この教材は原論文と同じデータを読み込み、同じ手順で計算し直しています。画面に出る数値と図は、あなたのブラウザがその場で計算した結果です。
| 原論文が使ったデータ | 財政力指数・SSDSE-B・賃金構造基本統計調査・就業構造基本調査・学校基本調査 分析単位:都道府県 |
|---|---|
| この教材が使うデータ |
|
| 原論文(PDF) | 女性の流出を防ぐことが地方の活性化? ~私立大学を充実させて県外流出を阻め~ 審査員奨励賞/三宅 由希子、吉政 陽菜、福田 竣太(香川県立観音寺第一高等学校) |
▶ ここに書いてある分析は、ページ下部の「🐍 ブラウザで動かす」でそのまま実行できます(インストール不要)。動かしているのは code/2022_H5_15_shorei.py(403 行)そのものです。
このページの実再現の図(図1・図2・図3)は、以下の手順で自分で再現できます。コードの編集は不要です。(推定年収・正規職率・大学進学・社会生活データは賃金構造/就業構造/学校基本調査/SSDSE-Dが出典でSSDSE-Bに無いため、図4と対策の数値は原論文の報告値を可視化します。)
data/raw/ フォルダに入れます。html/figures/ に自動保存されます。財政力指数は総務省の公表値(原論文 表1)をスクリプト内に転記して使います。
著者たちは香川県の高校生である。「香川のような都道府県の活性化」は新聞やHP、書物であふれるほど論じられているのに、地元の元気は失われ続けている――という実感から出発した。そこで香川という一県にとらわれず、香川に似た都道府県のグループに共通する問題を、巷の先行研究に左右されず新しい目で探そうと考えた。
分析の軸に選んだのが、都道府県の財政的な強さを表す財政力指数(総務省が作成する3か年平均値)である。地方自治体の財政的な強さは必ず住民サービスに反映され、住民に還元されるはず――都道府県の魅力を根本から支える指標と考えた。この財政力指数とSSDSE-Bの全項目との相関を先入観なく調べ、考察→問題発見→調査→考察…を繰り返して研究を深めていく、というのが全体の流れである。
高校生の部 SSDSE-B+総務省 財政力指数 相関分析 新指標(転入/転出) 12年間の推移
本研究は複数の出典を組み合わせている。中心となる人の移動(転入者数・転出者数、男女別)・婚姻件数・人口はSSDSE-Bから、財政力指数は総務省(3か年平均)から取っている。一方で推定年収は賃金構造基本統計調査、正規職員雇用率は就業構造基本調査、大学進学・大学定員は学校基本調査、趣味・娯楽などの社会生活データはSSDSE-Dが出典で、これらはSSDSE-Bには収録がない。
| 役割 | データ | 出典(年度) | 本ページでの扱い |
|---|---|---|---|
| 人の移動 | 転入者数・転出者数(男女別)A5101/A5102 | SSDSE-B(2012〜2023) | 実再現 |
| 婚姻・人口 | 婚姻件数 A9101・総人口 A1101 | SSDSE-B | 実再現 |
| 財政力(軸) | 財政力指数(3か年平均) | 総務省(2019〜2021) | 公表値を転記して使用 |
| 賃金・雇用 | 推定年収・正規職員雇用率 | 賃金構造/就業構造基本調査 | 報告値の可視化 |
| 大学 | 県内大学進学率・県内定員/進学者数 | 学校基本調査(令和3年度) | 報告値の可視化 |
| 社会生活 | 趣味・娯楽・演芸鑑賞など | SSDSE-D(2021) | 報告値の可視化 |
転入者数を転出者数で割った比。1より大きいと転入超過(人口が増える傾向)、1より小さいと転出超過。人口規模に左右されない指標で、全体・男子・女子の3種類を作る。
財政力指数(総務省・3か年平均)を軸に、転入者数・転出者数・「転入/転出」との相関を調べる。「人の移動」と「自治体の財力」の結びつきを確かめる。
人口規模の影響を除くため100万人当たりに換算し、「転入/転出」との相関を見る。人の動きが「労働環境」より「婚姻」と密接という発見につながる。
(女性の純移動)−(男性の純移動)を都道府県ごとに計算し、財政力指数グループ別の推移を追う。女性の流出がどの都道府県で進んだかを可視化する。
大学進学・私立大学の定員・社会生活データとの相関から、私立大学の整備と文化的環境づくりを提言する。この部分はSSDSE-B外のため報告値を用いる。
研究の出発点は「財政力指数とSSDSE-B全項目の相関」だった。人口関係の項目はほぼ0.87以上と高い相関を示したが、それは人口が多い県ほど値が大きくなるからとも考えられた。そこで人口規模に左右されない新指標「転入/転出」を作る。ここはSSDSE-Bで実再現できる中心部分である。
skiprows=[1] で読み込み、転入・転出(男女別)・婚姻・人口の列を数値化する。各都道府県に財政力指数グループ(B1〜F)と財政力指数の値(総務省の3か年平均、原論文 表1 を転記)を対応づける。118 119 120 121 122 123 124 | df = pd.read_csv(DATA_B, encoding='cp932', header=0, skiprows=[1]) df['SSDSE-B-2026'] = pd.to_numeric(df['SSDSE-B-2026'], errors='coerce') for c in ['A5101', 'A510101', 'A510102', 'A5102', 'A510201', 'A510202', 'A9101', 'A9201', 'A1101']: df[c] = pd.to_numeric(df[c], errors='coerce') df['grp'] = df['Prefecture'].map(PREF2GRP) df['zai'] = df['Prefecture'].map(ZAISEI) |
SSDSE-B-2026 には2012〜2023年が入っており、原論文が使ったSSDSE-B-2022(2008〜2019)とは収録期間が異なる点だけ押さえておく(12年推移の再現で効いてくる)。転入/転出=転入者数÷転出者数 を全体・男子・女子で計算し、財政力指数グループ(B1〜E)ごとの平均を求める。原論文 表2 を再計算する。135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 | d19 = df[df['SSDSE-B-2026'] == 2019].copy() d19['ti_all'] = (d19['A510101'] + d19['A510102']) / (d19['A510201'] + d19['A510202']) d19['ti_m'] = d19['A510101'] / d19['A510201'] d19['ti_f'] = d19['A510102'] / d19['A510202'] print('=== [1] 新指標「転入/転出」の財政力指数グループ別平均(表2)【実再現】===') print('転入/転出 = 転入者数 ÷ 転出者数(2019年・SSDSE-B)。1超で転入超過、1未満で転出超過。') print(f"{'グループ':<8}{'合計':>8}{'男子':>8}{'女子':>8}") for g in GRP_ORDER: s = d19[d19['grp'] == g] print(f'{g:<9}{s["ti_all"].mean():>8.3f}{s["ti_m"].mean():>8.3f}{s["ti_f"].mean():>8.3f}') kg = d19[d19['Prefecture'] == '香川県'].iloc[0] print(f'{"(香川)":<8}{kg["ti_all"]:>8.3f}{kg["ti_m"]:>8.3f}{kg["ti_f"]:>8.3f}') print('→ B1のみ1超(人口増)、B2以下は1未満(人口減)。どのグループでも「男子>女子」、') print(' つまり女子ほど転出超過が強い。原論文 表2(B1 1.053/C 0.824 等)とほぼ一致する。') |
=== [1] 新指標「転入/転出」の財政力指数グループ別平均(表2)【実再現】=== 転入/転出 = 転入者数 ÷ 転出者数(2019年・SSDSE-B)。1超で転入超過、1未満で転出超過。 グループ 合計 男子 女子 B1 1.055 1.044 1.068 B2 0.893 0.918 0.862 C 0.824 0.863 0.775 D 0.797 0.839 0.747 E 0.816 0.852 0.774 (香川) 0.890 0.909 0.864 → B1のみ1超(人口増)、B2以下は1未満(人口減)。どのグループでも「男子>女子」、 つまり女子ほど転出超過が強い。原論文 表2(B1 1.053/C 0.824 等)とほぼ一致する。
表2の数値を棒グラフにした。男子・合計・女子を並べ、1.0(転入と転出が均衡する線)との位置関係を見る。これはSSDSE-Bからの実再現である。
研究のスタートは「財政力指数とSSDSE-B全項目の相関」だった。その中で人口移動が高い相関を示したことが、この研究全体の入口になっている。ここをSSDSE-Bで実再現する(財政力指数は総務省の公表値を転記)。
160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 | r_in = d19['zai'].corr(d19['A5101']) r_out = d19['zai'].corr(d19['A5102']) r_pop = d19['zai'].corr(d19['A1101']) print(f' 財政力指数 と 転入者数(実数): {r_in:.4f} (原論文の報告値 0.8280)') print(f' 財政力指数 と 転出者数(実数): {r_out:.4f} (原論文の報告値 0.8526)') print(f' 財政力指数 と 総人口 : {r_pop:.4f} (原論文「人口関係はほぼ0.87以上」)') def corr_sub(groups): s = d19[d19['grp'].isin(groups)] return s['zai'].corr(s['ti_all']), s['zai'].corr(s['ti_m']), s['zai'].corr(s['ti_f']) print(' --- 財政力指数 と「転入/転出」の相関(部分集合ごと・表3)---') print(f" {'範囲':<8}{'合計':>8}{'男子':>8}{'女子':>8}") subsets = [('全部', ['B1', 'B2', 'C', 'D', 'E', 'F']), ('B1〜C', ['B1', 'B2', 'C']), ('B2〜C', ['B2', 'C']), ('B2〜D', ['B2', 'C', 'D'])] for name, gs in subsets: ca, cm, cf = corr_sub(gs) print(f' {name:<8}{ca:>8.3f}{cm:>8.3f}{cf:>8.3f}') print('→「転入/転出」と財政力指数は全部で0.8超の強い相関。B1を除いても0.5〜0.6の正の相関が残る。') print(' 財政力の高い都道府県ほど転入超過=「人の移動」と「自治体の財力」は強く結びつく。') |
=== [2] 財政力指数と人口移動の相関(表3)【実再現】=== 財政力指数=総務省の公表値(原論文 表1)を転記。移動データは SSDSE-B(2019年)。 財政力指数 と 転入者数(実数): 0.8280 (原論文の報告値 0.8280) 財政力指数 と 転出者数(実数): 0.8526 (原論文の報告値 0.8526) 財政力指数 と 総人口 : 0.8745 (原論文「人口関係はほぼ0.87以上」) --- 財政力指数 と「転入/転出」の相関(部分集合ごと・表3)--- 範囲 合計 男子 女子 全部 0.803 0.804 0.788 B1〜C 0.776 0.782 0.759 B2〜C 0.573 0.582 0.545 B2〜D 0.587 0.594 0.556 →「転入/転出」と財政力指数は全部で0.8超の強い相関。B1を除いても0.5〜0.6の正の相関が残る。 財政力の高い都道府県ほど転入超過=「人の移動」と「自治体の財力」は強く結びつく。
表3の相関を散布図で確かめる。横軸に財政力指数、縦軸に「転入/転出」を取り、男子・女子を色分けした。これはSSDSE-Bからの実再現である。
賃金・正規職率(報告値・後述)では人の動きを十分に説明できなかった。そこで著者はSSDSE-Bの他項目との相関を探り、婚姻件数にたどり着いた。ここをSSDSE-Bで実再現する。
189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 | d19['mar_pm'] = d19['A9101'] / d19['A1101'] * 1e6 # 100万人当たり婚姻件数 d19['div_pm'] = d19['A9201'] / d19['A1101'] * 1e6 # 100万人当たり離婚件数 print('\n=== [3] 100万人当たり婚姻・離婚件数と「転入/転出」の相関(表6)【実再現】===') print('婚姻件数(A9101)・離婚件数(A9201) を総人口(A1101) で割り100万人当たりに換算(2019年・SSDSE-B)。') print(f" {'相手':<16}{'婚姻/100万人':>14}{'離婚/100万人':>14}") print(f' {"財政力指数":<15}{d19["zai"].corr(d19["mar_pm"]):>14.3f}{d19["zai"].corr(d19["div_pm"]):>14.3f}') print(f' {"総人口":<16}{d19["A1101"].corr(d19["mar_pm"]):>14.3f}{d19["A1101"].corr(d19["div_pm"]):>14.3f}') print(f' {"転入/転出":<14}{d19["ti_all"].corr(d19["mar_pm"]):>14.3f}{d19["ti_all"].corr(d19["div_pm"]):>14.3f}') print('→ 婚姻件数との相関は「転入/転出」が最も強い(0.833、原論文の報告値0.833と一致)。一方') print(' 離婚件数との相関は弱い。人の動きは「労働環境」より「婚姻」と密接、という原論文の観察を裏づける。') |
=== [3] 100万人当たり婚姻・離婚件数と「転入/転出」の相関(表6)【実再現】=== 婚姻件数(A9101)・離婚件数(A9201) を総人口(A1101) で割り100万人当たりに換算(2019年・SSDSE-B)。 相手 婚姻/100万人 離婚/100万人 財政力指数 0.725 0.039 総人口 0.747 0.171 転入/転出 0.833 0.339 → 婚姻件数との相関は「転入/転出」が最も強い(0.833、原論文の報告値0.833と一致)。一方 離婚件数との相関は弱い。人の動きは「労働環境」より「婚姻」と密接、という原論文の観察を裏づける。
ここが本研究のハイライト。表2で見えた「女子ほど転出超過」が、12年間でどう動いたかを追う。SSDSE-Bの転入・転出(男女別)から実再現できる中心部分である。
diff=(女性転入−女性転出)−(男性転入−男性転出) を計算する。負なら女性が男性より多く流出。4年ずつの窓(2012-2015/2016-2019/2020-2023)でグループ平均を出し、原論文 表8・図1 を再現する。208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 | df['diff'] = (df['A510102'] - df['A510202']) - (df['A510101'] - df['A510201']) WINDOWS = [('2012-2015', 2012, 2015), ('2016-2019', 2016, 2019), ('2020-2023', 2020, 2023)] print('\n=== [4] 女性−男性の純移動差の推移(表8・図1)【実再現】===') print('diff =(女性転入−女性転出)−(男性転入−男性転出)。負ほど女性が男性より多く流出。') print('原論文は 2008-2019 を使用。本データ(SSDSE-B-2026)は2012-2023収録のため重複窓を再現し延長する。') print(f" {'グループ':<8}{'2012-2015':>12}{'2016-2019':>12}{'2020-2023':>12}") trend = {} for g in ['F'] + GRP_ORDER: vals = [] for _, a, b in WINDOWS: w = df[(df['SSDSE-B-2026'] >= a) & (df['SSDSE-B-2026'] <= b) & (df['grp'] == g)] vals.append(w['diff'].mean()) trend[g] = vals label = 'F(東京)' if g == 'F' else g print(f' {label:<8}{vals[0]:>12,.0f}{vals[1]:>12,.0f}{vals[2]:>12,.0f}') # 表7:全都道府県の窓ごと標準偏差 print(' --- 表7:男性と比べた女性の増加数の標準偏差(全都道府県)---') for lbl, a, b in WINDOWS: w = df[(df['SSDSE-B-2026'] >= a) & (df['SSDSE-B-2026'] <= b)] m = w.groupby('Prefecture')['diff'].mean() print(f' {lbl}: {m.std(ddof=0):.1f}') print('→ F(東京)は女性の純流入が男性より年6千〜1.2万人多く、しかも年々拡大。B2〜Eの地方は一貫して負、') print(' 香川を含むCは 2016-2019 で −633 と最も悪化。女性が地方から東京へ男性以上に流出する構造が実データで再現された。') print(' (重複窓の 2012-2015・2016-2019 は原論文 表8 の数値と一致。2020-2023 はコロナ禍で東京の一極集中がやや緩む。)') |
=== [4] 女性−男性の純移動差の推移(表8・図1)【実再現】===
diff =(女性転入−女性転出)−(男性転入−男性転出)。負ほど女性が男性より多く流出。
原論文は 2008-2019 を使用。本データ(SSDSE-B-2026)は2012-2023収録のため重複窓を再現し延長する。
グループ 2012-2015 2016-2019 2020-2023
F(東京) 6,454 11,918 8,188
B1 963 1,167 1,342
B2 -340 -313 -183
C -210 -633 -608
D -369 -580 -543
E -202 -313 -300
--- 表7:男性と比べた女性の増加数の標準偏差(全都道府県)---
2012-2015: 1583.2
2016-2019: 2084.6
2020-2023: 1544.2
→ F(東京)は女性の純流入が男性より年6千〜1.2万人多く、しかも年々拡大。B2〜Eの地方は一貫して負、
香川を含むCは 2016-2019 で −633 と最も悪化。女性が地方から東京へ男性以上に流出する構造が実データで再現された。
(重複窓の 2012-2015・2016-2019 は原論文 表8 の数値と一致。2020-2023 はコロナ禍で東京の一極集中がやや緩む。)原論文の中心図(図1)を、SSDSE-Bから再現する。これは実データからの再計算(実再現)である。財政力指数グループごとに、女性が男性より年間いくら多く増えているかの4年平均を描いた。
ここからは出典がSSDSE-B外(賃金構造/就業構造/学校基本調査/SSDSE-D)のため、原論文の報告値をそのまま転記する。女性の流出をどう防ぐか――大学進学・賃金・文化的環境の3方向から検証している。
=== [5] 報告値の転記(SSDSE-B 外・再計算しない)=== ■ 表4「転入/転出」と 推定年収・正規職率 の相関(賃金構造基本統計調査/就業構造基本調査) 範囲 男×年収 女×年収 男×正規 女×正規 全部 0.711 0.729 -0.429 -0.448 B1〜C 0.658 0.678 -0.317 -0.489 B2〜C 0.561 0.464 -0.218 -0.391 B2〜D 0.477 0.437 -0.382 -0.499 → 年収とは男女とも強い正の相関(女0.729)。正規職員雇用率とはむしろ弱い負の相関で予想と逆だった。 ■ 表10 県内大学の定員/大学進学者数(%)=地元大学の受け入れ余力(学校基本調査 令和3年度) グループ 全大学 国公立 私立 B1 91.5 80.7 93.2 B2 88.0 102.1 83.1 C 70.3 111.4 49.1 D 62.8 98.1 41.8 E 70.1 162.5 5.8 → 国公立の定員はどのグループも充足。私立はB1 93.2 に対しC49.1・E5.8 と地方ほど不足。 ■ 表11「県内大学定員/進学者数」と「転入/転出」の相関(学校基本調査 令和3年度) 範囲 全大学 国公立 私立 全部 0.565 -0.062 0.633 B1〜C 0.442 -0.119 0.525 B2〜C 0.502 0.139 0.549 B2〜D 0.422 0.099 0.492 → 私立大学の受け入れ余力はどの範囲でも「転入/転出」と約0.5以上の正の相関(国公立はほぼ無相関)。 ■ 表12 社会生活データ(SSDSE-D-2021)と「転入/転出」の相関(女性で特に強い項目) 項目 男性 女性 女-男 英語以外の外国語 0.699 0.803 0.105 パソコン等の情報処理 0.649 0.753 0.104 趣味・娯楽の総数 0.670 0.798 0.127 演芸・演劇・舞踊鑑賞 0.669 0.831 0.161 通勤・通学をした人(平日) 0.705 0.811 0.106 → 女性の「転入/転出」は趣味・娯楽(0.798)や演芸鑑賞(0.831)など文化的充実と強く相関し、男性より高い。
| 分析 | データ | 結果 | 本ページ |
|---|---|---|---|
| 財政力指数×転出者数 | SSDSE-B+総務省 | 相関0.8526 | 実再現(0.8526一致) |
| 転入/転出のグループ平均 | SSDSE-B | B1のみ1超、女子<男子 | 実再現(表2一致) |
| 転入/転出×100万人婚姻 | SSDSE-B | 相関0.833 | 実再現(0.833一致) |
| 女性−男性の純移動差 | SSDSE-B | 東京拡大・Cは−633で最悪 | 実再現(表8一致) |
| 私立大学定員×転入/転出 | 学校基本調査 | 約0.5以上の正の相関 | 報告値の可視化 |
| 女性×文化的充実(趣味・演芸) | SSDSE-D | 相関0.79〜0.83 | 報告値の可視化 |
対策の柱である「私立大学」を可視化する。この図は原論文の報告値をそのまま可視化したものである(学校基本調査 令和3年度が出典で、SSDSE-Bに無いため再計算できない)。
実再現と報告値を合わせると、著者の主張は次のように整理できる。財政力の低い地方から高い都会へ、女性が男性より多く流出している(図1・実再現)。その動きは「収入」だけでなく「婚姻」と強く結びつき(表6・実再現)、一度出た女性はUターンしにくい。だからUターン対策だけでなく、そもそも出ていかせない対策――魅力ある私立大学の整備(表10・表11・報告値)と、趣味・娯楽を楽しめる文化的環境(表12・報告値)――が重要だ、という論理である。
女性は男性より進学で県外に出にくいが、一度出ると戻りにくい。国公立の定員は足りているが私立は地方ほど不足しているため、私立大学を新設・拡充すれば進学段階での女性流出を抑えられると提言する。私立大学の受け入れ余力と「転入/転出」の相関(約0.5以上・報告値)がその根拠である。
女性の「転入/転出」は趣味・娯楽や演芸鑑賞との相関が男性より強い。仕事と趣味を両立でき、文化的に充実した日々を送れる環境が女性を引き留める、というのが著者の見立てである(報告値)。
本研究は、財政力の弱い地方はなぜ元気を失うのかという問いに、財政力指数を軸とした相関分析・新指標「転入/転出」・12年間の推移で挑んだ。財政力指数と人の移動は強く結びつき(転出0.8526・実再現)、地方ほど転出超過でとりわけ女性の流出が深刻(東京への女子超過は拡大、香川を含むCは直近4年で最悪・実再現)。人の動きは「婚姻」と密接(0.833・実再現)で、対策として私立大学の整備(報告値)と文化的に充実した環境づくり(報告値)を提言した。高校生が先入観を排し、指標を自作して男女差という発見に到達した探究の姿勢が見どころである。
このページの実再現の図(図1・図2・図3)は、以下から再現できます。
🐍 再現コード(.py) 📊 SSDSE-B-2026.csv
※ 図1(女性−男性の純移動差の推移)・図2(転入/転出のグループ平均)・図3(財政力指数との散布図)はSSDSE-Bの転入者数(A5101)・転出者数(A5102)・婚姻件数(A9101)・総人口(A1101)からの実再現です(財政力指数は総務省の公表値を転記)。図4(私立大学の受け入れ余力)と対策の数値は、出典が学校基本調査/賃金構造・就業構造基本調査/SSDSE-DでSSDSE-B外のため、原論文の報告値を可視化したものです。
この研究を読むとき・まねするときに陥りやすい誤解を整理する。
クリックすると各用語の詳しい解説ページに移動できます。
この研究で使われている手法を、手を動かす順に説明する。
この研究の「地方から女性が男性より多く流出し、婚姻・大学と結びつく」という結論は、次の研究の出発点になる。
再現コードを少し変えるだけで試せる課題を、易しい順に用意した。
df['SSDSE-B-2026'] == 2019 を == 2023 に変えて、最新年の「転入/転出」グループ平均を出してみよう。コロナ後に地方の転出超過が和らいだか確かめられる。d19[d19['Prefecture']=='香川県'] で香川の男子・女子の「転入/転出」を比べ、他のC県(愛媛・富山など)と並べてみよう。地元の立ち位置が実感できる。WINDOWS の4年窓を3年や5年に変えたり、単年ごとに描いたりして、「東京拡大・地方沈下」の傾向が窓の取り方に左右されないか確認しよう。前提の置き方で結論が揺れないかを確かめる練習になる。「規模の影響を除く比の指標を作り、群別・男女別に相関と推移を見る」発想は、行政や企業で広く使われている。
この研究を読んで浮かびやすい疑問に答える。
この論文を理解できたか、クリックで確認しましょう。間違えても解説が出ます。
このページの分析は、この画面の中でそのまま実行できます。
Python をインストールする必要も、CSV をダウンロードする必要もありません。
下のセルの 「▶ ブラウザで実行」 を上から順に押すか、
「▶ 最初から全部実行」 で一気に流してください。
表示されるのは、本文の図表とまったく同じ計算の結果です
(動かしているのは再現スクリプト code/2022_H5_15_shorei.py そのもの)。
コードは書き換えられます。「✏️ 書き換える」で数字や変数を変えて ▶ を押すと、 結果がどう変わるかをその場で確かめられます(元に戻すボタンつき)。 ページを開いた時点で裏で実行環境の準備が始まっているので、待ち時間はほとんどありません。 初回だけ実行環境の取得にインターネット接続が必要です。