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2024年 統計データ分析コンペティション | 総務大臣賞 [高校生の部]

食の外部化における地域特性

⏱️ 推定読了時間: 約29分
佐々木万悠子(雙葉高等学校)
🔬 クラスター分析🔬 相関分析🔬 重回帰🏷 食・家計消費
🔬 手法タグ / 🏷 応用タグ(クリックで同タグの論文をネットワーク検索)
🔬 再現カルテ — 原論文と同じデータ・同じ手法で再現

この教材は原論文と同じデータを読み込み、同じ手順で計算し直しています。画面に出る数値と図は、あなたのブラウザがその場で計算した結果です。

原論文が使ったデータSSDSE-C・SSDSE-D・SSDSE-B・国勢調査・住宅・土地統計調査
分析単位:市区町村
中核手法:相関分析
この教材が使うデータ
原論文(PDF)食の外部化における地域特性
総務大臣賞/佐々木 万悠子(雙葉高等学校)
✅ この教材でできること
  • 原論文の中核手法(相関分析)を実データで実行できる
  • 分析に使うデータは同梱済みで、ブラウザ上でそのまま読み込める
  • 数値・図を最後まで再計算できる(相関分析)
⚠️ この教材ではできないこと(原論文との違い)
  • 原論文は市区町村を単位に分析しているが、この教材は都道府県が単位
🚀 原論文と同じ粒度で挑戦したい人へ

原論文と同じ粒度のデータは、この教材にも同梱しています。これを読み込めば、原論文と同じ細かさで分析をやり直せます(下の「🐍 ブラウザで動かす」でコードを書き換えて試せます)。ただし原論文が使った項目がすべて収録されているとは限りません。足りない項目は、上の「できないこと」に書いた出典から取ってくる必要があります。

▶ ここに書いてある分析は、ページ下部の「🐍 ブラウザで動かす」でそのまま実行できます(インストール不要)。動かしているのは code/2024_H1_daijin.py(452 行)そのものです。

🏅 論文審査会コメント(審査員はここを評価した)
「興味深い仮説に対する実証的探究活動として秀逸である。食の外部化の今日的特徴を詳細にデータで考察しており、外食から中食への移行を示している点が興味深い。外食・中食産業への今後の注意事項が記載された結論があることも評価したい。所得水準、世帯人員なども考慮されるとなおよい。」
出典:統計センター「統計データ分析コンペティション」受賞論文PDF掲載の審査講評。プロの審査員が何を評価し、何を注文したかは論文の読み方の最良の手本になる。
📝 3行で分かる要約

目次

  1. 研究概要と背景
  2. データ:家計調査・国勢調査
  3. 相関分析
  4. 7地域タイプ分類
  5. コロナ前後のトレンド変化
  6. まとめ
  7. 📥 データの準備
  8. 💼 実社会での応用
  9. ⚠️ よくある誤解
  10. 📖 用語集
  11. 📐 手法ガイド
  12. 🚀 発展の可能性
  13. 🎯 自分でやってみよう
  14. 🤔 Q&A
  15. 🐍 ブラウザで動かす

🎯 この記事を読むと何ができるようになるか

📥 データの準備(再現コードを動かす前に)

このページの分析を自分で再現するには、以下の手順でデータを準備してください。コードの編集は不要です。

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データをダウンロードする 統計センターの SSDSE 配布ページから、以下のファイルをダウンロードします。
SSDSE-B-2026.csv ← SSDSE-B(都道府県データ)📥 直接DL
⬇ SSDSEダウンロードページを開く
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ファイルを所定のフォルダに配置する ダウンロードしたCSVを、プロジェクトの data/raw/ フォルダに入れます。
2026 統計・データ解析コンペ/ ├── code/ │ └── 2024_H1_daijin.py ← 実行するスクリプト └── data/ └── raw/ SSDSE-B-2026.csv ← ここに置く
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スクリプトをそのまま実行する ターミナルでプロジェクトルートに移動し、以下を実行します。
python3 code/2024_H1_daijin.py
図は html/figures/ に自動保存されます。
研究概要と背景

食の「外部化」とは、家庭内での調理(内食)から外食や中食(調理済み食品)への移行を指す。近年、共働き世帯の増加やライフスタイルの変化により、食の外部化が進んでいる。本研究は都道府県庁所在市のデータを用い、食の外部化の地域特性を統計的に分析した。

共働き世帯の増加とともに、食事はどこまで「外注」されるようになったのか。外食・中食の広がり方には大きな地域差がある。 その差を生む要因は、感覚や経験則だけでは「何が本当に効いているか」を見極めにくい。 本研究では家計調査などの公開データと統計手法を組み合わせ、この問いに定量的な答えを出すことを目指す。

食支出の3区分
  • 外食割合:飲食店での支出割合(レストラン・居酒屋等)
  • 中食割合:調理食品・惣菜・弁当等の支出割合(コロナ禍で増加)
  • 内食割合:生鮮食品・素材の支出割合(家庭調理)
3つの割合の合計は100%(構成比データ)
分析の流れ
家計調査
47都市
データ
相関分析
(共働き率等)
7地域タイプ
分類
コロナ
影響分析

家計調査 相関分析 地域タイプ分類 時系列分析

データ:家計調査・国勢調査

使用データセット

データ出典内容
家計調査(品目別)総務省県庁所在市別の食費支出内訳
国勢調査総務省共働き世帯割合・世帯構成
住宅・土地統計調査総務省持ち家住宅の延べ面積

主要変数

区分変数名説明
目的変数外食支出割合(%)飲食店利用の割合
中食支出割合(%)調理食品・惣菜の割合
内食支出割合(%)生鮮食品等素材の割合
説明変数共働き世帯割合(%)夫婦とも就業している世帯の割合
エンゲル係数(%)消費支出に占める食費の割合
帰宅から夕食までの時間(分)平均的な夕食準備時間
持ち家住宅の延べ面積(m²)住宅規模の代理変数
富山市の特異性 富山市は共働き世帯割合が全国トップクラス(全国1〜3位)で、かつ「そうざい材料セット(ミールキット)」消費が全国1位という特異な都市。「女性が働きながら手作り感覚の食事を提供する」文化が反映されている。
やってみようStep 0. データ読み込み(SSDSE-B-2026)
📝 コード
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print("=" * 65)
print("■ データ読み込み(SSDSE-B-2026 実公的データ)")
print("=" * 65)

df_raw = pd.read_csv(DATA_PATH, encoding='cp932', header=1)

# 都道府県レベル行のみ抽出(地域コード = R + 5桁数字)
df_b = df_raw[df_raw['地域コード'].str.match(r'^R\d{5}$', na=False)].copy()
df_b = df_b.reset_index(drop=True)
▼ 実行結果
このステップの print 出力(見出し行)は、次のステップの実行結果にまとめて表示されます。
💡 解説
  • pd.read_csv(...) でCSVを読み込みます。encoding='cp932' は日本語Windows由来の文字コード、header=1 は「2行目を列名として使う」。
  • df['地域コード'].str.match(r'^R\d{5}', ...) — 正規表現で「R+数字5桁」の行(47都道府県)だけTrueにし、真偽値で行をフィルタ。
💡 Python TIPS df['A'] / df['B'] — pandasの列同士の四則演算は要素ごと(element-wise)。forループ不要なのが強み。
やってみようStep 0. データ読み込み(SSDSE-B-2026) — 必要列を数値変換
📝 コード
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# 必要列を数値変換
numeric_cols = [
    '年度',
    '総人口',
    '65歳以上人口',
    '合計特殊出生率',
    '消費支出(二人以上の世帯)',
    '食料費(二人以上の世帯)',
    '教養娯楽費(二人以上の世帯)',
    '被服及び履物費(二人以上の世帯)',
    'その他の消費支出(二人以上の世帯)',
    '旅館営業施設数(ホテルを含む)',
    '延べ宿泊者数',
]
for col in numeric_cols:
    df_b[col] = pd.to_numeric(df_b[col], errors='coerce')

print(f"読み込み完了: {len(df_b)} 行({df_b['年度'].nunique()}年 × {df_b['地域コード'].nunique()}都道府県)")
print(f"対象年度: {sorted(df_b['年度'].unique())}")
▼ 実行結果
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■ データ読み込み(SSDSE-B-2026 実公的データ)
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読み込み完了: 564 行(12年 × 47都道府県)
対象年度: [np.int64(2012), np.int64(2013), np.int64(2014), np.int64(2015), np.int64(2016), np.int64(2017), np.int64(2018), np.int64(2019), np.int64(2020), np.int64(2021), np.int64(2022), np.int64(2023)]
💡 解説
  • 分析に使用する人口や支出などの項目を、計算が可能な数値型に変換しています。出力結果からは、データに含まれる全体の行数や、どの年度からどの年度までの都道府県データが読み込まれたかを確認できます。
💡 Python TIPS Seriesの .map() は「1対1の置き換え」、.apply() は「関数を当てる」。辞書なら .map()、ロジックなら .apply()
やってみようStep 1. 派生変数の計算
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df_b['food_ratio']     = df_b['食料費(二人以上の世帯)']       / df_b['消費支出(二人以上の世帯)']
df_b['leisure_ratio']  = df_b['教養娯楽費(二人以上の世帯)']    / df_b['消費支出(二人以上の世帯)']
df_b['clothing_ratio'] = df_b['被服及び履物費(二人以上の世帯)'] / df_b['消費支出(二人以上の世帯)']
df_b['other_ratio']    = df_b['その他の消費支出(二人以上の世帯)'] / df_b['消費支出(二人以上の世帯)']

# ホテル密度(施設数 / 人口 × 10,000)
df_b['hotel_per_pop']  = df_b['旅館営業施設数(ホテルを含む)'] / df_b['総人口'] * 10000

# 高齢化率
df_b['aging_rate']     = df_b['65歳以上人口'] / df_b['総人口']

# 2023年断面データ(最新年で都道府県比較)
df_2023 = df_b[df_b['年度'] == 2023].copy().reset_index(drop=True)

print(f"\n2023年断面データ: {len(df_2023)} 都道府県")
print("\n記述統計(主要変数・2023年):")
desc_cols = ['food_ratio', 'leisure_ratio', 'clothing_ratio', 'hotel_per_pop', 'aging_rate']
print(df_2023[desc_cols].describe().round(4))
▼ 実行結果
2023年断面データ: 47 都道府県

記述統計(主要変数・2023年):
       food_ratio  leisure_ratio  clothing_ratio  hotel_per_pop  aging_rate
count     47.0000        47.0000         47.0000        47.0000     47.0000
mean       0.2732         0.0923          0.0316         5.7211      0.3159
std        0.0176         0.0102          0.0041         3.9658      0.0334
min        0.2389         0.0701          0.0246         0.9467      0.2275
25%        0.2638         0.0852          0.0286         3.2354      0.3005
50%        0.2717         0.0934          0.0312         5.3118      0.3178
75%        0.2844         0.0985          0.0336         6.8473      0.3401
max        0.3182         0.1200          0.0417        22.7452      0.3906
💡 解説
  • .describe() — 件数・平均・標準偏差・四分位・最大/最小を一括計算。データの素性チェックに必須。
💡 Python TIPS Seriesの .map() は「1対1の置き換え」、.apply() は「関数を当てる」。辞書なら .map()、ロジックなら .apply()
やってみようStep 2. 相関分析
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print("\n" + "=" * 65)
print("■ 相関分析(2023年 47都道府県)")
print("=" * 65)

corr_cols = ['food_ratio', 'leisure_ratio', 'clothing_ratio',
             'hotel_per_pop', 'aging_rate', '合計特殊出生率']
corr_labels = ['食料費\n割合', '教養娯楽\n費割合', '被服費\n割合',
               'ホテル\n密度', '高齢化率', '合計特殊\n出生率']
corr_mat = df_2023[corr_cols].corr()

print("\n相関行列(2023年):")
print(corr_mat.round(3))

r_aging_food, p_aging_food = stats.pearsonr(df_2023['aging_rate'], df_2023['food_ratio'])
r_aging_leis, p_aging_leis = stats.pearsonr(df_2023['aging_rate'], df_2023['leisure_ratio'])
print(f"\n高齢化率 × 食料費割合:    r={r_aging_food:.3f}, p={p_aging_food:.4f}")
print(f"高齢化率 × 教養娯楽費割合: r={r_aging_leis:.3f}, p={p_aging_leis:.4f}")
▼ 実行結果
このステップの print 出力(相関行列・r・p値)は、次のステップの実行結果にまとめて表示されます。
💡 解説
  • stats.pearsonr(x, y) — Pearson相関係数 r と p値を同時に返します。
💡 Python TIPS [式 for x in リスト]リスト内包表記。forループでappendする代わりに1行でリストを作れます。
やってみようStep 2. 相関分析 — 都市規模グループ分類(人口三分位)
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# 都市規模グループ分類(人口三分位)
pop_q33 = df_2023['総人口'].quantile(1/3)
pop_q67 = df_2023['総人口'].quantile(2/3)
df_2023['urban_group'] = pd.cut(
    df_2023['総人口'],
    bins=[0, pop_q33, pop_q67, float('inf')],
    labels=['地方(人口少)', '中規模', '都市(人口多)'],
    include_lowest=True
)

print("\n都市規模グループ別平均(2023年):")
grp_stats = df_2023.groupby('urban_group', observed=True)[['food_ratio', 'leisure_ratio', 'aging_rate']].mean()
print(grp_stats.round(4))
▼ 実行結果
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■ 相関分析(2023年 47都道府県)
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相関行列(2023年):
                food_ratio  leisure_ratio  ...  aging_rate  合計特殊出生率
food_ratio           1.000          0.048  ...      -0.230   -0.057
leisure_ratio        0.048          1.000  ...      -0.503   -0.460
clothing_ratio       0.018          0.543  ...      -0.397   -0.313
hotel_per_pop       -0.183         -0.339  ...       0.062    0.401
aging_rate          -0.230         -0.503  ...       1.000    0.201
合計特殊出生率             -0.057         -0.460  ...       0.201    1.000

[6 rows x 6 columns]

高齢化率 × 食料費割合:    r=-0.230, p=0.1199
高齢化率 × 教養娯楽費割合: r=-0.503, p=0.0003

都市規模グループ別平均(2023年):
             food_ratio  leisure_ratio  aging_rate
urban_group                                       
地方(人口少)          0.2695         0.0889      0.3390
中規模              0.2730         0.0894      0.3173
都市(人口多)          0.2771         0.0982      0.2914
💡 解説
  • df.groupby('列').apply(関数) — グループごとに関数を適用。時系列や地域別の集計でよく使います。
💡 Python TIPS r, p = stats.pearsonr(...) — Pythonは複数戻り値を同時に受け取れる(タプルアンパック)。
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相関分析

外食・中食・内食支出割合の相互関係と、生活変数との相関を分析する。3区分の食支出割合は合計100%の制約があるため、一方が上がれば他方が下がる負の相関関係が生まれる。

相関行列ヒートマップ
図1:家計消費費目割合と地域変数の相関行列(左)と、教養娯楽費割合と各変数の相関係数(右)。SSDSE-B-2026(2023年 47都道府県)による再現。高齢化率との負の相関(r=−0.503)が最も強い。
📌 この相関行列ヒートマップの読み方
このグラフは
左は変数ペアごとのPearson相関係数 r を色で表したヒートマップ(赤=正、青=負)。右は教養娯楽費割合と各変数の相関係数を横棒で並べた棒グラフ(青=正、赤=負)。
読み方
右パネルで右(プラス方向)に伸びる棒は正の相関、左(マイナス方向)は負の相関。棒が長いほど関連が強い。
なぜそう解釈できるか
棒の脇の「*」印は統計的有意を示す(*: p<0.05、**: p<0.01、***: p<0.001)。高齢化率×教養娯楽費割合の r=−0.503(p=0.0003)が最も強い関連。ただし相関因果を意味しない。
主要な相関分析の結果
  • 共働き世帯割合 × 中食割合:r = 0.556(正の相関 共働き世帯が多い地域ほど調理済み食品を利用
  • 外食割合 × 中食割合:負の相関(都市部は外食、地方共働きは中食)
  • 内食割合 × 共働き世帯割合:負の相関(共働きが多いほど素材から作る機会が減少)

論文の報告値と再現図の読み分け:上の r=0.556(共働き世帯割合×中食割合)は、論文が家計調査(県庁所在市別)で報告した値。一方、本ページの再現図(図1〜図4)は SSDSE-B-2026(都道府県別)を代理データとして作成しており、外食・中食・共働き世帯割合の列が無いため、食料費割合・教養娯楽費割合・高齢化率などで「食と地域特性」の関係構造を確かめている。数値そのものではなく、相関の向きと図の読み方を対応づけて読んでほしい。

DS LEARNING POINT 1

構成比データの相関分析

外食・中食・内食は合計100%の「構成比データ」。一方が増えると他方が必ず減るため、3変数間には必然的に負の相関が生まれる。この「閉じたデータ(Compositional Data)」を扱う際は相関係数の解釈に注意が必要。

import numpy as np from scipy import stats # 構成比データの相関 外食 = np.array([...]) # 各都市の外食割合 中食 = np.array([...]) # 各都市の中食割合 内食 = 100 - 外食 - 中食 # 必ず100%になる制約 # 注意: 内食は定義上 外食+中食 に完全に依存する r_外食内食, _ = stats.pearsonr(外食, 内食) print(f"外食×内食: r={r_外食内食:.3f}") # 必ず負の値 # 解決策: 構成比の変換(isometric log-ratio変換)を使う場合もある # 本研究では共働き率等の外部変数との関係に注目することで回避
やってみよう図1: 相関行列ヒートマップ
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print("図1: 相関行列ヒートマップを作成中...")

fig1, axes1 = plt.subplots(1, 2, figsize=(14, 6))
fig1.suptitle('家計消費費目割合と地域変数の相関分析(2023年 47都道府県)',
              fontsize=13, fontweight='bold')

# 左: ヒートマップ
ax1a = axes1[0]
mat = corr_mat.values
im = ax1a.imshow(mat, cmap='RdBu_r', vmin=-1, vmax=1, aspect='auto')
plt.colorbar(im, ax=ax1a, shrink=0.8, label='Pearson r')
ax1a.set_xticks(range(len(corr_cols)))
ax1a.set_yticks(range(len(corr_cols)))
ax1a.set_xticklabels(corr_labels, fontsize=9)
ax1a.set_yticklabels(corr_labels, fontsize=9)
for i in range(len(corr_cols)):
    for j in range(len(corr_cols)):
        v = mat[i, j]
        ax1a.text(j, i, f'{v:.2f}', ha='center', va='center',
                  fontsize=9, color='white' if abs(v) > 0.6 else 'black',
                  fontweight='bold')
ax1a.set_title('相関行列(消費費目割合 × 地域変数)', fontsize=10, fontweight='bold')
▼ 実行結果
このステップの print 出力(作成中メッセージ)は、次のステップの実行結果にまとめて表示されます。図はここでは左半分を描いただけ。
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
💡 Python TIPS x if cond else y三項演算子。リスト内包表記と組み合わせると、forとifを1行で書けます。
やってみよう図1: 相関行列ヒートマップ — 右: 教養娯楽費割合との相関棒グラフ
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# 右: 教養娯楽費割合との相関棒グラフ
ax1b = axes1[1]
target_vars   = ['food_ratio', 'clothing_ratio', 'hotel_per_pop', 'aging_rate', '合計特殊出生率']
target_labels2 = ['食料費割合', '被服費割合', 'ホテル密度\n(施設/万人)', '高齢化率', '合計特殊出生率']
corr_vals = [df_2023['leisure_ratio'].corr(df_2023[v]) for v in target_vars]
bar_cols = ['#E53935' if v < 0 else '#1565C0' for v in corr_vals]
sorted_idx = sorted(range(len(corr_vals)), key=lambda i: corr_vals[i])
ax1b.barh(
    range(len(target_vars)),
    [corr_vals[i] for i in sorted_idx],
    color=[bar_cols[i] for i in sorted_idx],
    alpha=0.85, edgecolor='white'
)
ax1b.set_yticks(range(len(target_vars)))
ax1b.set_yticklabels([target_labels2[i] for i in sorted_idx], fontsize=10)
ax1b.axvline(0, color='black', linewidth=1.0)
ax1b.set_xlabel('Pearson 相関係数(教養娯楽費割合との相関)', fontsize=10)
ax1b.set_title('教養娯楽費割合との相関係数\n(高齢化率との強い負の相関)',
               fontsize=10, fontweight='bold')
ax1b.grid(axis='x', alpha=0.3)
for i, idx in enumerate(sorted_idx):
    v = corr_vals[idx]
    r_val, p_val = stats.pearsonr(df_2023['leisure_ratio'], df_2023[target_vars[idx]])
    sig = '***' if p_val < 0.001 else '**' if p_val < 0.01 else '*' if p_val < 0.05 else ''
    if sig:
        offset = 0.02 if v > 0 else -0.02
        ha = 'left' if v > 0 else 'right'
        ax1b.text(v + offset, i, sig, va='center', ha=ha, fontsize=10, fontweight='bold')

plt.tight_layout()
fig1.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2024_H1_fig1_corr.png'), bbox_inches='tight', dpi=150)
plt.close(fig1)
print("  → 2024_H1_fig1_corr.png 保存完了")
▼ 実行結果
図1: 相関行列ヒートマップを作成中...
  → 2024_H1_fig1_corr.png 保存完了
💡 解説
  • ax.axhline / ax.axvline — 水平/垂直の点線。平均線や基準線として定番。
  • stats.pearsonr(x, y) — Pearson相関係数 r と p値を同時に返します。
💡 Python TIPS df[col](1列)と df[[col1, col2]](複数列)でカッコの数が違います。リストを渡していると覚えるとミスを減らせます。
2
7地域タイプ分類

都市規模(都市部/地方)と食支出の特性(外食高・中食高・内食高・バランス型)を組み合わせ、47都市を7つのタイプに分類する。

分類基準:都市度(政令市・県庁所在大都市)× 食支出比率の特性

都市部(7市):東京・大阪・名古屋・横浜・京都・神戸・福岡
地方(40市):その他の県庁所在市
7地域タイプの散布図
図3:都市規模グループ別の食料費割合(左)・教養娯楽費割合(右)の箱ひげ図(SSDSE-Bによる再現)。論文の「都市×地方」の対比を、人口三分位の3グループ比較で確かめている。
📌 この箱ひげ図の読み方
このグラフは
都市規模3グループ(青=地方・緑=中規模・橙=都市)ごとに、費目割合の分布を「箱」で表したグラフ。箱の中の白線が中央値、◆マークが平均値、重ねた点は各都道府県の値。
読み方
箱の位置が上にあるグループほど割合が高い。箱の縦幅(四分位範囲)が広いほどグループ内のばらつきが大きい。
なぜそう解釈できるか
平均値の比較(教養娯楽費割合:地方8.89% → 都市9.82%)から、都市部ほど外食・娯楽志向が強い傾向を読み取れる。箱から大きく離れた点は外れ値(特異な地域)を示す。
タイプ特徴代表都市
地方内食高地方で自炊文化が根付く秋田・鳥取・島根
地方中食高地方の共働き率高い地域富山・福井・山形
地方バランス食支出が平均多数の地方都市
都心内食高都市でも自炊志向一部の政令市
都心外食高外食が盛ん東京・大阪
都心中食高都市の共働き中食型名古屋・横浜
都心バランス均衡型の都市京都・神戸
共働き割合vs食支出割合
図2:高齢化率と食料費割合(左)・教養娯楽費割合(右)の散布図(SSDSE-Bによる再現)。教養娯楽費割合とは有意な負の相関(r=−0.503, p=0.0003)、食料費割合とは有意でない(r=−0.230, p=0.1199)。
📌 この散布図の読み方
このグラフは
横軸に高齢化率、縦軸に費目割合を取り、47都道府県を点で描いたグラフ。点の色は都市規模グループ(青=地方・緑=中規模・橙=都市)。
読み方
点の並びが右下がりなら負の相関。左(食料費割合、r=−0.230)は傾向が弱く有意でないが、右(教養娯楽費割合、r=−0.503)ははっきりした右下がりで有意。
なぜそう解釈できるか
破線の回帰直線の傾きが関係の向きに対応する。ただし色分けを見ると、高齢化率が低い側に都市(橙)の点が集まっており、この負の相関には都市規模が交絡している可能性がある(疑似相関のサイン)。直線から大きく外れた点(秋田県・東京都など)は外れ値として個別に検討する。

DS LEARNING POINT 2

散布図による地域タイプの発見

クラスタリングアルゴリズム(k-means等)を使わなくても、散布図の視覚的な探索から意味のある「タイプ分け」が可能。ただし、タイプ数(7)や境界値の設定は分析者の判断が入るため、設定根拠を明示することが重要。

import matplotlib.pyplot as plt # 散布図から地域タイプを可視化 fig, ax = plt.subplots(figsize=(10, 7)) type_colors = { '地方内食高': '#1565C0', '地方中食高': '#00897B', '地方バランス': '#43A047', '都心外食高': '#E53935', ... } for ttype, color in type_colors.items(): subset = df[df['地域タイプ'] == ttype] ax.scatter(subset['共働き率'], subset['中食割合'], c=color, label=ttype, s=90, alpha=0.9) # 富山市の特異性を注釈 ax.annotate('富山市(共働きNo.1\n+中食全国1位)', xy=(富山_共働き, 富山_中食), fontsize=9, color='red')
やってみよう図2: 高齢化率 vs 食料費割合 散布図
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print("図2: 散布図(高齢化率 vs 食料費割合)を作成中...")

fig2, axes2 = plt.subplots(1, 2, figsize=(14, 6))
fig2.suptitle('高齢化率と家計消費費目割合の関係(2023年 47都道府県)',
              fontsize=13, fontweight='bold')

# 左: 高齢化率 vs 食料費割合
ax2a = axes2[0]
group_colors_map = {'地方(人口少)': '#1565C0', '中規模': '#43A047', '都市(人口多)': '#E65100'}
colors2 = [group_colors_map.get(str(g), '#888888') for g in df_2023['urban_group']]
ax2a.scatter(df_2023['aging_rate'] * 100, df_2023['food_ratio'] * 100,
             c=colors2, s=80, alpha=0.85, edgecolors='white', linewidth=0.5, zorder=3)
# 回帰直線
x2a = df_2023['aging_rate'].values
y2a = df_2023['food_ratio'].values
sl2a, ic2a, rv2a, pv2a, _ = stats.linregress(x2a, y2a)
x2a_line = [x2a.min(), x2a.max()]
y2a_line = [ic2a + sl2a * x for x in x2a_line]
ax2a.plot([v * 100 for v in x2a_line], [v * 100 for v in y2a_line],
          '--', color='#333333', linewidth=2,
          label=f'回帰直線 r={rv2a:.3f}{"*" if pv2a < 0.05 else ""}')
# 注目都道府県ラベル
highlight2 = ['秋田県', '東京都', '神奈川県', '愛媛県', '沖縄県']
for _, row in df_2023[df_2023['都道府県'].isin(highlight2)].iterrows():
    ax2a.annotate(row['都道府県'],
                  (row['aging_rate'] * 100, row['food_ratio'] * 100),
                  fontsize=8.5, fontweight='bold', color='#333333',
                  xytext=(5, 4), textcoords='offset points')
ax2a.set_xlabel('高齢化率(65歳以上人口 / 総人口 × 100, %)', fontsize=10)
ax2a.set_ylabel('食料費割合(食料費 / 消費支出 × 100, %)', fontsize=10)
ax2a.set_title('高齢化率 vs 食料費割合\n(r={:.3f}, p={:.4f})'.format(rv2a, pv2a),
               fontsize=10, fontweight='bold')
patches2a = [mpatches.Patch(color=c, alpha=0.85, label=g)
             for g, c in group_colors_map.items()]
ax2a.legend(handles=patches2a + [plt.Line2D([0],[0], color='#333333', linestyle='--',
                                              label=f'回帰直線 r={rv2a:.3f}')],
            fontsize=8.5)
ax2a.grid(True, alpha=0.3)
▼ 実行結果
このステップの print 出力(作成中メッセージ)は、次のステップの実行結果にまとめて表示されます。図はここでは左パネルを描いただけ。
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
  • stats.linregress(x, y) — 単回帰の傾き・切片・r値・p値・標準誤差を返します。使わない値は _ で受け取り。
  • for _, row in df.iterrows() — DataFrameを1行ずつ取り出すループ。1点ずつ描画したいときに使用。
💡 Python TIPS df[col](1列)と df[[col1, col2]](複数列)でカッコの数が違います。リストを渡していると覚えるとミスを減らせます。
やってみよう図2: 高齢化率 vs 食料費割合 散布図 — 右: 高齢化率 vs 教養娯楽費割合
📝 コード
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# 右: 高齢化率 vs 教養娯楽費割合
ax2b = axes2[1]
ax2b.scatter(df_2023['aging_rate'] * 100, df_2023['leisure_ratio'] * 100,
             c=colors2, s=80, alpha=0.85, edgecolors='white', linewidth=0.5, zorder=3)
x2b = df_2023['aging_rate'].values
y2b = df_2023['leisure_ratio'].values
sl2b, ic2b, rv2b, pv2b, _ = stats.linregress(x2b, y2b)
x2b_line = [x2b.min(), x2b.max()]
y2b_line = [ic2b + sl2b * x for x in x2b_line]
ax2b.plot([v * 100 for v in x2b_line], [v * 100 for v in y2b_line],
          '--', color='#333333', linewidth=2,
          label=f'回帰直線 r={rv2b:.3f}')
highlight2b = ['秋田県', '神奈川県', '東京都', '長崎県', '沖縄県']
for _, row in df_2023[df_2023['都道府県'].isin(highlight2b)].iterrows():
    ax2b.annotate(row['都道府県'],
                  (row['aging_rate'] * 100, row['leisure_ratio'] * 100),
                  fontsize=8.5, fontweight='bold', color='#333333',
                  xytext=(5, 4), textcoords='offset points')
ax2b.set_xlabel('高齢化率(65歳以上人口 / 総人口 × 100, %)', fontsize=10)
ax2b.set_ylabel('教養娯楽費割合(教養娯楽費 / 消費支出 × 100, %)', fontsize=10)
ax2b.set_title('高齢化率 vs 教養娯楽費割合\n(r={:.3f}, p={:.4f})'.format(rv2b, pv2b),
               fontsize=10, fontweight='bold')
ax2b.legend(handles=patches2a + [plt.Line2D([0],[0], color='#333333', linestyle='--',
                                              label=f'回帰直線 r={rv2b:.3f}')],
            fontsize=8.5)
ax2b.grid(True, alpha=0.3)

plt.tight_layout()
fig2.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2024_H1_fig2_scatter.png'), bbox_inches='tight', dpi=150)
plt.close(fig2)
print("  → 2024_H1_fig2_scatter.png 保存完了")
▼ 実行結果
図2: 散布図(高齢化率 vs 食料費割合)を作成中...
  → 2024_H1_fig2_scatter.png 保存完了
💡 解説
  • stats.linregress(x, y) — 単回帰の傾き・切片・r値・p値・標準誤差を返します。使わない値は _ で受け取り。
  • for _, row in df.iterrows() — DataFrameを1行ずつ取り出すループ。1点ずつ描画したいときに使用。
💡 Python TIPS s[:-n]「末尾n文字を除く」/s[n:]「先頭n文字を除く」。スライス [start:stop:step] はリスト・タプル・文字列共通の基本ワザです。
3
コロナ前後のトレンド変化

2020年のコロナ禍は「外食から中食へ」の大きなシフトをもたらした。このシフトが持続的かどうか、地域差があるかを時系列で検証する。

コロナ前後のトレンド変化
図4:消費費目割合の時系列変化(2012〜2023年、SSDSE-Bによる再現)。左:全国平均の食料費・教養娯楽費・被服費割合、右:都市規模別の教養娯楽費割合。コロナ禍(2020〜21年、灰色帯)で食料費割合が上昇(内食シフト)し、教養娯楽費割合が低下した。
📌 この時系列グラフの読み方
このグラフは
横軸を時間(年度)、縦軸を費目割合(%)として変化を折れ線で描いたグラフ。灰色の帯はコロナ禍(2020〜21年)を示す。
読み方
線が右上がりなら増加トレンド、右下がりなら減少トレンド。灰色帯の位置での急な折れ目(食料費↑・教養娯楽費↓)がコロナによる変化点を示す。
なぜそう解釈できるか
右パネルで都市規模3グループの線を重ねると、都市(橙)ほどコロナ前後の落ち込みと回復が大きいことが視覚的にわかる。論文の「外食→中食シフトは都市部で顕著」という発見と整合する。
コロナ禍の影響
  • 外食割合:2019年15.1% → 2020年13.2%(約2ポイント減)
  • 中食割合:2019年17.5% → 2021年19.8%(約2.3ポイント増)
  • 都市部ほど外食減少が大きい(飲食店への依存度が高かったため)
  • 2022〜23年に外食は回復傾向だが、中食も高止まり

※ 上の数値は論文が家計調査で報告した外食・中食割合。再現図4はSSDSE-Bの食料費・教養娯楽費割合で、同じ「コロナ前後の構造変化」を確認している。

地域差の発見 都市部ではコロナ前に外食割合が高かった分、コロナ禍での落ち込みも大きかった。地方では元から外食割合が低く、中食への「シフト幅」は比較的小さかった。
やってみよう共通設定
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import pandas as pd
import matplotlib
matplotlib.use('Agg')
import matplotlib.pyplot as plt
import matplotlib.patches as mpatches
from scipy import stats
import warnings
warnings.filterwarnings('ignore')

plt.rcParams['font.family'] = 'Hiragino Sans'
plt.rcParams['axes.unicode_minus'] = False
plt.rcParams['figure.dpi'] = 150

import os
DATA_PATH = 'data/raw/SSDSE-B-2026.csv'
FIG_DIR = 'html/figures'
os.makedirs(FIG_DIR, exist_ok=True)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • import pandas as pd など — 必要なライブラリをまとめて呼び出します。as pd は短い別名(alias)。
  • matplotlib.use('Agg') — グラフを画面表示せずファイルに保存するためのおまじない。
  • plt.rcParams['font.family'] — グラフの日本語表示用フォント指定(Macは Hiragino Sans、Windowsなら Yu Gothic 等)。
  • os.makedirs('html/figures', exist_ok=True) — 図の保存先フォルダを作る(既にあってもOK)。
💡 Python TIPS f"...{x}..."f-string。文字列の中に {変数} と書くだけで埋め込めて、{x:.2f} のように書式も指定できます。
やってみよう図の生成(4枚)
📝 コード
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print("\n" + "=" * 65)
print("■ 図の生成(4枚)")
print("=" * 65)
▼ 実行結果
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■ 図の生成(4枚)
=================================================================
💡 解説
  • データの分布や変数間の関係を視覚的に把握するため、4種類のグラフを作成しています。出力された図を確認し、データの傾向や外れ値の有無、変数同士にどのような相関が見られるかを分析してください。
💡 Python TIPS r, p = stats.pearsonr(...) — Pythonは複数戻り値を同時に受け取れる(タプルアンパック)。
やってみよう図3: 都市規模別の箱ひげ図
📝 コード
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print("図3: 都市規模別の箱ひげ図を作成中...")

GROUP_ORDER = ['地方(人口少)', '中規模', '都市(人口多)']
GROUP_COLORS = {'地方(人口少)': '#1565C0', '中規模': '#43A047', '都市(人口多)': '#E65100'}

fig3, axes3 = plt.subplots(1, 2, figsize=(14, 6))
fig3.suptitle('都市規模グループ別 消費費目割合の分布比較(2023年 47都道府県)',
              fontsize=13, fontweight='bold')

def boxplot_group(ax, target_col, ylabel, title):
    data_by_group = [
        df_2023[df_2023['urban_group'] == g][target_col].dropna().values * 100
        for g in GROUP_ORDER
    ]
    bp = ax.boxplot(data_by_group, patch_artist=True, notch=False,
                    medianprops=dict(color='white', linewidth=2.5),
                    whiskerprops=dict(linewidth=1.5),
                    capprops=dict(linewidth=1.5))
    for patch, g in zip(bp['boxes'], GROUP_ORDER):
        patch.set_facecolor(GROUP_COLORS[g])
        patch.set_alpha(0.8)
    ax.set_xticklabels(GROUP_ORDER, fontsize=10)
    ax.set_ylabel(ylabel, fontsize=10)
    ax.set_title(title, fontsize=10, fontweight='bold')
    ax.grid(axis='y', alpha=0.3)
    # 個別データ点(ジッター代わりに等間隔描画)
    for k, (g, data) in enumerate(zip(GROUP_ORDER, data_by_group)):
        n = len(data)
        xs = [k + 1 + (i - n/2) * 0.03 for i in range(n)]
        ax.scatter(xs, data, color=GROUP_COLORS[g], s=30, alpha=0.6,
                   edgecolors='white', linewidth=0.4, zorder=4)
    # 平均値マーク
    for k, data in enumerate(data_by_group):
        if len(data) > 0:
            ax.scatter(k + 1, data.mean(), marker='D', color='gold',
                       s=60, zorder=5, edgecolors='#333', linewidth=0.8)

boxplot_group(axes3[0], 'food_ratio',
              '食料費割合(食料費 / 消費支出 × 100, %)',
              '都市規模グループ別 食料費割合の分布\n(◆=平均値、箱内白線=中央値)')
boxplot_group(axes3[1], 'leisure_ratio',
              '教養娯楽費割合(教養娯楽費 / 消費支出 × 100, %)',
              '都市規模グループ別 教養娯楽費割合の分布\n(都市部で高い外食・娯楽志向)')
▼ 実行結果
このステップの print 出力(作成中メッセージ)は、次のステップの実行結果にまとめて表示されます。
💡 解説
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
💡 Python TIPS s[:-n]「末尾n文字を除く」/s[n:]「先頭n文字を除く」。スライス [start:stop:step] はリスト・タプル・文字列共通の基本ワザです。
やってみよう図3: 都市規模別の箱ひげ図 — 統計量を出力
📝 コード
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# 統計量を出力
print("\n都市規模グループ別 記述統計(%換算):")
for col, name in [('food_ratio', '食料費割合'), ('leisure_ratio', '教養娯楽費割合')]:
    print(f"\n  {name}:")
    for g in GROUP_ORDER:
        vals = df_2023[df_2023['urban_group'] == g][col].dropna() * 100
        print(f"    {g}: mean={vals.mean():.2f}%, median={vals.median():.2f}%, n={len(vals)}")

plt.tight_layout()
fig3.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2024_H1_fig3_type.png'), bbox_inches='tight', dpi=150)
plt.close(fig3)
print("  → 2024_H1_fig3_type.png 保存完了")
▼ 実行結果
図3: 都市規模別の箱ひげ図を作成中...

都市規模グループ別 記述統計(%換算):

  食料費割合:
    地方(人口少): mean=26.95%, median=27.03%, n=16
    中規模: mean=27.30%, median=27.10%, n=15
    都市(人口多): mean=27.71%, median=27.45%, n=16

  教養娯楽費割合:
    地方(人口少): mean=8.89%, median=8.74%, n=16
    中規模: mean=8.94%, median=9.36%, n=15
    都市(人口多): mean=9.82%, median=9.73%, n=16
  → 2024_H1_fig3_type.png 保存完了
💡 解説
  • 都市規模ごとの食料費と教養娯楽費の割合について、平均値・中央値・サンプル数を算出して出力しています。表示される数値を確認することで、都市の規模によって支出傾向にどのような違いがあるかを具体的に把握することができます。
💡 Python TIPS np.cumsum(arr)累積和np.linspace(a, b, n) は「aからbを等間隔でn個」。NumPyの定石です。
やってみよう図4: 時系列トレンド(2012〜2023年)
📝 コード
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print("図4: 時系列トレンドを作成中...")

# 年別全国平均の算出
yearly_avg = df_b.groupby('年度')[['food_ratio', 'leisure_ratio', 'clothing_ratio']].mean()
years_ts = yearly_avg.index.tolist()

# 都市規模別の時系列:最新年(2023)の都市規模分類を全年に適用
urban_group_map = dict(zip(df_2023['都道府県'], df_2023['urban_group']))
df_b['urban_group_fixed'] = df_b['都道府県'].map(urban_group_map)
yearly_urban = df_b.groupby(['年度', 'urban_group_fixed'], observed=True)[
    ['food_ratio', 'leisure_ratio']
].mean().reset_index()

fig4, axes4 = plt.subplots(1, 2, figsize=(14, 6))
fig4.suptitle('食料費・教養娯楽費割合の推移(2012〜2023年)', fontsize=13, fontweight='bold')
▼ 実行結果
このステップの print 出力(作成中メッセージ)は、後続ステップの実行結果にまとめて表示されます。
💡 解説
  • df.groupby('列').apply(関数) — グループごとに関数を適用。時系列や地域別の集計でよく使います。
  • fig, ax = plt.subplots(...) — 図全体(fig)と軸(ax)を作る定番。以降は ax.bar(...) 等で操作。
💡 Python TIPS np.cumsum(arr)累積和np.linspace(a, b, n) は「aからbを等間隔でn個」。NumPyの定石です。
やってみよう図4: 時系列トレンド(2012〜2023年) — 左: 全国平均の食料費・教養娯楽費・被服費割合
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# 左: 全国平均の食料費・教養娯楽費・被服費割合
ax4a = axes4[0]
ax4a.plot(years_ts, yearly_avg['food_ratio'] * 100,
          'o-', color='#E53935', linewidth=2.5, markersize=7, label='食料費割合(内食志向)')
ax4a.plot(years_ts, yearly_avg['leisure_ratio'] * 100,
          's-', color='#1565C0', linewidth=2.5, markersize=7, label='教養娯楽費割合(外食・娯楽)')
ax4a.plot(years_ts, yearly_avg['clothing_ratio'] * 100,
          '^-', color='#43A047', linewidth=2.0, markersize=6, label='被服費割合')
ax4a.axvspan(2020, 2021.5, alpha=0.12, color='gray')
ax4a.axvline(2020, color='gray', linestyle='--', linewidth=1.5, label='COVID-19 拡大(2020年)')
ax4a.set_xlabel('年度', fontsize=11)
ax4a.set_ylabel('割合(費目 / 消費支出 × 100, %)', fontsize=10)
ax4a.set_title('全国平均:消費費目割合の推移\n(コロナ禍で食料費↑、教養娯楽費↓)',
               fontsize=10, fontweight='bold')
ax4a.legend(fontsize=9)
ax4a.grid(True, alpha=0.3)
ax4a.set_xticks(years_ts)
ax4a.set_xticklabels([str(y) for y in years_ts], rotation=45, fontsize=8)
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • ax.axhline / ax.axvline — 水平/垂直の点線。平均線や基準線として定番。
💡 Python TIPS f-stringの書式 {値:.2f}(小数2桁)、{値:,}(3桁区切り)、{値:>10}(右寄せ10桁)など、覚えると出力が一気に整います。
やってみよう図4: 時系列トレンド(2012〜2023年) — 2019→2020の変化をアノテーション
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# 2019→2020の変化をアノテーション
food_2019 = yearly_avg.loc[2019, 'food_ratio'] * 100
food_2020 = yearly_avg.loc[2020, 'food_ratio'] * 100
leis_2019 = yearly_avg.loc[2019, 'leisure_ratio'] * 100
leis_2020 = yearly_avg.loc[2020, 'leisure_ratio'] * 100
ax4a.annotate(f'食料費\n+{food_2020 - food_2019:.1f}%pt',
              xy=(2020, food_2020), xytext=(2020.3, food_2020 + 0.5),
              fontsize=8, color='#E53935',
              arrowprops=dict(arrowstyle='->', color='#E53935'))
ax4a.annotate(f'教養娯楽費\n{leis_2020 - leis_2019:+.1f}%pt',
              xy=(2020, leis_2020), xytext=(2018.5, leis_2020 - 0.5),
              fontsize=8, color='#1565C0',
              arrowprops=dict(arrowstyle='->', color='#1565C0'))
▼ 実行結果
このステップは print はしません。データや図が裏で更新されただけ。次のステップへ進みましょう。
💡 解説
  • 2019年から2020年にかけての食料費と教養娯楽費の割合の変化を計算し、グラフ上に注釈として書き込んでいます。これにより、特定の年における支出構成の変動幅が視覚的に分かりやすくなります。
💡 Python TIPS plt.subplots(figsize=(W, H)) で図サイズ指定、fig.savefig(..., bbox_inches='tight') で余白を自動で詰めて保存。
やってみよう図4: 時系列トレンド(2012〜2023年) — 右: 都市規模別の教養娯楽費割合の推移
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# 右: 都市規模別の教養娯楽費割合の推移
ax4b = axes4[1]
style_map = {
    '地方(人口少)': ('-',  '#1565C0', 'o', '地方(人口少)'),
    '中規模':         ('--', '#43A047', 's', '中規模'),
    '都市(人口多)': ('-',  '#E65100', '^', '都市(人口多)'),
}
for grp, (ls, col, mk, lbl) in style_map.items():
    grp_data = yearly_urban[yearly_urban['urban_group_fixed'] == grp].sort_values('年度')
    ax4b.plot(grp_data['年度'], grp_data['leisure_ratio'] * 100,
              linestyle=ls, color=col, marker=mk, markersize=6,
              linewidth=2.0, label=lbl, alpha=0.9)
ax4b.axvspan(2020, 2021.5, alpha=0.12, color='gray')
ax4b.axvline(2020, color='gray', linestyle='--', linewidth=1.5, label='COVID-19 拡大')
ax4b.set_xlabel('年度', fontsize=11)
ax4b.set_ylabel('教養娯楽費割合(%)', fontsize=10)
ax4b.set_title('都市規模別 教養娯楽費割合の推移\n(都市部でコロナ前後の変化が大きい)',
               fontsize=10, fontweight='bold')
ax4b.legend(fontsize=9)
ax4b.grid(True, alpha=0.3)
ax4b.set_xticks(years_ts)
ax4b.set_xticklabels([str(y) for y in years_ts], rotation=45, fontsize=8)

plt.tight_layout()
fig4.savefig(os.path.join(FIG_DIR, '2024_H1_fig4_trend.png'), bbox_inches='tight', dpi=150)
plt.close(fig4)
print("  → 2024_H1_fig4_trend.png 保存完了")

print("\n" + "=" * 65)
print("全図の生成完了(4枚)")
print("=" * 65)
print(f"\n保存先: {FIG_DIR}")
print("  2024_H1_fig1_corr.png    - 相関行列と教養娯楽費割合との相関係数")
print("  2024_H1_fig2_scatter.png - 高齢化率 vs 食料費・教養娯楽費割合 散布図")
print("  2024_H1_fig3_type.png    - 都市規模グループ別 費目割合の箱ひげ図")
print("  2024_H1_fig4_trend.png   - 食料費・教養娯楽費割合の時系列推移")
print(f"\nデータ出典: SSDSE-B-2026(政府統計の総合窓口 e-Stat / 統計センター)")
▼ 実行結果
図4: 時系列トレンドを作成中...
  → 2024_H1_fig4_trend.png 保存完了

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全図の生成完了(4枚)
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保存先: html/figures
  2024_H1_fig1_corr.png    - 相関行列と教養娯楽費割合との相関係数
  2024_H1_fig2_scatter.png - 高齢化率 vs 食料費・教養娯楽費割合 散布図
  2024_H1_fig3_type.png    - 都市規模グループ別 費目割合の箱ひげ図
  2024_H1_fig4_trend.png   - 食料費・教養娯楽費割合の時系列推移

データ出典: SSDSE-B-2026(政府統計の総合窓口 e-Stat / 統計センター)
💡 解説
  • sort_values('列名', ascending=False) — 指定列で並べ替え(降順)。
  • ax.axhline / ax.axvline — 水平/垂直の点線。平均線や基準線として定番。
💡 Python TIPS .dropna() は欠損行を除去、.copy() は独立したコピーを作る。pandasで警告を防ぐ定石。

まとめ

主要な発見

  1. 共働き世帯割合と中食割合の正の相関(r=0.556):共働き世帯が多い地域ほど調理済み食品(中食)への支出が多い。
  2. コロナ禍で外食→中食へシフト:2020〜21年に外食が急減し中食が増加。特に都市部で顕著。
  3. 富山市の特異性:共働き率全国1〜3位かつ「そうざい材料セット」消費全国1位。地方の共働き文化と手作り志向が融合した特異なパターン。
  4. 7地域タイプ:都市/地方×食支出特性で47都市を分類。地域の食文化は共働き率・都市規模・気候文化が複合的に影響。
食の外部化への政策的示唆 中食産業の発展は共働き世帯の増加と並走している。「健康的な中食の提供」「ミールキットの普及支援」などが今後の政策課題として浮上する。地域の食文化に配慮した食育政策も重要。
教育的価値(この分析から学べること)
  • 食の外部化:中食・外食・惣菜利用などが増える社会現象。家計調査の品目別データで定量化できる。
  • ライフスタイルと食:共働き・単身世帯増加が外部化を促進する構造。家族形態の変化と関連付けて理解できる。
  • 地域差の意味:都市は外部化、地方は内食という単純な構造ではなく、所得・年齢・産業構造の複合効果。

データ・コードのダウンロード

分析スクリプト(2024_H1_daijin.py)
データ出典
家計調査(品目別・県庁所在市)総務省統計局
国勢調査(共働き世帯割合等)総務省統計局
住宅・土地統計調査総務省統計局

本教育用コードはSSDSE-B-2026(統計センター提供の実公的データ)を代理データとして使用。論文本体の分析は総務省の家計調査・国勢調査等の実データによる(外食・中食割合や共働き世帯割合はSSDSE-Bに無いため、食料費・教養娯楽費割合等で構造を再現)。

教育用再現コード | 2024年 統計データ分析コンペティション 総務大臣賞 [高校生の部] | 雙葉高等学校

⚠️ よくある誤解と注意点

統計分析の解釈で初心者がやりがちな勘違いをまとめます。特に「相関因果の混同」「p値の過信」は研究現場でもよく起きる落とし穴です。本文を読む前にも、読んだ後にも、目を通してみてください。

❌ 「相関がある=因果関係がある」ではない
疑似相関spurious correlationとは、見かけ上は関係があるように見えるが、実際は無関係、または第三の変数(交絡変数)が両方に影響しているだけの現象です。

古典例: アイスクリームの売上 と 水難事故件数 は強く相関するが、片方が他方を引き起こしているわけではない。両者とも「夏の暑さ」という第三の変数に引きずられているだけ。

論文を読むときの心構え: 「○○と△△に強い相関が見られた」だけで終わっている主張は、本当に因果関係があるのか、それとも第三の変数(人口・所得・地理など)が共通要因として効いているだけではないかを必ず疑ってください。
❌ 「p値が小さい=重要な発見」ではない
p値が小さい(例えば p < 0.001)ことは「統計的に偶然とは考えにくい」という意味であって、「実用的に大きな効果がある」という意味ではありません。

例: 巨大なサンプルサイズ(n=100,000)では、相関係数 r=0.02 でも p < 0.001 になります。しかし r=0.02 は実用上ほぼ無視できる関係です。

正しい読み方: p値効果量係数の大きさ、相関係数の値)の両方をセットで判断してください。p値だけで「重要な発見」と結論づけるのは誤りです。
❌ 「回帰係数が大きい=重要な変数」ではない
回帰係数の絶対値は、説明変数単位に強く依存します。「年収(万円)」と「失業率(%)」の係数を直接比較しても意味がありません。

正しい比較方法: (1) 標準化係数(各変数を平均0・分散1に変換した上での係数)を使う、(2) 限界効果(変数を1標準偏差動かしたときのyの変化)で比較する。

また、係数の大きさが「因果関係の強さ」を意味するわけでもありません。あくまで「相関的な関連の強さ」です。
❌ 「外れ値を除外すれば正しい結果」ではない
外れ値(極端な値)を「目障りだから」「結果が綺麗にならないから」という理由で除外するのは分析の改ざんに近い行為です。

外れ値が示すもの: 本当に重要な情報(東京の超高密度、北海道の超低密度など)であることが多い。外れ値を取り除くと「日本全体の傾向」を見誤る原因になります。

正しい対処: (1) 外れ値の出現要因を調査する(なぜ東京だけ突出するのか)、(2) ノンパラメトリック手法(Spearman相関Kruskal-Wallis)を使う、(3) 外れ値を含む結果と除外した結果の両方を提示し、解釈を読者に委ねる。
❌ 「サンプルサイズが大きい=信頼できる」ではない
サンプルサイズ(n)が大きいと統計的検定の検出力は上がりますが、それは「偶然による誤差を減らす効果」にすぎません。

nが大きくても解消されない問題:
選択バイアス標本が偏っている)
測定誤差(変数の定義が曖昧)
欠損値のパターン(欠損がランダムでない)
交絡変数の見落とし

例: 1万人にWeb調査して「ネット利用と幸福度は強く相関」と言っても、そもそも回答者がネットユーザー寄りに偏っているため、母集団全体の結論にはなりません。
❌ 「複雑なモデル=より良い分析」ではない
ランダムフォレストニューラルネット・複雑な階層モデルなど、高度な手法を使えば「良い分析」と感じがちですが、必ずしもそうではありません。

過学習(overfitting)の罠: モデルが複雑すぎると、訓練データ偶然のパターンまで学習してしまい、新しいデータでは予測精度が落ちます。

シンプルさの価値: 重回帰分析相関分析は「結果が解釈しやすい」「再現性が高い」という大きな利点があります。複雑な手法はシンプルな手法で答えが出ない時の最後の手段です。
❌ 「多重共線性は気にしなくていい」ではない
多重共線性とは、説明変数同士の相関が極めて強い状態のこと。これを放置すると、回帰係数符号や大きさが入れ替わる異常事態が起こります。

典型例: 「総人口」と「労働力人口」を同時に投入すると、両者の相関が r=0.99 になり、係数推定が極端に不安定になります。「総人口は正だが、労働力人口は負」のような解釈不能な結果になりがちです。

診断と対処:
VIF(分散拡大係数)を計算し、VIF > 10 の変数を確認
相関行列で |r| > 0.8 のペアをチェック
・対処法:一方を除外、合成変数(PCA)に変換、Ridge回帰で安定化
❌ 「R²が高い=良いモデル」ではない
決定係数 R² はモデルの「当てはまりの良さ」を示しますが、 が高くてもモデルが正しいとは限りません

が高くなる罠:
説明変数を増やせば は自動的に上がる(無関係な変数を追加してもは下がらない)
時系列データでは、共通のトレンド(時間とともに増加)があるだけで が 0.9 を超える
サンプルサイズが小さいとが過大評価される

代替指標: 調整済み (変数の数でペナルティ)AICBICモデル選択基準)を併用してください。予測力の真の評価には交差検証(cross-validation)テストデータ を見ること。
❌ 「ステップワイズで選んだ変数は重要」ではない
ステップワイズ法(バックワード・フォワード選択)は便利ですが、p値ベースの変数選択は再現性に問題があると批判されています。

問題点:
同じデータでも実行順序によって最終モデルが変わる
p値を繰り返し見ることで「偶然に有意な変数」を拾ってしまう(p-hacking
係数標準誤差が過小評価され、信頼区間が嘘っぽくなる

より良い方法:
事前に変数を理論で絞る(先行研究から候補を選ぶ)
LASSO回帰(自動かつ統計的に正当化された変数選択)を使う
交差検証AIC/BIC 最小モデルを選ぶ
❌ 「線形回帰なら線形関係を前提にすべき」
重回帰分析線形関係を前提とします。実際の関係が非線形なのに線形モデルで分析すると、本当の関係を見逃します

非線形の例:
U字型関係: 失業率と物価上昇率(フィリップス曲線)
逓減効果: 所得と幸福度(年収 800万円までは強い正の効果、それ以上は飽和)
閾値効果: 高齢化率と医療費(ある水準を超えると急激に上がる)

診断と対処:
残差プロット残差が0周辺に均等に分布しているか確認
変数の対数変換・二乗項追加で非線形性を取り込む
・どうしても線形では捉えられないなら、機械学習RF・GBM)を併用する
❌ 「データに当てはまった=予測に使える」ではない
「過去のデータでフィットしたから将来も予測できる」と思うのは危険です。

過学習(overfitting)の例: 47都道府県のデータに10個の説明変数を投入すれば、ほぼ完璧にフィットします(自由度がほぼゼロ)。でもそのモデルを新しい年度に適用すると、予測精度はほぼランダム並みに落ちることがあります。

正しい予測力の評価:
・データを訓練用 70%テスト用 30%に分割し、テスト用での予測精度を見る
k分割交差検証(k-fold CV)で予測の安定性を確認
・「説明変数の数 ≪ サンプルサイズ」のバランスを意識(目安:n > 10 × 変数数)

📖 用語集(この記事に出てくる統計用語)

統計の基本用語を初心者向けに解説します。本文中で見慣れない言葉が出てきたら、ここに戻って確認してください。

p値
「効果がない」と仮定したときに、観察されたデータ(またはより極端なデータ)が得られる確率。0〜1の値で、慣例的に 0.05(5%)未満を「有意」と判断する。
有意水準
「偶然」と「意味のある違い」を分ける基準。通常 α=0.05(5%)を使う。p値 < α なら「有意」と判定。
信頼区間
「真の値はこの範囲にあるだろう」という幅。95%信頼区間 = 同じ実験を100回繰り返したら95回はこの範囲に真の値が入る。
サンプルサイズ
分析に使ったデータ点の数(n)。一般にnが大きいほど推定が安定し、わずかな差も検出できるようになる。
標準誤差
推定値(係数など)のばらつきの目安。標準誤差が小さいほど推定値が安定している。
正規分布
釣鐘型の左右対称な分布。多くのパラメトリック検定(t検定F検定など)は「データが正規分布に従う」ことを仮定する。
因果相関
相関がある」と「原因と結果の関係(因果)」は別物。アイスクリームの売上と水難事故は相関するが、原因は両者とも「夏の暑さ」。
外れ値
他のデータから極端に離れた値。分析結果を歪める原因になるため、検出して除外するか別途扱う必要がある。
欠損値
データが取得できなかった部分(NaN・空白)。除外するか補完(平均代入・回帰代入など)するかが分析上の重要な判断点。
VIF
Variance Inflation Factor分散拡大係数)。多重共線性の強さを示す指標。VIF > 10 で「強い多重共線性あり」と判断。
係数回帰係数
説明変数 x が1単位増えたとき、目的変数 y が平均でどれだけ変化するか」を示す数値。正の値は正の影響、負の値は負の影響。
多重共線性
説明変数同士の相関が強すぎる状態。係数推定が不安定になり、解釈を誤る原因になる。VIF > 10 が警告サイン。
標準化係数
変数の単位の影響を取り除いた係数。複数の変数の影響の大きさを単位に依存せず比較するために使う。
決定係数 R²
回帰モデル目的変数のばらつきの何%を説明できるかを示す指標。0〜1の値で、1に近いほどモデルの説明力が高い。

📐 使っている手法をわかりやすく解説

統計手法について「何のためか」「結果をどう読むか」を初心者向けに解説します。

◆ 統計の基本概念(どの論文にも共通)

🔍 p値有意確率)とは
何?
「もし本当に効果がなかったとしたら、今回の結果(またはもっと極端な結果)が偶然起きる確率」のこと。
なぜ必要?
帰無仮説(「効果なし」の仮定)のもとで検定統計量の分布から計算する。
何がわかる?
「この関係は偶然ではなく、統計的に意味がある」と主張するための客観的な根拠になる。
読み方
p < 0.05(5%未満)を「統計的に有意」と判断するのが慣例。ただし「p値が小さい=効果が大きい」ではない。効果量係数の大きさ)とセットで判断する。
🗂️ ノンパラメトリック検定とは(なぜ使うのか)
何?
「データが正規分布に従う」という仮定を置かない検定手法の総称。Kruskal-Wallis検定・Mann-Whitney U検定などが代表例。
なぜ必要?
データの値ではなく「順位」に変換して検定統計量を計算する。外れ値や偏った分布に対しても安定して機能する。
何がわかる?
サンプルサイズが小さい・データが歪んでいる・外れ値がある場合でも、グループ差の有無を検定できる。
読み方
「なぜノンパラメトリックを選ぶのか」の理由を示すには、正規性検定(Shapiro-Wilk)の結果を添えるのが望ましい。結果の解釈は対応するパラメトリック検定と同様(p < 0.05 で有意差あり)。

◆ この論文で使われている手法

🔗 相関分析
何?
2つの変数の「一緒に増減する傾向の強さと向き」を −1〜+1 の相関係数 r で数値化する手法。
どう使う?
散布図を描き、Pearson(連続データ)または Spearman(順序データ・外れ値に強い)の相関係数を計算する。
何がわかる?
「気温が高い県ほど熱中症指標が高い」などの傾向を素早く確認できる。変数選択の第一歩として使われることも多い。
結果の読み方
r > +0.7 は強い正の相関、r < −0.7 は強い負の相関、|r| < 0.3 はほぼ無相関相関因果関係を示すものではない点に注意。
⚠️ 注意点
(1) 因果関係ではない相関は方向や原因を示さない。(2) 外れ値に弱い—1点で r が劇的に変わることも。(3) Pearson は線形のみ—非線形ならSpearman相関を使う。(4) 第三変数の存在を疑う—疑似相関を見抜く視点が必要。
🗺️ 地域タイプ分類(基準ベースのクロス分類)
何?
都市規模(都市部/地方)×食支出特性(外食高・中食高・内食高・バランス)の組み合わせで、47都市を7つのタイプに分ける手法。アルゴリズムではなく分析者が基準を決める分類
どう使う?
散布図で分布を確認し、都市度と各支出割合のしきい値を決めて、各都市をタイプに割り当てる。
何がわかる?
「地方×中食高」の富山市のように、単純な都市/地方の二分では見えない特異な組み合わせが浮かび上がる。
結果の読み方
各タイプの代表都市と特徴(本文の表)を見比べ、タイプ間で何が違うかを解釈する。
⚠️ 注意点
(1) 境界値に恣意性—タイプ数(7)やしきい値は分析者の判断なので、設定根拠の明示が必須。(2) 境界付近の都市は不安定—わずかな値の差でタイプが変わる。(3) 頑健性の確認Ward法k-meansなど自動クラスタリングでも同様のグループになるか検証すると説得力が増す。
📅 時系列分析(トレンド・変化点の比較)
何?
時間順に並んだデータのトレンドや周期性、変化点を分析する手法群の総称。本論文では折れ線グラフによるコロナ前後のトレンド比較を行う。
どう使う?
折れ線グラフでトレンドを視覚化し、イベント(コロナ禍)の前後で水準・傾きがどう変わったかを地域グループ別に比較する。
何がわかる?
「外食から中食へのシフトがいつ起き、どの地域で大きかったか」「変化が一時的か持続的か」を客観的に捉えられる。
結果の読み方
傾きが正なら上昇トレンド、負なら下降トレンド。変化点の前後で傾きが変わる場合は構造変化として解釈する。
⚠️ 注意点
(1) 見かけの同調に注意—2つの系列が同じ時間トレンドを持つだけで強く相関して見える(疑似相関)。(2) 変化点の帰属—折れ目が本当にコロナによるものか、同時期の他の要因(物価変動・制度変更)と切り分けが必要。(3) 期間の取り方に依存—開始・終了年の選び方で傾きの印象が変わるため、期間を明示する。

◆ 関連・発展手法(本論文では未使用)

🌿 Ward法クラスタリング
未使用の理由
本論文は散布図と分析者が決めた基準(都市規模×食支出特性)による手動の7タイプ分類を採用しており、アルゴリズムによる自動分類は行っていない。発展課題として、同じデータでWard法を実行し、7タイプが再現されるか検証できる。
何?
データをグループ(クラスター)に自動分類する手法。グループ内のばらつきが最小になるよう統合していく。
どう使う?
統合後の「ばらつき増加」が最小になるペアを繰り返し合体させ、デンドログラム樹形図)で可視化する。
結果の読み方
デンドログラムの切り位置でクラスター数を決める。各クラスターの変数平均を見てグループを命名・解釈する。
⚠️ 注意点
(1) クラスター数は分析者の判断—切り位置で結果が大きく変わる。(2) 変数の標準化が必須—単位の大きい変数に結果が引きずられる。(3) 外れ値が単独クラスターを作りやすい—事前に分布を確認する。
↔️ VAR(ベクトル自己回帰)/ Granger因果検定
未使用の理由
本論文の時系列分析は折れ線によるトレンド比較にとどまり、変数間の予測関係(リード・ラグ)までは検定していない。「共働き率の上昇が中食化に先行するのか」を検証したい場合の発展手法。
何?
複数の時系列変数が互いに影響し合う関係を分析する手法(VAR)と、「AがBの予測に役立つか」を検定する手法(Granger因果)。
どう使う?
VARは全変数を互いに説明変数として同時回帰Granger因果F検定でAのラグ変数がBの予測精度を向上させるかを確認する。
結果の読み方
Granger因果 p < 0.05 → 「Aの過去値はBの予測に役立つ」(ただし真の因果とは限らない)。
⚠️ 注意点
(1) 「予測に役立つ」≠真の因果—名前に反してGranger因果は因果の証明ではない。(2) 定常性の確認が必要—トレンドを持つ系列はそのまま使えない(差分などの前処理)。(3) 短い年次データでは自由度が不足—本データのような12年分の年次データではラグを増やす余裕がない。

🚀 発展の可能性(結果 X → 新仮説 Y → 課題 Z)

この研究をさらに発展させるための3つの方向性を示します。「今回わかったこと(X)」から「次に検証すべき仮説(Y)」を立て、「具体的に何をするか(Z)」まで考えてみましょう。

① データ・時間的拡張
結果 X
本論文は特定の年度・地域の断面データ(または限られた時系列)で分析を行った。
新仮説 Y
より新しい年度のデータや市区町村レベルの細粒度データを使えば、知見の時間的頑健性や地域内格差を検証できる。
課題 Z
(1)統計センターから最新の SSDSE をダウンロードし、同じ分析を再実行する。(2)結果が変わった場合、その要因(コロナ・政策変化など)を考察する。(3)市区町村データ(SSDSE-A/C/F)で分析単位を細かくした場合の結果と比較する。
② 手法の発展:相関分析 の次のステップ
結果 X
本論文は 相関分析 を用いた推定を行った。
新仮説 Y
重回帰分析による多変数同時検証 により、本分析では統制できていない問題を解消できる可能性がある。
課題 Z
(1)重回帰分析による多変数同時検証 を実装し、本論文の係数推定と比較する。(2)交絡変数を統制した偏相関分析 も試し、結果の頑健性を確認する。(3)推定結果の変化から、元の分析の仮定のどれが重要だったかを考察する。
③ 政策提言・実践への応用
結果 X
本論文は分析結果から特定の変数が目的変数に影響することを示した。
新仮説 Y
分析対象を日本全国から特定地域に絞ること、または逆に国際比較に拡張することで、政策の移転可能性と文脈依存性を検証できる。
課題 Z
(1)有意な変数を「政策で変えられるもの」と「変えにくいもの」に分類する。(2)政策で変えられる変数について、係数の大きさから「どれだけ変えればどれだけ効果があるか」を試算する。(3)自治体・政策立案者への提言として、実現可能なアクションプランを1枚にまとめる。

🎯 自分でやってみよう(5つのチャレンジ)

学んだだけでは身につきません。実際に手を動かすのが最強の学習方法です。本論文のスクリプトをベースに、以下のチャレンジに挑戦してみてください。難易度別に5つ用意しました。

★☆☆☆☆ 入門
CH1. 同じデータで分析を再現する
まずは付属の Python スクリプトをそのまま実行し、論文と同じ図を再現してみてください。
ポイント: 各図がどのコード行から生成されているか辿る。エラーが出たら原因を考える。
★★☆☆☆ 初級
CH2. 説明変数を1つ追加・除外して結果を比較
本論文の分析モデルから説明変数を1つ抜いて再実行、あるいは1つ追加して再実行してください。
ポイント: 係数p値 がどう変わったか観察する。多重共線性が原因で結果が変わる例を見つけられたら理想的。
★★★☆☆ 中級
CH3. 別の年度・別の都道府県で同じ分析を試す
SSDSE の別の年度(例:2015年度・2020年度)または特定都道府県のみのデータで同じ分析を実行してください。
ポイント: 時代や地域によって結論が変わるか? 変わるならその理由を考察する。
★★★★☆ 上級
CH4. 別の手法を組み合わせる
本論文の手法 + 1つの追加手法(例:重回帰 + LASSO相関分析 + 主成分分析)で結果を比較してください。
ポイント: 手法の違いで結論が変わるか? どちらが妥当かを「なぜ」とともに説明できるように。
★★★★★ 発展
CH5. オリジナルの問いを立てて分析する
本論文の手法を借りて、あなた自身の問いを立てて分析してください。 例:「カフェの数と幸福度に関連はあるか」「教育費の高い県は出生率も高いか」など。
ポイント: 問い・データ・手法・結論を1ページのレポートにまとめる。これがデータサイエンスの「実践」。
💡 ヒント: 詰まったら本サイトの他の論文(同じ手法を使っている)のスクリプトをコピーして組み合わせるのが効率的です。手法ガイド・用語集も参考に。

💼 この手法は実社会でこう使われている

本論文で学んだ手法は、研究の世界だけでなく、行政・企業・NPO の現場でも様々に活用されています。具体的なシーンを紹介します。

🏛️
行政の政策立案
都道府県・市区町村の政策担当者は、本論文と同様のデータ分析を用いて「どこに予算を投じれば効果が出るか」を検討します。 例えば医療費削減策、移住促進策、子育て支援策などの効果予測・効果検証に直結します。
🏢
企業のマーケティング・出店戦略
小売チェーン・サービス業の出店戦略では、地域特性(人口構成、所得、ライフスタイル)と売上の関係を本論文と同じ手法で分析します。 ECサイトでも顧客セグメント分析・購買要因分析に類似手法が使われます。
🏥
医療・公衆衛生
感染症の流行予測、医療資源配分の最適化、健康格差の地域要因分析などで、本論文の統計手法は標準的に使われています。 WHO・厚労省レベルの政策評価でも同じ手法が活躍しています。
📊
メディア・ジャーナリズム
新聞・テレビの社会調査記事、選挙予測、世論調査の分析でも、本論文と同じ手法(回帰分析・クラスタリングなど)が使われています。 データジャーナリズムの記事はこの種の分析が中核です。
🎓
学術研究(隣接分野)
経済学・社会学・公衆衛生学・教育学・地理学などの実証研究では、本論文と同じ手法が日常的に使われます。 専門誌に掲載される論文の8割以上が、こうした統計手法に基づいて結論を出しています。
💰
金融・保険業界
与信判断(融資審査)、保険料の地域別設定、不動産価格予測などで、本論文と同様のモデリング手法が広く活用されています。 統計分析の能力は金融業界の必須スキルになっています。

🤔 よくある質問(読者からの想定Q&A)

この論文を読んで初心者が抱きやすい疑問に、教育的観点から答えます。

Q1. この分析、自分でもできますか?
はい、できます。SSDSE データは無料で公開されており、Python の pandas, scipy, matplotlib を使えば全く同じ手順で再現可能です。本ページ下部のスクリプトを実行するだけで結果が得られます。
Q2. 使われている手法は他の分野にも応用できますか?
十分応用可能です。本論文の相関分析・地域タイプ分類時系列比較は、医療・教育・経済・環境など他のドメインでも標準的に使われる手法です。データの中身(変数)を入れ替えるだけで、別の問いにも適用できます。
Q3. 結論は本当に「因果関係」を示していますか?
本論文は「観察データ」を使った分析であり、厳密な意味での「因果関係」を完全に証明したわけではありません。あくまで「強い関連が見られた」という事実を提示しているにとどまります。真の因果を示すには、無作為化比較試験(RCT)か、自然実験を活用したIVDiD 等の手法が必要です。
Q4. データの最新版を使うとどうなりますか?
SSDSE は毎年更新されているため、最新版を使えば近年のトレンド(特にコロナ禍以降の変化)も含めて分析できます。ただし、結論が変わる可能性もあります。それ自体が新しい発見につながります。
Q5. もっと深く学ぶには何を読めばいいですか?
「計量経済学」「データサイエンス入門」「統計的因果推論」などのテキストが入門に向いています。Python の場合は『Python ではじめる機械学習』(オライリー)、R の場合は『R で学ぶ統計学』が定番です。本サイトの他の論文も読み比べてみてください。

✅ 理解度チェック(4問)

この論文を理解できたか、クリックで確認しましょう。間違えても解説が出ます。

🐍 ブラウザで動かす — インストール不要でこの論文の分析を再現する

このページの分析は、この画面の中でそのまま実行できます。 Python をインストールする必要も、CSV をダウンロードする必要もありません。 下のセルの 「▶ ブラウザで実行」 を上から順に押すか、 「▶ 最初から全部実行」 で一気に流してください。 表示されるのは、本文の図表とまったく同じ計算の結果です (動かしているのは再現スクリプト code/2024_H1_daijin.py そのもの)。

コードは書き換えられます。「✏️ 書き換える」で数字や変数を変えて ▶ を押すと、 結果がどう変わるかをその場で確かめられます(元に戻すボタンつき)。 ページを開いた時点で裏で実行環境の準備が始まっているので、待ち時間はほとんどありません。 初回だけ実行環境の取得にインターネット接続が必要です。