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審査員奨励賞[高校生の部] ★

脱炭素社会に向けてサステナブルなまちづくりをしていくためには?

⏱️ 推定読了時間: 約22分
2022年度(令和4年度)統計データ分析コンペティション | 中谷 祐貴・佐竹 正裕・北原 櫂人(東京都私立聖学院高等学校) | 環境省マニュアル(CO2排出量)・国勢調査・農業センサス・RESAS/再現はSSDSE-B-2026 | ランキング分析・相関分析・時系列変化量(差分)・政策調査
🔬 ランキング分析🔬 相関分析🏷 環境・エネルギー🏷 農林水産
🔬 手法タグ / 🏷 応用タグ(クリックで同タグの論文をネットワーク検索)
🔬 再現カルテ — 原論文と同じデータ・同じ手法で再現

この教材は原論文と同じデータを読み込み、同じ手順で計算し直しています。画面に出る数値と図は、あなたのブラウザがその場で計算した結果です。

原論文が使ったデータSSDSE・国勢調査・地方公共団体実行計画(区域施策編)策定・実施マニュアル(算定手法編)・農業センサス
分析単位:市区町村
中核手法:相関分析
この教材が使うデータ
原論文(PDF)脱炭素社会に向けてサステナブルなまちづくりをしていくためには?
審査員奨励賞/中谷 祐貴、佐竹 正裕、北原 櫂人(聖学院高等学校)
✅ この教材でできること
  • 分析に使うデータは同梱済みで、ブラウザ上でそのまま読み込める
⚠️ この教材ではできないこと(原論文との違い)
  • 原論文は市区町村を単位に分析しているが、この教材は都道府県が単位

▶ ここに書いてある分析は、ページ下部の「🐍 ブラウザで動かす」でそのまま実行できます(インストール不要)。動かしているのは code/2022_H5_12_shorei.py(311 行)そのものです。

📝 3行で分かる要約

目次

  1. 研究のテーマと目的
  2. 使用データと再現可能性の整理
  3. 分析の流れ:ランキング→相関→変化量→政策調査
  4. 図1:CO2排出量ランキング(報告値の可視化)
  5. 図2:地域特性との相関係数(報告値の可視化)
  6. 図3:2008→2019の変化量(報告値の可視化)
  7. 主要な発見(原論文の報告値)
  8. 再現コード:総人口をSSDSE-Bで構築(実再現)
  9. 図4:総人口の都道府県ランキング(実再現)
  10. 結果の解釈と考察
  11. まとめと今後の課題
  12. データ・コードのDL
  13. ⚠️ よくある誤解
  14. 📖 用語集
  15. 📐 手法ガイド
  16. 🚀 発展の可能性
  17. 🎯 自分でやってみよう
  18. 🤔 Q&A
  19. 🐍 ブラウザで動かす

🎯 この記事を読むと何ができるようになるか

📥 データの準備(再現コードを動かす前に)

このページの総人口ランキング(図4)は、以下の手順で自分で再現できます。コードの編集は不要です。(二酸化炭素排出量は環境省マニュアル由来・市区町村粒度でSSDSE-Bに無いため、図1〜図3は原論文の報告値を可視化します。)

1
データをダウンロードする 独立行政法人統計センターの SSDSE(教育用標準データセット)配布ページから、以下をダウンロードします。
SSDSE-B-2026.csv ← SSDSE-B(都道府県別・基礎データ、社会・人口統計体系)📥 直接DL
⬇ SSDSEダウンロードページを開く
2
ファイルを所定のフォルダに配置する ダウンロードしたCSVを、プロジェクトの data/raw/ フォルダに入れます。
2026 統計・データ解析コンペ/ ├── code/ │ └── 2022_H5_12_shorei.py ← 実行するスクリプト └── data/ └── raw/ SSDSE-B-2026.csv ← ここに置く
3
スクリプトをそのまま実行する ターミナルでプロジェクトルートに移動し、以下を実行します。
python3 code/2022_H5_12_shorei.py
図は html/figures/ に自動保存されます。
研究のテーマと目的

気候変動・環境問題は、日本のみならず世界で近年最も注目されている課題の一つである。著者らはその原因の一つである二酸化炭素排出量をどう減らせばよいかに着目し、「この世界で起きている環境問題という大きな壁を乗り越えるための突破口を作る」ことを目的に掲げた。そこで本研究は「二酸化炭素排出量を減らす要因はなにか」をテーマとして分析を行った。

分析の進め方はシンプルで力強い。まず地域別(市区町村)の排出量を多い順に並べてランキングにし、次に排出量と様々な地域特性の相関を調べ、さらに県や市の政策・取り組みを排出量の変化に重ねて分析した。高校生らしく「地域を並べて比べ、そこで何が起きているか政策まで調べる」という探究の姿勢が全体を貫いている。

19,308t
2019年CO2排出量1位(神奈川県横浜市・報告値)
+0.848
CO2排出量×総人口の相関(報告値・最強)
+0.613
CO2排出量×製造品出荷額の相関(報告値)
2008→2019
変化量(差分)を見た期間
研究の問い 「二酸化炭素排出量を減らす要因はなにか」。排出量が多い地域・少ない地域、そして10年で大きく減らせた地域にどんな特徴・取り組みがあるのかを、ランキングと相関、政策調査から明らかにする。
分析のキモ:ランキングと「変化量」を政策に重ねる 排出量の水準だけを見るのではなく、2008年と2019年の差=変化量を算出し、「宮城県のゼロカーボンチャレンジ」「岡山県倉敷市のゼロカーボンシティ」など実際の自治体政策と重ねて読んだ点が本研究の見どころ。数字の背後にある取り組みまで調べている。

高校生の部 環境省マニュアル・国勢調査・RESAS ランキング分析 相関分析 時系列変化量(差分)

使用データと再現可能性の整理

目的変数は地域別(市区町村)2019年の二酸化炭素排出量[t]で、環境省「地方公共団体実行計画(区域施策編)策定・実施マニュアル(算定手法編)」(2019年・2008年)を用いた。説明側の変数は総人口(国勢調査)、農家数(農業センサス)、製造品出荷額・森林率・都市公園面積・自家用乗用車保有台数(RESAS等)を組み合わせている。年度・粒度の異なるデータを組み合わせている点は注意が必要である。

表1 主なデータと出典(原論文 表1・表2 より)

役割変数出典
目的地域別 2019年/2008年の二酸化炭素排出量[t]環境省「地方公共団体実行計画(区域施策編)策定・実施マニュアル(算定手法編)」(2019・2008)
人口地域別総人口/2010年時点の総人口国勢調査(2020・2010)*SSDSE
農業農家数(販売農家+自給的農家)農業センサス(2015)*SSDSE
工業ほか製造品出荷額・森林率・都市公園面積・自家用乗用車保有台数RESAS(地域経済分析システム)ほか

*は原論文がSSDSE(教育用標準データセット)から取得した変数。人口1人あたり排出量=2019年排出量÷総人口、農家数=販売農家+自給的農家、として著者が加工した指標も用いている。

再現可能性の整理(このページの図の作り方)
  • 報告値の可視化(再計算ではない):二酸化炭素排出量は環境省マニュアル由来・かつ市区町村粒度SSDSEに無い。相関の相手方の多く(製造品出荷額・森林率・都市公園面積・自家用乗用車保有台数)もSSDSE-B-2026に無い。よって図1(排出量ランキング=表3)、図2(6指標との相関係数)、図3(2008→2019の変化量=表5・表6)は原論文の報告値を転記して可視化する。
  • 実再現できる部分:原論文の説明変数のうちSSDSE-B-2026に収録があるのは総人口(A1101)だけである。原論文が最も強い相関(r=+0.848)を報告した「総人口」を、SSDSE-Bから同じ考え方で構築し(図4)、排出量上位地域との地域的な重なりを確かめる。ただし排出量は市区町村粒度なのに対しSSDSE-Bは都道府県粒度・2023年で、排出量自体がSSDSEに無いため、再現できるのは「相関の相手方の作り方と地域差」だけである。
  • 新しい数値の捏造はしない:製造品出荷額・森林率・都市公園面積・自家用乗用車保有台数・農家数はSSDSE-B-2026に無いため実再現には使わない。報告値と再計算値はラベルで分離する。

分析の流れ:ランキング → 相関 → 変化量 → 政策調査

分析の流れ
ランキング
排出量の多い
地域を並べる
相関分析
工業・人口・農業
森林・自動車と
変化量
2008→2019の
差分を算出
政策調査
ゼロカーボン
施策と重ねる

① ランキング分析

2019年の排出量を並べ、上位地域(表3)と、人口の影響を除くための人口1人あたり排出量(表4)を作成した。人口1人あたりで最も少ない3地域が宮城県に集中していたことから、宮城県の取り組みを調査するきっかけになった。

② 相関分析

排出量と地域特性(製造品出荷額・総人口・農家数・森林率・都市公園面積・自家用乗用車保有台数)の相関係数を求め、5つの仮説を検証した。「工業が盛んだと多い」「人口が多いと多い」などの仮説を、符号と強さで確かめている。

③ 時系列変化量(差分)

2019年と2008年の排出量の差を地域ごとに算出し(表5)、10年で大きく減らせた地域を特定した。宮城県・岡山県倉敷市の「ゼロカーボン」施策と重ねることで、大きな取り組みが排出量抑制につながるという主張の根拠にした。

相関は因果ではない 本研究の相関はすべて地域単位(市区町村・都道府県)の相関であり、因果関係を示すものではない。著者も「関係がある」「〜と考えられる」という言い方で慎重に述べている。政策の効果についても、変化量と政策の時期を重ねた状況証拠としての議論である。
1
図1:CO2排出量ランキング(報告値の可視化)

2019年の二酸化炭素排出量の上位10地域が原論文 表3 にまとめられている。この図はその報告値をそのまま可視化したものである(市区町村別の排出量は環境省マニュアル由来でSSDSE-Bに無いため再計算できない)。上位3地域を赤で示す。

やってみよう原論文 表3 の排出量ランキング(報告値)を転記する
  • ① このコードの目的:原論文 表3 の上位10地域の排出量をそのままリストに転記し、上位3地域を書き出す。再計算ではなく報告値の転記。
  • ② 前後のつながり:ここで「工業が盛んな大都市が上位」という並びを掴んでから、次の相関分析(図2)で「工業・人口が要因では」という仮説の検証につなげる。
▼ 実行結果(原論文の報告値)
=== [1] 2019年 二酸化炭素排出量ランキング(原論文 表3 の報告値)===
目的変数「市区町村別CO2排出量」は環境省マニュアル由来・SSDSE に無く再計算不可(報告値の転記)
順位  都道府県    市区町村       CO2排出量(t)
1   神奈川県    横浜市           19,308
2   岡山県     倉敷市           16,944
3   大分県     大分市           15,624
4   広島県     広島市           15,234
5   大阪府     大阪市           14,016
6   千葉県     市原市           13,876
7   愛知県     名古屋市          13,102
8   北海道     札幌市           13,062
9   愛知県     豊田市           11,860
10  兵庫県     神戸市           11,291
→ 上位3地域: 神奈川県横浜市(19,308t)、岡山県倉敷市(16,944t)、大分県大分市(15,624t)
※ いずれも工業が盛んな大都市。著者はこの並びから「工業・人口が要因」と仮説を立てた。
  • ④ 実行結果の読み取り:1位神奈川県横浜市(19,308t)、2位岡山県倉敷市(16,944t)、3位大分県大分市(15,624t)。以下、広島・大阪・市原・名古屋・札幌・豊田・神戸と続き、いずれも工業が盛んな大都市が並ぶ。著者はこの並びから「工業・人口が排出量の要因では」と仮説を立てた。すべて原論文の報告値である。
2019年 二酸化炭素排出量ランキング(報告値の可視化)
図1:2019年 二酸化炭素排出量ランキング(上位10地域)。報告値の可視化(再計算ではない)(原論文 表3)。赤=上位3地域(横浜・倉敷・大分)。市区町村粒度の環境省マニュアルの値で、SSDSE-Bには無い。
📊 この図の読み方
上位(多い)
横浜・倉敷・大分・広島・大阪。工業が盛んな大都市。人口も多い地域が並ぶ。
特徴
ほぼ全てが政令市クラスの工業都市。著者はこの共通点から工業・人口を要因の候補にした。
位置づけ
報告値の可視化。市区町村別の排出量はSSDSE-Bに無いため、原論文 表3 を転記した(本ページで計算し直したものではない)。
2
図2:地域特性との相関係数(報告値の可視化)

排出量と地域特性(工業・人口・農業・森林・自動車)の相関係数が原論文 4-2章に報告されている。この図はその報告値をそのまま可視化したものである(排出量がSSDSE-Bに無いため再計算不可)。正の相関を緑、負の相関を赤で示す。

やってみよう原論文 4-2章 の相関係数(報告値)を転記する
  • ① このコードの目的:原論文が報告した6つの相関係数を符号・桁そのままに転記し、絶対値が最大の相関を書き出す。再計算ではなく報告値の転記。
  • ② 前後のつながり:ここで「何が排出量と強く関係するか」を掴んでから、変化量(図3)と政策調査に進む。相関の符号が仮説どおりか/逆かを確認する場面。
▼ 実行結果(原論文の報告値)
=== [2] CO2排出量(2019)と地域特性の相関係数(原論文 4-2章の報告値)===
全て原論文の報告値の転記。CO2排出量は SSDSE に無いため再計算不可。
相手の指標                              相関係数r   著者の解釈
総人口                              +0.8478   正(人口が多いほど多い)
製造品出荷額(2019)                     +0.6132   正(工業が盛んなほど多い)
都市公園面積(ha)(2009)                 +0.5724   正
農家数(合計・2015)                     +0.3080   正(弱い)
森林率(2017)                        -0.5896   負(森林が多いほど少ない)
自家用乗用車の100世帯当たり保有台数              -0.6066   負
→ 絶対値が最大の相関: 総人口(r=+0.848)=人口が最も強く排出量を規定(報告値)
※ 農業(農家数)は正・弱く、著者の「農業が盛んだと少ない」という仮説とは逆向きだった。
  • ④ 実行結果の読み取り:最も強いのは総人口(r=+0.848)で、人口が最も強く排出量を規定する。次いで製造品出荷額(r=+0.613)、都市公園面積(r=+0.572)が正、森林率(r=−0.590)と自家用乗用車保有台数(r=−0.607)が負。農家数は+0.308と弱い正で、「農業が盛んだと少ない」という著者の仮説とは逆向きだった。すべて原論文の報告値である。
二酸化炭素排出量と地域特性の相関係数(報告値の可視化)
図2:二酸化炭素排出量(2019)と地域特性の相関係数。報告値の可視化(再計算ではない)(原論文 4-2章)。緑=正の相関、赤=負の相関。点線は |r|=0.2 の目安。排出量がSSDSE-Bに無いため再計算不可。
📊 この図の読み方
右(正・大)
総人口・製造品出荷額・都市公園面積。値が大きい地域ほど排出量が多い傾向(報告値)。
左(負・大)
森林率・自家用乗用車保有台数。森林が多い(=都市化が進んでいない)地域ほど排出量が少ない傾向。
注意
農家数は+0.308と仮説(負)と逆向き。相関の符号が予想と違うこともある。すべて報告値の可視化で、因果ではない。
3
図3:2008→2019 の変化量(報告値の可視化)

2019年と2008年の排出量の差=変化量(差分)を地域ごとに算出したのが原論文 表5・表6 である。この図はその報告値をそのまま可視化したものである。負の値は10年間で排出量が減少したことを示す。

やってみよう原論文 表5・表6 の変化量(報告値)を転記する
  • ① このコードの目的:原論文 表5(減少上位10地域)と表6(上位3排出地域の比較)の値を転記し、変化量を書き出す。再計算ではなく報告値の転記。
  • ② 前後のつながり:ここで「どの地域が10年で減らせたか」を掴み、宮城県・倉敷市のゼロカーボン施策の効果という主張(結論)につなげる。減った地域と政策の時期を重ねるのが著者の論法。
▼ 実行結果(原論文の報告値)
=== [3] 2008→2019 の CO2排出量 変化量(原論文 表5・表6 の報告値)===
■ 表5:排出量の減少が大きかった上位10地域(負=10年間で減少)
都道府県    市区町村      2019(t)  2008(t)    変化量(t)
岡山県     倉敷市        16,944   22,006    -5,062
千葉県     市原市        13,876   18,687    -4,811
大阪府     大阪市        14,016   17,666    -3,650
山口県     周南市         4,535    7,385    -2,850
愛知県     名古屋市       13,102   15,608    -2,506
福岡県     北九州市        8,169   10,241    -2,072
広島県     福山市         7,547    9,266    -1,719
広島県     東広島市        3,540    5,254    -1,714
兵庫県     姫路市         6,029    7,442    -1,413
静岡県     浜松市         4,531    5,874    -1,343
■ 表6:上位3排出地域の比較(大分市のみ増加)
  神奈川県横浜市: 2019=19,308t / 2008=19,859t / 変化=-216t(減少)
  岡山県倉敷市: 2019=16,944t / 2008=22,006t / 変化=-1,322t(減少)
  大分県大分市: 2019=15,624t / 2008=15,066t / 変化=+2,336t(増加)
→ 倉敷市・市原市など工業市は10年で大きく減少。大分市のみ +2,336t と増加(報告値)。
※ 注意: 倉敷市の変化量は表5では -5,062t、表6では -1,322t と原論文内で食い違う。
  横浜市の2008年値も表6は19,859t。ここでは原論文の各表の記載をそのまま転記している。
  • ④ 実行結果の読み取り:減少が大きいのは倉敷市(−5,062t)・市原市(−4,811t)・大阪市(−3,650t)など工業市。一方、上位3排出地域の比較(表6)では横浜市 −216t、倉敷市 −1,322t と減少、大分市のみ +2,336t と増加。なお倉敷市の変化量は表5では−5,062t、表6では−1,322t と原論文内で食い違っており、ここでは各表の記載をそのまま転記している。すべて報告値である。
2008→2019 の二酸化炭素排出量の変化量(報告値の可視化)
図3:2008→2019 の二酸化炭素排出量の変化(減少上位10地域)。報告値の可視化(再計算ではない)(原論文 表5)。負=10年間で減少。値は環境省マニュアルの市区町村粒度で、SSDSE-Bには無い。
📊 この図の読み方
左に長い棒(大きく減少)
倉敷市・市原市・大阪市。工業都市がこの10年で大きく排出量を減らした。
政策との対応
著者は倉敷市「2050年ゼロカーボンシティ」宣言、宮城県「ゼロカーボンチャレンジ2050」と重ね、大きな取り組みが減少の要因と主張。
注意
表5と表6で倉敷市の値が食い違う(原論文の表の不整合)。報告値の可視化であり、二重に明記している。
4
主要な発見(原論文の報告値)

以下の相関・数値はすべて原論文の報告値である。ランキング・相関分析・変化量・政策調査から、著者は次のように整理した。

相関分析でわかったこと(原論文の報告値)

地域特性排出量との相関解釈(著者)
総人口(r=+0.848)/製造品出荷額(r=+0.613)強い正の相関人口が多く工業が盛んな地域ほど排出量が多い
森林率(r=−0.590)/自家用乗用車保有台数(r=−0.607)負の相関森林が多い(都市化が進んでいない)地域ほど排出量が少ない
農家数(r=+0.308)弱い正の相関仮説(農業が盛んだと少ない)とは逆向きで、関係は弱い

変化量・政策調査でわかったこと(報告値)

人口1人あたり排出量が少ない3地域は宮城県(蔵王町・柴田町・亘理町)に集中し、宮城県は「ゼロカーボンチャレンジ2050」を10年前から実施していた。岡山県倉敷市も「2050年ゼロカーボンシティ」を掲げ、2008→2019で排出量を大きく減らした。一方、大分市は同期間で+2,336t と増加し、脱炭素の大きな施策が少なかった。

「市全体の大きな取り組み」という着眼(原論文 4-1-5・5章) 宮城県・倉敷市に共通するのは「ゼロカーボンシティ」という市・県全体での大きな取り組みだった。それが排出量を増やさず抑えている要因だ、と著者は結論づけた。逆に大きな施策の少ない大分市は増加していた。この対比が「大きな取り組みが要因」という主張の柱になっている。すべて報告値に基づく著者の考察。
5
再現コード:総人口をSSDSE-Bで構築(実再現)

原論文の目的変数(CO2排出量)はSSDSE-Bに無く、相関の相手方の多く(製造品出荷額・森林率・都市公園面積・自動車保有台数)も無い。唯一SSDSE-Bに収録があるのは「総人口」。原論文が最も強い相関を報告したこの変数を、SSDSE-Bから構築してみる。

やってみようSSDSE-B を読み込み、原論文が最も強い相関を報告した相手方「総人口」を構築する【実再現】
  • ① このコードの目的:SSDSE-B-2026 を cp932・ラベル行 skiprows=[1] で読み込み、先頭列 SSDSE-B-2026(年度)が2023の47都道府県を残す。原論文が最も強い相関(r=+0.848)を報告した相手方総人口(A1101)を取り出し、上位・下位の都道府県を確認する。
  • ② 前後のつながり:原論文の目的変数(市区町村別CO2排出量)はSSDSE-Bに無い。しかし相関の相手方のうち総人口だけはSSDSE-Bに収録がある。ここで総人口を都道府県別に構築し、排出量ランキング上位地域(横浜・大阪・名古屋…)が属する都府県と重なるかを確かめる。
📝 コード
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188
189
190
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192
193
194
195
# CLAUDE.md データ仕様どおり: cp932 / 先頭列名 SSDSE-B-2026 が年度 /
# ラベル行 skiprows=[1] / 2023年抽出 df['SSDSE-B-2026']==2023。
df = pd.read_csv(DATA_B, encoding='cp932', header=0, skiprows=[1])
df['SSDSE-B-2026'] = pd.to_numeric(df['SSDSE-B-2026'], errors='coerce')
d = df[df['SSDSE-B-2026'] == 2023].copy().reset_index(drop=True)
d['A1101'] = pd.to_numeric(d['A1101'], errors='coerce')   # A1101 総人口
d['総人口'] = d['A1101']

print('\n=== [4] SSDSE-B から総人口を構築(実再現・2023年・都道府県)===')
print(f'対象: {len(d)}都道府県 / 原論文が最も強い相関(r=+0.848)を報告した相手方「総人口」を SSDSE-B で構築')
dr = d.sort_values('総人口', ascending=False)
print('総人口が多い上位5都府県:')
for _, r in dr.head(5).iterrows():
    print(f"  {r['Prefecture']:<5} {int(r['総人口']):>12,} 人")
print('総人口が少ない下位5県:')
for _, r in dr.tail(5).iterrows():
    print(f"  {r['Prefecture']:<5} {int(r['総人口']):>12,} 人")
print('→ 総人口は東京・神奈川・大阪・愛知など大都市圏が上位。CO2排出量の上位地域')
print('  (横浜・大阪・名古屋・神戸…)が属する都府県と重なり、原論文の「人口が多い地域は')
print('  排出量も多い(r=+0.848)」という報告と方向性が整合する(相関そのものは再計算不可)。')
▼ 実行結果
=== [4] SSDSE-B から総人口を構築(実再現・2023年・都道府県)===
対象: 47都道府県 / 原論文が最も強い相関(r=+0.848)を報告した相手方「総人口」を SSDSE-B で構築
総人口が多い上位5都府県:
  東京都     14,086,000 人
  神奈川県     9,229,000 人
  大阪府      8,763,000 人
  愛知県      7,477,000 人
  埼玉県      7,331,000 人
総人口が少ない下位5県:
  福井県        744,000 人
  徳島県        695,000 人
  高知県        666,000 人
  島根県        650,000 人
  鳥取県        537,000 人
→ 総人口は東京・神奈川・大阪・愛知など大都市圏が上位。CO2排出量の上位地域
  (横浜・大阪・名古屋・神戸…)が属する都府県と重なり、原論文の「人口が多い地域は
  排出量も多い(r=+0.848)」という報告と方向性が整合する(相関そのものは再計算不可)。
  • ④ 実行結果の読み取り:総人口は東京都(約1,409万)・神奈川・大阪・愛知・埼玉が上位で、CO2排出量ランキング上位の横浜市・大阪市・名古屋市・神戸市などが属する都府県と重なる。逆に鳥取・島根・高知は70万人未満。原論文の「人口が多い地域は排出量も多い(r=+0.848)」という報告と方向性が整合する。ただし排出量は市区町村粒度でSSDSE-Bに無いため、ここで再現できるのは相関の相手方(総人口)の作り方と地域差だけである。
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図4:総人口の都道府県ランキング(実再現)

原論文が最も強い相関(r=+0.848)を報告した相手方は総人口だった。その総人口を、SSDSE-Bから都道府県別にランキングにする。これは実データからの再計算(実再現)で、原論文が市区町村粒度なのに対し都道府県粒度・2023年である点に注意(地図の代わりにランキングで地域差を表現)。

都道府県別 総人口ランキング(実再現)
図4:都道府県別 総人口ランキング(SSDSE-B 2023年、N=47)。実再現/都道府県粒度(原論文の排出量は市区町村粒度)。CO2排出量がSSDSE-Bに無いため、再現したのは相関の相手方(総人口)の側だけ。色=地方ブロック。
📊 この図の読み方
上(多い)
東京・神奈川・大阪・愛知・埼玉。排出量ランキング上位の横浜市・大阪市・名古屋市などが属する都府県と重なる。
下(少ない)
鳥取・島根・高知・徳島・福井。人口の少ない県が並ぶ。原論文では総人口が排出量と最も強い正の相関(r=+0.848)と報告された。
位置づけ
実再現(都道府県粒度)。CO2排出量はSSDSE-Bに無いため再現できたのは「相関の相手方(総人口)の作り方と地域差」まで。相関そのものは再計算していない。

結果の解釈と考察(原論文「5」)

著者はランキング・相関・変化量・政策調査を総合し、「ゼロカーボンシティ」のような市全体での大きな取り組みが排出量を抑える要因と結論づけた。そのうえで、地域の産業構成に応じた施策を【工業】【農業】【人口】の観点で分類した(すべて報告値に基づく著者の考察)。

地域特性別の施策(原論文 5-1)

工業が盛んな地域:再生可能エネルギーの導入、自社施設のZEB化・設備更新。人口が多い地域:公共交通機関の積極的な利用。農業が盛んな地域:有機農業の促進、持続可能なフードサプライチェーンの推進。

大分市への提言(原論文 5-3)

2019年時点の排出量上位3地域のうち、横浜市・倉敷市は既にゼロカーボンシティを掲げているのに対し、大分市のみ2008年比で増加(+2,336t)。著者は大分市の主流産業(鉄鋼・化学・石油)に着目し、鉄鋼生産プロセスのCO2削減、CCUS(二酸化炭素回収・貯留)、水素還元製鉄など産業特化型の施策を提言した(鉄鋼業は1tの鉄を作る際に2tのCO2が発生するとされる)。

この考察の限界 本研究の相関・変化量は地域単位の集計であり、政策の効果は「変化量と政策の時期を重ねた状況証拠」にとどまる。排出量の減少には景気・産業構造の変化など他の要因も絡む。相関は因果ではなく、著者も「〜と考えられる」という慎重な言い方をしている。

まとめと今後の課題

本研究は、地域別(市区町村)の2019年二酸化炭素排出量を軸に、ランキング分析・相関分析・2008→2019の変化量(差分)・自治体政策の調査を組み合わせ、総人口(r=+0.848)・製造品出荷額(r=+0.613)と強い正の相関を確認し、「ゼロカーボンシティ」のような市全体の大きな取り組みが排出量抑制の要因と結論づけた(いずれも報告値)。数字の背後にある自治体の取り組みまで調べ、産業構成に応じた施策(再エネ・CCUS・水素還元製鉄)を提言した探究の姿勢が見どころである。

この研究の限界 ①相関・変化量であり因果ではない。②排出量データが市区町村粒度で年度・出典の異なるデータを組み合わせている。③表5と表6で倉敷市の変化量が食い違うなど集計の不整合がある。④政策の効果は状況証拠にとどまる。より厳密には、産業構造や景気を制御したうえでの分析が望まれる。
この研究から学べること 排出量のランキングと変化量(差分)を組み合わせ、相関で要因を探り、実際の政策と重ねて読むという一連の探究。そして、目的変数が標準データセットに無いときに報告値の可視化と実再現を切り分ける誠実な姿勢。審査会も高校生による着眼と社会課題への接続を評価し、審査員奨励賞に選んだ。

データ・コードのダウンロード

このページの総人口ランキング(図4)は、以下から再現できます。

🐍 再現コード(.py) 📊 SSDSE-B-2026.csv

※ 図1(排出量ランキング)・図2(相関係数)・図3(変化量)は、目的変数の二酸化炭素排出量(環境省マニュアル・市区町村粒度)がSSDSE-B外のため、原論文の報告値を可視化したものです。図4はSSDSE-Bの総人口からの実再現ですが、原論文が市区町村粒度なのに対し本再現は都道府県粒度・2023年で、排出量がSSDSE-Bに無いため「相関の相手方(総人口)の作り方と地域差」の再現です。

⚠️ よくある誤解と注意点

この研究を読むとき・まねするときに陥りやすい誤解を整理する。

誤解1:「人口や工業がCO2排出を増やす、という因果が示された」
相関係数は一緒に大きくなる/小さくなる関係の強さと向きを示すだけで、因果ではない。人口が多い地域は工業も交通量も多く、複数の要因が絡む。著者も「関係がある」「〜と考えられる」と慎重に述べている。
誤解2:「森林率や自動車保有が負の相関だから、増やせば排出が減る」
森林率が高い・自動車保有が多いのは地方(都市化が進んでいない)地域という共通背景がある。負の相関は「都市化していない地域は排出も少ない」という交絡を反映しており、そのまま政策の因果として読むのは危険。
誤解3:「表5と表6は同じ数字のはず」
原論文内で倉敷市の変化量が表5では−5,062t、表6では−1,322t と食い違う。2008年値も表により異なる。高校生の労作ゆえの集計の不整合で、本ページは各表の記載をそのまま転記し、その旨を明記している。
誤解4:「このページの図はすべて原論文と同じ数値」
図1・図2・図3は原論文の報告値の可視化(再計算ではない)。図4は実再現だが、排出量がSSDSE-Bに無く都道府県粒度・2023年のため、原論文(市区町村粒度)とは扱う対象が異なる。図注に二重に明記している。

📖 用語集(この記事に出てくる統計用語)

クリックすると各用語の詳しい解説ページに移動できます。

相関係数
2つの数量が一緒に増減する強さと向きを−1〜+1で表す。本研究は排出量と地域特性の相関で要因を探った。
ランキング分析
指標の大きい順に地域を並べて比較する手法。排出量の多い地域・少ない地域の特徴をつかむ入口になる。
SSDSE
教育用標準データセット。本ページの再現はSSDSE-B(都道府県別)の総人口を用いる。二酸化炭素排出量は環境省マニュアル由来でSSDSEには無い。
相関と因果
相関があっても因果があるとは限らない。地域単位の相関には都市度などの交絡が入りやすい。
交絡
着目する2変数の両方に影響する第3の要因。森林率と排出量の負の相関には「都市化の度合い」が交絡している。

📐 使っている手法をわかりやすく解説

この研究で使われている手法を、手を動かす順に説明する。

全体像
排出量をランキングで並べる → 地域特性との相関で要因を探る → 2008→2019の変化量(差分)を出す → 自治体政策と重ねて解釈。ランキング・相関・差分という素朴な道具を、政策調査と組み合わせるのが見どころ。
🏆 ランキング分析
何をする
指標(排出量、1人あたり排出量、変化量)の大きい/小さい順に地域を並べ、上位・下位の共通点を探す。
読み方
上位に「工業都市」、1人あたり下位に「宮城県の町」が集まる、といった並びのパターンから仮説を立てる。
注意
人口規模の大きい地域は総量が大きくなりやすい。総量と1人あたりの両方を見て、規模の効果を切り分ける。
📈 相関分析
何をする
排出量と各地域特性の相関係数を計算し、符号(+/−)と強さ(|r|)で関係を評価する。
読み方
|r|が1に近いほど強い直線的関係。本研究では総人口(+0.848)が最も強く、農家数(+0.308)は弱い。
注意
相関は因果ではない。地域単位の相関は都市度などの交絡を含む。符号が仮説と逆のこと(農家数)もある。
➖ 時系列変化量(差分)
何をする
同じ地域の2時点(2008年・2019年)の値の差を取り、増えたか減ったかを見る。
なぜ有効
水準(もともと多い/少ない)の影響を除き、「この10年でどう変わったか」に焦点を当てられる。政策の前後比較に向く。
注意
差分を政策の効果とみなすには、他の要因(景気・産業構造)の変化も考える必要がある。あくまで状況証拠。集計元がずれると値も食い違う(表5と表6の不整合)。

🚀 発展の可能性(結果 X → 新仮説 Y → 課題 Z)

この研究の「人口・工業と正の相関、大きな取り組みが減少の要因(だが因果は不明)」という結論は、次の研究の出発点になる。

発展1:1人あたり・産業構成で標準化する
結果X
総量では人口・工業の多い大都市が上位。総人口との相関が最も強い(r=+0.848)。
新仮説Y
人口や工業規模を割り引いた「1人あたり/製造品出荷額あたり排出量」で見ると、地域の順位は入れ替わるのでは。
課題Z
排出原単位で標準化し、規模の効果を除いたうえで「本当に排出効率が良い/悪い地域」を特定する。
発展2:政策の効果を因果に近づける
結果X
ゼロカーボン施策のある地域で排出量が減少(変化量と政策時期を重ねた状況証拠)。
新仮説Y
減少は政策そのものではなく、産業構造の変化や景気で説明できるのでは。
課題Z
施策の有無で地域を比較する差分の差分(DID)など、交絡を制御した準実験的な設計で効果を推定する。

🎯 自分でやってみよう(5つのチャレンジ)

再現コードを少し変えるだけで試せる課題を、易しい順に用意した。

★☆☆☆☆ 難易度1
別の年で総人口ランキングを出す
読み込みの d = df[df['SSDSE-B-2026'] == 2023] を 2015 や 2020 に変えて、総人口の都道府県ランキングが年で変わるか確かめよう。
★★☆☆☆ 難易度2
上位10地域だけの棒グラフにする
図4で dsd.sort_values('総人口').tail(10) に絞り、上位10都府県だけのランキングにしてみよう。排出量ランキング(図1)の都市が属する県と見比べると面白い。
★★★☆☆ 難易度3
総人口と別のSSDSE-B指標の相関を見る
SSDSE-Bにある「ごみ総排出量(H5609)」を数値化し、総人口との相関を d[['A1101','H5609']].corr() で計算しよう。人口と環境負荷の関係を、SSDSE-B内だけで実データ確認できる。
★★★★☆ 難易度4
1人あたり指標を作って順位を比べる
ごみ総排出量(H5609)÷総人口(A1101)で「1人あたりごみ排出量」を作り、総量ランキングと順位がどう入れ替わるか比べよう。原論文が総量と1人あたりを両方見た意味が体感できる。
★★★★★ 難易度5
CO2排出量データを入手して相関を再現する
環境省「自治体排出量カルテ」等から市区町村別のCO2排出量を入手し、原論文と同じ市区町村粒度で総人口や製造品出荷額との相関を計算しよう。原論文の目的変数までそろえた完全な再現に一歩近づける。

💼 この手法は実社会でこう使われている

「地域単位のデータで環境・社会現象の要因をランキングと相関で探る」発想は、環境政策や行政で広く使われている。

🌱
脱炭素・気候変動対策
自治体ごとのCO2排出量を人口・産業構成と重ね、削減余地の大きい地域や施策の優先順位を決める。
🏛️
EBPM(証拠に基づく政策立案)
地域データで課題(排出・人口・産業)の要因を探索し、どの施策が効きそうかの優先順位づけに使う。
📊
ベンチマーク分析
同種の地域・企業を並べて上位/下位の要因を探るランキング+相関の手法は、経営やESG評価でも定番。

🤔 よくある質問(読者からの想定Q&A)

この研究を読んで浮かびやすい疑問に答える。

Q. なぜ排出量の「総量」で見たの?1人あたりの方が公平では?
A. 著者は総量ランキング(表3)と人口1人あたり(表4)の両方を見ています。総量では工業都市が上位ですが、1人あたりで少ない3地域が宮城県に集中していることに気づき、そこから政策調査につなげました。総量と1人あたりを併用することで、規模の効果と地域の特徴を切り分けています。
Q. このページの図は原論文と同じ数値ですか?
A. 一部だけ実再現です。図1(排出量ランキング)・図2(相関係数)・図3(変化量)は、目的変数の二酸化炭素排出量(環境省マニュアル・市区町村粒度)がSSDSE-Bに無いため原論文の報告値を可視化したもの。図4はSSDSE-Bの総人口から実際に計算しましたが、原論文が市区町村粒度なのに対し本再現は都道府県粒度・2023年で、排出量が無いため「相関の相手方(総人口)の作り方と地域差」の再現です。図注に明記しています。
Q. なぜ製造品出荷額や森林率は再現しないの?
A. 製造品出荷額・森林率・都市公園面積・自家用乗用車保有台数・農家数はSSDSE-B-2026に収録がないためです。無い列で数値をでっち上げることはせず、SSDSE-Bにある総人口だけで実再現しています。これらの相関はすべて原論文の報告値として転記しています。
Q. 「ゼロカーボンシティが排出量を減らした」と言い切れる?
A. 言い切れません。著者が示したのは「施策のある地域で排出量が減った」という変化量と政策時期を重ねた状況証拠で、因果の証明ではありません。排出量の減少には景気や産業構造の変化も絡みます。相関・差分であって因果ではない、という点に注意が必要です。

✅ 理解度チェック(4問)

この論文を理解できたか、クリックで確認しましょう。間違えても解説が出ます。

🐍 ブラウザで動かす — インストール不要でこの論文の分析を再現する

このページの分析は、この画面の中でそのまま実行できます。 Python をインストールする必要も、CSV をダウンロードする必要もありません。 下のセルの 「▶ ブラウザで実行」 を上から順に押すか、 「▶ 最初から全部実行」 で一気に流してください。 表示されるのは、本文の図表とまったく同じ計算の結果です (動かしているのは再現スクリプト code/2022_H5_12_shorei.py そのもの)。

コードは書き換えられます。「✏️ 書き換える」で数字や変数を変えて ▶ を押すと、 結果がどう変わるかをその場で確かめられます(元に戻すボタンつき)。 ページを開いた時点で裏で実行環境の準備が始まっているので、待ち時間はほとんどありません。 初回だけ実行環境の取得にインターネット接続が必要です。