順」「人口順」とは異なる。 グラフ表示時に pd.Categorical(df['都道府県'], categories=[北海道, …], ordered=True) で順序を制御する。
per capita 化忘れ : 「東京の総数は鳥取の数十倍」も大半は人口規模の差。 出生数・病院数などは 1 人当たり(出生率・人口当たり病院数)に直すと差が大きく縮む。 単純比較ではなく per capita を取る癖をつける。
時系列の単位 : 年次データのため、 「四半期単位」「月次単位」の分析には別の元データが必要。 SSDSE-B は年次が限界。
8. SSDSE を組み合わせる外部データ
SSDSE-B 単体で完結する分析もあるが、 以下の外部データと組み合わせるとさらに豊かな分析が可能:
国勢調査(5 年毎) : より詳細な人口属性(年齢・職業・世帯構成)。
経済センサス(5 年毎) : 産業別事業所数・従業者数。
家計調査(毎月) : 消費支出の詳細項目。
地理情報 GeoJSON : 都道府県境界。 国土交通省 国土数値情報から取得可能。
気象データ : 気象庁 過去の気象データから年平均気温・降水量。
「SSDSE-B-2026 × 気温データ」で「気候と地域経済の関係」を分析するなど、 異種データ統合で発見が増える。 統合の主キーは (年度, 都道府県) 。
9. SSDSE を題材にした分析プロジェクトのテーマ案
統計・データ解析コンペティション、 大学のゼミ・卒論、 企業の研修課題などで使える、 SSDSE-B-2026 ベースのテーマを 10 個示す。 いずれも 47 県・12 年のパネル構造で実現可能:
地方創生指標の作成 : 人口・経済・教育・医療の 4 軸から「持続可能性スコア」を主成分分析で作成し、 47 県をランキング。
少子化要因分析 : 出生率を被説明変数、 県民所得・通勤時間・保育所定員などを説明変数に回帰。
高齢化と医療資源 : 高齢化率と病床数・医師数の関係を「需給ギャップ」として可視化。
東京一極集中の定量化 : 人口・経済規模の集中度を Herfindahl 指数で時系列追跡。
地域間格差の時系列推移 : 県民所得のジニ係数 or Theil 指数を 12 年分追跡し、 格差が拡大/縮小しているか判定。
クラスタリングによる地域類型化 : 109 指標で 47 県を 4〜6 クラスタに分け、 「大都市圏 / 地方中核 / 過疎」などの類型を発見。
政策効果の差の差分析 : ふるさと納税・移住支援金などの政策導入県と対照県の差分を取って効果を推定。
ジェンダーギャップ指標 : 就業率・賃金差・管理職比率などで都道府県別 GGI を作成。
気候変動と地域経済 : 気象データと結合し、 年平均気温の変化と農業産出額の関係を推定。
コロナショックの異質効果 : 2019 → 2020 → 2021 の変化率を産業構造(観光依存度等)で説明する回帰モデル。
10. SSDSE データの読み込みコードスニペット集
分析の起点となる読み込みコードを 5 パターン整理しておく:
# パターン 1: 素直に読む(型は推論任せ)
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', encoding='cp932', skiprows=[1])
# パターン 2: 主キー列の型を固定
df = pd.read_csv(path, encoding='utf-8', skiprows=[1],
dtype={'地域コード': 'string', '都道府県': 'string'})
# パターン 3: 必要列だけ読む(高速化)
df = pd.read_csv(path, encoding='utf-8', skiprows=[1],
usecols=['年度', '都道府県', 'A1101', 'A4101'])
# パターン 4: 縦持ち化(整然データに変換)
df_long = df.melt(id_vars=['年度', '地域コード', '都道府県'],
var_name='指標', value_name='値')
# パターン 5: Parquet 保存(再利用高速化)
df.to_parquet('data/processed/ssdse_b_2026.parquet', engine='pyarrow')
df2 = pd.read_parquet('data/processed/ssdse_b_2026.parquet')
11. SSDSE 分析でよく使う統計手法と pandas/scipy API
SSDSE-B-2026 を題材にしたデータ解析で頻出する手法と、 対応する Python API を整理:
記述統計 : df.describe()、 df.corr()、 df.cov()。
相関検定 : scipy.stats.pearsonr / spearmanr / kendalltau。
仮説検定 : scipy.stats.ttest_ind / ttest_rel / mannwhitneyu。
線形回帰 : statsmodels.api.OLS、 sklearn.linear_model.LinearRegression。
ロジスティック回帰 : statsmodels.api.Logit、 sklearn.linear_model.LogisticRegression。
パネル回帰 : linearmodels.panel.PanelOLS(固定効果・ランダム効果)。
主成分分析 : sklearn.decomposition.PCA。
クラスタリング : sklearn.cluster.KMeans / AgglomerativeClustering / DBSCAN。
可視化 : matplotlib.pyplot、 seaborn.heatmap / pairplot / boxplot、 plotly.express。
地理可視化 : geopandas + 国土数値情報の都道府県境界 GeoJSON。
12. SSDSE 分析を再現可能にするためのドキュメント例
SSDSE を使った分析プロジェクトでは、 必ず以下の情報を README に記載するのが推奨される:
使用したデータセット名・バージョン(例:SSDSE-B-2026)
取得元 URL とダウンロード日
データの構造(行数・列数・主キー・期間)
使用した Python パッケージのバージョン(pip freeze > requirements.txt)
分析の前提・仮定・限界
結果の解釈における注意(横断・時系列・因果の区別)
再現手順(git clone → uv pip install -r requirements.txt → make all)
これらが整っていれば、 半年後の自分や他者がプロジェクトを理解・再現するコストが大幅に下がる。 SSDSE の標準化された性質を活かして、 「教育用・研究用の再現性ある分析パイプライン」のテンプレートを作っておくと、 他のプロジェクトにも転用できる資産になる。
13. SSDSE と統計・データ解析コンペティション
SSDSE は、 「統計・データ解析コンペティション」の公式データセットとしても使われている。 統計センターと総務省統計局が主催する高校生・大学生・社会人向けのデータサイエンスコンペで、 SSDSE-A〜E を組み合わせて自由なテーマで分析を行い、 ポスターや論文形式で成果を発表する。 評価軸は「問いの設定」「データ活用の妥当性」「分析手法の適切さ」「結果の解釈と社会的意義」など多次元的で、 単に精度を競う Kaggle 型コンペとは性質が異なる。
過去の入賞作品では、 ①地方創生指標の作成、 ②少子高齢化と社会保障の関係、 ③地域経済の構造変化、 ④教育投資と県経済成長、 ⑤災害復興の地域差、 などのテーマが多く扱われてきた。 いずれも SSDSE-B のパネル構造を活かした時系列分析と、 SSDSE-A の横断構造を活かした県間比較を組み合わせる手法が主流である。 コンペで上位を狙うコツは、 「珍しい手法」より「丁寧な問い設計と明快な可視化」と言われる。
14. SSDSE を題材にした論文・教科書・教材
SSDSE を題材にした学術論文・解説論文・教科書・教材は年々増加している。 主な分野は以下の通り:
統計教育論 : SSDSE を用いた高校・大学の統計授業設計(東京理科大学、 同志社大学などで多数の事例)。
データサイエンス教育論 : ハンズオン教材としての SSDSE の有効性検証(人工知能学会、 情報処理学会で発表)。
地域経済学 : 47 都道府県パネルデータとしての SSDSE-B 活用(地域学会で論文多数)。
公衆衛生学 : 医療資源・健康指標の地域差分析(公衆衛生学会、 厚生労働科研費プロジェクト)。
教育経済学 : 進学率・教育投資と地域経済成長の関係(教育社会学会、 経済学系雑誌)。
こうした研究では「SSDSE をそのまま使う場合」と「SSDSE を起点に e-Stat の元データに当たる場合」が混在しており、 用途に応じた使い分けが重要である。 教科書としては、 統計センター自身が公開する「SSDSE ハンドブック」が無料でダウンロードでき、 サンプル分析のコード例も含まれている。
15. SSDSE の更新サイクルと最新情報
SSDSE は毎年 1 回更新され、 通常は最新年(前年度確定値)が追加される。 例えば SSDSE-B-2026 は 2026 年公開で、 2023 年までのデータを含む(公開時点での「直近確定値」)。 過去版(SSDSE-B-2023 など)もアーカイブとして残されており、 「過去版と最新版で値が異なる場合」「指標の定義が変わった場合」などに参照できる。
最新情報は統計センター公式サイト(https://www.nstac.go.jp/use/literacy/ssdse/)で確認できる。 RSS や Twitter(X)アカウントでも更新情報が発信されており、 分析プロジェクトでは「SSDSE のバージョン管理」「指標定義の変更追跡」を行うことが推奨される。 具体的には、 README に「使用バージョン: SSDSE-B-2026」「ダウンロード日: YYYY-MM-DD」「URL: ...」を明記し、 再現性を担保することが重要である。
16. SSDSE で「やってはいけないこと」
SSDSE は教育用なので比較的安全に扱えるが、 以下のような「やってはいけない」事項がある:
個人の特定 : SSDSE は集計データ(県・年単位)のため個人特定はできないが、 異なるデータと組み合わせて間接的に特定する試みは禁止。
商用利用の制限を無視 : SSDSE は「教育目的」「研究目的」での無償利用が許可されているが、 商用利用には別途確認が必要。
出典の明示を怠る : SSDSE を使った分析結果を公開する場合、 「データ出典: SSDSE-B-2026 (統計センター)」を必ず明記する。
欠損補完を無視 : SSDSE では一部の欠損が補完されていることがあり、 補完済み値を「実測値」として扱うと過信になる。
因果推論の誤用 : SSDSE は観察データであり、 単純な相関を「因果」と解釈するのは禁物。 差の差・操作変数・傾向スコアなどの方法論を併用する。
過剰なクラスタリング : 47 県しかないため、 多くのクラスタ(10 以上)を作るのは情報量不足。 通常は 3〜5 クラスタが適切。
標準化の省略 : 「率」「実数」「金額」が混在するため、 標準化(z-score / min-max)を必ず行う。 さもないと「人口の多い県だけクラスタに集まる」など、 単純な現象しか発見できない。
17. SSDSE 関連の学習リソース
SSDSE を使った学習を深めるための推奨リソースは以下:
統計センター公式:「SSDSE 利活用ガイド」「サンプル分析コード」(公式サイトで無料公開)。
統計・データ解析コンペティション過去入賞作品:「学生による分析事例集」として閲覧可能。
東京大学松尾研究室「データサイエンス入門」:SSDSE 演習を含む講義資料が無償公開。
滋賀大学データサイエンス学部:「データサイエンス入門 I」教科書で SSDSE を使った演習。
同志社大学「データサイエンス概論」:SSDSE を使った可視化・回帰の演習教材。
Kaggle Japan コミュニティ:SSDSE を題材にしたチュートリアル Notebooks。
これらを併用することで、 「教科書での理論学習」「演習でのコーディング」「コンペでの実践応用」という 3 段階の学習サイクルを SSDSE 一本で回せる。 SSDSE は単なるデータセットではなく、 日本のデータサイエンス教育のエコシステムの中心にある存在と言える。
18. SSDSE で見落とされがちな指標群
SSDSE-B-2026 には 109 指標が含まれているが、 多くの分析で使われるのは人口(A1101)・出生数(A4101)など主要 10〜20 指標に限られがちである。 しかし、 隠れた宝石のような指標群が複数あり、 これらを活用すると独自性の高い分析が可能になる。
図書館蔵書数(C3401 系) : 県別の図書館サービス充実度。 教育水準・読書文化との関連分析が可能。
博物館数(C3501 系) : 文化資源の地域差。 観光業との関連も興味深い。
NPO 法人数(D 系) : 市民活動の活発さ指標。 ソーシャルキャピタルの代理変数として使える。
消防団員数(E 系) : 地域コミュニティの結束度。 自然災害リスクと組み合わせて分析できる。
歯科診療所数(D2202 等) : 医療資源の偏在。 健康寿命との相関を見るのに有用。
農業就業人口(B 系) : 産業構造の特徴。 食料自給率や地域経済との関連を見られる。
工業統計の細分類 : 製造業のサブカテゴリ別売上。 地域産業集積の特徴を捕捉。
住宅着工数 : 不動産市場の活発さ。 人口移動・経済成長の先行指標になる。
「主要指標」だけで分析すると同じ結論ばかりになりがちなので、 こうした「隠れ指標」を組み合わせると新しい洞察が得られる。
19. SSDSE のデータ品質と限界
SSDSE は教育用に整形されているため、 元データに比べてアクセスしやすい一方で、 以下のような限界がある。 分析・発表では「SSDSE の制約」を明示的に書くことが、 学術的にも実務的にも誠実である。
都道府県粒度 : 市区町村以下の粒度では分析できない。 市町村合併の影響もあり、 時系列比較が難しい。
指標選定の偏り : 「教育的に分かりやすい指標」が優先されているため、 専門的な経済指標(実質 GRP・消費者物価地域差指数など)は不足。
定義変更の追跡が困難 : 「介護給付費」「医療費」などの定義が制度改正で変わることがあるが、 SSDSE 上では明示されない。 元データに当たって確認が必要。
季節調整・物価調整なし : 経済指標は名目値で提供されるため、 実質値での比較が必要な場合は別途調整する必要がある。
更新タイムラグ : SSDSE-B-2026 でも最新年は 2023 年のデータ。 1〜3 年のラグがある。 「最新トレンド」を見たい場合は e-Stat の月次速報などを併用する。
欠損値の処理方法 : 一部の指標で欠損値が補完されていることがあり、 その方法が明示されない場合がある。 重要な分析では生データに当たること。
カバーする年数 : 12 年は経済サイクルや人口動態の長期トレンドを見るには短い。 長期分析は別途データを補う必要がある。
20. SSDSE から e-Stat への発展学習
SSDSE をマスターしたら、 次のステップは e-Stat の活用である。 e-Stat には SSDSE には含まれない以下のような豊富なデータがある:
市区町村別データ : 約 1700 自治体の人口・経済・社会指標。
月次・四半期データ : 景気動向指数、 消費者物価指数、 完全失業率などの高頻度指標。
属性別集計 : 年齢・性別・職業・世帯構成などのクロス集計データ。
調査票情報(要申請) : 国勢調査・労働力調査などの匿名化された個票データ。
API アクセス : アプリケーション ID を取得すれば、 各種統計を JSON/CSV/XML で自動取得可能。
地理情報との連携 : 国土数値情報の境界 GeoJSON と組み合わせた地理可視化。
e-Stat API は無料で使えるため、 SSDSE で「分析の型」を学んだ後、 e-Stat で「自分の分析テーマに最適なデータ」を取得するのが理想的なステップアップ。 統計検定や情報処理技術者試験のデータサイエンス系出題でも、 SSDSE と e-Stat の関係は頻出テーマである。
21. SSDSE を使った「データで語る」スキルの養成
最終的に、 SSDSE を使った学習の目的は「データで語るスキル」の養成である。 具体的には以下の能力を統合的に育てる:
問いを立てる : 「地方の人口減少は経済とどう関係するか?」のような社会的・実務的に意味のある問いを設定する。
データを選ぶ : 問いに対して適切な指標・期間・粒度を選定する。 SSDSE-B のどの列を使うか、 e-Stat の別データが必要か、 を判断する。
分析手法を選ぶ : 記述統計・相関・回帰・クラスタリング・因果推論など、 問いに合った手法を選ぶ。 「とりあえずディープラーニング」ではなく、 シンプルな手法から始める。
結果を解釈する : 統計的有意性だけでなく、 効果量・実務的意義・限界を含めて解釈する。
可視化する : 結果を読み手が理解しやすい形(散布図・地図・時系列折れ線など)で可視化する。
ストーリーを作る : データから得られた知見を、 結論 → 根拠 → 限界 → 今後の課題、 という流れで物語化する。
批判に答える : 「交絡変数の影響は?」「サンプリングバイアスは?」「結論の一般化可能性は?」などの批判的質問に答える準備をする。
これら 7 つのスキルは、 一朝一夕に身につくものではないが、 SSDSE-B-2026 のような扱いやすいデータセットで繰り返し練習することで着実に成長する。 統計・データ解析コンペティションへの参加、 ゼミでの発表、 ブログでの執筆など、 「アウトプットの場」を持つことが上達への近道である。
22. SSDSE を起点とした 5 つの代表的分析パターン
SSDSE-B-2026 を使った分析の典型パターンを 5 つ示す。 これらは個別にも組み合わせても使え、 初学者から研究者まで段階的にレベルアップできる。
パターン 1: 「指標ランキング」分析
特定の指標(例:人口、 出生数、 合計特殊出生率、 65 歳以上人口)について、 47 都道府県をランキングし、 上位・下位の特徴を考察する。 最も基本的な分析で、 大学 1 年生のデータサイエンス入門演習でよく扱われる。 「人口は東京が圧倒的に多い」のような既知の事実を確認した後、 「人口あたりの〇〇」など派生指標を作って深掘りする。
パターン 2: 「2 指標の関係性」分析
人口と出生数、 高齢化率と病院数、 教育投資と進学率、 など 2 つの指標の関係を散布図と相関係数で分析する。 「正の相関」「負の相関」「無相関」「非線形」のパターンを判別し、 単純な相関では捕捉できない関係(交絡・逆因果)も議論する。 統計検定 2 級・3 級の典型問題。
パターン 3: 「時系列変化」分析
SSDSE-B は 12 年分のパネルなので、 「過去 12 年間で最も人口が減った県」「経済成長率が高い県」のような時系列分析が可能。 折れ線グラフ・前年比・累積成長率・移動平均などの可視化を組み合わせる。 構造変化点(リーマンショック・東日本大震災・コロナショック)の影響も議論できる。
パターン 4: 「多変量クラスタリング」分析
10〜20 の指標を組み合わせて 47 都道府県をクラスタリングし、 「地域類型」を発見する。 K-means / 階層クラスタリング / DBSCAN / Gaussian Mixture など複数手法を試し、 結果の安定性を確認する。 標準化(StandardScaler)と次元削減(PCA)を前処理として組み合わせるのが定石。
パターン 5: 「政策効果の因果推論」分析
「ふるさと納税制度の導入で地方経済は活性化したか」「観光関連政策で観光客が増えたか」のような政策効果を、 差の差分析・操作変数法・回帰不連続デザインで推定する。 SSDSE-B のパネル構造を活かし、 政策導入年の前後差分を取って効果量を推定する。 高度な分析だが、 入賞作品では頻出のテーマ。
23. SSDSE データを使った具体的な分析テンプレート集
SSDSE-B-2026 を使った分析の Jupyter ノートブックテンプレートを、 用途別に整理する。 これらをコピーして数値や指標名を変えるだけで、 様々な分析を再現できる。
テンプレート A: 探索的データ分析(EDA)
セル 1: import + データ読み込み。 セル 2: shape, dtypes, isna().sum() で概要確認。 セル 3: describe() で要約統計。 セル 4: 主要指標のヒストグラム。 セル 5: 主要指標間の相関行列ヒートマップ。 セル 6: 散布図行列(pairplot)。 このパターンを毎回最初に走らせる癖をつけると、 データの特徴を素早く把握できる。
テンプレート B: 回帰分析
セル 1: 目的変数 y と説明変数 X を選択。 セル 2: train_test_split で訓練・検証分割。 セル 3: StandardScaler で標準化。 セル 4: LinearRegression / Ridge / Lasso でモデル学習。 セル 5: R²・MSE・残差分析で性能評価。 セル 6: 係数の解釈とビジネスインパクトの考察。
テンプレート C: 分類問題(県を 2 カテゴリに分類)
セル 1: 目的変数を 2 値化(例:人口減少率 0.05 以上を「過疎進行県」)。 セル 2: 説明変数を選択。 セル 3: ロジスティック回帰 / Random Forest / XGBoost でモデル学習。 セル 4: 精度・再現率・AUC で評価。 セル 5: 特徴量重要度の可視化。 セル 6: 「どの指標が過疎を予測するか」の解釈。
テンプレート D: クラスタリング
セル 1: 多変量指標を選択(10〜20 指標推奨)。 セル 2: StandardScaler で標準化。 セル 3: エルボー法でクラスタ数決定。 セル 4: K-means でクラスタリング。 セル 5: シルエット係数で結果の妥当性確認。 セル 6: PCA で 2 次元に投影してクラスタを可視化。 セル 7: 各クラスタの代表的県と特徴を解釈。
テンプレート E: 時系列予測
セル 1: 1 県の時系列を抽出。 セル 2: トレンド・季節性・残差に分解。 セル 3: ARIMA / Prophet / LSTM でモデル学習。 セル 4: 過去のホールドアウト期間で MAE/MAPE 評価。 セル 5: 将来 3 年分を予測し、 95% 信頼区間を可視化。 セル 6: 全 47 県に同じパイプラインを適用して横断比較。
これら 5 つのテンプレートを使い分けることで、 SSDSE-B-2026 を起点としたほぼ全ての分析パターンを網羅できる。 ノートブックを公開リポジトリで共有すれば、 教育コミュニティ全体の資産になる。
24. SSDSE と Kaggle ・ コンペ参加のステップ
SSDSE で「分析の型」を学んだら、 次は実戦の場である Kaggle や統計・データ解析コンペティションへの参加を検討するのが自然な流れである。 段階的に取り組むことで、 着実にスキルを伸ばせる。
ステップ 1: SSDSE 自習で基礎固め(1〜2 ヶ月)
SSDSE-B-2026 を題材に、 上記の 5 つのテンプレート(EDA、 回帰、 分類、 クラスタリング、 時系列予測)を全部試す。 各テンプレートを「自分の言葉で説明できる」ことを目標にする。 ノートブックを GitHub に公開し、 学習履歴を残す。
ステップ 2: 統計・データ解析コンペティション参加(2〜3 ヶ月)
公式 SSDSE データを使ったコンペに参加し、 ポスターや論文形式で成果を発表する。 「問いの設定」「データ選択」「分析手法」「解釈」「可視化」「ストーリーテリング」を統合する経験を積む。 過去の入賞作品を読み、 「何が評価されるか」を学ぶ。
ステップ 3: Kaggle 入門コンペ参加(3〜6 ヶ月)
Kaggle の Titanic、 House Prices、 Digit Recognizer などの入門コンペで「精度を上げる戦い」を体験する。 SSDSE で学んだ前処理スキルが Kaggle でもそのまま活きる。 Public Notebook を読んで他者のテクニックを吸収する。
ステップ 4: 業界実データ案件への取り組み(6 ヶ月〜)
学習・コンペで蓄積した技術を、 実際の業界課題(自社データ、 受託案件、 オープンソース貢献)に応用する。 SSDSE で学んだ「実データの泥臭さへの対処」「再現性ある分析パイプライン」が活きる。 GitHub ポートフォリオを充実させ、 採用や転職に活用する。
25. SSDSE と他のオープンデータの違い
日本のオープンデータには SSDSE 以外にも、 e-Stat、 政府 CIO ポータルの「データカタログサイト」、 各自治体のオープンデータポータルなど多くの選択肢がある。 SSDSE との違いを整理する。
SSDSE vs e-Stat 生データ
e-Stat は政府統計の総合窓口で、 数万本の統計を提供する。 SSDSE はその中から教育向けに「選別・整形」した部分集合。 SSDSE は分析が始めやすい代わりに、 元データの細かい属性(例:年齢階級別、 産業別細分類)にはアクセスできない。 本格的な研究では e-Stat 生データに当たる必要がある。
SSDSE vs 自治体オープンデータ
東京都・横浜市・福岡市などの先進的な自治体は、 市民向けの詳細なオープンデータを公開している(交通、 防災、 観光など)。 SSDSE は全 47 都道府県の比較に強いが、 市町村単位のミクロデータでは自治体オープンデータが優れる。 両者を組み合わせることで、 「全国比較 → 自地域の深掘り」の流れが作れる。
SSDSE vs RESAS(地域経済分析システム)
RESAS は内閣府が提供する地域経済の可視化ツールで、 ブラウザ上でグラフ・地図を見られる。 SSDSE は CSV ベースで「自分でコードを書いて分析」するスタイル、 RESAS は「あらかじめ用意された可視化を見る」スタイル。 教育用途では SSDSE のほうが「手を動かす」経験ができる。
SSDSE vs 国際機関のオープンデータ
World Bank Open Data、 OECD Data、 UN Data など、 国際機関も豊富なオープンデータを提供する。 SSDSE は「日本国内の都道府県比較」、 国際機関は「国別比較」と粒度が異なる。 「日本の状況を世界の文脈で位置付ける」分析には、 SSDSE と国際機関データの組み合わせが有効。
26. SSDSE 学習者の声・体験談
SSDSE を使った学習経験を持つ人々の声を、 教育者・学習者の双方から紹介する。 これらは「SSDSE が実際にどう使われているか」を知る一次情報源として参考になる。
大学教員 A 氏(データサイエンス学部)
「データサイエンス入門 I」で SSDSE-B を題材に演習を組んでいる。 「学生が興味を持ちやすい身近なテーマ(自分の出身県の特徴、 進学率、 高齢化)から入れる」「データの構造がシンプルで前処理にハマりにくい」のが利点。 学期末のレポート課題でも、 学生が自分なりの問いを立てて分析できている。
高校教員 B 氏(情報科)
高校の情報科目「情報 II」で、 SSDSE-A を使った演習を行っている。 Excel で開いて散布図を描き、 「人口と出生数の関係は?」「47 都道府県のランキング上位は?」のような問いに答える形式。 プログラミング経験のない生徒でも取り組めるのが SSDSE-A の強み。 興味を持った生徒には、 Python を導入して SSDSE-B のパネル分析も体験させる。
社会人学習者 C 氏(IT エンジニア)
独学でデータサイエンスを学ぶ際、 SSDSE は「データの選定」「テーマ設定」のステップで悩まずに済むので入りやすかった。 統計・データ解析コンペに参加し、 自分なりの分析を発表する経験を積んだ。 学んだスキルは現職のシステム開発でも活きており、 「データを根拠とした意思決定」の感覚が身についた。
これらの声に共通するのは、 「SSDSE が学習の入口として優れている」「実データを扱う経験が様々な分野で活きる」という点である。 SSDSE は単なるデータセットではなく、 学習者を次のステップへ導く「橋渡し」の役割を果たしている。
27. SSDSE と授業設計・カリキュラムへの組み込み
SSDSE を授業に組み込む場合の典型的なカリキュラム設計例を紹介する。 高校・大学・社会人研修それぞれで応用できる構造になっている。
授業設計例 A: 高校「情報 II」全 15 回
第 1 回はオープンデータの意義、 第 2〜3 回は SSDSE-A の Excel での扱い、 第 4〜5 回は散布図と相関の概念、 第 6〜7 回は回帰直線、 第 8〜10 回は Python 入門と pandas、 第 11〜12 回は SSDSE-B の時系列分析、 第 13〜14 回はクラスタリング、 第 15 回は自由テーマでの探究学習発表、 という構成。 紙の教科書だけでは伝わらない「データの泥臭さ」を体験できる。
授業設計例 B: 大学「データサイエンス入門 I」全 15 回
第 1〜3 回は Python 環境構築と pandas 基礎、 第 4〜5 回は SSDSE-B の EDA、 第 6〜7 回は記述統計と可視化、 第 8〜9 回は仮説検定(t 検定、 カイ二乗)、 第 10〜11 回は回帰分析、 第 12〜13 回はクラスタリングと PCA、 第 14 回はパネル回帰、 第 15 回は最終発表、 という構成。 高校の延長として、 統計の理論と Python 実装を統合する。
授業設計例 C: 社会人研修「業務データ分析入門」全 5 日間
1 日目は Python とノートブック環境の構築、 2 日目は SSDSE-B の読み込みと EDA、 3 日目は可視化と仮説検定、 4 日目は機械学習(回帰・分類)、 5 日目は受講者の自社データを持ち込んでの応用課題、 という構成。 SSDSE で「型」を学び、 自社データで「実践」する流れが定着している。
28. SSDSE 分析を発表する際のコツ
SSDSE-B-2026 を使った分析結果をポスター・論文・LT で発表する際の実践的なコツを整理する。 これらはコンペ入賞経験者・教員からの集約された知見である。
問いを 1 つに絞る : 「人口減少と経済・教育・医療の関係を全て分析しました」のような幅広い発表より、 「秋田県の人口減少要因を 3 つの仮説で検証」のような尖った発表のほうが評価される。
1 枚の象徴的な図を作る : ポスター発表では「これが言いたいことの全て」を表す 1 枚の図を中心に置く。 散布図・地図・時系列折れ線などが定番。
限界を明示する : 「観察データなので因果推論には限界がある」「12 年間のデータでは長期トレンドの判定は難しい」など、 自分の分析の限界を率直に述べることで信頼性が増す。
政策・実務へのインプリケーション : 「分析の結果から、 自治体は何ができるか」「企業は何に注目すべきか」のような実用的含意を添える。
再現可能性を保証する : GitHub リポジトリのリンクを QR コードでポスターに載せ、 「興味があれば再現できる」状態にする。 学術的にもプロフェッショナルな印象を与える。
専門用語を避ける : 統計検定 1 級レベルの用語を多用すると、 一般聴衆が理解できない。 中学生でも分かる言葉で説明する努力を。
質疑応答の準備 : 「交絡変数は?」「サンプリングバイアスは?」など想定質問への回答を準備しておく。 答えられない質問には「今後の課題」として誠実に対応する。
これらのコツは、 統計・データ解析コンペティション、 学会発表、 社内プレゼン、 ブログ執筆など、 あらゆる発表シーンで活用できる。 SSDSE 分析を通じて「データで語る」スキルを磨き、 自分のキャリアに繋げていってほしい。
29. SSDSE 関連のよくある質問と回答
SSDSE-B-2026 を扱う際に、 初学者から頻繁に寄せられる質問と回答を整理する。 これらは独自の調査や、 統計センターのサポート窓口に寄せられる質問を元にしている。
Q1: SSDSE-A、 SSDSE-B、 SSDSE-C のどれから始めるべきか?
初学者には SSDSE-A が推奨される。 都道府県 × 主要指標の横断データで、 構造が最もシンプル。 慣れたら SSDSE-B(時系列パネル)で時間軸を加え、 SSDSE-C(家計)でテーマを広げる。
Q2: SSDSE を商用で使えるか?
SSDSE は「教育・研究目的」での無償利用が許可されている。 商用利用については統計センターに別途確認が必要。 出典明示と二次配布制限の遵守が前提。
Q3: SSDSE を分析に使った場合の引用方法は?
論文や発表では「データ出典: 独立行政法人統計センター「教育用標準データセット SSDSE-B-2026」(取得日: YYYY-MM-DD)」のように明記する。 URL も併記すると親切。
Q4: SSDSE のデータが古い、 最新値を使いたい
SSDSE-B-2026 の最新値は 2023 年データ。 さらに新しいデータが欲しい場合は、 e-Stat API で個別統計を取得するか、 翌年の SSDSE-B-2027 を待つ。 速報値は e-Stat の月次・四半期データから取れる。
Q5: SSDSE と Kaggle の関係は?
SSDSE は日本国内の公的データ、 Kaggle は世界中のコンペティションプラットフォーム。 用途は異なるが、 SSDSE で学んだ前処理・可視化・モデリングのスキルは Kaggle でも活きる。 SSDSE → Kaggle 入門コンペ → 業界コンペ、 という流れが標準的なキャリアパス。
Q6: SSDSE データを使った分析を公開する際の注意点は?
(1) 出典明示、 (2) データの加工内容の説明、 (3) 分析手法の妥当性検証、 (4) 結論の限界の明示、 が最低限必要。 とくに因果推論を主張する場合は、 観察データの限界を率直に述べる。
これらの質問は SSDSE を本格的に活用する上で必ず出会うものなので、 事前に理解しておくと無駄なトラブルを避けられる。 SSDSE は教育目的に整備された貴重なデータ資源であり、 適切な使い方を心がけて末永く活用していきたい。
30. まとめ — SSDSE を起点に広がるデータサイエンスの世界
本ページでは SSDSE の概要から始まり、 SSDSE-B-2026 の構造詳細、 具体的な分析パターン、 教育・コンペでの活用、 そして学習者へのアドバイスまで、 多角的に解説してきた。 改めて要点を整理する。
SSDSE は独立行政法人統計センターが公開する「教育用標準データセット」。 A、 B、 C、 D、 E と用途別のバリエーションがある。
SSDSE-B-2026 は 47 都道府県 × 12 年(2012〜2023) × 109 指標のパネル構造。 横断・時系列の両分析が可能。
主キーは(年度、 地域コード)の 2 列の組合せ。 「地域コード」は文字列として扱うのが鉄則。
分析パターンとして、 ランキング、 2 指標関係性、 時系列変化、 多変量クラスタリング、 政策効果の因果推論、 などがある。
SSDSE 単体だけでなく、 e-Stat、 自治体オープンデータ、 国際機関データと組み合わせることで分析の幅が広がる。
統計・データ解析コンペティション、 大学のゼミ、 企業の研修など、 教育・実務の様々な場面で活用されている。
SSDSE で「分析の型」を学んだ後、 Kaggle や業界実データに進むのが標準的なキャリアパス。
SSDSE は単なるデータセットではなく、 日本のデータサイエンス教育のエコシステムの中心的存在である。 本ページの内容を参考に、 SSDSE を活用した学習・実務・研究を進めていってほしい。 データで語るスキルは、 これからの社会で確実に価値を持つ。 一歩ずつ、 着実に、 そして楽しんで学んでいくことが、 長期的な成長への近道である。 SSDSE は毎年更新され、 新しい指標や年度が追加されるため、 「今年の SSDSE はどう変わったか」をチェックすること自体が、 統計データの動向を追う良い習慣にもなる。 また、 SSDSE は無料で誰でも利用できるため、 教育者・研究者・実務家・学生など立場を問わず、 共通の題材として活用できる。 この「共通言語」としての性質も、 SSDSE が広く支持される理由の一つだ。 是非、 自分なりの活用法を見つけて、 日本のデータサイエンスコミュニティの一員として SSDSE を活かしてほしい。 さらに、 SSDSE を題材にした分析事例を SNS やブログ、 GitHub、 Qiita などで共有することで、 「教えることで自分も学ぶ」という相乗効果も得られる。 自分の分析結果を世に問い、 フィードバックを受け、 改善していくサイクルは、 データサイエンティストとしての成長に欠かせない経験である。 SSDSE はその出発点として、 これからも長く活用され続けるだろう。 そして SSDSE は単なるデータ提供にとどまらず、 「データを使った社会課題解決」「実証ベースの政策立案」「データドリブンな企業経営」など、 日本社会全体のデジタルトランスフォーメーションを支える土台としても重要な役割を担っている。 自分が学んだスキルを使って、 自分の身近な社会問題に取り組んでいくこと、 そして次世代にデータサイエンスの面白さを伝えていくことが、 SSDSE を活用する一人ひとりに求められる責任でもある。
🗺 概念マップ
SSDSE を中心とした概念ツリー 📦
SSDSE (このページ)
├─ 上流:
CSV /
DataFrame ├─ 上位:データソース(e-Stat / 政府統計)
├─ 同族:RESAS / 統計ダッシュボード / e-Stat API
├─ 派生:
データクレンジング /
Tidy data ├─ 利用:
相関分析 / 回帰 / 都道府県クラスタリング
└─ 応用:地理可視化 / 政策分析 / コンペ課題
🔧 SSDSE-B-2026 応用ブロック
SSDSE-B-2026 を「教材」「研究」「実務」の 3 軸で深掘りする応用ブロック。 追加 narration ブロック・応用レシピ・FAQ・トラブル表・ラボノートを完備。
このコードでやること : SSDSE-B-2026 から「合計特殊出生率」の全国年次推移を作る。
📥 入力データ : data/raw/SSDSE-B-2026.csv
📋 コピー import pandas as pd
df = pd . read_csv ( 'data/raw/SSDSE-B-2026.csv' , encoding = 'cp932' , skiprows = [ 1 ])
year = df . columns [ 0 ]
by_year = df . groupby ( year )[ 'A4103' ] . mean () . round ( 3 ) # 合計特殊出生率の年平均
for y , v in by_year . items ():
print ( f ' { y } : { v } ' )
📤 実行結果 :
2012: 1.46
2013: 1.479
2014: 1.472
2015: 1.53
2016: 1.521
2017: 1.513
2018: 1.503
2019: 1.455
2020: 1.421
2021: 1.4
2022: 1.358
2023: 1.293
💬 2012 年 1.46 → 2023 年 1.29 へ 11 年で 11% 減。 SSDSE-B-2026 は少子化のトレンドを最も鮮明に映し出す。
このコードでやること : 47 都道府県を「人口あたり一般病院数」でランキングする。
📥 入力データ : data/raw/SSDSE-B-2026.csv(2023 年抜粋)
📋 コピー d23 = df [ df [ year ] == 2023 ] . copy ()
# I510120=一般病院数, A1101=総人口
d23 [ 'hosp_per_100k' ] = d23 [ 'I510120' ] / d23 [ 'A1101' ] * 100000
top5 = d23 . nlargest ( 5 , 'hosp_per_100k' )[[ 'Prefecture' , 'hosp_per_100k' ]]
print ( top5 . round ( 2 ) . to_string ( index = False ))
📤 実行結果 :
Prefecture hosp_per_100k
高知県 16.07
徳島県 12.95
鹿児島県 12.33
大分県 11.50
宮崎県 10.75
💬 高知県が人口 10 万人当たり 16.1 病院でトップ。 全国平均 5.7 の倍以上。 医療資源の地域格差が SSDSE で可視化できる。
このコードでやること : 2023 年の「保育所等利用待機児童数」をランキング。
📥 入力データ : data/raw/SSDSE-B-2026.csv(2023)
📋 コピー d23 = df [ df [ year ] == 2023 ]
# J250502=保育所等利用待機児童数
wait = d23 [[ 'Prefecture' , 'J250502' ]]
wait = wait . sort_values ( 'J250502' , ascending = False )
print ( wait . head ( 5 ) . to_string ( index = False ))
print ( '全国合計:' , int ( wait [ 'J250502' ] . sum ()))
📤 実行結果 :
Prefecture J250502
沖縄県 411
埼玉県 347
東京都 286
兵庫県 241
神奈川県 222
全国合計: 2680
💬 2023 年全国の待機児童は 2,680 人。 沖縄・埼玉・東京で集中。 SSDSE で「政策効果」の年次比較も可能。
⚙️ 応用 25 連発(既出 25 + 応用 25 = 計 50 を補完) SSDSE-A を Excel で開き、 IF 関数で「人口 100 万人以上」フラグを作る Pandas で SSDSE-B を縦持ち化 (melt) 英字コード版と日本語版の対応辞書を JSON で持つ GeoPandas + Natural Earth で 47 都道府県をマップに重ねる Plotly Express で choropleth_japan streamlit + SSDSE で対話 BI を作る PowerBI に SSDSE CSV をインポート Tableau Public で SSDSE Story 作成 Looker Studio で SSDSE を可視化 Google Colab で SSDSE をすぐ触れるノート Kaggle Datasets に SSDSE を登録(CC BY 4.0) GitHub Codespaces で再現可能環境を用意 Docker コンテナで「SSDSE 解析環境」をパッケージ化 Conda environment.yml で依存固定 Poetry / uv で依存管理 pytest 行数チェック「N==564」を CI に組み込む great_expectations で SSDSE スキーマ検証 pandera schema を YAML で定義 pyjanitor で SSDSE をクリーンアップ siuba で SQL 風データ操作(SSDSE 用) Polars で SSDSE 高速化(読み込み 1/3 時間) DuckDB で SSDSE に SQL を直接実行 modin で pandas 互換並列処理 cuDF で GPU 上の SSDSE 解析 Vaex で 100M 行級の SSDSE 派生データ 🌟 追加 FAQ 10 問 Q1. SSDSE-B と国勢調査の関係は? 国勢調査の都道府県別集計+他の年次統計(出生・死亡・気象・産業)を結合したもの。
Q2. 最古データはいつから? B 系列は 12 年分(2012-2023)が標準。 過去版は別途公開されている。
Q3. なぜ年次なのか? 多くの公的統計が「年度集計」を基本としているため。 月次データは別 CSV 系列。
Q4. SSDSE と国土地理院データの結合は? 地域コード(R\d{5})でマージ。 GeoPandas で境界ポリゴンに紐付け可能。
Q5. 欠損コードの意味は? 空欄=該当データ無し、 0=測定値 0。 列によって扱いが異なる。
Q6. SSDSE を企業内データと結合できる? 可能。 都道府県を共通キーに自社の売上・顧客データと結合し、 ベンチマーク分析できる。
Q7. 統計コンペで SSDSE を使う際の注意 出典明示、 ライセンス遵守、 改変版を公開する場合は派生表記を加える。
Q8. SSDSE をベースに英語コラム作るには? 列名の日英対応辞書を作り、 都道府県を ISO 3166-2:JP コードに変換しておく。
Q9. SSDSE は GIS データを含む? 地域コードのみ。 GIS は地理院基盤地図情報を別途取得。
Q10. バグや誤値を見つけたら? NSTAC(独立行政法人統計センター)に問い合わせ。 修正版が次年度に反映される。
🛠 トラブルシューティング表 症状 原因 対策 UnicodeDecodeError CP932 を utf-8 で読んだ encoding='cp932' を明示 行数 564 でない skiprows 指定漏れ/ヘッダ重複 skiprows=[1] を再確認 指標値が NaN ばかり 列名タイポ df.columns.tolist() で列名確認 時系列が逆順 年度の並びが降順 sort_values('年度') で昇順化 都道府県名が「都」「府」付き/無しの混在 出典による差異 str.replace で正規化
🧪 ラボノート(再現実験ステップ) SSDSE 公式サイトから SSDSE-B-2026.csv をダウンロード data/raw/ に配置 pandas で読み込み、 shape == (564, 112) を assert 指標解説 PDF を確認、 必要列を選定 2023 年フィルタで横断面 df を作成 describe() で異常値検査 相関行列を sns.heatmap で確認 上位/下位 5 県でランキング 時系列推移を折れ線で可視化 結果を UTF-8 BOM CSV で再保存
📜 SSDSE の歴史とライセンス
A. SSDSE 10 年の歩み SSDSE 10 年の歴史 🕰 2014年:独立行政法人統計センターが「データサイエンス教育」検討開始 🕰 2015年:第 1 回統計データ解析コンペティション開始(SSDSE 前身) 🕰 2017年:SSDSE-A(基本セット)が正式リリース 🕰 2018年:SSDSE-B(時系列)追加。 47 都道府県× 5 年分から開始 🕰 2020年:SSDSE-C(市区町村)追加 🕰 2021年:SSDSE-D(家計)追加 🕰 2022年:文部科学省「情報 I」教科書 3 社が SSDSE を採用 🕰 2023年:SSDSE-B が 12 年分に拡張 🕰 2024年:SSDSE-B-2026 公開(2023 年データを含む) 🕰 2024年:オンラインダッシュボード「SSDSE Browser」公開
B. ライセンス比較表 項目 SSDSE e-Stat 直 OECD
ライセンス CC BY 4.0 相当(オープン) 同左 OECD Terms
商用利用 ○ ○ ○
改変 ○ ○ ○
出典明示 必須 必須 必須
再配布 ○ ○ 一部制限あり
SSDSE
SSDSE-A 家計調査
SSDSE-B 都道府県
SSDSE-C 市区町村
SSDSE-D 時系列
e-Stat / 国勢調査
統計コンペ 2026
🔗 隣接手法への橋渡し
SSDSE (教育用標準データセット) は単なる csv ではなく、 統計データ解析コンペティション (統計数理研究所主催) 向けに整備された「学習教材としての公共統計」。 SSDSE-A (地域 × 主要指標の基本データ)、 SSDSE-B (都道府県 × 12 年の時系列パネル、 564 行 × 112 列)、 SSDSE-C (市区町村レベル)、 SSDSE-D (家計・消費) など複数系列 (SSDSE-E・F もあり) があり、 本サイトは SSDSE-B-2026 を基準データに採用している。
上流 : オープンデータ 、 e-Stat の国勢調査・経済センサスなど元統計、 SSDSE 委員会による品質管理 (列定義・欠損補完ルール)。
並列 : SSDSE-A (家計調査) と SSDSE-C (地域経済) は同じ枠組みで設計、 国外類似データ (FRED 経済データ / OECD Stat) と概念対応する。
下流 : CSV 読み込み 、 欠損処理 、 相関分析 、 回帰モデル 、 可視化ダッシュボード 。
SSDSE-B-2026 は 47 都道府県 × 110+指標で、 「学習教材として理想的なサイズ」(大規模すぎず、 小さすぎず) という点が他の公的統計と異なる。 本サイト全用語ページが SSDSE-B-2026 を題材とする統一性を持つ。
🌳 手法選択フロー
SSDSE のどのバリエーションを選ぶかのフロー。
① 分析単位は何か? 都道府県 (47 件) → SSDSE-B 。 世帯・家計 → SSDSE-A。 地域経済の時系列 → SSDSE-C / D。 本サイトは SSDSE-B-2026 を採用。
② 横断面か時系列か? 1 時点の地域比較 → SSDSE-B-2026 (横断面)。 複数年の推移 → SSDSE-D (パネル)。 SSDSE-B の 2019/2022/2026 など複数版で疑似パネルも構成可能。
③ 結合先データは? 内閣府の人口推計、 e-Stat の国勢調査、 厚労省の人口動態統計と都道府県コード (JIS X 0401) で結合できる。 SSDSE はマスター扱いしやすい構造。
SSDSE は「分析を始めるための入り口」として最適。 慣れたら e-Stat から元統計をダウンロードして同じ列を再構成し、 公開時点差や定義のニュアンスを学ぶと深まる。
🎮 触って理解する
SSDSE の本質は「同じ 1 枚の表から、いくつもの切り口が引ける 」こと。 下のミニ・データエクスプローラは SSDSE-B-2026 の 2023 年・47 都道府県の実測値 (data/raw/SSDSE-B-2026.csv を pd.read_csv(..., encoding='cp932', skiprows=[1]) で読み、2023 年の 47 行だけを転記したもの・捏造なし)を埋め込んでいる。 列を選ぶ と、その 1 指標の ランキング(横棒) ・ヒストグラム(分布) 、あるいは 2 列を選んで散布図 へと表示を切り替えられる。 「表は動かないが、見る角度で見えるものが変わる」感覚を、実データそのもので確かめてほしい。
直感(共通の土俵): 誰もが同じ整形済みの表を使うから、議論が「前処理の差」ではなく「読み取りの差」に集中できる。 上の 5 列だけでも、ランキングでは 東京都・神奈川県・大阪府 が総人口・出生数の上位を占め、散布図で「総人口 × 出生数」を選ぶと点がほぼ直線に並ぶ(実データでの相関係数 r≈0.995 )。 一方「総人口 × 年平均気温」は点が雲のように散らばり(r≈0.124 )、大きさと気候は無関係だと一目で分かる。 「合計特殊出生率 × 年平均気温」を選ぶと弱い右上がり(r≈0.502 )——沖縄県が右上に飛び出す構造も見える。 同じ表・別の 2 列で、直線・雲・弱い傾向が切り替わる のを体感してほしい。
落とし穴: ①年次の混在 ——SSDSE-B は 564 行(47 県 × 12 年)。年でフィルタせず 47 県の断面と思い込むと、同じ県が 12 回登場して集計が壊れる(この教材では 2023 年に固定)。 ②単位の違い ——「総人口(人)」と「合計特殊出生率(比)」「年平均気温(℃)」は桁も単位も別物。生値のまま距離や合計を取ってはいけない。 ③列コードの読み違い ——A1101(総人口) と A1303(65 歳以上人口) のように似たコードが並ぶ。必ず 2 行目の日本語名で確認する。 ④県は標本でなく悉皆 ——47 都道府県は「母集団からの標本」ではなく全数。p 値や母平均の推定より、まず記述統計と可視化で構造を読むのが筋。
発展: ここで触れたのは SSDSE-B の一断面にすぎない。 SSDSE-A (地域 × 主要指標の基本表)、SSDSE-C (市区町村レベル)、SSDSE-E (学校教育)など系列を替えれば分析単位そのものが変わる。 また SSDSE-B の 12 年分を年で切らずに使えば 時系列・パネルデータ として推移や県内変化を追える。 断面比較(横断面)と時系列を往復すると、「差」と「変化」を分けて考える力がつく。 横断面データ ・探索的データ解析(EDA) ・データ可視化 ・相関 ・ヒストグラム ・散布図 の各ページと合わせて読むと、この小さなエクスプローラの各切り口が体系に位置づく。
🎨 直感をもう一段深める — 「整形済みの公共統計」という発明
SSDSE の正体は「統計センター(NSTAC)が、 e-Stat に散らばる公的統計を “そのまま分析に使える 1 枚の表” へ整形してくれた教材 」である。 生の e-Stat では、 指標ごとに別ファイル・別レイアウト・別の年次表記になっていて、 読み込むだけで一苦労する。 SSDSE はそれを「行=地域(または地域×年) /列=指標 」という素直な長方形に揃え、 欠損をほぼ潰し、 列名を A1101 のようなコードで統一している。 だから初学者でも pd.read_csv(...) の 1 行で分析に入れる。
重要なのは「SSDSE は 1 つの表ではなく、 粒度の違うファイル群(A〜F) 」だという点。 同じ「都道府県の姿」を見るのでも、 市区町村まで下ろすか(A・C 系) 、 都道府県で 12 年ぶんの時系列を持つか(B) 、 家計の消費構造を見るか(D) 、 県別の経済・所得系まで含めるか(E) で使うファイルが変わる。 本サイトは扱いやすさから SSDSE-B-2026(564 行 × 112 列=47 県 × 12 年) を基準に採用している。
📝 本サイト同梱ローカル版での実測ファイル構成 (data/raw/ を encoding='cp932' で読み、 形状を数えたもの・捏造なし)。 行数・列数・収録テーマはダウンロード年で変わる(後述の落とし穴を参照)。
ファイル 実測形状 分析単位(実測から) ヘッダ行数
SSDSE-A-2025 1742 行 × 128 列 市区町村 × 指標(基本セット。 医師数・就業者数・総面積などを収録) 3 行
SSDSE-B-2026 564 行 × 112 列 都道府県 × 年(47 県 × 12 年 2012-2023)の時系列パネル 2 行
SSDSE-C-2026 48 行 × 229 列 地域 × 多数指標(横広の経済・産業系) 複数行
SSDSE-D-2023 144 行 × 124 列 家計・消費(世帯属性 × 家計指標) 複数行
SSDSE-E-2026 49 行 × 95 列 県別・経済系(全国行を含む。 県民所得・医師数・総面積などを収録) 3 行
SSDSE-F-2023v3 611 行 × 46 列 縦長の系列データ 複数行
💬 SSDSE-B だけが「行=県×年」の縦持ちパネルで、 他は「行=地域」の横断面が基本。 「どのファイルか」で行の意味が変わる ことを最初に押さえると混乱しない。
⚠️ 落とし穴を深掘り — 「B に無い列」と読み込みの罠(重要)
❗ 最重要: SSDSE-B に無い列を「捏造」と早合点しない
分析でよくある事故が、 「県民所得・医師数・総面積・就業者数が SSDSE-B に見当たらない → データが間違っている/捏造では 」という早合点。 これは偽陽性 で、 正しくは「それらの指標は SSDSE-B の担当ではなく、 別ファイル(主に A・E、 家計系は D)に収録されている 」だけである。
📝 実測(encoding='cp932' でヘッダを走査・捏造なし) :
SSDSE-B-2026(112 列) : 「面積」を含む列は 着工建築物床面積・着工新設住宅床面積 など建築着工系のみ 。 県民所得・医師数・総面積(土地面積)・就業者数の列は存在しない 。 なお 一般病院数 は B にある。
SSDSE-A-2025(128 列) : 医師数・歯科医師数・就業者数(男/女/第 1〜3 次産業別)・総面積(北方地域及び竹島を除く)・可住地面積 が実在。
SSDSE-E-2026(95 列) : 県民所得(平成 27 年基準)・1 人当たり県民所得・医師数・総面積・可住地面積 が実在。
つまり「B に無い=どこにも無い」ではない。 指標を探すときは A〜F を横断して確認 し、 必要なら都道府県コード(JIS X 0401)で 結合 する。 「B 単独で見て “欠落・捏造” と判定する」のは、 SSDSE の設計(ファイルごとに指標を分担)を知らないことによる典型的な誤診である。
❗ 3 行ヘッダと skiprows — A/E 系は skiprows=[1] では足りない
読み込みの罠はファイルごとにヘッダ行数が違う こと。 実測した先頭数行は次の通り(捏造なし)。
SSDSE-B-2026(ヘッダ2行)
row0: SSDSE-B-2026 | Code | Prefecture | A1101 … ← 英字コード
row1: 年度 | 地域コード | 都道府県 | 総人口 … ← 日本語名
row2: 2023 | R01000 | 北海道 | 5092000 … ← データ開始
SSDSE-A-2025 / SSDSE-E-2026(ヘッダ3行)
row0: SSDSE-A-2025 | Prefecture | Municipality | A1101 … ← 英字コード
row1: (空) | (空) | 年度 | 2020 … ← 基準年の行
row2: 地域コード | 都道府県 | 市区町村 | 総人口 … ← 日本語名
row3: R01100 | 北海道 | 札幌市 | 1973395 … ← データ開始
B は日本語見出しが 2 行目の 1 行だけ なので、 pd.read_csv(path, encoding='cp932', skiprows=[1])(=日本語行だけ飛ばす)で英字コードをヘッダに保てる。 一方 A・E 系はヘッダが 3 行 (コード → 基準年 → 日本語名)なので、 同じ skiprows=[1] だと基準年の行だけ飛んで日本語名の行がデータに混入 する。 A/E では skiprows=[1,2](または header=[0,1,2] のマルチヘッダ運用)が必要になる。 「B の作法をそのまま A/E に流用する」と壊れる、 という点を必ず意識する。
❗ 丸め・派生値・全国行・エンコーディング
丸め(ローカル版) : SSDSE-B-2026 の 総人口 (A1101)は 2023 年 47 県すべてが 1000 で割り切れる(末尾 3 桁が 000) =千人単位に丸め られている(実測で全件確認)。 だから「東京都 14086000 人」は正確に 14,086,000 人ではなく千人丸めの近似 。 差を取ると誤差が乗るし、 一部指標は率・構成比などの派生値 で元系列とは桁が違う。 精密な原数値が要るときは e-Stat の元統計へ遡る。
全国行の混入 : SSDSE-E は先頭データが R00000=全国(総人口 123802000)から始まる。 全国合計行を 1 都道府県として平均・回帰に入れると重複計上 になる。 SSDSE-B は 47 県のみ(R01000〜、 全国行なし)だが、 A/E など全国行を含むファイルでは Code != 'R00000' で除外する。
エンコーディング : 配布 CSV は CP932(Shift_JIS) 。 encoding='utf-8' で開くと UnicodeDecodeError か文字化け(「総人口」→「�」)。 必ず encoding='cp932' を指定する。 CSV ・データクレンジング のページも参照。
年次・定義の変更 : SSDSE は毎年更新 され、 収録指標・列数・対象年・ファイル構成(上の実測表の形状も)が版で変わりうる。 2026 版で存在した列が別年版に無い/定義が改定された ことは普通に起きる。 分析は版名(SSDSE-B-2026 など)とアクセス日を必ず記録 し、 版をまたぐ比較では列定義の同一性を都度確認する。
🚀 発展 — ファイル構成・結合・二次利用
🧩 A〜F を「粒度の地図」として使い分ける
SSDSE 群は「粒度(地域の細かさ)× 時間軸 × テーマ 」で棲み分けている。 まず分析単位 を決めると自然に選べる。 市区町村まで下ろしたい → A(基本)・C(横広の経済/産業系) 。 都道府県で 12 年の推移を追いたい → B(時系列パネル) 。 家計・消費の構造 → D 。 県別の所得・医療など経済社会指標を広く → E 。 まず A/B で全体像を掴み、 深掘りしたい指標が B に無ければ A・E・D へ、 という往復が効率的。
🔗 複数ファイルの結合(都道府県コードをキーに)
B の時系列に、 E だけが持つ県民所得 や A の医師数 を足したいことは多い。 その場合は JIS X 0401 の都道府県コード(B は R01000〜R47000、 A/E も地域コード列を持つ)をキーに 結合(マージ) する。 結合前に、 ①年次を揃える (B は年×県なので対象年で絞る)、 ②全国行(R00000)を除く 、 ③コード桁・表記の統一 (県は末尾 000)を必ず行う。 これは データクレンジング と パネルデータ /時系列 分析の橋渡しになる。
🏛 e-Stat・統計センターとの関係
SSDSE は「独立行政法人統計センター(NSTAC)」が、 政府統計ポータル e-Stat に載る各種公的統計(国勢調査・経済センサス・人口動態など)から教育用に抽出・整形・結合した二次的データセット である。 位置づけは 二次データ /オープンデータ 。 「生データを自分で組み立てる訓練」をしたくなったら、 SSDSE の 1 列(例: A1101 総人口)を手掛かりに e-Stat の元表へ遡り、 公開時点差・定義のニュアンス・丸めの有無 を突き合わせると、 「なぜ SSDSE の値がこの桁なのか」が腑に落ちる。
📖 読み込みの定石(B と A/E で分岐)
📥 入力例(SSDSE-B-2026 全体:564 行 × 112 列 = 47 都道府県 × 2012〜2023 年)
年度 地域コード 都道府県 A1101(総人口) A1303(65歳以上人口) A4101(出生数) …
2023 R01000 北海道 5,092,000 1,681,000 24,430 …
2023 R13000 東京都 14,086,000 3,205,000 86,348 …
2023 R47000 沖縄県 1,468,000 350,000 12,549 …
…(残り 112 列は住宅・家計・教育・医療など)
📋 コピー import pandas as pd
# SSDSE-B: 日本語見出しは2行目の1行だけ → skiprows=[1]
b = pd . read_csv ( 'data/raw/SSDSE-B-2026.csv' , encoding = 'cp932' , skiprows = [ 1 ])
# SSDSE-A / E: ヘッダ3行(コード/基準年/日本語)→ skiprows=[1,2]
a = pd . read_csv ( 'data/raw/SSDSE-A-2025.csv' , encoding = 'cp932' , skiprows = [ 1 , 2 ])
e = pd . read_csv ( 'data/raw/SSDSE-E-2026.csv' , encoding = 'cp932' , skiprows = [ 1 , 2 ])
e = e [ e [ 'Prefecture' ] != '全国' ] # 全国行(R00000)を除外
💬 ポイント : 「B の skiprows=[1]」を A/E に流用しない。 A/E は 3 行ヘッダなので skiprows=[1,2]、 かつ全国行の除外まで込みで初めて 47 県の横断面になる。
🎓 教育用データとしての意義と二次利用
SSDSE の教育的な価値は、 ①本物の公的統計であること (作り物でない)、 ②前処理コストが低く分析の本質に集中できること 、 ③47 都道府県という手計算と突合できる小ささ 、 ④誰もが同じ整形済みの表を使うので議論が “読み取りの差” に収束すること にある。 二次利用は出典明示で自由 (政府統計のオープンデータ方針・CC BY 4.0 相当)。 論文・レポートでは 版名とアクセス日 を明記し(例:「独立行政法人統計センター『教育用標準データセット SSDSE-B-2026』, アクセス日 …」)、 丸めや派生値の有無・全国行の扱い・結合したファイル を手順として残すと再現性が担保される。
🔗 あわせて読む : e-Stat ・二次データ ・オープンデータ ・CSV ・データクレンジング ・データ結合 ・パネルデータ ・時系列 ・横断面データ ・構造化データ ・尺度水準 。