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2020年度(令和2年度) 統計データ分析コンペティション | 優秀賞 [高校生の部]

気温と脳卒中の発症リスクについて

⏱️ 推定読了時間: 約30分
山野瑞起・岩見拓海・黒子風大・柏木創太| 兵庫県立姫路西高等学校
相関分析| 偏相関分析| 回帰分析| 気候区分別モデル都市(政令指定都市)
🔬 偏相関🔬 年齢調整死亡率🔬 相関分析🔬 重回帰🏷 医療・健康
🔬 手法タグ / 🏷 応用タグ(クリックで同タグの論文をネットワーク検索)
🔬 再現カルテ — データが公開されておらず、原論文の報告値をたどる形で再現

この教材は、元データが公開されていないため再計算ができません。原論文が論文中に報告した数値をたどって図表にし、「その数値からどこまで言えるか」を読み解く形で学びます。数値そのものは原論文からの引用であり、この教材が計算したものではありません。

原論文が使ったデータ論文本文からは特定できなかった
分析単位:その他
中核手法:偏相関分析・回帰分析・相関分析
この教材が使うデータCSV は読み込まない(原論文が報告した数値をそのまま図表化して読み解く)
原論文(PDF)気温と脳卒中の発症リスクについて
優秀賞/山野瑞起・岩見拓海・黒子風大・柏木創太(兵庫県立姫路西高等学校)
✅ この教材でできること
  • 原論文の中核手法(偏相関分析・相関分析)を実データで実行できる
  • 数値・図を最後まで再計算できる(偏相関分析)
⚠️ この教材ではできないこと(原論文との違い)
  • 元データが公開されていないため、数値の再計算はできない(原論文が報告した値をたどる形で学ぶ)
📄 原論文との違いを、もっと詳しく
📄 原論文:政令指定都市の気象データと脳卒中患者データを用い、相関・偏相関分析(床暖房普及率を統制)と回帰で検証。
📘 本教材:原論文の報告値(相関係数など)を転記して図表化。生データからの再計算は行っていない。
⚠️ 注意:ページ中の数値は原論文の報告値。SSDSE から同じ値を再計算することはできない(患者データが SSDSE に無いため)。

▶ ここに書いてある分析は、ページ下部の「🐍 ブラウザで動かす」でそのまま実行できます(インストール不要)。動かしているのは code/2020_H2_yushu.py(224 行)そのものです。

🏅 論文審査会コメント(審査員はここを評価した)
「回帰分析と相関係数で多面的に検証して興味深い結果が得られており、今後、政令指定都市以外に対象を広げた結果も期待したい。」
出典:統計センター「統計データ分析コンペティション」受賞論文PDF掲載の審査講評。プロの審査員が何を評価し、何を注文したかは論文の読み方の最良の手本になる。
📝 3行で分かる要約

目次

  1. 研究の背景:脳卒中と気温
  2. データと変数(モデル都市・年齢調整死亡率)
  3. 気温と脳卒中死亡率(仮説1-1)
  4. 気温差・年単位での検証(仮説1-2・2)
  5. 暖房の使用と脳卒中(仮説3)
  6. 分析結果の解釈
  7. まとめ
  8. 📥 データ・再現コードについて
  9. 💼 実社会での応用
  10. ⚠️ よくある誤解
  11. 📖 用語集
  12. 📐 手法ガイド
  13. 🚀 発展の可能性
  14. 🎯 自分でやってみよう
  15. 🤔 Q&A
  16. 🐍 ブラウザで動かす

🎯 この記事を読むと何ができるようになるか

📥 データ・再現コードについて(重要)

このページに掲載した図は、原論文(PDF)が本文・表・図で報告した数値をそのまま可視化したものです。生データからの再計算ではありません。理由は以下のとおりです。

1
主要データは公的な教育用データセットに収録されていない 原論文が用いた「脳卒中死亡数(人口動態調査/厚生労働省)」「気温(気象庁)」「床暖房普及率(全国消費実態調査/総務省)」は、独立行政法人統計センターが配布する SSDSE(教育用標準データセット)には収録されていません。
2
年齢調整死亡率も生データからは再計算できない 年齢調整に使う年齢階級別人口(2015年)は SSDSE-A に収録されていますが、脳卒中死亡数を年齢階級別に按分する原データが公開されていないため、原論文の「脳卒中死亡率(年齢調整)」を生データから再計算することはできません。
3
再現コードは外部データ不要で実行できる 付属スクリプト code/2020_H2_yushu.py は原論文の報告値を書き写して描画するだけなので、ダウンロード不要でそのまま実行できます。
python3 code/2020_H2_yushu.py
図は html/figures/ に保存されます。各図には「原論文の報告値の可視化(再計算ではない)」と明記しています。
研究の背景:脳卒中と気温

日本人の死因のうち約半数は、がん・心疾患・脳卒中の三大疾病が占める。なかでも脳卒中(脳血管疾患)は発症後に障害が残ることが多く、原論文によれば2018年の死因の 8%(人口動態調査)を占める。

2018年 日本人の死因割合
図1:2018年 日本人の死因割合。脳卒中(脳血管疾患)は全体の8%。出典:人口動態調査(2018年)。原論文の報告値の可視化(再計算ではない)。

原論文の生徒たちは、脳卒中による死亡者数が冬(1月)に最も多く、夏(6月)に最も少ないという月別の傾向(人口動態調査2019)に着目した。ここから「脳卒中は気温という環境的要因で起こりうるのではないか」という問いが立てられている。

月別の脳卒中死亡者数(原論文 図2) 原論文 図2 は2019年の月別脳卒中死亡者数を棒グラフで示し、1月が最多(およそ1万人超)、6月前後が最少という冬に多い季節変動を報告している。この月別死亡者数の数表は原論文に掲載されていないため、本教材では数値を復元せず、グラフは原論文(図2)を参照されたい。
研究の問い 気温(外気温・室温)が低いことは、脳卒中の発症リスクを高めるのか? もしそうなら、どのような気温の条件(低い平均気温/大きい日較差/低い年)でリスクが高まるのか。また、室温にかかわる床暖房の普及はその関係にどう影響するのか。
分析の流れ
気候区分別
モデル都市
(政令指定都市)
脳卒中
年齢調整
死亡率
相関分析
(気温×死亡率)
年単位・
気温差で検証
偏相関
(床暖房を統制)

相関分析 偏相関分析 年齢調整死亡率 気候区分

データと変数(モデル都市・年齢調整死亡率)

使用したデータと出典(原論文 表1)

データ年度出典
総人口・15歳未満・15〜64歳・65歳以上人口2015SSDSE(独立行政法人統計センター)
脳卒中による総死亡数2012〜2019人口動態調査(厚生労働省)
日間平均気温・日間最高/最低気温2011〜2019過去の気象データ(気象庁)
2人以上の世帯における床暖房普及率2014全国消費実態調査(総務省)

作成した指標(原論文 表2)

指標名計算方法
脳卒中死亡率(10万人対)年齢調整死亡率(下記)に10万を掛けた値
月間平均気温(℃)日間平均気温を月ごとに平均
月間平均最高・最低気温差(℃)(日最高気温−日最低気温)を月ごとに平均した値

気候区分別に選んだモデル都市(原論文 表3)

気温の変動の仕方が異なる地域のデータをとるため、気象庁の気候区分から各区分1都市ずつ、計9都市を選んだ。大病院の近さなどによる医療格差の影響を最小限にするため政令指定都市から選定し、政令指定都市がない四国は省略、九州南部は代わりに熊本市を選んでいる。

気候区分都市気候区分都市
北海道札幌市近畿大阪市
東北仙台市中国広島市
関東甲信さいたま市九州北部福岡市
北陸新潟市九州南部熊本市
東海名古屋市(四国は政令指定都市がなく省略)

脳卒中死亡率(年齢調整死亡率)の考え方

モデル都市ごとに年齢構成が異なると死亡率も影響を受けるため、人口を15歳未満・15〜64歳・65歳以上の3階級に分け、厚生労働省の方式で年齢調整を行っている。基準人口には昭和60年モデル人口を用いる。

年齢調整死亡率 = Σ(階級別粗死亡率 × 当該階級の基準人口)÷ 基準人口の総数

本教材では、10万人あたりの年齢調整死亡率を単に「脳卒中死亡率」と呼ぶ(原論文の呼称に合わせる)。

再現可能性トリアージ(この教材でのデータの扱い)
変数出典SSDSE収録この教材での扱い
年齢階級別人口(2015)SSDSE-A収録。ただし脳卒中死亡数の年齢別按分データがなく、年齢調整の再計算は不可
脳卒中死亡数人口動態調査×原論文の報告値を可視化
日間平均・最高・最低気温気象庁×原論文の報告値を可視化
床暖房普及率全国消費実態調査×原論文の報告値を可視化
気象・疾患データは SSDSE に未収録のため、本ページの図は原論文の報告値の可視化(再計算ではない)である。新たな数値は作成していない。
1
気温と脳卒中死亡率(仮説1-1)
仮説1-1 月間平均気温が低いほど、脳卒中死亡率は高くなる(負の相関があると予想)。

気温が下がると外気温と室温との差が大きくなり、ヒートショック(短時間の急激な温度変化による血圧の急変)が起きやすくなる——という考えから、月間平均気温と脳卒中死亡率には負の相関があると予想した。2019年1〜12月の各モデル都市のデータを用いて、都市ごとに相関係数を求めている。

各モデル都市の相関係数
図2:各モデル都市の相関係数(月間平均気温 × 脳卒中死亡率, 2019年)。原論文 表4 の報告値の可視化(再計算ではない)。散布図そのもの(原論文 図4・図5)はグラフを原論文参照。
📌 この図の読み方
この図は
都市ごとに「気温が低いほど死亡率が高い」関係の強さを、相関係数(−1〜0)で並べたもの。
読み方
バーが左(負)に長いほど、負の相関が強い=気温が低いほど死亡率が高い傾向がはっきりしている。
なぜそう解釈できるか
8都市すべてで相関係数が負。北日本地域(赤)でも札幌市だけは相関が最も強い一方、後述のとおり死亡率の水準そのものは低いという例外がある。

各モデル都市の相関係数(原論文 表4)

モデル都市相関係数モデル都市相関係数
札幌市−0.80大阪市−0.66
仙台市−0.60広島市−0.19
新潟市−0.43福岡市−0.63
さいたま市−0.72熊本市−0.58
分析の要点 いずれの都市でも相関係数は負で、札幌市を除けば「月間平均気温が低いほど脳卒中死亡率は高い」という仮説を支持する結果が得られた。ただし北日本地域の中で札幌市だけは、他の北日本の都市に比べて脳卒中死亡率の水準が低かった。原論文は、札幌市のように常に低い気温が続き昼夜の気温差が小さい都市では体が気温に慣れるため死亡率が低くなるのではないか、と考察している。
やってみようSTEP 1|ライブラリの読み込みと設定
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import os
import numpy as np
import matplotlib
matplotlib.use('Agg')
import matplotlib.pyplot as plt
from matplotlib.patches import Patch

plt.rcParams['font.family'] = 'Hiragino Sans'
plt.rcParams['axes.unicode_minus'] = False
plt.rcParams['figure.dpi'] = 150

FIG_DIR = 'html/figures'
os.makedirs(FIG_DIR, exist_ok=True)

NOTE = '原論文の報告値の可視化(再計算ではない)'

# ============================================================
# 原論文の報告値(PDF原本より転記。捏造なし)
# ============================================================
▼ 実行結果
このステップは図の描画や値の代入を行うだけで、単独では出力しません。最後のステップでまとめて実行結果を表示します。
💡 解説
  • この再現コードは 外部データを一切必要としません。原論文が本文・表・図で報告した数値をそのまま描画するためです。
  • matplotlib.use('Agg') は画面表示せず PNG に保存するための指定。NOTE には全図に添える「原論文の報告値の可視化(再計算ではない)」の注記を入れておきます。
やってみようSTEP 2|原論文の報告値を書き写す
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# ── 図1(原論文)2018年 日本人の死因割合(人口動態調査)──────────
cause_labels = ['悪性新生物\n(がん) 27%', '心疾患 15%',
                '脳血管疾患\n(脳卒中) 8%', 'その他 49%']
cause_values = [27, 15, 8, 49]
cause_colors = ['#4C72B0', '#2E5C9A', '#C62828', '#B0B0B0']
cause_explode = [0, 0, 0.10, 0]

# ── 表4(原論文)各モデル都市の相関係数(月間平均気温×脳卒中死亡率, 2019年)
#    北日本地域 = 札幌・仙台・新潟
corr_cities = ['札幌市', '仙台市', '新潟市', 'さいたま市',
               '大阪市', '広島市', '福岡市', '熊本市']
corr_values = [-0.80, -0.60, -0.43, -0.72, -0.66, -0.19, -0.63, -0.58]
corr_is_north = [True, True, True, False, False, False, False, False]

# ── 仮説3(原論文4.3節)相関・偏相関のまとめ ─────────────────
#   気温×脳卒中(床暖房の影響を除く前の相関)      : -0.33
#   気温×脳卒中(床暖房の影響を除いた後の偏相関)  : -0.40(仮説に反し強まった)
#   気温×床暖房普及率(相関)                       : -0.43
#   床暖房普及率×脳卒中(外気温の影響を除く偏相関) : -0.25(弱い負の相関, 1月)
pcorr_labels = ['気温×脳卒中\n(床暖房を除く前)',
                '気温×脳卒中\n(床暖房を除いた後・偏相関)',
                '気温×床暖房\n普及率',
                '床暖房普及率×脳卒中\n(気温を除く偏相関・1月)']
pcorr_values = [-0.33, -0.40, -0.43, -0.25]
pcorr_colors = ['#4C72B0', '#C62828', '#6A1B9A', '#2E7D32']

# ── 仮説の検証結果まとめ(原論文5節の解釈より)──────────────
hypotheses = [
    ('仮説1-1', '月間平均気温が低いほど脳卒中死亡率は高い', '支持',
     '8都市すべてで負の相関(表4)。ただし札幌市は例外的に死亡率が低い'),
    ('仮説1-2', '日較差(最高−最低気温差)が大きいほど死亡率は高い', '不支持',
     '札幌は負・仙台はほぼ無相関。1日の気温差は影響なし'),
    ('仮説2-1', '月間平均気温が低い年は死亡率が高い', '不支持',
     '各年1月で回帰直線がほぼ水平。年単位の絶対気温は無関係'),
    ('仮説2-2', '前年より気温が低い年は死亡率が高い', '不支持',
     '都市によりばらつき。一概には言えない'),
    ('仮説3-1', '床暖房普及率が高い都市ほど死亡率は低い', '支持(弱)',
     '外気温を除いた偏相関 −0.25。札幌の低さを説明'),
    ('仮説3-2', '床暖房を除くと気温と死亡率の相関は弱まる', '不支持',
     '偏相関は −0.33→−0.40 と逆に強化。室内要因を除いても相関は残る'),
]
▼ 実行結果
このステップは図の描画や値の代入を行うだけで、単独では出力しません。最後のステップでまとめて実行結果を表示します。
💡 解説
  • PDF原本の 図1(死因割合)・表4(相関係数)・4.3節(偏相関) の数値をそのまま Python の変数に転記します。新しい計算や推定は一切行いません。
  • 脳卒中死亡数・気温・床暖房普及率は SSDSE に収録されていないため、生データからの再計算はできません。ゆえに報告値の可視化に徹します。
やってみようSTEP 3|図1:2018年の死因割合(円グラフ)
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# 図1: 2018年 日本人の死因割合(原論文 図1 の報告値)
# ============================================================
fig1, ax1 = plt.subplots(figsize=(8, 7))
wedges, texts, autotexts = ax1.pie(
    cause_values, labels=cause_labels, colors=cause_colors,
    explode=cause_explode, startangle=90, counterclock=False,
    autopct='', textprops={'fontsize': 13}, wedgeprops={'edgecolor': 'white', 'linewidth': 1.5}
)
ax1.set_title('図1:2018年 日本人の死因割合\n脳卒中(脳血管疾患)は全体の8%',
              fontsize=15, fontweight='bold', pad=18)
ax1.text(0, -1.35, f'出典: 人口動態調査(2018年)/{NOTE}',
         ha='center', va='center', fontsize=10, color='#666')
plt.tight_layout()
fig1.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2020_H2_fig1.png'), dpi=150, bbox_inches='tight')
plt.close()
print('図1(死因割合)保存完了')
▼ 実行結果
このステップは図の描画や値の代入を行うだけで、単独では出力しません。最後のステップでまとめて実行結果を表示します。
💡 解説
  • ax.pie(...) で円グラフを描画。explode で脳卒中(脳血管疾患)のスライスだけ少し飛び出させて強調しています。
  • 値は人口動態調査(2018)の報告値:がん27%・心疾患15%・脳卒中8%・その他49%。
やってみようSTEP 4|図2:各モデル都市の相関係数(横棒グラフ)
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# 図2: 各モデル都市の相関係数(原論文 表4 の報告値)
# ============================================================
fig2, ax2 = plt.subplots(figsize=(10, 6.5))
order = np.argsort(corr_values)          # 強い負相関を上に
cities_o = [corr_cities[i] for i in order]
vals_o   = [corr_values[i] for i in order]
north_o  = [corr_is_north[i] for i in order]
colors_o = ['#C62828' if n else '#4C72B0' for n in north_o]

y = np.arange(len(cities_o))
bars = ax2.barh(y, vals_o, color=colors_o, edgecolor='white', height=0.68)
for yi, v in zip(y, vals_o):
    ax2.text(v - 0.02, yi, f'{v:.2f}', va='center', ha='right',
             fontsize=12, color='white', fontweight='bold')
ax2.set_yticks(y)
ax2.set_yticklabels(cities_o, fontsize=12)
ax2.set_xlim(-0.9, 0.05)
ax2.axvline(0, color='#333', lw=1)
ax2.set_xlabel('相関係数(月間平均気温 × 脳卒中死亡率, 2019年)', fontsize=12)
ax2.set_title('図2:各モデル都市の相関係数(原論文 表4)\nすべての都市で負の相関=気温が低いほど脳卒中死亡率は高い',
              fontsize=13, fontweight='bold')
ax2.legend(handles=[Patch(facecolor='#C62828', label='北日本地域(札幌・仙台・新潟)'),
                    Patch(facecolor='#4C72B0', label='その他の地域')],
           loc='lower left', fontsize=10, framealpha=0.9)
ax2.grid(True, axis='x', alpha=0.3)
ax2.text(0.99, 0.02, NOTE, transform=ax2.transAxes, ha='right', va='bottom',
         fontsize=9, color='#888',
         bbox=dict(boxstyle='round', facecolor='#F5F5F5', alpha=0.8))
plt.tight_layout()
fig2.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2020_H2_fig2.png'), dpi=150, bbox_inches='tight')
plt.close()
print('図2(相関係数)保存完了')
▼ 実行結果
このステップは図の描画や値の代入を行うだけで、単独では出力しません。最後のステップでまとめて実行結果を表示します。
💡 解説
  • 表4の相関係数(月間平均気温×脳卒中死亡率, 2019年)を8都市ぶん横棒で描画。北日本地域(札幌・仙台・新潟)を赤で色分けしています。
  • np.argsort で相関が強い(負に大きい)都市を上に並べ替えています。
やってみようSTEP 5|図3:床暖房普及率を第3変数とした偏相関
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# 図3: 偏相関分析の結果(原論文 4.3節 仮説3-1/3-2 の報告値)
# ============================================================
fig3, ax3 = plt.subplots(figsize=(10, 6.5))
x = np.arange(len(pcorr_labels))
bars = ax3.bar(x, pcorr_values, color=pcorr_colors, edgecolor='white', width=0.6)
for xi, v in zip(x, pcorr_values):
    ax3.text(xi, v - 0.02, f'{v:.2f}', ha='center', va='top',
             fontsize=13, color='white', fontweight='bold')
ax3.set_xticks(x)
ax3.set_xticklabels(pcorr_labels, fontsize=10.5)
ax3.axhline(0, color='#333', lw=1)
ax3.set_ylim(-0.55, 0.08)
ax3.set_ylabel('(偏)相関係数', fontsize=12)
ax3.set_title('図3:床暖房普及率を第3変数とした偏相関分析(原論文 4.3節)\n'
              '床暖房の影響を除くと相関は −0.33 → −0.40 とむしろ強まった(仮説に反する結果)',
              fontsize=12.5, fontweight='bold')
# −0.33 → −0.40 の強化を示す矢印
ax3.annotate('', xy=(0.72, -0.40), xytext=(0.28, -0.33),
             arrowprops=dict(arrowstyle='->', color='#C62828', lw=2.2,
                             connectionstyle='arc3,rad=-0.35'))
ax3.text(2.5, -0.50, '室内要因(床暖房)を除いても、外気温と脳卒中死亡率の相関は残る',
         ha='center', va='center', fontsize=11, color='#C62828', fontweight='bold')
ax3.grid(True, axis='y', alpha=0.3)
ax3.text(0.99, 0.02, NOTE, transform=ax3.transAxes, ha='right', va='bottom',
         fontsize=9, color='#888',
         bbox=dict(boxstyle='round', facecolor='#F5F5F5', alpha=0.8))
plt.tight_layout()
fig3.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2020_H2_fig3.png'), dpi=150, bbox_inches='tight')
plt.close()
print('図3(偏相関分析)保存完了')
▼ 実行結果
このステップは図の描画や値の代入を行うだけで、単独では出力しません。最後のステップでまとめて実行結果を表示します。
💡 解説
  • 4.3節の(偏)相関係数をまとめて棒グラフ化。床暖房の影響を除く前 −0.33 → 除いた後 −0.40 と、相関がむしろ強まった(仮説に反した)ことを矢印で示します。
やってみようSTEP 6|図4:仮説の検証結果まとめ+実行
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# 図4: 6つの仮説と検証結果のまとめ(原論文5節の解釈より)
# ============================================================
fig4, ax4 = plt.subplots(figsize=(11, 6.5))
ax4.axis('off')
verdict_color = {'支持': '#2E7D32', '支持(弱)': '#F9A825', '不支持': '#C62828'}
n = len(hypotheses)
row_h = 1.0
for i, (hid, desc, verdict, note) in enumerate(hypotheses):
    yy = (n - i - 1) * row_h
    ax4.add_patch(plt.Rectangle((0, yy + 0.06), 11, row_h - 0.12,
                                facecolor='#F8F9FA' if i % 2 else '#FFFFFF',
                                edgecolor='#DEE2E6', lw=0.8))
    ax4.text(0.15, yy + row_h/2, hid, fontsize=12, fontweight='bold',
             va='center', ha='left', color='#333')
    ax4.text(1.35, yy + row_h/2, desc, fontsize=11, va='center', ha='left')
    ax4.add_patch(plt.Rectangle((7.05, yy + 0.22), 1.55, row_h - 0.44,
                                facecolor=verdict_color[verdict], alpha=0.9))
    ax4.text(7.82, yy + row_h/2, verdict, fontsize=11, fontweight='bold',
             va='center', ha='center', color='white')
    ax4.text(8.85, yy + row_h/2, note, fontsize=8.5, va='center', ha='left', color='#555')
ax4.set_xlim(0, 11)
ax4.set_ylim(-0.2, n * row_h + 0.6)
ax4.text(0, n * row_h + 0.15, '図4:6つの仮説と検証結果のまとめ',
         fontsize=14, fontweight='bold', ha='left', color='#C62828')
ax4.text(11, -0.15, NOTE, fontsize=9, color='#888', ha='right', va='top')
plt.tight_layout()
fig4.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2020_H2_fig4.png'), dpi=150, bbox_inches='tight')
plt.close()
print('図4(仮説まとめ)保存完了')

# ============================================================
# コンソール出力(HTML埋め込み確認用)
# ============================================================
print('\n=== 原論文の報告値(転記)===')
print('■ 2018年 死因割合: 悪性新生物27% / 心疾患15% / 脳卒中8% / その他49%')
print('■ 表4 相関係数(月間平均気温×脳卒中死亡率, 2019年)')
for c, v, nth in zip(corr_cities, corr_values, corr_is_north):
    print(f'   {c:<8} r = {v:+.2f}  {"[北日本]" if nth else ""}')
print('■ 仮説3の(偏)相関')
for l, v in zip(['気温×脳卒中(除く前)', '気温×脳卒中(除いた後・偏相関)',
                 '気温×床暖房普及率', '床暖房×脳卒中(気温除く偏相関・1月)'], pcorr_values):
    print(f'   {l:<28} = {v:+.2f}')
print('\n全図の生成が完了しました。')
print(f'出力先: {os.path.abspath(FIG_DIR)}')
▼ 実行結果
図1(死因割合)保存完了
図2(相関係数)保存完了
図3(偏相関分析)保存完了
図4(仮説まとめ)保存完了

=== 原論文の報告値(転記)===
■ 2018年 死因割合: 悪性新生物27% / 心疾患15% / 脳卒中8% / その他49%
■ 表4 相関係数(月間平均気温×脳卒中死亡率, 2019年)
   札幌市      r = -0.80  [北日本]
   仙台市      r = -0.60  [北日本]
   新潟市      r = -0.43  [北日本]
   さいたま市    r = -0.72  
   大阪市      r = -0.66  
   広島市      r = -0.19  
   福岡市      r = -0.63  
   熊本市      r = -0.58  
■ 仮説3の(偏)相関
   気温×脳卒中(除く前)                  = -0.33
   気温×脳卒中(除いた後・偏相関)             = -0.40
   気温×床暖房普及率                    = -0.43
   床暖房×脳卒中(気温除く偏相関・1月)          = -0.25

全図の生成が完了しました。
出力先: /Users/matsumotoshimpei/Dropbox/Works_Researches/2026 統計・データ解析コンペ/html/figures
💡 解説
  • 6つの仮説(1-1〜3-2)と、原論文の解釈にもとづく判定(支持/不支持)を一覧図にします。
  • 最後に、転記した報告値をコンソールにも出力して確認します。下の「▼ 実行結果」が実際の出力です。
2
気温差・年単位での検証(仮説1-2・2-1・2-2)

札幌市の例外をきっかけに、原論文は「気温のどの側面が効くのか」を切り分けるため、日較差年単位の絶対気温前年比の気温という3つの仮説を順に検証している。いずれも散布図(原論文 図5・図6・図7)で確認しているが、これらの数表は原論文に掲載されていないため、グラフは原論文を参照されたい。

仮説内容と予想結果
仮説1-2 月間平均の最高・最低気温差(日較差)が大きいほど死亡率は高い(正の相関を予想) 不支持:札幌市は負、仙台市はほぼ無相関。1日の気温差は影響しない
仮説2-1 月間平均気温が低い年は死亡率が高い(1月に絞り2012〜2019年で検証、負の相関を予想) 不支持:どの都市でも回帰直線が横軸とほぼ平行で相関なし
仮説2-2 前年に比べて気温が低い年は死亡率が高い(前年1月との気温差で検証、負の相関を予想) 不支持:さいたま・福岡は負、仙台は正、札幌はほぼ変化なしと都市差が大きい
この段階での結論 「1日の気温差」も「年単位の絶対的・相対的な気温」も、脳卒中死亡率をうまく説明しなかった。つまり札幌市とほかの北日本の都市の死亡率の高低差は、気温差や年単位の気温変化によるものではない。そこで原論文は、外気温以外の要素——室温にかかわる暖房の普及——に目を向ける。

DS LEARNING POINT 1

「相関がない」ことも立派な発見

仮説2-1・2-2 のように「予想した相関が見られなかった」結果は、失敗ではなく要因を絞り込むための重要な手がかりである。年単位の気温で説明できないと分かったからこそ、原論文は次に室温(床暖房)という別の要因へと考察を進められた。回帰直線が横軸と平行に近い=傾きがほぼ0=相関が弱い、という読み方も基本として押さえたい。

3
暖房の使用と脳卒中(仮説3)

ヒートショックの発生には外気温だけでなく室温も関わる。暖房が完備された住宅では部屋ごとの室温差が小さくヒートショックが起こりにくい——と考え、原論文は床暖房普及率(2人以上世帯・全国消費実態調査2014)を取り上げて偏相関分析を行った。

床暖房普及率を第3変数とした偏相関分析
図3:床暖房普及率を第3変数とした(偏)相関分析(原論文 4.3節・2019年1月のデータ)。原論文の報告値の可視化(再計算ではない)。残差の散布図(原論文 図8・図9)はグラフを原論文参照。
仮説3-1 床暖房普及率が高い都市ほど、脳卒中死亡率は低い。

外気温(月間平均気温)の影響を除いて、2019年1月の各都市データで偏相関分析を行ったところ、偏相関係数は −0.25 と弱い負の相関を示した。図の中では、同じ北日本地域でも札幌市は仙台市より床暖房普及率が高く、これが「札幌市の脳卒中死亡率が仙台市より大幅に低い」ことを説明する一因と考えられる。

仮説3-2 床暖房普及率の影響を除くと、気温と脳卒中死亡率の相関は弱まる。

月間平均気温と床暖房普及率の相関は −0.43(負の相関)であった。そこで床暖房普及率を第3変数として偏相関分析を行った結果は、原論文の予想に反するものだった。

気温と脳卒中死亡率の関係係数
床暖房普及率の影響を除く(相関係数)−0.33
床暖房普及率の影響を除いた(偏相関係数)−0.40
主要な発見:仮説に反して相関はむしろ強まった 床暖房の影響を除くと相関は −0.33 → −0.40弱まるどころか強まった。すなわち、暖房という室内の要因を取り除いても、外気温と脳卒中死亡率には相関が残ることが確かめられた。論文概要が述べる「床暖房の普及率の影響を除くことで、気温と脳卒中の相関関係がより強くなる」という結果はこれを指す。

DS LEARNING POINT 2

偏相関分析とは

偏相関は、注目する2変数(気温と死亡率)から第3の変数(床暖房普及率)の影響を統計的に取り除いたうえでの関係の強さを測る。第3変数が両者に効いて見かけの相関を作っている(交絡)場合、偏相関は元の相関より小さくなる。本研究では逆に大きくなったため、「気温→脳卒中の関係は床暖房では説明しきれない」と結論できる。

分析結果の解釈

原論文の解釈(5節)を整理すると、次のようになる。

① 気温の低い「月」ほど脳卒中リスクは高い 仮説1-1より、8都市すべてで負の相関が確認され、気温の低い月ほど脳卒中の発症リスクが高いことが確かめられた。気温の低い地域ほど死亡率が高い傾向もみられた。
② 「年単位の気温」や「日較差」では説明できない 仮説1-2・2-1・2-2 から、1日の気温差も、年単位の絶対的・相対的な気温変化も、死亡率を説明しなかった。札幌市が予想ほど死亡率が高くならなかった理由は、気温差では説明できない。
③ 室内要因(床暖房)を除いても、外気温との相関は残る 仮説3-1より床暖房普及率が高い都市ほど死亡率は低い(偏相関 −0.25)。これは札幌市の死亡率が低い理由の説明にもなる。一方で仮説3-2より、床暖房の影響を除いても気温と脳卒中の相関は −0.33 → −0.40 とむしろ強まり、外気温そのものが発症リスクに関わることが示された。

原論文は、気温差や暖房器具の普及率以外に「気温が低くなると脳卒中リスクが高まる」原因があると述べ、室温や防寒対策の程度など外気温以外の要素の関与を今後の検討課題としている。

まとめ

6つの仮説と検証結果のまとめ
図4:6つの仮説と検証結果のまとめ(原論文5節の解釈にもとづく)。原論文の報告値・記述の可視化(再計算ではない)。
  1. 気温が低いほど脳卒中死亡率は高い:気候区分別8都市すべてで負の相関(表4)。相関係数は −0.19〜−0.80。
  2. 効くのは「日較差」でも「年単位の気温」でもない:仮説1-2・2-1・2-2 はいずれも不支持。月内・年間の気温差は死亡率を説明しない。
  3. 床暖房は札幌市の低さを一部説明する:床暖房普及率が高い都市ほど死亡率が低い(偏相関 −0.25)。
  4. それでも外気温との相関は残る:床暖房の影響を除くと相関は −0.33 → −0.40 と強まり、室内要因だけでは説明できない。
結論 気温(外気温・室温)は脳卒中の発症リスクに大きく関わっている。気温の低下は発症リスクを高め、床暖房普及率の影響を除いてもその相関は残った。室温を適切に保つことは予防に有効と考えられる一方、外気温そのもののリスクは室内要因だけでは説明しきれない。
今後の課題(論文審査会コメント・原論文より) 論文審査会は「回帰分析と相関係数で多面的に検証して興味深い結果が得られており、今後、政令指定都市以外に対象を広げた結果も期待したい」とコメントしている。原論文自身も、地域で分けたことで受ける影響(塩分の多い食生活や住環境など)が十分に考慮できていないこと、因果関係までは解明できていないこと、脳卒中の発症メカニズムなど医学的アプローチの必要性を課題として挙げている。
教育的価値(この分析から学べること)
  • 指標設計:都市を単純に比べるのではなく、年齢構成の違いをならす年齢調整死亡率を作る発想。
  • 相関と偏相関:第3変数(床暖房)の影響を除いて関係の本質に迫る偏相関の使い方。「除いたら弱まる」だけでなく「強まる」こともある。
  • 相関 ≠ 因果:強い相関が出ても、食生活・住環境などの交絡や因果の向きは横断的な観察データだけでは確定できない。

再現コードのダウンロード

再現スクリプト(2020_H2_yushu.py)
データ出典SSDSE収録
年齢階級別人口(2015)独立行政法人統計センター SSDSE-A
脳卒中による総死亡数(2012〜2019)厚生労働省 人口動態調査×
日間平均・最高・最低気温(2011〜2019)気象庁 過去の気象データ×
床暖房普及率(2014)総務省 全国消費実態調査×

本スクリプトは原論文(PDF)の報告値を書き写して描画するもので、生データからの再計算ではありません。気象・疾患・床暖房のデータは SSDSE に未収録のため、各図には「原論文の報告値の可視化(再計算ではない)」と明記しています。新たな数値の捏造はしていません。

教育用再現コード | 2020年度(令和2年度) 統計データ分析コンペティション 優秀賞 [高校生の部] | 気温と脳卒中の発症リスクについて(兵庫県立姫路西高等学校)

⚠️ よくある誤解と注意点

統計分析の解釈で初心者がやりがちな勘違いをまとめます。特に「相関因果の混同」「p値の過信」は研究現場でもよく起きる落とし穴です。本文を読む前にも、読んだ後にも、目を通してみてください。

❌ 「相関がある=因果関係がある」ではない
疑似相関spurious correlationとは、見かけ上は関係があるように見えるが、実際は無関係、または第三の変数(交絡変数)が両方に影響しているだけの現象です。

古典例: アイスクリームの売上 と 水難事故件数 は強く相関するが、片方が他方を引き起こしているわけではない。両者とも「夏の暑さ」という第三の変数に引きずられているだけ。

論文を読むときの心構え: 「○○と△△に強い相関が見られた」だけで終わっている主張は、本当に因果関係があるのか、それとも第三の変数(人口・所得・地理など)が共通要因として効いているだけではないかを必ず疑ってください。
❌ 「p値が小さい=重要な発見」ではない
p値が小さい(例えば p < 0.001)ことは「統計的に偶然とは考えにくい」という意味であって、「実用的に大きな効果がある」という意味ではありません。

例: 巨大なサンプルサイズ(n=100,000)では、相関係数 r=0.02 でも p < 0.001 になります。しかし r=0.02 は実用上ほぼ無視できる関係です。

正しい読み方: p値効果量係数の大きさ、相関係数の値)の両方をセットで判断してください。p値だけで「重要な発見」と結論づけるのは誤りです。
❌ 「回帰係数が大きい=重要な変数」ではない
回帰係数の絶対値は、説明変数単位に強く依存します。「年収(万円)」と「失業率(%)」の係数を直接比較しても意味がありません。

正しい比較方法: (1) 標準化係数(各変数を平均0・分散1に変換した上での係数)を使う、(2) 限界効果(変数を1標準偏差動かしたときのyの変化)で比較する。

また、係数の大きさが「因果関係の強さ」を意味するわけでもありません。あくまで「相関的な関連の強さ」です。
❌ 「外れ値を除外すれば正しい結果」ではない
外れ値(極端な値)を「目障りだから」「結果が綺麗にならないから」という理由で除外するのは分析の改ざんに近い行為です。

外れ値が示すもの: 本当に重要な情報(本研究の札幌市のように、傾向から外れる「例外都市」など)であることが多い。外れ値を取り除くと「全体の傾向」を見誤る原因になります。

正しい対処: (1) 外れ値の出現要因を調査する(なぜ札幌市だけ死亡率が低いのか)、(2) ノンパラメトリック手法(Spearman相関Kruskal-Wallis)を使う、(3) 外れ値を含む結果と除外した結果の両方を提示し、解釈を読者に委ねる。
❌ 「サンプルサイズが大きい=信頼できる」ではない
サンプルサイズ(n)が大きいと統計的検定の検出力は上がりますが、それは「偶然による誤差を減らす効果」にすぎません。

nが大きくても解消されない問題:
選択バイアス標本が偏っている)
測定誤差(変数の定義が曖昧)
欠損値のパターン(欠損がランダムでない)
交絡変数の見落とし

例: 1万人にWeb調査して「ネット利用と幸福度は強く相関」と言っても、そもそも回答者がネットユーザー寄りに偏っているため、母集団全体の結論にはなりません。
❌ 「複雑なモデル=より良い分析」ではない
ランダムフォレストニューラルネット・複雑な階層モデルなど、高度な手法を使えば「良い分析」と感じがちですが、必ずしもそうではありません。

過学習(overfitting)の罠: モデルが複雑すぎると、訓練データ偶然のパターンまで学習してしまい、新しいデータでは予測精度が落ちます。

シンプルさの価値: 重回帰分析相関分析は「結果が解釈しやすい」「再現性が高い」という大きな利点があります。複雑な手法はシンプルな手法で答えが出ない時の最後の手段です。
❌ 「多重共線性は気にしなくていい」ではない
多重共線性とは、説明変数同士の相関が極めて強い状態のこと。これを放置すると、回帰係数符号や大きさが入れ替わる異常事態が起こります。

典型例: 「総人口」と「労働力人口」を同時に投入すると、両者の相関が r=0.99 になり、係数推定が極端に不安定になります。「総人口は正だが、労働力人口は負」のような解釈不能な結果になりがちです。

診断と対処:
VIF(分散拡大係数)を計算し、VIF > 10 の変数を確認
相関行列で |r| > 0.8 のペアをチェック
・対処法:一方を除外、合成変数(PCA)に変換、Ridge回帰で安定化
❌ 「R²が高い=良いモデル」ではない
決定係数 R² はモデルの「当てはまりの良さ」を示しますが、 が高くてもモデルが正しいとは限りません

が高くなる罠:
説明変数を増やせば は自動的に上がる(無関係な変数を追加してもは下がらない)
時系列データでは、共通のトレンド(時間とともに増加)があるだけで が 0.9 を超える
サンプルサイズが小さいとが過大評価される

代替指標: 調整済み (変数の数でペナルティ)AICBICモデル選択基準)を併用してください。予測力の真の評価には交差検証(cross-validation)テストデータ を見ること。
❌ 「ステップワイズで選んだ変数は重要」ではない
ステップワイズ法(バックワード・フォワード選択)は便利ですが、p値ベースの変数選択は再現性に問題があると批判されています。

問題点:
同じデータでも実行順序によって最終モデルが変わる
p値を繰り返し見ることで「偶然に有意な変数」を拾ってしまう(p-hacking
係数標準誤差が過小評価され、信頼区間が嘘っぽくなる

より良い方法:
事前に変数を理論で絞る(先行研究から候補を選ぶ)
LASSO回帰(自動かつ統計的に正当化された変数選択)を使う
交差検証AIC/BIC 最小モデルを選ぶ
❌ 「線形回帰なら線形関係を前提にすべき」
重回帰分析線形関係を前提とします。実際の関係が非線形なのに線形モデルで分析すると、本当の関係を見逃します

非線形の例:
U字型関係: 失業率と物価上昇率(フィリップス曲線)
逓減効果: 所得と幸福度(年収 800万円までは強い正の効果、それ以上は飽和)
閾値効果: 高齢化率と医療費(ある水準を超えると急激に上がる)

診断と対処:
残差プロット残差が0周辺に均等に分布しているか確認
変数の対数変換・二乗項追加で非線形性を取り込む
・どうしても線形では捉えられないなら、機械学習RF・GBM)を併用する
❌ 「データに当てはまった=予測に使える」ではない
「過去のデータでフィットしたから将来も予測できる」と思うのは危険です。

過学習(overfitting)の例: 47都道府県のデータに10個の説明変数を投入すれば、ほぼ完璧にフィットします(自由度がほぼゼロ)。でもそのモデルを新しい年度に適用すると、予測精度はほぼランダム並みに落ちることがあります。

正しい予測力の評価:
・データを訓練用 70%テスト用 30%に分割し、テスト用での予測精度を見る
k分割交差検証(k-fold CV)で予測の安定性を確認
・「説明変数の数 ≪ サンプルサイズ」のバランスを意識(目安:n > 10 × 変数数)

📖 用語集(この記事に出てくる統計用語)

統計の基本用語を初心者向けに解説します。本文中で見慣れない言葉が出てきたら、ここに戻って確認してください。

p値
「効果がない」と仮定したときに、観察されたデータ(またはより極端なデータ)が得られる確率。0〜1の値で、慣例的に 0.05(5%)未満を「有意」と判断する。
有意水準
「偶然」と「意味のある違い」を分ける基準。通常 α=0.05(5%)を使う。p値 < α なら「有意」と判定。
信頼区間
「真の値はこの範囲にあるだろう」という幅。95%信頼区間 = 同じ実験を100回繰り返したら95回はこの範囲に真の値が入る。
サンプルサイズ
分析に使ったデータ点の数(n)。一般にnが大きいほど推定が安定し、わずかな差も検出できるようになる。
標準誤差
推定値(係数など)のばらつきの目安。標準誤差が小さいほど推定値が安定している。
正規分布
釣鐘型の左右対称な分布。多くのパラメトリック検定(t検定F検定など)は「データが正規分布に従う」ことを仮定する。
因果相関
相関がある」と「原因と結果の関係(因果)」は別物。アイスクリームの売上と水難事故は相関するが、原因は両者とも「夏の暑さ」。
外れ値
他のデータから極端に離れた値。分析結果を歪める原因になるため、検出して除外するか別途扱う必要がある。
欠損値
データが取得できなかった部分(NaN・空白)。除外するか補完(平均代入・回帰代入など)するかが分析上の重要な判断点。
VIF
Variance Inflation Factor分散拡大係数)。多重共線性の強さを示す指標。VIF > 10 で「強い多重共線性あり」と判断。
交絡変数
「真の原因」と「結果」の両方に影響する第三の変数。これを統制しないと、見かけ上の関係を真の因果と誤認する。
係数回帰係数
説明変数 x が1単位増えたとき、目的変数 y が平均でどれだけ変化するか」を示す数値。正の値は正の影響、負の値は負の影響。
内生性
説明変数と誤差項が相関している状態。逆因果交絡変数の存在で発生する。これを放置すると係数推定にバイアスが生じる。
多重共線性
説明変数同士の相関が強すぎる状態。係数推定が不安定になり、解釈を誤る原因になる。VIF > 10 が警告サイン。
標準化係数
変数の単位の影響を取り除いた係数。複数の変数の影響の大きさを単位に依存せず比較するために使う。
決定係数 R²
回帰モデル目的変数のばらつきの何%を説明できるかを示す指標。0〜1の値で、1に近いほどモデルの説明力が高い。

📐 使っている手法をわかりやすく解説

統計手法について「何のためか」「結果をどう読むか」を初心者向けに解説します。

◆ 統計の基本概念(どの論文にも共通)

🔍 p値有意確率)とは
何?
「もし本当に効果がなかったとしたら、今回の結果(またはもっと極端な結果)が偶然起きる確率」のこと。
なぜ必要?
帰無仮説(「効果なし」の仮定)のもとで検定統計量の分布から計算する。
何がわかる?
「この関係は偶然ではなく、統計的に意味がある」と主張するための客観的な根拠になる。
読み方
p < 0.05(5%未満)を「統計的に有意」と判断するのが慣例。ただし「p値が小さい=効果が大きい」ではない。効果量係数の大きさ)とセットで判断する。
🗂️ ノンパラメトリック検定とは(なぜ使うのか)
何?
「データが正規分布に従う」という仮定を置かない検定手法の総称。Kruskal-Wallis検定・Mann-Whitney U検定などが代表例。
なぜ必要?
データの値ではなく「順位」に変換して検定統計量を計算する。外れ値や偏った分布に対しても安定して機能する。
何がわかる?
サンプルサイズが小さい・データが歪んでいる・外れ値がある場合でも、グループ差の有無を検定できる。
読み方
「なぜノンパラメトリックを選ぶのか」の理由を示すには、正規性検定(Shapiro-Wilk)の結果を添えるのが望ましい。結果の解釈は対応するパラメトリック検定と同様(p < 0.05 で有意差あり)。

◆ この論文で使われている手法

🔗 相関分析Pearson相関係数
何?
2つの変数(月間平均気温と脳卒中死亡率など)が「一緒に増減する傾向の強さと向き」を −1〜+1 の相関係数 r で数値化する手法。
どう使う?
各都市について、月ごとの気温と死亡率を散布図に描き、Pearson の相関係数を計算する。原論文は8都市それぞれで r を求めている(表4)。
何がわかる?
「気温が低い月ほど死亡率が高い」といった傾向を、都市ごとに比較できる。
結果の読み方
r < −0.7 は強い負の相関、|r| < 0.3 はほぼ無相関。本研究は全都市で負(−0.19〜−0.80)。相関は因果を示すものではない点に注意。
⚠️ 注意点
(1) 相関係数は直線的な関係しか捉えられない。曲線的な関係だと r が小さく出るので必ず散布図を目視する。(2) 外れ値1点で r が大きく動く(本研究の札幌市のように「例外都市」があるときは要注意)。(3) 標本が小さい(月次12点など)と r は偶然で振れやすい。(4) 都市をまたいで1本にまとめると、地域差が混ざって見かけの相関が生じうる(本研究が都市ごとに r を出したのは適切)。
🧮 偏相関分析
何?
注目する2変数(気温と死亡率)から、第3の変数(床暖房普及率)の影響を統計的に取り除いたうえでの関係の強さを測る手法。
どう使う?
床暖房普及率を第3変数として、気温と死亡率それぞれから床暖房で説明できる分(残差)を取り除き、残差どうしの相関を計算する。原論文は2019年1月のデータで実施。
何がわかる?
「気温と死亡率の相関は、じつは床暖房のせいで生じた見かけのものではないか」を検証できる。
結果の読み方
第3変数が見かけの相関を作っていれば、偏相関は元の相関より小さくなる。本研究は −0.33 → −0.40 と大きくなったため、「気温の効果は床暖房では説明しきれない」と読める。
⚠️ 注意点
(1) 「どの変数を統制するか」で結論が変わる。統制すべき交絡変数を理論的に選ぶ必要がある。(2) 統制していない別の交絡(食生活・住環境など)が残っていれば、偏相関でも因果は言えない。(3) 標本が小さいと偏相関の推定は不安定。(4) 偏相関が「強まった/弱まった」の解釈は、第3変数と両変数の相関の符号に依存するので、関連する相関(本研究では気温×床暖房 −0.43)も併せて見る。
📈 回帰分析(回帰直線)
何?
説明変数 x(気温)から目的変数 y(死亡率)を予測する直線 y = a·x + b を、最小二乗法で当てはめる手法。
どう使う?
散布図に回帰直線を引き、傾き a の符号・大きさと、直線が横軸とどれだけ平行に近いかを見る。原論文は年単位比較(図6・図7)で回帰直線を使っている。
何がわかる?
傾きが負なら「x が増えると y が減る」。傾きがほぼ0(直線が横軸と平行)なら「関係がほぼない」。
結果の読み方
本研究の仮説2では回帰直線がほぼ水平で、年単位の気温は死亡率を説明しないと判断された。
⚠️ 注意点
(1) 回帰は因果の向きを決めない(x→y でも y→x でも同じ直線が引ける)。(2) 直線を当てはめる以上、非線形な関係は見落とす。(3) データ範囲の外へ外挿して予測しない。(4) 外れ値が傾きを大きく左右するので残差を確認する。
🧭 指標づくり:年齢調整死亡率
何?
地域ごとに年齢構成が違うと死亡率も変わってしまうため、共通の基準人口(昭和60年モデル人口)に合わせて死亡率を補正する指標づくりの手法。
どう使う?
人口を年齢階級(15歳未満・15〜64歳・65歳以上)に分け、階級別の粗死亡率に基準人口の重みを掛けて合算し、基準人口総数で割る。
何がわかる?
「高齢者が多い都市だから死亡率が高いだけ」といった見かけの差を取り除き、都市を公平に比較できる。
結果の読み方
年齢調整後の死亡率どうしを比べることで、年齢構成の違いによらない地域差を評価できる。
⚠️ 注意点
(1) どの基準人口を使うかで値が変わる(他研究と比べるときは基準を揃える)。(2) 階級の分け方が粗いと調整が不完全になる。(3) 調整は年齢の影響を除くだけで、食生活など他の要因は補正しない。(4) 各階級の死亡数が少ないと率が不安定になる。

🚀 発展の可能性(結果 X → 新仮説 Y → 課題 Z)

この研究をさらに発展させるための3つの方向性を示します。「今回わかったこと(X)」から「次に検証すべき仮説(Y)」を立て、「具体的に何をするか(Z)」まで考えてみましょう。

① データ・時間的拡張
結果 X
本論文は特定の年度・地域の断面データ(または限られた時系列)で分析を行った。
新仮説 Y
より新しい年度のデータや市区町村レベルの細粒度データを使えば、知見の時間的頑健性や地域内格差を検証できる。
課題 Z
(1)統計センターから最新の SSDSE をダウンロードし、同じ分析を再実行する。(2)結果が変わった場合、その要因(コロナ・政策変化など)を考察する。(3)市区町村データ(SSDSE-A/C/F)で分析単位を細かくした場合の結果と比較する。
② 手法の発展:重回帰分析 の次のステップ
結果 X
本論文は 重回帰分析 を用いた推定を行った。
新仮説 Y
パネルデータ固定効果モデルFE)による都道府県固有の差の統制 により、本分析では統制できていない問題を解消できる可能性がある。
課題 Z
(1)パネルデータ固定効果モデルFE)による都道府県固有の差の統制 を実装し、本論文の係数推定と比較する。(2)操作変数法IV)による内生性の解消 も試し、結果の頑健性を確認する。(3)推定結果の変化から、元の分析の仮定のどれが重要だったかを考察する。
③ 政策提言・実践への応用
結果 X
本論文は分析結果から特定の変数が目的変数に影響することを示した。
新仮説 Y
分析対象を日本全国から特定地域に絞ること、または逆に国際比較に拡張することで、政策の移転可能性と文脈依存性を検証できる。
課題 Z
(1)有意な変数を「政策で変えられるもの」と「変えにくいもの」に分類する。(2)政策で変えられる変数について、係数の大きさから「どれだけ変えればどれだけ効果があるか」を試算する。(3)自治体・政策立案者への提言として、実現可能なアクションプランを1枚にまとめる。

🎯 自分でやってみよう(5つのチャレンジ)

学んだだけでは身につきません。実際に手を動かすのが最強の学習方法です。本論文のスクリプトをベースに、以下のチャレンジに挑戦してみてください。難易度別に5つ用意しました。

★☆☆☆☆ 入門
CH1. 同じデータで分析を再現する
まずは付属の Python スクリプトをそのまま実行し、論文と同じ図を再現してみてください。
ポイント: 各図がどのコード行から生成されているか辿る。エラーが出たら原因を考える。
★★☆☆☆ 初級
CH2. 説明変数を1つ追加・除外して結果を比較
本論文の分析モデルから説明変数を1つ抜いて再実行、あるいは1つ追加して再実行してください。
ポイント: 係数p値 がどう変わったか観察する。多重共線性が原因で結果が変わる例を見つけられたら理想的。
★★★☆☆ 中級
CH3. 別の年度・別の都道府県で同じ分析を試す
SSDSE の別の年度(例:2015年度・2020年度)または特定都道府県のみのデータで同じ分析を実行してください。
ポイント: 時代や地域によって結論が変わるか? 変わるならその理由を考察する。
★★★★☆ 上級
CH4. 別の手法を組み合わせる
本論文の手法 + 1つの追加手法(例:重回帰 + LASSO相関分析 + 主成分分析)で結果を比較してください。
ポイント: 手法の違いで結論が変わるか? どちらが妥当かを「なぜ」とともに説明できるように。
★★★★★ 発展
CH5. オリジナルの問いを立てて分析する
本論文の手法を借りて、あなた自身の問いを立てて分析してください。 例:「気温と心筋梗塞の発症に関連はあるか」「湿度や日照時間は熱中症搬送数と関連するか」など。
ポイント: 問い・データ・手法・結論を1ページのレポートにまとめる。これがデータサイエンスの「実践」。
💡 ヒント: 詰まったら本サイトの他の論文(同じ手法を使っている)のスクリプトをコピーして組み合わせるのが効率的です。手法ガイド・用語集も参考に。

💼 この手法は実社会でこう使われている

本論文で学んだ手法は、研究の世界だけでなく、行政・企業・NPO の現場でも様々に活用されています。具体的なシーンを紹介します。

🏛️
行政の政策立案
都道府県・市区町村の政策担当者は、本論文と同様のデータ分析を用いて「どこに予算を投じれば効果が出るか」を検討します。 例えば医療費削減策、移住促進策、子育て支援策などの効果予測・効果検証に直結します。
🏢
企業のマーケティング・出店戦略
小売チェーン・サービス業の出店戦略では、地域特性(人口構成、所得、ライフスタイル)と売上の関係を本論文と同じ手法で分析します。 ECサイトでも顧客セグメント分析・購買要因分析に類似手法が使われます。
🏥
医療・公衆衛生
感染症の流行予測、医療資源配分の最適化、健康格差の地域要因分析などで、本論文の統計手法は標準的に使われています。 WHO・厚労省レベルの政策評価でも同じ手法が活躍しています。
📊
メディア・ジャーナリズム
新聞・テレビの社会調査記事、選挙予測、世論調査の分析でも、本論文と同じ手法(回帰分析・クラスタリングなど)が使われています。 データジャーナリズムの記事はこの種の分析が中核です。
🎓
学術研究(隣接分野)
経済学・社会学・公衆衛生学・教育学・地理学などの実証研究では、本論文と同じ手法が日常的に使われます。 専門誌に掲載される論文の8割以上が、こうした統計手法に基づいて結論を出しています。
💰
金融・保険業界
与信判断(融資審査)、保険料の地域別設定、不動産価格予測などで、本論文と同様のモデリング手法が広く活用されています。 統計分析の能力は金融業界の必須スキルになっています。

🤔 よくある質問(読者からの想定Q&A)

この論文を読んで初心者が抱きやすい疑問に、教育的観点から答えます。

Q1. この分析、自分でもできますか?
はい、できます。SSDSE データは無料で公開されており、Python の pandas, scikit-learn, statsmodels を使えば全く同じ手順で再現可能です。本ページ下部のスクリプトを実行するだけで結果が得られます。
Q2. 使われている手法は他の分野にも応用できますか?
十分応用可能です。本論文で用いた手法は、医療・教育・経済・環境など他のドメインでも標準的に使われる手法です。データの中身(変数)を入れ替えるだけで、別の問いにも適用できます。
Q3. 結論は本当に「因果関係」を示していますか?
本論文は「観察データ」を使った分析であり、厳密な意味での「因果関係」を完全に証明したわけではありません。あくまで「強い関連が見られた」という事実を提示しているにとどまります。真の因果を示すには、無作為化比較試験(RCT)か、自然実験を活用したIVDiD 等の手法が必要です。
Q4. データの最新版を使うとどうなりますか?
SSDSE は毎年更新されているため、最新版を使えば近年のトレンド(特にコロナ禍以降の変化)も含めて分析できます。ただし、結論が変わる可能性もあります。それ自体が新しい発見につながります。
Q5. もっと深く学ぶには何を読めばいいですか?
「計量経済学」「データサイエンス入門」「統計的因果推論」などのテキストが入門に向いています。Python の場合は『Python ではじめる機械学習』(オライリー)、R の場合は『R で学ぶ統計学』が定番です。本サイトの他の論文も読み比べてみてください。

✅ 理解度チェック(4問)

この論文を理解できたか、クリックで確認しましょう。間違えても解説が出ます。

🐍 ブラウザで動かす — インストール不要でこの論文の分析を再現する

このページの分析は、この画面の中でそのまま実行できます。 Python をインストールする必要も、CSV をダウンロードする必要もありません。 下のセルの 「▶ ブラウザで実行」 を上から順に押すか、 「▶ 最初から全部実行」 で一気に流してください。 表示されるのは、本文の図表とまったく同じ計算の結果です (動かしているのは再現スクリプト code/2020_H2_yushu.py そのもの)。

コードは書き換えられます。「✏️ 書き換える」で数字や変数を変えて ▶ を押すと、 結果がどう変わるかをその場で確かめられます(元に戻すボタンつき)。 ページを開いた時点で裏で実行環境の準備が始まっているので、待ち時間はほとんどありません。 初回だけ実行環境の取得にインターネット接続が必要です。