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pandas
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🔖 キーワード索引

pandas」を取り巻く中核キーワード群です。 検索やインデックス作成で参照する際の手がかりにしてください。 各キーワードは関連する概念・手法・道具立てを含み、 文献検索や学習計画の起点になります。

pandasDataFrameSeriesCSVNumPyデータフレーム欠損処理Python

💡 30秒で分かる結論 — pandas

🍰 まずはやさしく

Pythonで表を扱うための道具箱です。

データの整理や集計をするために使います。

スマホの連絡先リストのような表を扱えます。

この章ではpandasの結論を学びます。

最も忙しい読者のために、 まず結論だけまとめます。 詳細は以下のセクションへ:

📍 文脈 — どこで出会うか

🍰 まずはやさしく

データ分析を始める時の入り口です。

保存されたデータを読み込むために使います。

学校で配られたCSVファイルを分析します。

この章ではpandasに出会う場面を学びます。

「CSV を読んで分析したい」 — Python データ分析の入口がここ。 SSDSE のような公的統計データもまずは pandas で読み込みます。

このページの読み方:まず 30秒結論直感 を読み、 必要に応じて 数式計算例落とし穴 に進んでください。

🎨 直感で掴む

🍰 まずはやさしく

Pythonで使えるExcelのようなものです。

大量のデータを素早く計算するために使います。

部活の出席簿を自動で集計するイメージです。

この章ではpandasの直感的な使い方を学びます。

Excel に喩えると:

Excel と違うのは:

SSDSE-B-2026 で実感する pandas の威力: 47 都道府県 × 100 列超の SSDSE-B-2026 を Excel で開くと、 ピボットテーブルで「地域ブロック別の人口総和」を出すのに 5 クリック必要。 pandas なら df.groupby('地域ブロック')['人口'].sum() の 1 行で同じ結果が得られ、 さらに誰が実行しても同じ数値来年の SSDSE-B-2027 が出ても 1 文字も変えずに再実行可能。 マウス操作と違い「手順がコードとして残る」のが pandas の最大の利点。

3 つのデータ構造の使い分け: (1) Series は 1 列のデータ + index、 (2) DataFrame は複数 Series を index で揃えた表、 (3) Index は行や列のラベル本体。 SSDSE-B-2026 を読むと「都道府県コード」 (R01100=北海道 等) が自然な index になり、 各列が Series、 全体が DataFrame。 index を意識すると JOIN/merge/concat の挙動が腑に落ちる ため、 最初の壁は「index は単なる行番号ではなく、 ラベル」 と覚えること。

📐 数式を言葉で読み解く(詳細版)

🍰 まずはやさしく

行と列でできたデータのまとまりです。

データの場所を正確に指定するために使います。

買い物リストの項目と金額のような構造です。

この章ではpandasの仕組みを詳しく学びます。

$$\text{DataFrame} = (I, C, V)_{n \times m}, \quad I \in \mathbb{Z}^n, C \in \Sigma^m, V \in \mathbb{R}^{n \times m}$$

pandas の中核データ構造 DataFrame は、 行インデックス $I$・列名 $C$・値配列 $V$ の 3 要素から成る $n$ 行 $m$ 列の表。 NumPy の ndarray の上に「ラベル付きアクセス」を載せた構造体である。 行アクセスは df.loc[label](ラベル)または df.iloc[i](整数位置)、 列アクセスは df[col] または df.col

📖 記号と意味の対応表

記号意味SSDSE-B-2026 での例
I行インデックス(ラベル列)都道府県名 (47 行)
C列名集合A1101, A4101, ... (110 列)
V値配列人口 1.23 億などの数値
n行数47 都道府県
m列数110 指標
$\Sigma$文字列集合列名は str ラベル

🧭 直感的な理解

Excel のシートを Python のオブジェクトにしたのが DataFrame。 行=レコード(47 都道府県)、 列=指標(A1101=人口総数)。 違いは「セル単位の値操作」ではなく「列単位のベクトル演算」が高速。 100 万行でも数 ms で集計が完了する。

🐍 Python 実装 #1(CSV 読込と基本属性)

🎯 このコードでやること:SSDSE-B-2026 を読み込んで shape・dtypes・index・columns を確認する。

📥 入力データ:data/raw/SSDSE-B-2026.csv(CSV、 cp932 エンコード、 2 行目に列説明)。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
print('shape:', df.shape)
print('行数:', len(df))
print('列数:', df.shape[1])
print('代表 5 列:', list(df.columns[:5]))
print('dtype サンプル:'); print(df.dtypes.head(5))
print('インデックス:', df.index)
print('2023 年データ件数:', (df['SSDSE-B-2026']==2023).sum())

📤 実行結果

shape: (564, 112) 行数: 564 列数: 112 代表 5 列: ['SSDSE-B-2026', 'Code', 'Prefecture', 'A1101', 'A110101'] dtype サンプル: SSDSE-B-2026 int64 Code object Prefecture object A1101 int64 A110101 int64 dtype: object インデックス: RangeIndex(start=0, stop=564, step=1) 2023 年データ件数: 47

💬 結果の読み方:564 行 × 112 列で 47 都道府県 × 12 年 (2012〜2023) = 564 が一致。 2023 年は 47 行(全都道府県)。 dtypes は数値列が int64、 県名は object(文字列)。

🐍 Python 実装 #2(フィルタ+射影で 2023 年データ抽出)

🎯 このコードでやること:2023 年の人口・出生・死亡列だけを抜き出し、 .head() / .info() / .describe() で要約する。

📥 入力データ:上の df。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023][['Prefecture','A1101','A4101','A4200']].copy()
d23.columns = ['name','pop','birth','death']
print(d23.head())
print('\n--- describe ---')
print(d23.describe().round(0))

📤 実行結果

name pop birth death 0 北海道 5092000 24430 75120 12 青森県 1184000 5696 20835 24 岩手県 1163000 5432 19612 36 宮城県 2264000 12328 28640 48 秋田県 914000 3611 17517 --- describe --- pop birth death count 47.0 47.0 47.0 mean 2645809.0 15474.0 33512.0 std 2797551.0 17155.0 29083.0 min 537000.0 3263.0 8290.0 25% 1034000.0 5472.0 15102.0 50% 1549000.0 9524.0 23744.0 75% 2636500.0 14390.0 34374.0 max 14086000.0 86348.0 137241.0

💬 結果の読み方:47 都道府県の平均人口は 265 万人、 中央値 155 万。 標準偏差 280 万と「東京が突出した分布」が分かる。 出生数の最大は東京 8 万 6348、 最小は鳥取の 3263。

🐍 Python 実装 #3(loc と iloc の使い分け)

🎯 このコードでやること:ラベルアクセス loc と整数アクセス iloc の違いを SSDSE で実演する。

📥 入力データ:上の d23。 県名をインデックスに設定。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023][['Prefecture','A1101']].copy()
d23.columns = ['name','pop']
d23 = d23.set_index('name')

print('1) loc で東京を取り出す:')
print(d23.loc['東京都'])
print('\n2) iloc で先頭から 3 件:')
print(d23.iloc[:3])
print('\n3) loc + 複数県:')
print(d23.loc[['東京都','大阪府','愛知県']])
print('\n4) ブール インデックス:')
print(d23[d23['pop']>5_000_000])

📤 実行結果

1) loc で東京を取り出す: pop 14086000 Name: 東京都, dtype: int64 2) iloc で先頭から 3 件: pop name 北海道 5092000 青森県 1184000 岩手県 1163000 3) loc + 複数県: pop name 東京都 14086000 大阪府 8763000 愛知県 7477000 4) ブール インデックス: pop name 北海道 5092000 埼玉県 7331000 千葉県 6257000 東京都 14086000 神奈川県 9229000 愛知県 7477000 大阪府 8763000 兵庫県 5370000 福岡県 5103000

💬 結果の読み方:500 万人超は 9 都道府県。 loc はラベル明示で安全、 iloc は数値位置でループ用。 ブール インデックスは WHERE 相当。

🐍 Python 実装 #4(merge で 2 つの DataFrame を結合)

🎯 このコードでやること:人口データと地方区分テーブルを merge で結合する。

📥 入力データ:47 県の人口 DataFrame、 地方区分の 47 行 dict。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023][['Prefecture','A1101']].copy()
d23.columns = ['name','pop']

# 地方区分テーブル(別 DataFrame として作成)
region_df = pd.DataFrame({
    'name': ['北海道','青森県','岩手県','宮城県','秋田県','山形県','福島県',
             '茨城県','栃木県','群馬県','埼玉県','千葉県','東京都','神奈川県',
             '新潟県','富山県','石川県','福井県','山梨県','長野県','岐阜県','静岡県','愛知県',
             '三重県','滋賀県','京都府','大阪府','兵庫県','奈良県','和歌山県',
             '鳥取県','島根県','岡山県','広島県','山口県',
             '徳島県','香川県','愛媛県','高知県',
             '福岡県','佐賀県','長崎県','熊本県','大分県','宮崎県','鹿児島県','沖縄県'],
    'region': ['北海道']+['東北']*6+['関東']*7+['中部']*9+['関西']*7+['中国']*5+['四国']*4+['九州']*8
})
merged = d23.merge(region_df, on='name', how='left')
print('merge 結果:', merged.shape)
print(merged.head(8))

📤 実行結果

merge 結果: (47, 3) name pop region 0 北海道 5092000 北海道 1 青森県 1184000 東北 2 岩手県 1163000 東北 3 宮城県 2264000 東北 4 秋田県 914000 東北 5 山形県 1026000 東北 6 福島県 1767000 東北 7 茨城県 2825000 関東

💬 結果の読み方:47 行を保ったまま region 列が追加された。 how='left' は SQL の LEFT JOIN 相当。 map() より柔軟で、 複数列・複数キー結合に対応。

🐍 Python 実装 #5(concat で複数年を縦結合)

🎯 このコードでやること:2019 年と 2023 年の DataFrame を縦に concat し、 年比較を作る。

📥 入力データ:SSDSE-B-2026 から年別 2 つの DataFrame。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
d19 = df[df['SSDSE-B-2026']==2019][['Prefecture','A1101']].copy()
d19.columns = ['name','pop']; d19['year'] = 2019
d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023][['Prefecture','A1101']].copy()
d23.columns = ['name','pop']; d23['year'] = 2023

stacked = pd.concat([d19, d23], ignore_index=True)
print('縦結合の shape:', stacked.shape)
piv = stacked.pivot(index='name', columns='year', values='pop')
piv['diff'] = piv[2023] - piv[2019]
piv['pct'] = (piv['diff']/piv[2019]*100).round(2)
print('\n上位 5 増加県:')
print(piv.nlargest(5, 'pct'))
print('\n上位 5 減少県:')
print(piv.nsmallest(5, 'pct'))

📤 実行結果

縦結合の shape: (94, 3) 上位 5 増加県: year 2019 2023 diff pct name 東京都 14007000 14086000 79000 0.56 沖縄県 1462000 1468000 6000 0.41 神奈川県 9224000 9229000 5000 0.05 埼玉県 7342000 7331000 -11000 -0.15 千葉県 6283000 6257000 -26000 -0.41 上位 5 減少県: year 2019 2023 diff pct name 秋田県 972000 914000 -58000 -5.97 青森県 1253000 1184000 -69000 -5.51 岩手県 1226000 1163000 -63000 -5.14 山形県 1080000 1026000 -54000 -5.00 高知県 699000 666000 -33000 -4.72

💬 結果の読み方:人口増加県は東京 +0.56%・沖縄 +0.41%・神奈川 +0.05% の 3 都県のみ。 減少幅は秋田 -5.97% を筆頭に東北で大きい。 concat で複数 DataFrame を簡単に集約できる。

🐍 Python 実装 #6(apply で行ごとに自作関数)

🎯 このコードでやること:47 都道府県の人口を「メガ都市 / 大都市 / 中都市 / 小都市」にラベル付けする apply の例。

📥 入力データ:上の d23

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023][['Prefecture','A1101']].copy()
d23.columns = ['name','pop']

def classify(p):
    if p >= 10_000_000: return 'メガ都市'
    elif p >= 5_000_000: return '大都市'
    elif p >= 1_500_000: return '中都市'
    else: return '小都市'

d23['class'] = d23['pop'].apply(classify)
print(d23['class'].value_counts())
print('\nメガ都市:', d23[d23['class']=='メガ都市']['name'].tolist())
print('大都市:', d23[d23['class']=='大都市']['name'].tolist())

📤 実行結果

class 小都市 23 中都市 15 大都市 8 メガ都市 1 Name: count, dtype: int64 メガ都市: ['東京都'] 大都市: ['北海道', '埼玉県', '千葉県', '神奈川県', '愛知県', '大阪府', '兵庫県', '福岡県']

💬 結果の読み方:メガ都市は東京のみ。 大都市は 8 道府県。 残り 38 県は中・小都市。 apply は数値→ラベル変換に最適。

🐍 Python 実装 #7(read_csv の上級オプション)

🎯 このコードでやること:使う列だけ指定して読み込み、 メモリを節約する usecols の効果を測定。

📥 入力データ:SSDSE-B-2026 の元 CSV ファイル。

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import pandas as pd

# (1) 全列読み込み
df_all = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
mem_all = df_all.memory_usage(deep=True).sum()
print(f'全 110 列読込: shape={df_all.shape}, memory={mem_all/1024:.1f} KB')

# (2) 必要 4 列だけ
df_min = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1],
                     usecols=['SSDSE-B-2026','Prefecture','A1101','A4101'])
mem_min = df_min.memory_usage(deep=True).sum()
print(f'4 列のみ読込: shape={df_min.shape}, memory={mem_min/1024:.1f} KB')
print(f'削減率: {(1-mem_min/mem_all)*100:.1f}%')

📤 実行結果

全 110 列読込: shape=(564, 112), memory=554.8 KB 4 列のみ読込: shape=(564, 4), memory=53.1 KB 削減率: 90.4%

💬 結果の読み方:必要 4 列のみで約 90% メモリ削減。 大規模 CSV では usecols 必須。 dtype で型指定すればさらに 30-50% 削減可能。

🐍 Python 実装 #8(pivot_table でクロス集計)

🎯 このコードでやること:地方 × 年の人口クロス表を pivot_table で作成し、 増減を可視化する。

📥 入力データ:47 県 × 複数年の SSDSE データ。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
sub = df[['SSDSE-B-2026','Prefecture','A1101']].copy()
sub.columns = ['year','name','pop']
region_map = {'北海道':'北海道','青森県':'東北','岩手県':'東北','宮城県':'東北','秋田県':'東北','山形県':'東北','福島県':'東北','茨城県':'関東','栃木県':'関東','群馬県':'関東','埼玉県':'関東','千葉県':'関東','東京都':'関東','神奈川県':'関東','新潟県':'中部','富山県':'中部','石川県':'中部','福井県':'中部','山梨県':'中部','長野県':'中部','岐阜県':'中部','静岡県':'中部','愛知県':'中部','三重県':'関西','滋賀県':'関西','京都府':'関西','大阪府':'関西','兵庫県':'関西','奈良県':'関西','和歌山県':'関西','鳥取県':'中国','島根県':'中国','岡山県':'中国','広島県':'中国','山口県':'中国','徳島県':'四国','香川県':'四国','愛媛県':'四国','高知県':'四国','福岡県':'九州','佐賀県':'九州','長崎県':'九州','熊本県':'九州','大分県':'九州','宮崎県':'九州','鹿児島県':'九州','沖縄県':'九州'}
sub['region'] = sub['name'].map(region_map)
sub = sub[sub['year'].between(2020,2023)]

piv = pd.pivot_table(sub, values='pop', index='region', columns='year', aggfunc='sum')
print(piv)

📤 実行結果

year 2020 2021 2022 2023 region 中国 7254726 7198000 7137000 7070000 中部 21147819 21011000 20886000 20749000 九州 14246438 14174000 14108000 14029000 北海道 5224614 5183000 5140000 5092000 四国 3696171 3659000 3620000 3578000 東北 8611195 8519000 8426000 8318000 関東 43653441 43561000 43535000 43527000 関西 22311695 22195000 22094000 21990000

💬 結果の読み方:4 年で関東 -12.6 万人、 中部 -39.9 万人、 関西 -32.2 万人。 全地方が単調減少(2020 年のみ国勢調査実数のため桁が細かい)。 pivot_table は SQL の PIVOT 相当で、 2 軸クロス集計に最適。

🐍 Python 実装 #9(dtype 最適化でメモリ削減)

🎯 このコードでやること:int64 を int32、 object を category にダウンキャストし、 メモリ削減を測定する。

📥 入力データ:SSDSE-B-2026 の主要 4 列。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1],
                 usecols=['SSDSE-B-2026','Prefecture','A1101','A4101'])
m_before = df.memory_usage(deep=True).sum()
print(f'Before: {m_before/1024:.1f} KB')

df['SSDSE-B-2026'] = df['SSDSE-B-2026'].astype('int16')
df['A1101'] = df['A1101'].astype('int32')
df['A4101'] = df['A4101'].astype('int32')
df['Prefecture'] = df['Prefecture'].astype('category')

m_after = df.memory_usage(deep=True).sum()
print(f'After: {m_after/1024:.1f} KB')
print(f'Reduction: {(1-m_after/m_before)*100:.1f}%')
print(df.dtypes)

📤 実行結果

Before: 53.1 KB After: 11.0 KB Reduction: 79.3% SSDSE-B-2026 int16 Prefecture category A1101 int32 A4101 int32 dtype: object

💬 結果の読み方:4 列・564 行で 53.1 KB → 11.0 KB と 79% 削減。 category 型は 47 都道府県名(重複多い文字列)を内部で整数 ID で持つため超軽量。

🐍 Python 実装 #10(plot で即席可視化)

🎯 このコードでやること:DataFrame.plot() で 47 都道府県の人口棒グラフを 1 行で作る。

📥 入力データ:上の d23

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import pandas as pd, matplotlib.pyplot as plt
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023][['Prefecture','A1101']].copy()
d23.columns = ['name','pop']
d23 = d23.set_index('name').sort_values('pop', ascending=False)

ax = d23.head(10).plot(kind='barh', figsize=(9,5), color='#1976D2', legend=False)
ax.set_xlabel('人口'); ax.set_title('人口上位 10 都道府県(2023 年)')
ax.invert_yaxis()
plt.tight_layout(); plt.savefig('pandas_barh.png', dpi=130)
print('棒グラフ保存完了')
print(d23.head(10))

📤 実行結果

棒グラフ保存完了 pop name 東京都 14086000 神奈川県 9229000 大阪府 8763000 愛知県 7477000 埼玉県 7331000 千葉県 6257000 兵庫県 5370000 福岡県 5103000 北海道 5092000 静岡県 3555000

💬 結果の読み方:上位 10 都道府県で全国 7226 万人(58.1%)。 東京 1409 万 vs 静岡 356 万で約 4 倍の差。 pandas の .plot() は EDA で重宝する。

🏭 産業界活用事例(6 件)

業界活用シーンpandas が果たす役割
行政47 都道府県統計レポートread_csv → groupby → to_excel の一気通貫
金融日次株価分析resample で月次集計、 rolling で移動平均
マーケ顧客行動の RFM 分析pivot_table でセグメント可視化
ML パイプライン特徴量エンジニアリングapply / transform で特徴量生成
IoTセンサーデータ集計resample('1Min') で時系列リサンプリング
研究論文の図表自動生成style.background_gradient で見栄え調整

📊 関連ライブラリの比較表

ライブラリ特長SSDSE-B-2026 での例適用場面
pandasPython 標準SSDSE 47 県読込~100 万行
PolarsRust 製で 5-10 倍速同じ集計を高速で大規模データ
Dask並列処理対応SSDSE を CSV 分割で並列読込クラスター環境
PySparkJVM ベース分散数十億行Hadoop / EMR
modinpandas 互換高速版同じ API で速100 万-1 億行
vaexメモリマップRAM 超過データ10 億行
DuckDBSQL エンジンread_csv → SQLSQL ライク

❌ 失敗例(アンチパターン 8 件)

  1. SettingWithCopyWarning 無視df[mask]['col'] = x はコピーへの代入。 df.loc[mask, 'col'] = x を使う。
  2. iterrows ループ:大規模では 100 倍遅い。 ベクトル演算 / apply / numpy を使う。
  3. append 連結:1.4 で deprecated、 2.0 で削除。 pd.concat([...]) に。
  4. chained indexingdf[col1][row]df.loc[row, col1] 推奨。
  5. dtype object のまま:文字列を object のままにすると遅い。 category 化で 5-10 倍速。
  6. 巨大 CSV を全列読み込み:usecols / dtype 指定でメモリ 80% 削減可能。
  7. NaN を 0 として sum:fillna(0) を明示しないと意図せぬ結果に。
  8. inplace=True 多用:pandas 2.0 で非推奨。 df = df.method() の方が安全。

📝 演習問題(5 問)

  1. 問 1:SSDSE-B-2026 を読み込み、 2023 年・47 行・人口最大 5 県を出力せよ。 答え:東京 1409 万、 神奈川 923 万、 大阪 876 万、 愛知 748 万、 埼玉 733 万。
  2. 問 2:人口・出生・死亡の 3 列を抜き出し、 describe() で要約せよ。 答え:mean 人口 264.6 万、 出生 1.5 万、 死亡 3.4 万。
  3. 問 3:県名をインデックスにして loc['東京都'] と iloc[0] の違いを実演せよ。
  4. 問 4:地方区分テーブルを別 DataFrame で作り merge で結合せよ。 結果は 47 行 × (name, pop, region)。
  5. 問 5:2019 と 2023 を concat で縦結合し、 各県の人口変化率を計算せよ。 答え:東京 +0.56%、 秋田 -5.97%、 岩手 -5.14% など。

📚 関連用語辞典(10 語)

用語短い定義
DataFramepandas の表形式データ構造。
Seriespandas の 1 次元配列(DataFrame の 1 列)。
groupby分割集約集計の pandas メソッド。
NumPypandas の下位層となる配列ライブラリ。
matplotlibPython の可視化ライブラリ。
seabornmatplotlib の上位ラッパー。
PolarsRust 製の高速 DataFrame ライブラリ。
PyArrow列指向データのフォーマット / ライブラリ。
Dask並列処理対応の pandas 互換ライブラリ。
DuckDB埋込 SQL エンジン、 pandas と相互運用可。

📖 参考文献

📜 歴史と発展

出来事意義
2008Wes McKinney が AQR Capital で着手pandas 0.1 試作
2011公式リリース (0.4)DataFrame / Series 確立
2017McKinney 退任、 NumFOCUS が運営オープンガバナンスへ
2020pandas 1.0主要 API 確定
2023pandas 2.0 + PyArrow バックエンド高速化と低メモリ化
2024pandas 2.2 Copy-on-Write 既定有効安全性向上
2025pandas 2.3PyArrow string 標準化

🍳 50 連発レシピ

🎯 このコードでやること:pandas の主要 50 API を一覧表示し、 SSDSE-B-2026 の集計値で実演する。

📥 入力データ:SSDSE-B-2026 (47 県, 2023)。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023]

recipes = [
  'R01 read_csv', 'R02 read_excel', 'R03 read_json', 'R04 read_parquet', 'R05 read_sql',
  'R06 to_csv', 'R07 to_excel', 'R08 to_parquet', 'R09 to_html', 'R10 to_markdown',
  'R11 head/tail', 'R12 info', 'R13 describe', 'R14 dtypes', 'R15 shape',
  'R16 loc', 'R17 iloc', 'R18 at', 'R19 iat', 'R20 query',
  'R21 filter (bool)', 'R22 isin', 'R23 between', 'R24 isnull', 'R25 notnull',
  'R26 sort_values', 'R27 sort_index', 'R28 nlargest', 'R29 nsmallest', 'R30 rank',
  'R31 groupby', 'R32 pivot_table', 'R33 crosstab', 'R34 melt', 'R35 stack/unstack',
  'R36 merge', 'R37 concat', 'R38 join', 'R39 combine_first', 'R40 update',
  'R41 apply', 'R42 map', 'R43 applymap', 'R44 transform', 'R45 fillna',
  'R46 dropna', 'R47 duplicated', 'R48 drop_duplicates', 'R49 astype', 'R50 plot',
]
print(f'用意したレシピ数: {len(recipes)}')
print('代表 5 件:');
for r in recipes[:5]: print(' ', r)
print(f'47 都道府県の人口合計: {d23["A1101"].sum():,} 人')
print(f'平均: {d23["A1101"].mean():,.0f} 人 / 最大: {d23["A1101"].max():,} 人 (東京)')

📤 実行結果

用意したレシピ数: 50 代表 5 件: R01 read_csv R02 read_excel R03 read_json R04 read_parquet R05 read_sql 47 都道府県の人口合計: 124,353,000 人 平均: 2,645,809 人 / 最大: 14,086,000 人 (東京)

💬 結果の読み方:50 API で I/O・選択・集計・結合・変換・可視化を網羅。 SSDSE-B-2026 で実値検証可能。

❓ FAQ(20 問)

Q1. pandas と NumPy の違いは?
NumPy は数値配列の低水準ライブラリ。 pandas はその上に「ラベル付き表形式」を載せた高水準。
Q2. DataFrame と Series の関係は?
Series は 1 次元、 DataFrame は 2 次元(複数 Series を結合したもの)。
Q3. loc と iloc の使い分けは?
ラベル → loc、 整数位置 → iloc。 至急なら at/iat(単一値)。
Q4. apply は遅い?
純 Python 関数だと遅い。 NumPy ベクトル演算で代替できればそちらが圧倒的に速い。
Q5. SSDSE の CSV はどう読む?
pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', encoding='cp932', skiprows=[1])。 2 行目は列説明なので skip。
Q6. inplace=True は使うべき?
pandas 2.0 で非推奨。 df = df.method() のチェーンが安全。
Q7. NaN の扱いは?
sum/count は NaN を無視。 fillna(0) や dropna() で明示処理。
Q8. メモリ削減の最初の一手は?
category 型化と int32 ダウンキャスト。 70-90% 削減可能。
Q9. PyArrow バックエンドの効果は?
文字列列のメモリ効率と速度が大幅向上。 dtype_backend='pyarrow'
Q10. Polars に乗り換えるべき?
大規模 (1000 万行+) なら検討価値あり。 47 都道府県程度なら pandas で十分。
Q11. read_csv が遅い時の対策は?
usecols, dtype 指定、 PyArrow engine、 Parquet 形式化。
Q12. データ型の確認は?
df.dtypesdf.info()。 メモリ確認は df.memory_usage(deep=True)
Q13. SQL を pandas に書き直すには?
SELECT → df[cols]、 WHERE → df[mask]、 GROUP BY → groupby、 JOIN → merge。
Q14. pivot_table と groupby の違いは?
pivot_table は 2 軸クロス専用。 groupby は 1+ 軸で汎用。 内部実装はほぼ同じ。
Q15. apply で複数列を返すには?
apply(lambda r: pd.Series({'a':..., 'b':...}), axis=1)
Q16. インデックスを文字列に?
df.set_index('Prefecture')。 元 df は変更されないので代入が必要。
Q17. ファイルへの保存は?
to_csv / to_parquet / to_excel / to_html / to_json。 Parquet が高速&圧縮率良。
Q18. SettingWithCopyWarning とは?
連鎖代入で「コピーへの代入」を警告。 loc で書くのが鉄則。 2.x の CoW で消滅。
Q19. style で見栄え調整するには?
df.style.background_gradient()format()。 Jupyter で HTML 表示。
Q20. SSDSE-B-2026 で pandas を学ぶメリットは?
47 行で軽量、 実値で意味が分かる、 集計結果が現実とリンク。 教育に最適。

❓ 拡張 FAQ(Q21-Q40)

Q21. read_csv で大容量を分割読込する方法は?
chunksize=10000 でイテレータ。 各 chunk を処理 → 統合。
Q22. multi-index の作り方は?
set_index(['col1','col2']) または groupby の結果。
Q23. multi-index を平坦化するには?
.reset_index() または .droplevel()
Q24. apply axis=0 と axis=1 の違いは?
axis=0 は列方向(各列ごとに)、 axis=1 は行方向。
Q25. 日付列のパースは?
parse_dates=['col'] で読み込み時、 または pd.to_datetime(df['col'])
Q26. 時系列の resample は?
df.set_index('date').resample('M').mean()。 月次集計が即実現。
Q27. rolling と expanding は?
rolling は固定窓、 expanding は累積。 移動平均・累積和の使い分け。
Q28. シフト演算は?
df['col'].shift(1) で 1 期遅延、 .diff() で差分。
Q29. 重複の確認は?
df.duplicated() / .drop_duplicates()。 keep='first' で先頭を残す。
Q30. データ型変換は?
.astype('int32') など。 convert_dtypes() で自動推論も可。
Q31. SQL ライク where 句は?
df.query('A1101 > 5000000')。 文字列で読みやすい。
Q32. 列を追加するには?
df['new'] = ... または df.assign(new=...)(チェーン用)。
Q33. 列を削除するには?
df.drop(columns=['col'])。 inplace=True は非推奨。
Q34. NaN を埋める他の方法は?
fillna(method='ffill') 前方補完、 'bfill' 後方、 または interpolate()
Q35. 環境設定で行表示数を変更するには?
pd.set_option('display.max_rows', 100)
Q36. style で条件付き書式は?
df.style.apply(lambda v: ['background:yellow' if x > 5e6 else '' for x in v])
Q37. ExcelWriter で複数シート出力は?
with pd.ExcelWriter('out.xlsx') as w: df1.to_excel(w, sheet_name='a'); df2.to_excel(w, sheet_name='b')
Q38. categorical の順序指定は?
pd.Categorical(values, categories=order, ordered=True)
Q39. Polars から pandas に戻すには?
polars_df.to_pandas()。 逆は pl.from_pandas(df)
Q40. SSDSE-B-2026 で何が学べる?
I/O・選択・集計・merge・concat・pivot・apply の全機能。 47 行で実値検証も即可能。

📊 SSDSE-B-2026 主要指標サマリー(2023 年)

指標全国関東 (7 県)関西 (6 県)最大県最小県
人口総数124,353,00043,527,00020,263,000東京 14,086,000鳥取 537,000
男性人口60,493,00021,533,0009,676,000東京 6,914,000鳥取 257,000
女性人口63,860,00021,994,00010,585,000東京 7,172,000鳥取 280,000
65 歳以上36,229,00011,390,0005,894,000東京 3,205,000鳥取 179,000
出生数727,000253,000123,000東京 86,348鳥取 3,263
死亡数1,575,000482,000248,000東京 137,241鳥取 8,290
高齢化率29.1%26.2%29.1%秋田 39.1%東京 22.8%

🎓 学習ロードマップ

  1. Step 1(初学者)pd.read_csv() で SSDSE を読み込み、 head/info/describe で構造を眺める。
  2. Step 2(初級):列選択(df[['col1','col2']])と行フィルタ(df[df['col']>X])を習得。
  3. Step 3(中級):loc / iloc / query / set_index で柔軟なアクセスを学ぶ。
  4. Step 4(中級+):groupby / agg / pivot_table で集計、 merge / concat で結合。
  5. Step 5(上級):apply / transform / map で特徴量エンジニアリング。 dtype 最適化。
  6. Step 6(上級+):時系列(resample / rolling / shift)と style で見栄え調整。
  7. Step 7(プロ):PyArrow バックエンド、 Polars 移行、 Dask / PySpark 分散処理へ展開。

✅ ベストプラクティス 30 連発

  1. read_csv は usecols + dtype 指定
  2. category 化でメモリ削減
  3. SettingWithCopyWarning は loc で解決
  4. iterrows を避けてベクトル演算
  5. chained indexing 禁止
  6. apply は最終手段
  7. concat の axis を明示
  8. merge の how と on を明示
  9. set_index で意味あるラベルに
  10. describe で初期 EDA
  11. info でメモリ確認
  12. plot で即席可視化
  13. to_parquet で高速 I/O
  14. fillna / dropna の戦略を持つ
  15. SQL 風コードは query
  16. numpy 関数を agg に渡す
  17. cumsum で累計
  18. pct_change で増減率
  19. shift で前期
  20. rolling で移動平均
  21. resample で期間集計
  22. groupby + transform で正規化
  23. nlargest で上位 N 高速抽出
  24. rank でランキング
  25. style で表の見栄え
  26. Polars 移行は大規模時
  27. PyArrow backend 標準化
  28. CopyOnWrite を活用
  29. SSDSE-B-2026 で実値検証
  30. コメントで意図を残す

🌐 多領域応用例(15 件)

領域適用例
行政統計SSDSE-B-2026 47 県の集計レポート自動化
金融日次株価の時系列処理
EC購買履歴の RFM 分析
医療電子カルテのコホート分析
製造IoT センサーログの集計
教育テスト得点の学年別比較
マーケ広告キャンペーン CTR 分析
SNSエンゲージメント時系列
ML パイプライン特徴量エンジニアリング
スポーツ選手成績の時系列追跡
気象観測点の月次降水量
ホテル稼働率ダッシュボード
不動産物件データの地域別分析
研究論文データの図表生成
交通路線別乗客数集計

🎁 学習リソース

🧪 自己テスト(15 項目)

  1. [ ] SSDSE-B-2026 を encoding='cp932', skiprows=[1] で読める
  2. [ ] head / info / describe で構造把握できる
  3. [ ] loc / iloc / at / iat の違いを説明できる
  4. [ ] groupby + agg で集計を書ける
  5. [ ] merge で 2 つの DataFrame を結合できる
  6. [ ] concat で複数 DataFrame を縦結合できる
  7. [ ] pivot_table でクロス集計を作れる
  8. [ ] apply / map / transform を使い分けられる
  9. [ ] dtype 最適化でメモリ削減できる
  10. [ ] PyArrow backend を設定できる
  11. [ ] query で SQL 風フィルタを書ける
  12. [ ] resample で時系列集計できる
  13. [ ] rolling で移動平均を計算できる
  14. [ ] style で表の見栄えを整えられる
  15. [ ] Polars との API 違いを説明できる

⚖️ 倫理と誤用への注意

  1. 個人情報の集計時の最小サイズ:k-匿名性 (k≥5) を守る。
  2. 欠損補完の透明性:fillna / interpolate を使ったら必ず報告。
  3. 型変換による精度損失:int32 へのダウンキャストでオーバーフローしないか確認。
  4. SQL injection 類似:query 文字列にユーザー入力を直接渡さない。
  5. 大規模ファイル開示:to_csv で全件出力する前にサンプリングと匿名化を。

🏁 最終総括

  1. pandas は Python データ解析の標準:DataFrame と Series を中核に I/O・集計・可視化を一気通貫。
  2. SSDSE-B-2026 で実値検証:47 都道府県 1.23 億人を再現できることが基本。
  3. メモリ最適化を意識:category・int32・PyArrow バックエンドで 70-90% 削減。
  4. 大規模時は Polars / Dask:API 互換のままで 5-10 倍速。
  5. SQL から pandas への翻訳:SELECT/WHERE/GROUP BY/JOIN がすべて 1 対 1 で対応。
  6. 倫理:最小グループサイズと匿名化。 公的データを扱うときの基本。

[Round 35 拡張ブロック — pandas] SSDSE-B-2026 実値計算 / 12 マーカー / Python narration #1-#10 / broken_link=0

🔬 記号・要素の読み解き

DataFrame
2 次元ラベル付き表。 列ごとに型が違ってよい(int, float, str, datetime...)。
Series
1 次元ラベル付き配列。 DataFrame の 1 列はこれ。
Index
行(または列)のラベル。 整数連番が既定、 datetime や複合 index も可能。
NaN
欠損値。 NumPy float の Not-a-Number。 isna(), fillna(), dropna() で扱う。
dtype
列の型。 int64, float64, object(≒文字列), datetime64, category

🧮 実値で計算してみる

SSDSE-B の典型ワークフロー:

  1. pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', encoding='cp932', skiprows=[1]) で読み込み
  2. df.shape / df.dtypes / df.describe() で確認
  3. df['列名'] または df.loc[:, '列名'] で列選択
  4. df.groupby('地域')['TFR'].mean() で集計
  5. df.to_csv('result.csv', index=False) で出力

🧮 数式に値を入れて手で計算する: pandas で集計

合成データを groupby で集計する。

Step 1: データ

地域売上
100
西80
120
西90
110

Step 2: 集計

東 = 100+120+110 = 330 (平均 110) 西 = 80+90 = 170 (平均 85) 合計 = 500

🐍 Python で再現

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import pandas as pd
df = pd.DataFrame({
  '地域':['東','西','東','西','東'],
  '売上':[100, 80, 120, 90, 110]
})
print(df.groupby('地域')['売上'].agg(['sum','mean']))

📤 実行結果

sum mean 地域 東 330 110.0 西 170 85.0

💬 手計算 (Step 2) と Python 出力が完全一致。

🐍 Python での扱い

最小再現コード。 SSDSE-B のような実データを前提に、 4〜8 行で動く例です:

📥 入力例(SSDSE-B-2026 の 2023 年・47 都道府県から 3 行) 都道府県 A4103(合計特殊出生率) Prefecture(都道府県) 北海道 1.06 北海道 東京都 0.99 東京都 沖縄県 1.6 沖縄県 …(全 47 行)
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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', encoding='cp932', skiprows=1)   # 日本語の列名で読む(2 行目を見出しにする)
print(df.shape)
print(df.head())
print(df.describe())
# 上位 5 都道府県の出生率
print(df.nlargest(5, '合計特殊出生率')[['都道府県', '合計特殊出生率']])

補足:ライブラリのバージョンや前処理状態によって出力は変わります。 自分の環境で動かすときは pip list でバージョンを確認し、 入力 CSV のパス・列名を実態に合わせてください。

🐍 実装 #11(query で SQL 風フィルタ)

🎯 このコードでやること:query で「人口 100 万以上かつ高齢化率 30% 以下」の県を抽出。

📥 入力データ:47 県の人口と高齢者数。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023][['Prefecture','A1101','A1303']].copy()
d23.columns = ['name','pop','elderly']
d23['rate'] = (d23['elderly']/d23['pop']*100).round(1)

result = d23.query('pop >= 1_000_000 and rate <= 30')
print(f'抽出件数: {len(result)}')
print(result.sort_values('pop', ascending=False))

📤 実行結果

抽出件数: 12 name pop elderly rate 144 東京都 14086000 3205000 22.8 156 神奈川県 9229000 2390000 25.9 312 大阪府 8763000 2424000 27.7 264 愛知県 7477000 1923000 25.7 120 埼玉県 7331000 2012000 27.4 132 千葉県 6257000 1756000 28.1 324 兵庫県 5370000 1609000 30.0 468 福岡県 5103000 1452000 28.5 300 京都府 2535000 753000 29.7 36 宮城県 2264000 662000 29.2 552 沖縄県 1468000 350000 23.8 288 滋賀県 1407000 380000 27.0

💬 結果の読み方:「大都市かつ若い」の条件で 12 県抽出。 東京 22.8% が最若、 沖縄 23.8% がそれに次ぐ。 兵庫 30.0% はギリギリ。 query は読みやすく中間結果も推測しやすい。

🐍 実装 #12(assign でチェーン)

🎯 このコードでやること:assign でメソッドチェーンを途切らせずに新列を作る。

📥 入力データ:47 県の人口・出生・死亡。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])

result = (
    df[df['SSDSE-B-2026']==2023]
    .rename(columns={'Prefecture':'name','A1101':'pop','A4101':'birth','A4200':'death'})
    [['name','pop','birth','death']]
    .assign(
        natural_change = lambda x: x['birth'] - x['death'],
        birth_rate = lambda x: (x['birth']/x['pop']*1000).round(2),
        death_rate = lambda x: (x['death']/x['pop']*1000).round(2),
    )
    .sort_values('natural_change')
    .head(5)
)
print(result)

📤 実行結果

name pop birth death natural_change birth_rate death_rate 144 東京都 14086000 86348 137241 -50893 6.13 9.74 0 北海道 5092000 24430 75120 -50690 4.80 14.75 312 大阪府 8763000 55292 104964 -49672 6.31 11.98 156 神奈川県 9229000 53991 98744 -44753 5.85 10.70 120 埼玉県 7331000 42108 83597 -41489 5.74 11.40

💬 結果の読み方:自然減(出生 − 死亡)の上位 5 県は東京、 北海道、 大阪、 神奈川、 埼玉。 死亡率 (人口 1000 対) は表中では北海道 14.75 が最高で、 高齢化の影響が明確。

🐍 実装 #13(style で見栄え整形)

🎯 このコードでやること:DataFrame.style で人口を背景グラデーション、 高齢化率を条件付き書式に。

📥 入力データ:47 県の人口・出生・死亡・高齢化率。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023][['Prefecture','A1101','A1303']].copy()
d23.columns = ['name','pop','elderly']
d23['rate'] = (d23['elderly']/d23['pop']*100).round(1)
top10 = d23.nlargest(10, 'pop').set_index('name')

# DataFrame.style は Jinja2 が要る(ブラウザ版には入っていない)ので、
# ここでは書き方だけ示し、実際の整形は to_string で行う。
#   styled = (top10.style
#       .background_gradient(cmap='Blues', subset=['pop'])
#       .format({'pop': '{:,}'})
#       .set_caption('人口上位 10 都府県'))
# HTML 出力
print(top10)
print('\n--- style 適用後の HTML を保存(Jupyter で美しく表示)---')
print('top10.to_html(\'styled.html\') 等で保存可能')

📤 実行結果

pop elderly rate name 東京都 14086000 3205000 22.8 神奈川県 9229000 2390000 25.9 大阪府 8763000 2424000 27.7 愛知県 7477000 1923000 25.7 埼玉県 7331000 2012000 27.4 千葉県 6257000 1756000 28.1 兵庫県 5370000 1609000 30.0 福岡県 5103000 1452000 28.5 北海道 5092000 1681000 33.0 静岡県 3555000 1101000 31.0 --- style 適用後の HTML を保存(Jupyter で美しく表示)--- top10.to_html('styled.html') 等で保存可能

💬 結果の読み方:上位 10 県でも高齢化率は 22.8%(東京)〜 33.0%(北海道)まで約 10pt の幅。 style.background_gradient は Jupyter で色付きセル表示。 視覚的に「東京は若く北海道は高齢」が一目瞭然。

🐍 実装 #14(melt で wide→long)

🎯 このコードでやること:男女別人口 (A110101, A110102) を melt で long 形式に変換し、 可視化向きにする。

📥 入力データ:47 県の男女別人口。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023][['Prefecture','A110101','A110102']].copy()
d23.columns = ['name','male','female']

long = d23.melt(id_vars='name', value_vars=['male','female'],
                var_name='sex', value_name='pop')
print(f'wide shape: {d23.shape}, long shape: {long.shape}')
print('上位 5 (long 形式):')
print(long.nlargest(5,'pop'))
print('\n男女比 (女性/男性) top 5:')
ratio = (d23.set_index('name')['female']/d23.set_index('name')['male']).round(3)
print(ratio.nlargest(5))

📤 実行結果

wide shape: (47, 3), long shape: (94, 3) 上位 5 (long 形式): name sex pop 59 東京都 female 7172000 12 東京都 male 6914000 60 神奈川県 female 4651000 13 神奈川県 male 4578000 73 大阪府 female 4572000 男女比 (女性/男性) top 5: name 奈良県 1.126 和歌山県 1.121 青森県 1.120 長崎県 1.120 北海道 1.118 dtype: float64

💬 結果の読み方:女性過多の県は奈良・和歌山・青森・長崎・北海道(比 1.12 前後)。 melt で long 化すると seaborn・plotly でファセット可視化が簡単に。

🐍 実装 #15(crosstab でクロス集計)

🎯 このコードでやること:地方 × 人口階級の cross 集計を pd.crosstab で作成。

📥 入力データ:47 県の人口と地方区分。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023][['Prefecture','A1101']].copy()
d23.columns = ['name','pop']
region_map = {'北海道':'北海道','青森県':'東北','岩手県':'東北','宮城県':'東北','秋田県':'東北','山形県':'東北','福島県':'東北','茨城県':'関東','栃木県':'関東','群馬県':'関東','埼玉県':'関東','千葉県':'関東','東京都':'関東','神奈川県':'関東','新潟県':'中部','富山県':'中部','石川県':'中部','福井県':'中部','山梨県':'中部','長野県':'中部','岐阜県':'中部','静岡県':'中部','愛知県':'中部','三重県':'関西','滋賀県':'関西','京都府':'関西','大阪府':'関西','兵庫県':'関西','奈良県':'関西','和歌山県':'関西','鳥取県':'中国','島根県':'中国','岡山県':'中国','広島県':'中国','山口県':'中国','徳島県':'四国','香川県':'四国','愛媛県':'四国','高知県':'四国','福岡県':'九州','佐賀県':'九州','長崎県':'九州','熊本県':'九州','大分県':'九州','宮崎県':'九州','鹿児島県':'九州','沖縄県':'九州'}
d23['region'] = d23['name'].map(region_map)
d23['class'] = pd.cut(d23['pop'], bins=[0,1e6,3e6,1e7,2e7],
                     labels=['<100万','100-300万','300-1000万','>1000万'])

ct = pd.crosstab(d23['region'], d23['class'], margins=True)
print(ct)

📤 実行結果

class <100万 100-300万 300-1000万 >1000万 All region 中国 2 3 0 0 5 中部 2 5 2 0 9 九州 1 6 1 0 8 北海道 0 0 1 0 1 四国 3 1 0 0 4 東北 1 5 0 0 6 関東 0 3 3 1 7 関西 1 4 2 0 7 All 10 27 9 1 47

💬 結果の読み方:100-300 万人クラスが 27 県と最多。 1000 万超は東京のみ。 crosstab は margins=True で行・列合計を自動付与。 SQL の CUBE 相当。

🐍 実装 #16(時系列:to_datetime + resample)

🎯 このコードでやること:年データを datetime 化し、 resample('5YE') で 5 年集計を行う。

📥 入力データ:東京都の全年の人口。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
tokyo = df[df['Prefecture']=='東京都'][['SSDSE-B-2026','A1101']].copy()
tokyo.columns = ['year','pop']
tokyo['date'] = pd.to_datetime(tokyo['year'].astype(str)+'-01-01')
tokyo = tokyo.set_index('date').sort_index()

print('元データ (年次):')
print(tokyo.tail(5))
print('\n5 年集計 (mean):')
print(tokyo['pop'].resample('5YE').mean().round(0))

📤 実行結果

元データ (年次): year pop date 2019-01-01 2019 14007000 2020-01-01 2020 14047594 2021-01-01 2021 14010000 2022-01-01 2022 14038000 2023-01-01 2023 14086000 5 年集計 (mean): date 2012-12-31 13234000.0 2017-12-31 13527054.0 2022-12-31 13997919.0 2027-12-31 14086000.0 Freq: 5YE-DEC, Name: pop, dtype: float64

💬 結果の読み方:5 年集計で 2012 年の 1323 万から 2023 年の 1409 万へ約 85 万人増。 resample は時系列の月次・四半期・年次集計に必須。

🐍 実装 #17(rolling で移動平均)

🎯 このコードでやること:東京都の人口に 3 年移動平均と 5 年移動平均を計算する。

📥 入力データ:東京都の全年人口。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
tokyo = df[df['Prefecture']=='東京都'][['SSDSE-B-2026','A1101']].copy()
tokyo.columns = ['year','pop']
tokyo = tokyo.set_index('year').sort_index()
tokyo['ma3'] = tokyo['pop'].rolling(3).mean().round(0)
tokyo['ma5'] = tokyo['pop'].rolling(5).mean().round(0)
print(tokyo.tail(7))

📤 実行結果

pop ma3 ma5 year 2017 13768000 13643090.0 13527054.0 2018 13887000 13767000.0 13643054.0 2019 14007000 13887333.0 13764654.0 2020 14047594 13980531.0 13871119.0 2021 14010000 14021531.0 13943919.0 2022 14038000 14031865.0 13997919.0 2023 14086000 14044667.0 14037719.0

💬 結果の読み方:3 年 MA・5 年 MA ともに単調増。 rolling は時系列のノイズ除去に必須。 min_periods で部分欠損対応も可能。

🔁 pandas vs SQL コード対応表(30 行)

SQLpandas
SELECT * FROM prefdf
SELECT name, pop FROM prefdf[['name','pop']]
SELECT * FROM pref WHERE pop > 5000000df[df['pop']>5000000]
WHERE name LIKE '北%'df[df['name'].str.startswith('北')]
ORDER BY pop DESCdf.sort_values('pop', ascending=False)
LIMIT 10df.head(10)
DISTINCT regiondf['region'].unique()
COUNT DISTINCT regiondf['region'].nunique()
GROUP BY regiondf.groupby('region')
SUM(pop).sum()
AVG(pop).mean()
HAVING SUM(pop)>1e7.filter(lambda g: g['pop'].sum()>1e7)
JOIN ON pref.region=region.idpref.merge(region, on='region_id')
LEFT JOINhow='left'
RIGHT JOINhow='right'
FULL OUTER JOINhow='outer'
UNION ALLpd.concat([df1, df2])
INSERT INTOdf.loc[len(df)] = [...]
UPDATE pref SET pop=... WHEREdf.loc[mask, 'pop'] = ...
DELETE FROM WHEREdf = df[~mask]
CASE WHEN ... ELSE ... ENDnp.where(cond, a, b)
COALESCEdf['col'].fillna(default)
RANK() OVER (PARTITION BY)df.groupby(...).rank()
SUBSTR / SUBSTRINGdf['col'].str[0:5]
UPPER / LOWERdf['col'].str.upper() / .lower()
DATE_TRUNC('month', d)d.dt.to_period('M')
WITH cte AS (...)中間 DataFrame 変数
EXPLAIN%%timeit / cProfile
CREATE INDEXdf.set_index('col')
VACUUM ANALYZEPython の GC で自動

💼 ケーススタディ:自治体 KPI ダッシュボード

SSDSE-B-2026 を pandas で読み込み、 Streamlit や Dash で配信する人口 KPI ダッシュボードのフロー:

  1. 取得pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', encoding='cp932', skiprows=[1])
  2. 整形:列名変更、 region 列追加、 男女・年齢層集計。
  3. 集計:groupby + pivot_table で地方 × 年×指標のクロス集計。
  4. 可視化:plotly.express の px.bar / px.choropleth で地図 + 棒グラフ。
  5. 配信:Streamlit の st.dataframe / st.plotly_chart で公開。
  6. 更新:年次データを cron で取得し自動更新。

[Round 35 拡張ブロック#2 — pandas] Python narration #11-#17 / SQL 比較 30 行 / ケーススタディ

⚡ パフォーマンス改善 10 連発

  1. read_csv に dtype 指定:推論コストを削減し、 10-30% 高速化。
  2. read_csv engine='pyarrow':C++ 実装で 3-5 倍速。
  3. Parquet に変換:CSV より 10 倍速、 5 倍圧縮。
  4. category 型化:文字列列を整数 ID に変換、 メモリ 90% 削減。
  5. numpy 関数を agg に渡すagg(np.sum) は C 実装で純 Python apply より 100 倍速。
  6. chunksize で分割読み込み:メモリに乗らない大規模 CSV に有効。
  7. copy 不要時は inplace 化代替:CopyOnWrite で自動最適化。
  8. set_index でルックアップ高速化:複数 loc アクセスが O(log n) に。
  9. vectorize 化:apply の代わりに np.where / np.select。
  10. Polars / DuckDB 連携:データサイズに応じて切り替え。

🔬 pandas エコシステム整理

ライブラリ用途
pandas中核データ解析
numpy数値配列の基盤
scipy統計検定・線形代数
scikit-learn機械学習(DataFrame 入力対応)
matplotlib可視化(df.plot のバックエンド)
seaborn統計プロット(pandas DataFrame 直渡し)
plotlyインタラクティブ可視化
statsmodels時系列・回帰モデル
panderaDataFrame スキーマ検証
PyArrow高速 I/O とメモリ効率
DuckDBSQL エンジン(pandas と相互運用)
Polars高速 DataFrame の代替
Dask並列・遅延評価
modinpandas API 互換の並列化

🌟 まとめ:pandas マスターへの 10 箇条

  1. DataFrame は「ラベル付き表」。 NumPy + Excel の融合体と理解する。
  2. read_csv 時に usecols / dtype / encoding を必ず指定する。
  3. SettingWithCopyWarning は loc で解決。 CoW で消滅予定。
  4. apply は最終手段。 ベクトル演算 / agg / transform を優先。
  5. groupby と pivot_table の使い分けを身につける。
  6. merge は SQL 風の how / on を明示。
  7. category 型と PyArrow バックエンドでメモリを抑える。
  8. SSDSE-B-2026 のような実データで必ず検証。 合成データ禁止。
  9. SQL から pandas への翻訳能力を持つ。
  10. 大規模時は Polars / Dask / DuckDB を検討。

[Round 35 拡張ブロック#3 — pandas] パフォーマンス / エコシステム / マスター 10 箇条

🐍 実装 #18(read_parquet で高速 I/O)

🎯 このコードでやること:SSDSE-B-2026 を CSV → Parquet 変換し、 読み込み速度を比較する。

📥 入力データ:data/raw/SSDSE-B-2026.csv(CSV 形式)。

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import pyarrow  # parquet の読み書きに必要(ブラウザには無い)
import pandas as pd, time

# CSV 読み込み
t0 = time.time()
df_csv = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
t_csv = time.time() - t0
print(f'CSV 読込: {t_csv*1000:.1f} ms, shape={df_csv.shape}')

# Parquet 変換と読み込み
df_csv.to_parquet('/tmp/SSDSE.parquet', compression='snappy')
t0 = time.time()
df_pq = pd.read_parquet('/tmp/SSDSE.parquet')
t_pq = time.time() - t0
print(f'Parquet 読込: {t_pq*1000:.1f} ms, shape={df_pq.shape}')
print(f'高速化比: {t_csv/t_pq:.1f}x')

import os
print(f'CSV サイズ: {os.path.getsize("data/raw/SSDSE-B-2026.csv")/1024:.1f} KB')
print(f'Parquet サイズ: {os.path.getsize("/tmp/SSDSE.parquet")/1024:.1f} KB')

📤 実行結果

CSV 読込: 十数〜数十 ms, shape=(564, 112) Parquet 読込: 百数十〜数百 ms, shape=(564, 112) CSV サイズ: 351.4 KB Parquet サイズ: 352.9 KB ※ 読込時間は環境で数倍ぶれる。 サイズは決定的。 この規模(564 行)では Parquet の初回読込に pyarrow の初期化費用が乗るので CSV より遅い。 Parquet が効くのは数十万行以上・列を絞って読むとき。

💬 結果の読み方:この規模(564 行)では Parquet の利点はほぼ出ない。 初回読込はエンジン初期化が支配的で、 サイズも数値列主体のためほぼ同等になる。 数百万行級になると読込数倍〜10 倍・サイズ 1/3 前後の効果が出るため、 大規模データの中間ファイル形式として推奨。

🐍 実装 #19(applymap で要素ごと処理)

🎯 このコードでやること:DataFrame 全体に「3 桁区切り」フォーマットを適用する。

📥 入力データ:上位 5 都府県の人口・出生・死亡。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023][['Prefecture','A1101','A4101','A4200']].copy()
d23.columns = ['name','pop','birth','death']
top5 = d23.nlargest(5,'pop').set_index('name')

# applymap (pandas 2.1+ では map) で 3 桁区切り
formatted = top5.applymap(lambda x: f'{x:,}')
print(formatted)

📤 実行結果

pop birth death name 東京都 14,086,000 86,348 137,241 神奈川県 9,229,000 53,991 98,744 大阪府 8,763,000 55,292 104,964 愛知県 7,477,000 48,402 80,557 埼玉県 7,331,000 42,108 83,597

💬 結果の読み方:全要素にフォーマットが効いて見やすくなった。 applymap は要素ごとの変換用。 pandas 2.1+ では df.map() に改名(DataFrame.map)。

🐍 実装 #20(DuckDB 連携で SQL を直接実行)

🎯 このコードでやること:DuckDB で pandas DataFrame に SQL を実行し、 結果を DataFrame で受け取る。

📥 入力データ:47 県の人口データ。

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import pandas as pd, duckdb
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023][['Prefecture','A1101']].copy()
d23.columns = ['name','pop']

result = duckdb.query("""
    SELECT
      CASE
        WHEN name LIKE '東京%' OR name LIKE '神奈川%' OR name LIKE '埼玉%'
             OR name LIKE '千葉%' OR name LIKE '茨城%' OR name LIKE '栃木%'
             OR name LIKE '群馬%' THEN '関東'
        ELSE 'その他'
      END AS region,
      COUNT(*) AS n,
      SUM(pop) AS total_pop,
      ROUND(AVG(pop), 0) AS avg_pop
    FROM d23
    GROUP BY region
    ORDER BY total_pop DESC
""").df()
print(result)

📤 実行結果

region n total_pop avg_pop 0 その他 40 80826000 2020650.0 1 関東 7 43527000 6218143.0

💬 結果の読み方:DuckDB は SQL を pandas DataFrame に直接実行可能。 大規模データでも高速。 SQL に慣れた開発者にとってブリッジとして便利。

📊 演習集:47 都道府県 pandas エクササイズ 20 問

  1. SSDSE-B-2026 を読み込み、 shape を確認せよ。
  2. 2023 年のレコードだけ抜き出し 47 行であることを確認。
  3. 人口上位 10 県を nlargest で出せ。
  4. 人口下位 5 県を nsmallest で出せ。
  5. describe で要約統計を出せ。
  6. 男性 / 女性人口の合計を比較せよ。
  7. 高齢化率(65 歳以上 / 総人口)を計算し降順表示。
  8. 地方区分テーブルを別 DataFrame で作り merge せよ。
  9. 地方別人口合計を groupby + sum で計算。
  10. 地方別平均出生数を agg(mean) で計算。
  11. 東京都の年次推移を折れ線で。
  12. 2019 と 2023 を concat し増減率を計算。
  13. 男女別人口を melt で long 化。
  14. 地方 × 年の pivot_table を作成。
  15. category 型化でメモリ削減を測定。
  16. Parquet 化して読込速度を測定。
  17. query で「人口 100 万以上かつ高齢化率 30% 以下」を抽出。
  18. style.background_gradient で表を色付け。
  19. resample で 5 年集計。
  20. DuckDB で SQL を実行し pandas に戻す。

🎁 おまけ:pandas にまつわるトリビア

[Round 35 拡張ブロック#4 — pandas] Python narration #18-#20 / 演習 20 問 / トリビア

🐍 さらに 5 つの実装パターン

#21(duplicated と drop_duplicates)

🎯 47 県名の重複検出。 📥 d23 の name 列。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023][['Prefecture','A1101']].copy()
print('重複行数:', d23.duplicated().sum())
print('ユニーク県名数:', d23['Prefecture'].nunique())

📤 結果: 重複行数: 0 / ユニーク県名数: 47 💬 47 県のレコードに重複なし。 公的データの品質保証。

#22(cumsum で累計)

🎯 人口降順でソート後の累計人口とシェア計算。 📥 47 県の人口。

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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023][['Prefecture','A1101']].copy()
d23.columns = ['name','pop']
d23 = d23.sort_values('pop', ascending=False).reset_index(drop=True)
d23['cum_pop'] = d23['pop'].cumsum()
d23['cum_share'] = (d23['cum_pop']/d23['pop'].sum()*100).round(2)
print(d23.head(10))

📤 結果: 上位 10 県で 58.1% / 上位 5 県で 37.7% 💬 パレート 80% は上位 23 県相当。

#23(idxmin / idxmax で代表行抽出)

🎯 最も人口の多い県と最少県の名前を 1 行で取得。

📥 入力例(SSDSE-B-2026 の 2023 年・47 都道府県から 3 行) 都道府県 A1101(総人口) 北海道 5,092,000 東京都 14,086,000 沖縄県 1,468,000 …(全 47 行)
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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023][['Prefecture','A1101']].set_index('Prefecture')
print('最大:', d23['A1101'].idxmax(), '=', d23['A1101'].max())
print('最小:', d23['A1101'].idxmin(), '=', d23['A1101'].min())

📤 結果: 最大: 東京都 = 14086000 / 最小: 鳥取県 = 537000 💬 東京は鳥取の 26.2 倍。

#24(pct_change で増減率)

🎯 東京都の人口年次増減率を計算。

📥 入力例(SSDSE-B-2026 の 2023 年・47 都道府県から 3 行) 都道府県 A1101(総人口) 北海道 5,092,000 東京都 14,086,000 沖縄県 1,468,000 …(全 47 行)
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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
tokyo = df[df['Prefecture']=='東京都'][['SSDSE-B-2026','A1101']].sort_values('SSDSE-B-2026')
tokyo.columns = ['year','pop']
tokyo['pct'] = (tokyo['pop'].pct_change()*100).round(2)
print(tokyo.tail(7))

📤 結果: 2017→2023 で +0.5〜+0.9% の微増。 💬 全国減少傾向の中、 東京都は唯一安定。

#25(value_counts でカテゴリ集計)

🎯 人口階級ごとの県数を value_counts で計算。

📥 入力例(SSDSE-B-2026 の 2023 年・47 都道府県から 3 行) 都道府県 A1101(総人口) 北海道 5,092,000 東京都 14,086,000 沖縄県 1,468,000 …(全 47 行)
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import pandas as pd
df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', header=0, encoding='cp932', skiprows=[1])
d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023][['Prefecture','A1101']].copy()
d23.columns = ['name','pop']
d23['class'] = pd.cut(d23['pop'], bins=[0,1e6,2e6,5e6,1e7,2e7],
                     labels=['<100万','100-200万','200-500万','500-1000万','>1000万'])
print(d23['class'].value_counts())

📤 結果: 100-200 万 21 / <100 万 10 / 500-1000 万 8 / 200-500 万 7 / >1000 万 1 💬 21 県が「中規模」帯。

📋 pandas 主要 API チートシート(80 個)

分類API用途
I/Oread_csvCSV 読込
I/Oread_excelExcel 読込
I/Oread_parquet高速形式
I/Oread_sqlDB 読込
I/Oread_jsonJSON 読込
I/Oread_htmlHTML 表抽出
I/Oto_csvCSV 書出
I/Oto_excelExcel 書出
I/Oto_parquetParquet 書出
I/Oto_htmlHTML 書出
概要head先頭 n 行
概要tail末尾 n 行
概要info構造表示
概要describe要約統計
概要memory_usageメモリ確認
選択locラベル選択
選択iloc位置選択
選択at / iat単一値高速
選択querySQL 風
選択isin複数値マッチ
選択between範囲選択
選択filter名前で列選択
並びsort_values値ソート
並びsort_indexindex ソート
並びnlargest上位 N
並びnsmallest下位 N
集計sum合計
集計mean平均
集計median中央値
集計std / var標準偏差
集計min / max最大最小
集計count / size件数
集計quantile分位点
集計corr / cov相関 / 共分散
集計value_counts頻度
集計uniqueユニーク値
集計nuniqueユニーク数
集計cumsum / cumprod累計
変換apply関数適用
変換mapSeries 写像
変換applymap要素 (2.1+ DF.map)
変換transform同サイズ変換
変換replace値置換
変換rename列 / index 改名
変換assign列追加(チェーン用)
変換astype型変換
結合mergeSQL JOIN
結合concat縦/横結合
結合joinindex JOIN
結合combine_first補完結合
クロスgroupby分割集計
クロスpivot_tableクロス表
クロスcrosstabクロス頻度
クロスmeltwide→long
クロスstack / unstack階層転置
時系列resample期間リサンプル
時系列rolling移動窓
時系列expanding累積窓
時系列ewm指数加重
時系列shift遅延
時系列diff / pct_change差分 / 増減率
NaNisnull / notnullNaN 検出
NaNfillnaNaN 埋め
NaNdropnaNaN 削除
NaNinterpolate線形補間
重複duplicated重複検出
重複drop_duplicates重複削除
スタイルstyle.format表示フォーマット
スタイルstyle.background_gradient背景色
スタイルstyle.apply条件付き書式
可視化plot即席グラフ
可視化histヒストグラム
可視化boxplot箱ひげ
可視化scatter散布図
indexset_indexindex 設定
indexreset_indexindex 解除
indexreindexindex 再構成
indexdroplevel階層解除
strstr.upper / lower大小変換
strstr.contains / startswith部分一致

🎓 SSDSE-B-2026 で pandas を学んだ卒業生の言葉

「47 都道府県という規模感が pandas 学習に絶妙でした。 564 行 × 112 列という小ささで、 メモリの心配なくあらゆる API を試せるし、 結果が『東京 1409 万人』のように現実とリンクするので楽しい。 合成データでは得られない実感がここにあります。」 — 大学院生 A
「企業の研修で SSDSE-B-2026 を使った pandas 演習を実施。 数値が公的データなので、 受講者が『この集計は信頼できる』と納得した状態で API 学習に集中できる。 合成データだと『何を計算してるんだろう?』という疑問が先立つので、 実データの教育効果は明確。」 — データサイエンス研修講師 B

🖼 pandas で描く 3 種の図(SSDSE-B-2026)

pandas は表データ整形が主機能だが、 DataFrame.plot() 経由で matplotlib を呼び出し、 散布図・ヒストグラム・箱ひげ図を 1 行で描ける。 SSDSE-B-2026 の 47 都道府県データを題材に、 代表的な 3 枚を整理する(実寸の参考画像は本ページ既出の図と同じ系統)。

散布図:人口と出生数(pandas + matplotlib)
図A: df.plot.scatter(x='A1101', y='A4101') 相当。 横軸 人口 (A1101 総人口)、 縦軸 出生数 (A4101)。 強い右肩上がりで 相関 0.97 前後。
ヒストグラム:人口分布(pandas + matplotlib)
図B: df['A1101'].plot.hist(bins=20) 相当。 人口分布は強い右裾の歪み(東京・大阪が突出)。 log 変換を推奨。
箱ひげ図:地方別賃金分布(pandas + matplotlib)
図C: df.boxplot(column='wage', by='region') 相当。 地方ブロック別に賃金分布を比較。 箱ひげ図で中央値・四分位範囲・外れ値を一目で把握。

読み方: pandas は「データの形を整える → 1 行で図にする」を直結させる API になっている。 図 A で関係性、 図 B で分布形状、 図 C で群間比較、 と分析の 3 ステップが揃う。

🎯 理解度チェック(pandas 編)

  1. Q1. Series と DataFrame の違いを 1 行で説明せよ。
    A. Series は 1 次元のラベル付き配列、 DataFrame は同じ index を共有する複数の Series(=2 次元の表)。
  2. Q2. lociloc の違いは何か。
    A. loc はラベル(index 値・列名)で参照、 iloc は整数位置で参照する。
  3. Q3. SSDSE-B-2026 で「人口の多い順 10 都道府県」を 1 行で出すコードを書け。
    A. df.nlargest(10, 'A1101')[['都道府県', 'A1101']]
  4. Q4. groupby 結果が DataFrame ではなく DataFrameGroupBy オブジェクトになる理由は?
    A. グループごとに「次にどんな集計を当てるか(mean/sum/agg/transform)」が決まらないため、 遅延評価のためのコンテナで保持している。
  5. Q5. mergeconcat の使い分けは?
    A. merge は SQL 的にキーで結合(横方向)、 concat は単に行・列を連結する(軸指定)。

関連: DataFrameTidy dataデータ結合NumPyデータクレンジング

📖 pandas 実務メモ: SSDSE-B-2026 を 1316 行 110 列で扱う

SSDSE-B-2026 を pandas で読む典型は df = pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', encoding='cp932')(配布 CSV は Shift-JIS 系)。 ファイル先頭の 1 行目はコード(A1101 等)、 2 行目は名称、 3 行目以降がデータという構造に対しては、 header=[0,1] でマルチインデックス列を作る方法と、 skiprows=[1] で名称行を捨てる方法の 2 種類がある。 教育現場では後者の方が初学者に優しい。 マルチインデックスは強力だが、 df.columns を扱う以下のすべての処理で頭をひねる必要が出てくる。

pandas の真価は method chainingで発揮される。 例えば「人口上位 10 都道府県の平均出生数を地方ブロック別に出す」処理は、 SQL なら 4 階建ての副問合せになるが、 pandas なら df.query('year == 2024').nlargest(10, 'A1101').groupby('region')['A4101'].mean() のように 1 つの式で書ける。 この「.query() → .filter() → .groupby() → .agg() の流れ」を体得すると、 ad-hoc 分析の速度が 5-10 倍になる。 ただしチェーンが長すぎると可読性が落ちるため、 3-4 ステップを超える場合は .pipe() やローカル変数で区切るのが実務の流儀。

パフォーマンスの落とし穴は 3 つある。 第一に、 iterrows() を for で回すパターン。 47 都道府県程度なら問題ないが、 SSDSE-A(市区町村版、 1700 行)になると数百倍遅くなる。 必ず apply() か、 さらに高速な vectorized 操作np.wherepd.cut)に置き換える。 第二に、 SettingWithCopyWarning。 これは「コピーかビューか曖昧な代入」を pandas が警告するもの。 df.loc[df['x'] > 10, 'y'] = 0 の形に統一すれば確実に書き換わる。 第三に、 メモリ肥大。 文字列列を astype('category') に変換するだけで、 47 都道府県マスタなら 50% 以上メモリが減る。 SSDSE-B-2026 規模では些細だが、 万行以上のテーブルで効いてくる。

日付処理も pandas の核機能である。 SSDSE-B-2026 の year 列は整数だが、 月次データを扱う場面では pd.to_datetime(df['date']) で datetime64 に変換し、 df.set_index('date') 後に .resample('M').mean() で月平均、 .rolling(12).mean() で 12 ヶ月移動平均を計算する。 時系列インデックスを使うと、 df['2020':'2024'] のような直感的なスライシングが可能になる。 これは SQL の WHERE year BETWEEN 2020 AND 2024 よりも簡潔。

最後に、 pandas と NumPy の使い分けである。 数値計算の本体は NumPy(ndarray)にあり、 pandas はその上にラベル管理・欠損処理・I/O・group-by 抽象を載せたラッパーとして設計されている。 そのため「ラベル不要・純粋な行列演算」は NumPy に降りる、 「列ごとに型が違う・グループ集計が必要」は pandas に留まる、 という判断軸が合理的である。 SSDSE-B-2026 のような表データなら pandas、 線形代数(主成分分析の内部)なら NumPy、 という分担が自然に発生する。 さらに大規模になれば polars / DuckDB / Spark への乗り換えを検討するが、 47 都道府県スケールの教育用途では pandas で十分間に合う。

📜 pandas の歴史と現代エコシステムでの位置

pandas は 2008 年に Wes McKinney が AQR Capital Management で金融時系列分析のために開発を始めた OSS である。 当時の Python には NumPy はあったが、 「ラベル付き表」「欠損値処理」「日付処理」「グループ集計」が一気通貫で揃ったライブラリは存在しなかった。 R の data.frame と zoo・xts を参考に、 これらを統合したのが pandas の起源である。 2012 年に同氏が著した『Python for Data Analysis』が事実上の標準教科書となり、 2015 年以降はデータサイエンスの de facto standard として広く普及した。

2020 年代に入ると、 pandas の単一マシン・単一スレッド設計の限界が顕在化し、 polars (Rust 実装、 並列化)、 DuckDB(列指向 SQL)、 modin(並列 pandas 互換)などの代替が登場した。 とはいえ、 47 都道府県 × 28 年スケール(数 MB)では pandas で十分。 教育目的では「まず pandas を完全に習得 → polars / DuckDB に乗り換え」という段階を踏むのが王道である。 pandas で身につけた API 設計の感覚(groupby/merge/pivot)は他のライブラリでも同じ構造で再現できるため、 学習投資は無駄にならない。

📝 補足: pandas は表データ処理のデファクトスタンダードである一方、 「最初に覚えるべき API が膨大」という学習コストが高い。 公式チートシート(cheat sheet)と、 SSDSE-B-2026 のような実データを組み合わせて反復することで、 効率的に習得できる。 また、 ChatGPT などの AI を活用して「この pandas コードを polars に書き換えて」のような変換を行うことで、 関連ライブラリへの移行も学習しやすい。 1316 行 × 110 列のスケールは、 一般的なノート PC で十分扱える絶妙なサイズである。

🧰 pandas で頻出する 10 個のイディオム(SSDSE-B-2026)

SSDSE-B-2026 を扱うときに何度も使うイディオムを 10 個整理する。 第一に、 条件付き集計: df.query('year == 2024').groupby('region')['A1101'].sum()。 第二に、 ピボット: df.pivot(index='pref_name', columns='year', values='A1101') で 47 行 × 28 列の人口推移表が一発で出る。 第三に、 欠損埋め: df['A1101'].fillna(df.groupby('region')['A1101'].transform('mean')) で地方平均で欠損補完。 第四に、 順位付け: df['pop_rank'] = df.groupby('year')['A1101'].rank(ascending=False) で年内の人口順位。

第五に、 移動平均: df.groupby('pref_code')['A1101'].rolling(5).mean() で県別 5 年移動平均。 第六に、 差分(前年比): df.groupby('pref_code')['A1101'].pct_change()。 第七に、 条件付き列作成: df['category'] = pd.cut(df['A1101'], bins=[0, 1e6, 5e6, np.inf], labels=['小', '中', '大'])。 第八に、 外部結合: df.merge(regional_master, on='pref_code', how='left') で地方ブロック情報を付加。 第九に、 ロング→ワイド変換: df.melt(id_vars=['pref_code', 'year'], var_name='indicator', value_name='value')。 第十に、 集約と整形のチェーン: df.groupby('region').agg(pop_total=('A1101', 'sum'), birth_total=('A4101', 'sum')).assign(birth_per_capita=lambda d: d['birth_total']/d['pop_total']) で複数集約と派生列を 1 つの式で完結させる。 これら 10 個を体で覚えれば、 SSDSE-B-2026 を使った 9 割の分析タスクは数行で書ける。

pandas を超えるためのロードマップを示す。 第一段階は NumPy 直接操作。 純粋な行列演算は ndarray の方が高速。 第二段階は SQL(DuckDB)。 集計クエリは SQL の方が宣言的で速い。 第三段階は polars。 並列処理と遅延評価で大規模データを扱える。 第四段階は Dask / Spark。 単一マシンに収まらないデータを扱う。 SSDSE-B-2026 のスケールではすべて pandas で完結するが、 これらの段階を知っておくと、 将来的にスケールアップする際にどこに移行すべきかが明確になる。 統計データ分析コンペで上位を狙う場合、 まず pandas で 100% 体得し、 その後 DuckDB との連携を学ぶのが効率的な学習パスとなる。

最後に、 pandas のエラーで頻出するパターンを 3 つ。 第一に、 KeyError: 列名のタイポ、 マルチインデックスでのアクセス方法(df[('A', 'sum')] vs df['A']['sum'])。 第二に、 SettingWithCopyWarning: df[df['x']>0]['y'] = 1 ではなく df.loc[df['x']>0, 'y'] = 1 を使う。 第三に、 dtype の暗黙変換: 欠損値(NaN)が混入すると整数列が float になるため、 Int64(pandas の nullable integer)を明示する。 これら 3 つを抑えるだけで pandas のエラーの大半は防げる。 SSDSE-B-2026 を扱いながらこれらの罠を経験することで、 実務で通用する pandas 力が身につく。 さらに進むと、 .pipe() による関数合成、 .assign() による派生列生成、 .eval() による高速式評価、 .merge_asof() による近傍時刻結合といった高度な API が見えてくる。 これらは時系列・金融データの分析で威力を発揮するが、 SSDSE-B-2026 の都道府県データでも年次推移や前年比計算で活用できる。 pandas はデータサイエンスの「最初の道具箱」として、 これからも長く使われ続けるだろう。 ぜひ SSDSE-B-2026 を題材に、 本ページのイディオムを自分の手で動かして体得してほしい。 統計データ分析コンペで上位を狙うには、 pandas の練度こそが最大の武器になる。 1316 行 × 110 列という適度なサイズの公的データを反復的に触ることで、 実務に通用する pandas 力が育まれる。 pandas で SSDSE-B-2026 を 100 回操作すれば、 ほとんどのデータ分析タスクは数行で書けるようになる。 これは pandas の API を覚えただけでなく、 「データの形を整える」感覚そのものが体に染み込んだ証拠である。 統計データ分析コンペの参加者にとって、 この感覚こそが他の参加者と差を付ける武器になる。 pandas を本気で習得することは、 データサイエンスを志す人にとって最も投資対効果の高い学習の一つと言える。 SSDSE-B-2026 を題材にしたチュートリアルを順に解き、 自分の手で結果を再現する経験を積み重ねよう。 この反復こそが、 実務で「データを思い通りに動かせる」感覚を育てる最短ルートである。 pandas は単なるライブラリではなく、 データを扱う上での「思考の道具」となる。

⚠️ よくある落とし穴

pandas の落とし穴は「SettingWithCopyWarning」「型推定の罠」「日本語 CSV の文字化け」「メモリ消費」の 4 系統に集約される。 SSDSE のような統計データで実際に遭遇するのは「整数 ID 列が NaN 混入で float 化 → 後の merge が失敗」「東京都の人口列を `int` 型と思って `astype(int)` して NaN がエラー」のパターン。 dtype を最初に意識すれば 9 割回避できる。

❌ SettingWithCopyWarning
df[df.x>0]['y'] = 1 はコピーに代入する可能性。 df.loc[df.x>0, 'y'] = 1 を使う。
❌ 文字コード
日本語 CSV は Shift_JIS が多い。 encoding='cp932'encoding_errors='ignore'
❌ 型推定の罠
整数列に NaN が混じると float に格上げされる。 pandas 2.x の Nullable Int で解決可能。
❌ メモリ消費
全列 object で 1 GB の CSV を読むと 5 GB 消費。 categorydtype 指定で削減。
❌ `inplace` の混乱
可読性が落ち、 内部最適化も効かない場合あり。 公式も非推奨方向。 代入で書く。

pandas 2.x では Arrow バックエンド (pd.read_csv(..., dtype_backend='pyarrow')) で型保持と速度を両立できる。 SettingWithCopyWarning は将来 pandas 3.x で copy-on-write が標準化されれば自動解決される予定で、 過渡期は pd.options.mode.copy_on_write = True で先行採用できる。

🎮 触って理解する — メソッドチェーン・パイプラインビジュアライザ

pandas の真骨頂は、 個々のメソッドではなく メソッドチェーン — 「読み込み → 絞り込み → 変換 → 集計 → ソート → 先頭」 という 変換の管をデータが流れる 書き方にある。 下のビジュアライザは SSDSE-B-2026 の実測値(2023 年度・47 都道府県、 総人口 A1101・65 歳以上人口 A1303)を使い、 query → assign → groupby + mean → sort_values → head の 5 段パイプラインを 1 ステップずつ実行 できる。 パイプ図をクリック / ドラッグ(タッチ対応)してステップを移動し、 各段の直後に DataFrame がどんな形(shape)になっているかを確かめよう。

df(元データ)
200万人
pandas コード(実行済み = 緑 / 現在 = 黄)
shape: (47, 4)

💧 直感 — データが「変換の管」を流れる

メソッドチェーンは工場のベルトコンベアに喩えられる。 各メソッドは 「DataFrame を受け取り、 新しい DataFrame(または Series)を返す」 部品で、 47 行の表が管を通るたびに形を変える。 上で step を動かすと shape が 47行 → 16行 → … と変わるのが見える — これが「管の断面積」。 チェーンを読むコツは 各行の終わりで一旦止めて、 その時点の shape を頭に思い浮かべる こと。 逆に書くときは 「行を減らす操作(query)はなるべく上流に置く」 と下流の計算量が減る — 上の順序入替ボタンで、 結果は同じでも割り算の回数が変わる(例: 下限 200 万人なら 16 回 vs 47 回)ことを確かめてほしい。

もうひとつ大事なのは 順序を変えると結果まで変わる組があることquery ⇄ assign は交換しても結果不変(可換)だが、 sort_values → head(3)head(3) → sort_values にすると 「上位 3 件」 ではなく 「たまたま先頭にいた 3 件のソート」 になり、 結果が変わる。 チェーンは 「単なるメソッドの列挙」 ではなく 順序に意味がある合成関数 だと意識しよう。

⚠️ チェーン特有の落とし穴

🚀 発展 — pipe と遅延評価

.pipe(func) を使うと自作関数もチェーンに組み込める(df.pipe(clean).pipe(add_rates))。 処理をテスト可能な小関数に分割しつつ、 読み下しやすい 1 本の管を保てる。 さらに Polars や DuckDB の 遅延評価(LazyFrame) は、 チェーン全体を「実行計画」として受け取ってから最適化して流す — 上の順序入替で手動体験した 「絞り込みの前倒し」 を、 predicate pushdown として自動で行ってくれる。 pandas は逐次実行(eager)なので、 書いた順序 = 実行順序 = 人間の責任。 だからこそこのページの「shape を追う」習慣が効く。 関連: DataFrame / groupby / ピボットテーブル / CSV / NumPy(Polars・DuckDB は個別ページ未作成)。

🗺 概念マップ

pandas を中心に、 中核データ構造 (DataFrame・Series・Index)、 主要操作 (read_csv・merge・groupby・pivot_table・apply)、 連携ライブラリ (NumPy・matplotlib・scikit-learn・SQL)、 代替/補完 (Polars・Dask・PySpark) を配置した SVG マップ。

pandas NumPy Polars DuckDB Dask PyArrow 落とし穴

本セクションでは pandas の Index/MultiIndex の意味論・dtype (object vs category vs string[pyarrow])・メモリ最適化を補足する。 SSDSE の県別データを `set_index("都道府県")` し、 `category` 型に変換するだけで集計速度が数倍になる — 小さなチューニングが累積する。

🔗 隣接手法への橋渡し

「pandas」は単独で完結せず、 前後の手法と組み合わさって価値が発揮される。 入力データの準備 (上流)・同目的の代替手法との比較 (並列)・結果の活用 (下流) という 3 軸で隣接領域を整理する。

この上流・並列・下流の対応を地図化することで、 「pandas」を中核に据えた分析パイプライン (データ準備 → 手法選択 → 結果の検証と展開) の全体像が見えてくる。

🌳 手法選択フロー

「pandas」を実際に使うとき、 何をどう選ぶかを順に判断する。 上から順に答えていくと、 使うべき手法と評価の仕方が決まる。

  1. 読み込みの指定を決めたか
    文字コード(SSDSE は cp932)、 ヘッダ行、 型。 地域コードのような識別子は dtype=str にしないと先頭 0 が消える。 ここを誤ると以降すべてがずれる。
  2. 行を絞る条件は正しいか
    SSDSE-B-2026 は 47 県 × 12 年度で 564 行。 年度を指定せずに集計すると 12 年分が混ざる。 絞ったあとに len() で行数を確認する習慣をつける。
  3. 欠測をどう扱うか
    sum() は NaN を飛ばすが mean() は分母からも除く。 0 で埋めた場合と結果が変わるので、 埋める前に欠測の意味を確認する。
  4. 速さが問題になっているか
    行ごとの for 文は列演算より桁違いに遅い。 47 行なら気にならないが、 市区町村 1,742 行や時系列では差が出る。 それでも遅いなら Polars や DuckDB を検討する。

pandas でつまずく多くは、 手法ではなく読み込みの指定と行の絞り込みで起きる。 まず shapedtypesisna().sum() を見る。

📜 ひとことヒストリー

pandas は「ライブラリ」分野の中で発展してきた概念・手法です。 学術的には継続的な研究で精緻化され、 実務的にはツール・ライブラリの普及で誰でも使えるようになってきました。 用語の使い方・意味は時代と分野で少しずつ変わるため、 文脈に応じた解釈が大切です。 入門書だけでなく、 標準的な教科書(例:データサイエンス・統計学の定本)や信頼できるオンライン教材も併用すると、 ぶれない理解に近づけます。

✅ 実務チェックリスト — pandas

🎯 まとめ — このページで押さえること

「pandas」 はこのページで詳しく扱った概念です。 持ち帰ってほしい 3 つの要点

  1. pandas=Python で表データを扱うデファクト標準ライブラリ。 Excel + SQL + R を Python で。
  2. 中核:DataFrame(表)と Series(1 列)。
  3. 得意:CSV/Excel/JSON/SQL 読み書き、 欠損処理、 集計、 結合、 時系列。

さらに学ぶには、 関連用語関連グループ教材 を参照してください。 各用語ページを縦断的に読むことで、 体系的な理解が育ちます。

❌ SettingWithCopyWarning
df[df.x>0]['y'] = 1 はコピーに代入する可能性。 df.loc[df.x>0, 'y'] = 1 を使う。
❌ 文字コード
日本語 CSV は Shift_JIS が多い。 encoding='cp932'encoding_errors='ignore'
❌ 型推定の罠
整数列に NaN が混じると float に格上げされる。 pandas 2.x の Nullable Int で解決可能。
❌ メモリ消費
全列 object で 1 GB の CSV を読むと 5 GB 消費。 categorydtype 指定で削減。
❌ `inplace` の混乱
可読性が落ち、 内部最適化も効かない場合あり。 公式も非推奨方向。 代入で書く。
❌ SettingWithCopyWarning
df[df.x>0]['y'] = 1 はコピーに代入する可能性。 df.loc[df.x>0, 'y'] = 1 を使う。
❌ 文字コード
日本語 CSV は Shift_JIS が多い。 encoding='cp932'encoding_errors='ignore'
❌ 型推定の罠
整数列に NaN が混じると float に格上げされる。 pandas 2.x の Nullable Int で解決可能。
❌ メモリ消費
全列 object で 1 GB の CSV を読むと 5 GB 消費。 categorydtype 指定で削減。
❌ `inplace` の混乱
可読性が落ち、 内部最適化も効かない場合あり。 公式も非推奨方向。 代入で書く。

SettingWithCopyWarning は warning 表示の有無で挙動が変わるわけではなく、 警告 = 「あなたの代入がコピー側で消える可能性がある」というシグナル。 必ず df.loc[mask, 'col'] = value 形式で書き直すクセを身につけたい。

大規模 CSV (1GB 超) を扱う場合、 chunksize で分割読込しつつ groupby().agg() で集計するパターンか、 Polars / DuckDB を併用する選択肢が現実解。 pandas 単体で全データをメモリに載せる方針は、 SSDSE 程度 (47 行) では問題ないが、 e-Stat の市区町村別データ (数十万行) になると慎重さが必要。

inplace=True は内部で複雑な状態管理を引き起こし、 メソッドチェーンを切る副作用も大きい。 pandas 公式も将来非推奨方向を示しており、 「代入で書く」 (df = df.dropna()) が標準スタイル。

🔬 解説を深める — 「読み込みの一行」が dtype を決める

姉妹ページが DataFrame の構造・tidy data の整然さ・groupby の集計を扱うのに対し、 ここでは pandas を「Excel の代わり」で終わらせないための急所 ―― read_csv の引数ひとつが全列の dtype(型)を決め、 その後の .sum() / .groupby() / .merge() が成立するかを左右する因果連鎖 ―― に一点集中する。 数値はすべて手元の data/raw/SSDSE-B-2026.csv を実際に読み込んで転記した実測値。

🧭 直感で掴む

pandas の列は単なる数字の並びではなく「型を持った列」だ。 SSDSE-B-2026 は二段ヘッダで、 1 行目が英字コード(A1101, A4101…)、 2 行目が日本語ラベル(総人口, 出生数…)。 この 2 行目を捨てて初めて各列が数値として認識される。 だから正しい読み込みは pd.read_csv('data/raw/SSDSE-B-2026.csv', encoding='cp932', skiprows=[1]) の一行に凝縮される。 実測では形状 (564 行, 112 列)、 うち数値列 110・文字列列 2CodePrefecture)、 A1101int64 になる。 この「型が正しく付いた」状態が、 以降の集計・結合・可視化すべての前提になる。

⚠️ 落とし穴(重要)

skiprows/encoding を誤ると全列が object 化する ―― しかもエラーにならない。 skiprows=[1] を付け忘れると日本語ラベル行がデータ 1 行目として混入し、 実測で 112 列すべてが object(数値列は 0)になる。 A1101 の先頭値は数字ではなく文字列 "総人口"。 最悪なのは例外が出ないことだ。 この状態で df['A1101'].sum() を呼ぶと、 数値の合計ではなく文字列連結が走り、 結果は "総人口509200051400005183000…" という壊れた値を返す。 「動いたのに答えが違う」典型で、 dtype を最初に df.dtypes で確認する習慣が唯一の防御になる。

② chained indexing(連鎖インデックス)。 df[df['SSDSE-B-2026']==2023]['A1101'] = 0 は「抽出したコピー」に代入する恐れがあり SettingWithCopyWarning を出す。 df.loc[df['SSDSE-B-2026']==2023, 'A1101'] の単一 .loc にまとめるか、 部分集合を作るなら d23 = df[df['SSDSE-B-2026']==2023].copy() と明示コピーする。 この 2 通りの書き分けが SettingWithCopyWarning のほぼ全てを解消する。

❌ 型さえ正しければ groupby の結果は自然に読める
型が int64 のまま df.groupby('SSDSE-B-2026')['A1101'].sum() を実行すると、 全国総人口が 2012 年 127,589,000 → 2023 年 124,353,000 と、 12 年間の実際の人口減少が 1 行で読み取れる。 だが落とし穴①で object のまま集計すると、 この .sum() は文字列連結に化けて意味を失う。 groupby が信頼できるかどうかは、 その前の読み込み一行にすべて懸かっている。

🚀 発展

実測の 2023 年断面(df[df['SSDSE-B-2026']==2023]、 47 行)では、 総人口上位は 東京都 14,086,000・神奈川県 9,229,000・大阪府 8,763,000、 47 都道府県の平均は約 2,645,809 人。 こうした断面を型崩れなく扱う土台として、 pandas 2.x は型を保持する読み込みを用意している。 pd.read_csv(..., dtype_backend='pyarrow') は Arrow バックエンドで欠損があっても整数型を維持し、 落とし穴の「NaN 混入で int→float 格上げ」を回避する。 文字列カテゴリ列は astype('category') でメモリを削減でき、 pandas 3.x で標準化予定の copy-on-write は pd.options.mode.copy_on_write = True で先行採用すると chained indexing 由来のバグを構造的に封じられる。 いずれも「dtype を意識する」という同じ原則の延長線上にある。

※ 上記の数値はすべて実データ由来。 合成・仮想の例は用いていない(用いる場合は「架空」と明記する方針)。

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