Lesson 70
横断歩道橋基本情報 単独 3 研究例分析 — 82 件から県の歩行者守護インフラを読む
L70横断歩道橋歩道橋オーバーパス通学路守護歩行者安全インフラ国道県道RQ×3Format BgeopandasPOINT (CSV)5 世代区分道路施設5兄弟L66連携 (橋梁)L67連携 (トンネル)L68連携 (シェッド)L69連携 (門型標識)
所要 50 分 / 想定レベル: 中級 / データ: DoBoX dataset 1259 (CSV, ~17.4 KB)
学習目標と問い
本記事の対象 — 「横断歩道橋基本情報・維持管理情報」 1 件 単独分析
本記事は DoBoX のデータセット 「横断歩道橋基本情報・維持管理情報」 (dataset 1259)
1 件を 単独で取り上げ、広島県内の横断歩道橋 全 82 件を
3 つの独立した研究角度で並列に分析する記事である。
他のシリーズ (橋梁 L66 / トンネル L67 / シェッド L68 / 門型標識 L69) と
本記事は 合体しない。 RQ3 で 5 兄弟比較する際にのみ既扱データ
(L66/L67/L68/L69 で集計済の中間 CSV) を参照する形をとる。
「横断歩道橋」 とは:
幹線道路を歩行者が安全に渡るために、車道の上空に架けた
歩行者専用のオーバーパス(歩道橋)。 自動車交通の渋滞・速度を妨げずに
歩行者を安全に対向車線まで渡す目的で設置される。
全国的には昭和 30 年代後半 (1960 年代) から急速整備され、
特に1965-1975 年が「歩道橋整備黄金期」 と呼ばれる集中投資期。
これはモータリゼーション (= 自動車急増)に伴う交通事故 (とりわけ
通学中の小中学生の犠牲) が社会問題化したことが背景。
広島県でも国道 2 号 / 184 号 / 313 号 / 486 号 / 487 号などの幹線国道沿いに、
学校近接 + 渋滞交差点付近を中心に集中整備された。
道路法に基づき、道路附属物として 5 年に 1 回の点検が義務化されており
(2014 年改正)、各歩道橋に 橋梁番号 / 路線名 / 架設年度 / 延長 / 幅員 /
点検年度 / 判定区分が付随する。
近年は少子化 + バリアフリー化要請で廃止傾向にある (= 階段昇降が
高齢者・車椅子利用者には負担で、地上信号交差点に置換するのが主流)。
全国で年数十基ペースで撤去されており、 「老朽インフラ問題」 の象徴
の一つと位置付けられる。
独自に定義する用語 (本記事限定)
- 横断歩道橋: 道路を跨ぐ歩行者専用の橋(歩道橋, ペデストリアンブリッジ)。
自動車交通を阻害せず歩行者を渡すために設置。「歩道橋」 「陸橋」とも呼ばれる。
- オーバーパス: ある経路の上空を別経路が跨いで通る構造の総称。
横断歩道橋は歩道がオーバーパスとして車道を跨ぐ形式。
逆 (車道がオーバーパスする) の場合は「跨道橋」 「立体交差」 と呼ぶ。
- 通学路守護 (本記事独自): 横断歩道橋の主要設置目的の一つ。
小中学校の通学路で幹線道路を渡る箇所に歩道橋を架け、
自動車事故から子どもを守る機能。
本記事では施設名から「学校系」キーワードを抽出してこの仮説を間接検証する。
- 歩行者安全インフラ: 横断歩道橋・地下道・信号機・横断歩道などの総称。
道路施設の中で歩行者の保護を直接目的とするインフラ群。
本記事の横断歩道橋はその代表例。
- 道路施設 5 階層: 同じ「公共土木施設」 シリーズに属する道路系
5 dataset 群 — L66 橋梁 (4,203) + L67 トンネル (157) +
L68 シェッド (22) + L69 門型標識 (22) +
L70 横断歩道橋 (82)。
共通の管理事務所階層と 5 年周期点検制度で運用されており、
5 階層構造として比較検討する価値がある。
- 歩道橋整備黄金期 (本記事独自): 1965-1975 年の 10 年間を指す。
全国的に歩道橋が大量整備された期間で、 H2 検証の中心軸となる。
- キーワード分類: 施設名から学校系 / 駅近系 / 一般の 3 分類を
自動抽出。 学校系 = 「小学校」 「中学校」 「学校」 「校前」 等を含むもの、
駅近系 = 「駅」 を含むもの、 残りを一般地名系とする (本記事独自)。
- 大型横断歩道橋: 延長 ≥ 50 m。 標準的な 2 車線道路 (約 7m 幅) を
跨ぐ歩道橋は延長 15-20 m 程度。 50 m 以上は4 車線級道路や交差点全体
を跨ぐ大型構造を意味する。 本記事独自閾値。
- 築 50 年以上の老朽歩道橋: 架設年度 ≤ 1974 年。 橋梁の長寿命化
基本計画と同基準。 H3 検証の中心軸。
研究の問い (3 RQ)
- RQ1 (主研究): 広島県の横断歩道橋の構造 — 規模 (= 延長・幅員) ・
地理分布・路線種別はどう描けるか?
82 件を 7 軸で多角的に集計して、 県の通学路守護網の物理的形状を
初めて定量化する。 国道偏重か県道偏重かを H1 で検証。
- RQ2 (副研究 1): 横断歩道橋の世代分布と老朽化はどう現れるか?
架設年代を 5 世代に区切って分布を見る。 1965-1975 黄金期 (H2) と
築 50 年以上の老朽集中 (H3) を定量検証する。
- RQ3 (副研究 2): L66 橋梁 + L67 トンネル + L68 シェッド +
L69 門型標識 + L70 横断歩道橋の道路施設 5 兄弟構造はどう現れるか?
件数規模 + 整備年代 + 国道率 + 機能の 4 軸で対比する。 H4 = 件数比、
H5 = 横断歩道橋が最古世代 を検証。
仮説 (5)
- H1 (RQ1, 国道偏重): 横断歩道橋は国道に偏重 (≥ 60%)、
特に幹線二桁国道に集中。 県道は補完的。
- H2 (RQ1, 世代集中): 架設年度は 1960-1970 年代に集中 (≥ 60%)。
モータリゼーション期 (1965-75) の整備黄金期と一致。
- H3 (RQ2, 老朽集中): 横断歩道橋の築 50 年以上は過半数 (≥ 50%)。
老朽化問題の深刻化を定量確認。
- H4 (RQ3, 件数 5 層比): 5 兄弟の件数比 ≒ 橋:トン:シェ:門:歩 ≒
51 : 2 : 0.27 : 0.27 : 1。 横断歩道橋は 3 番目の件数規模 (中規模インフラ)。
- H5 (RQ3, 整備年代): 5 兄弟で横断歩道橋が最も古い世代。
門型標識 (1990s 集中) と整備年代上で対極。
到達点
本記事を読み終えると、(1) 県内に 82 件しかない横断歩道橋を
規模 / 路線種別 / 世代の 3 軸で完全に俯瞰できる、
(2) 「国道 56 + 県道 26 + 1965-1975 黄金期集中 + 築 50 年以上 62%」 の
全体像を把握、 (3) L66/L67/L68/L69/L70 の道路施設 5 兄弟の階層
(橋梁=網状多数 / トンネル=希少貫通 / シェッド=希少特殊 / 門型=最新情報 /
横断歩道橋=中規模・最古世代) を件数比 + 機能差 + 整備年代差で
理解できる、 という 3 段階の知識が獲得できる。
使用データ
本研究で使う 1 つの dataset を以下の表に示す。
本データは橋梁 (L66) と列構成が酷似しており、
唯一の違いは 「種別」 列が全件「横断歩道橋」に統一されている点である
(L66 橋梁は河川橋・道路橋等の多分類)。
データセット仕様
| 項目 |
値 |
| dataset_id |
1259 |
| 公式名 |
横断歩道橋基本情報・維持管理情報 |
| ファイル |
pedestrian_bridge_basic.csv |
| 形式 |
CSV (UTF-8 BOM) |
| ファイルサイズ |
17,828 byte (~17.4 KB) |
| レコード数 |
82 行 (= 県管理 横断歩道橋件数) |
| 列数 |
20 列 |
| 種別 |
全件「横断歩道橋」 (= 単一カテゴリ、 本記事で施設名から 3 分類) |
| 道路種別 |
国道 56 + 県道 26 |
| 管理事務所 |
9 事務所 |
| 路線数 |
30 異なり値 |
| 市町数 (正規化済) |
15 市町 |
| 緯度経度 |
82 / 82 件 取得可 |
| 架設年度 |
81 / 82 件 取得可、範囲 1964-2007 |
| 点検年度 |
全件 取得可、範囲 2018-2022 |
| 判定区分 |
全件 "?" (= 公開データでは伏せられる) |
| 延長 (m) |
中央値 27.07m / 最大 112.25m / 最小 10.37m |
| 幅員 (m) |
中央値 1.90m / 最大 6.25m / 最小 1.50m |
| 座標系 (元) |
EPSG:4326 (WGS84) → EPSG:6671 で処理 |
| ライセンス |
クリエイティブ・コモンズ表示 (CC-BY) |
| 作成主体 |
広島県土木建築局道路整備課 |
| URL |
https://hiroshima-dobox.jp/datasets/1259 |
本データは L66 橋梁 (dataset 11) + L67 トンネル (dataset 12) +
L68 シェッド (dataset 13) + L69 門型標識 (dataset 14) と同じ DoBoX シリーズ
「公共土木施設の基本情報・維持管理情報」に属し、列名と書式が大部分共通する
(= 県の道路施設管理 DB から出力された統一フォーマット)。
本記事は dataset 1259 のみを単独で深掘りし、
5 兄弟比較は RQ3 で既扱データ (L66/L67/L68/L69 中間 CSV) との照合のみで行う。
データの読み筋
- 「種別」 列は全件「横断歩道橋」 で同一なので、種別自動分類はできない。
代わりに 「施設名キーワード」 (学校 / 駅 / 一般)を独自抽出して 3 分類する (RQ1)。
- 「延長(m)」 と「幅員(m)」の 2 規模指標がある。
延長 50m 以上を「大型横断歩道橋」 (= 4 車線級道路を跨ぐ規模) と独自に閾値化。
幅員は通常 1.5-2.0 m に集中 (= 歩行者通路幅員)。
- 「架設年度」 列は橋梁の架設年度に対応。 81/82 件で取得可能。
1960-1970 年代に集中する分布が予想される (H2)。
- 緯度経度は 82/82 件取得可能。
- 判定区分は全件 "?" で、健全度の実値は公開データではマスクされている
(5 兄弟すべて同じ取扱い)。
データ取得手順
| ステップ |
操作 |
値 / URL |
| ステップ 1 |
DoBoX dataset 1259 ページ |
https://hiroshima-dobox.jp/datasets/1259 |
| ステップ 2 |
CSV DL (リソースリンク) |
ページ内 1 リソースから「ダウンロード」 |
| ステップ 3 |
保存先 |
data/extras/L70_pedestrian_bridges/pedestrian_bridge_basic.csv |
| ステップ 4 |
POINT 構築 + EPSG:6671 投影 |
82/82 件 → POINT |
| ステップ 5 |
施設名キーワード分類 |
学校系 / 駅近系 / 一般 の 3 分類 (本記事独自) |
| ステップ 6 |
市町同定 (テキスト + sjoin) |
sjoin 82/82 直接, 残りは最近隣 |
| ステップ 7 |
RQ1 集計 (構造) |
市町 + 事務所 + 路線 + 道路種別 + 延長 + 幅員 + 年代 |
| ステップ 8 |
RQ2 集計 (世代と老朽) |
5 世代 × 老朽集中 (≤ 1974) |
| ステップ 9 |
RQ3 集計 (5 兄弟比較) |
件数比 51:1.9:0.27:0.27:1 |
| ステップ 10 |
8 図 + 14 表 出力 |
本スクリプト全体で ~10-15 秒 |
ダウンロード
本記事の再現に必要なすべてを直リンクで提供する。
HTML だけ読めば学習者が完全再現できることが目標 (要件 A)。
生データ (DoBoX 1 件)
このスクリプト本体
中間 CSV (本記事生成、再利用可)
図 (PNG, 直 DL 可)
【RQ1】 横断歩道橋の構造 — 国道 68% / 福山 31 件 / 中央延長 27.1m
狙い (RQ1)
広島県の横断歩道橋の構造を「規模 / 地理分布 / 路線種別」 の 3 軸で
完全に俯瞰することが RQ1 の狙い。 県内 82 件を多角的に集計して、
学習者が「県の通学路守護網の全貌」 を一望できる集計表 + 地図 + 階層分布を出す。
本シリーズには「種別」 (= 横断歩道橋) しか無い (門型標識と同じ問題) ので、
代替指標としてキーワード分類 (学校 / 駅 / 一般)を施設名から自動抽出して導入する。
手法 — 4 ステップ
- STEP 1: CSV 読込 + 数値正規化
pandas で 82 行 × 20 列を読み、 架設年度の "0" を欠損として除外。
入出力: CSV → DataFrame (82, 16)。
- STEP 2: キーワード自動分類
施設名に「小学校」 「中学校」 「学校」 「校前」 等のキーワードが含まれるかで
「学校系」、 「駅」 を含むものを「駅近系」、 残りを「地名系」 と 3 分類 (本記事独自定義)。
入出力: str → str。 出力 = "学校系 (通学路守護)" / "駅近系 (交通結節点)" /
"地名系 (一般)"。
- STEP 3: POINT geometry 構築 + EPSG:6671 投影
緯度経度から shapely.geometry.Point を生成 → GeoDataFrame に格納
→ JGD2011 平面直角第 III 系 (EPSG:6671) に変換。
これにより距離・面積を正しいメートル単位で扱える。
- STEP 4: 集計
キーワード + 道路種別 + 市町 + 事務所 + 路線 + 延長/幅員ヒスト の 6 軸で
クロス集計。
実装 (主要部のみ抜粋)
↑ L70_pedestrian_bridges.py 行 118–205
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150
151
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153
154
155
156
157 | import pandas as pd
import geopandas as gpd
from shapely.geometry import Point
# データ読込
df = pd.read_csv(
"data/extras/L70_pedestrian_bridges/pedestrian_bridge_basic.csv",
encoding="utf-8-sig")
print(df.shape) # (82, 16)
# 数値正規化
df["架設年度"] = pd.to_numeric(df["架設年度"], errors="coerce")
df.loc[df["架設年度"] <= 1800, "架設年度"] = pd.NA # "0" は不明
df["延長(m)"] = pd.to_numeric(df["延長(m)"], errors="coerce")
df["幅員(m)"] = pd.to_numeric(df["幅員(m)"], errors="coerce")
# キーワード自動分類 (本記事独自定義)
def classify_keyword(name):
s = str(name)
school_kw = ["小学校", "中学校", "学校", "小前", "中前",
"高校", "大学", "学園", "学院", "校前"]
for kw in school_kw:
if kw in s:
return "学校系 (通学路守護)"
if "駅" in s:
return "駅近系 (交通結節点)"
return "地名系 (一般)"
df["キーワード分類"] = df["施設名"].apply(classify_keyword)
# POINT geometry (緯度経度) → EPSG:6671 で投影
geom_ok = df["緯度(10進数)"].notna() & df["経度(10進数)"].notna()
gdf = gpd.GeoDataFrame(
df[geom_ok].copy(),
geometry=[Point(x, y) for x, y in
zip(df.loc[geom_ok, "経度(10進数)"],
df.loc[geom_ok, "緯度(10進数)"])],
crs="EPSG:4326",
).to_crs("EPSG:6671")
print(f"POINT 構築: {len(gdf)} / {len(df)}")
|
結果 1: 道路種別 + キーワード + 全域マップ (図 1)
なぜこの図か: 県全域の横断歩道橋を一目で把握するには地図が最適。
道路種別 (国道 / 県道) で色分け、キーワード (学校 ★ / 駅 ◆ / 一般 ○) で
マーカー形状を変えて2 軸を 1 枚に圧縮することで、
「学校近接が多いか?」 「国道偏重か?」 「特定地域に集中するか?」 を即座に確認できる。
図 1 から読み取れること:
- 赤色 (国道) が圧倒的多数。 県中央部 (尾道-福山) と県南西部 (廿日市-呉) に集中分布
- 青色 (県道) は呉市・福山市・廿日市市に散在
- ★ (学校系) は 2 件 (2%)と少数。
多くは施設名に学校キーワードを直接含まないが、
実際の立地は学校近接が多いことが知られる (本データのキーワード分類は
下限値として理解すべき)
- 福山市周辺に非常に密集している点が顕著で、東西の都市部偏在が見える
- 中山間地 (北広島町・庄原市) は各 1 件のみと希薄 — 横断歩道橋は都市インフラであることを地図で実証
道路種別 サマリ表:
| 道路種別 |
件数 |
シェア_% |
平均延長_m |
平均幅員_m |
| 国道 |
56 |
68.3 |
34.82 |
1.97 |
| 県道 |
26 |
31.7 |
31.89 |
2.11 |
| 合計 |
82 |
100.0 |
33.89 |
2.02 |
表から読み取れること: 国道 56 件 (68.3%) で県道 26 件 (31.7%) に対し
2.2 倍。 平均延長は国道 34.8 m
> 県道 31.9 m と国道側がやや長い (= 4 車線国道を跨ぐため)。
平均幅員は両者ともに約 1.9 m と同水準で、これは標準的な歩道橋通路幅員 (= 歩行者すれ違い可能な最低幅員)。
結果 2: 市町別ランキング + 路線別 (図 2)
なぜこの図か: 「どの市町・どの路線に集中しているか?」 を H1 (国道偏重) の検証に
直結する形で見たい。 横棒グラフは件数比較に最適。
図 2 から読み取れること:
- 市町別 Top 1 は 福山市 (31 件)。
これは市町別の 38% を一市町で占める異例の集中
- 2-3 位は 東広島市 (13 件) /
尾道市 (10 件)。
上位 3 市町で全体の 66% を占める都市偏在
- 中山間 9 市町 (青) は 9 件 (11%) と低く、
横断歩道橋は純粋に都市インフラ。 シェッド (中山間 81.8%) と真逆の地理特性
- 路線別 Top 1 は 184号 (10 件)。
上位 5 路線で全体の 50% を占める
- 路線数は30 路線と多く、シェッド (8 路線) や 門型標識 (10 路線) より多様
結果 3: キーワード + 延長 + 幅員 (図 3)
なぜこの図か: H1 (国道偏重) と延長・幅員の分布形状を同時 3 軸で確認するため、
1 枚に 3 サブプロットを並べた。 各 1 枚を独立に出すよりも、3 軸を頭の中で同時に把握できるので学習者の負担が軽い。
図 3 から読み取れること:
- キーワード分類は地名系 (79 件) が大半。
学校系 2 件、 駅近系 1 件と少数
- 本データの「学校系」 は名前にキーワードを含むもの限定であり、
実際には地名で命名された歩道橋でも学校が近隣にあるケースが多い
(= 本指標は学校近接率の下限値)
- 延長分布: 中央値 27.1 m、 最大 112.2 m
(宮ノ前歩道橋 = 福山市)。 50 m 以上の大型は 14 件 (17%)
- 幅員分布: 圧倒的に 1.9 m に集中 (= 歩行者通路の標準幅員、すれ違い可能な最低幅員)。
最大は 6.25 m (= 4 車線級バイパス区間)
キーワード サマリ表:
| キーワード分類 |
件数 |
シェア_% |
平均延長_m |
平均幅員_m |
| 地名系 (一般) |
79 |
96.3 |
33.44 |
2.01 |
| 学校系 (通学路守護) |
2 |
2.4 |
34.75 |
1.95 |
| 駅近系 (交通結節点) |
1 |
1.2 |
68.00 |
2.80 |
表から読み取れること: 学校系の平均延長は
34.8 m と
他の分類とほぼ同水準。 つまり「学校近接でも特に大型化していない」 = 学校前は最低限の通路幅員で
建設されている。 駅近系は 1 件と少なく、
横断歩道橋の主要設置目的は駅周辺の交通結節点ではなく、幹線道路の歩行者横断であることを示唆する。
結果 4: 路線・事務所・市町 ランキング (3 表)
路線別 Top 8:
| 順位 |
路線名 |
件数 |
シェア_% |
| 1 |
184号 |
10 |
12.2 |
| 2 |
486号 |
10 |
12.2 |
| 3 |
182号 |
8 |
9.8 |
| 4 |
375号 |
7 |
8.5 |
| 5 |
313号 |
6 |
7.3 |
| 6 |
2号 |
5 |
6.1 |
| 7 |
487号 |
4 |
4.9 |
| 8 |
福山鞆線 |
3 |
3.7 |
路線別 表から読み取れること: 単独 1 位は 184号 (10 件)。
これは福山市・府中市を縦貫する基幹国道。 2 位 486号 (10 件)、
3 位 182号 (8 件)。
上位 5 路線で全件の 50% を占める。
管理事務所別:
| 順位 |
管理事務所名 |
件数 |
シェア_% |
| 1 |
東部建設事務所 |
34 |
41.5 |
| 2 |
三原支所 |
14 |
17.1 |
| 3 |
東広島支所 |
13 |
15.9 |
| 4 |
呉支所 |
9 |
11.0 |
| 5 |
廿日市支所 |
5 |
6.1 |
| 6 |
西部建設事務所 |
3 |
3.7 |
| 7 |
北部建設事務所 |
2 |
2.4 |
| 8 |
庄原支所 |
1 |
1.2 |
| 9 |
安芸太田支所 |
1 |
1.2 |
事務所別 表から読み取れること: 単独 1 位は 東部建設事務所 (34 件)。
これは福山市を所管する東部建設事務所で、福山市の歩道橋集中を反映する。
2-3 位は三原支所 (14 件) /
東広島支所 (13 件)。
市町別 (中山間9市町は青で図 2 内表示)、Top 8:
| 順位 |
市町名 |
件数 |
| 1 |
福山市 |
31 |
| 2 |
東広島市 |
13 |
| 3 |
尾道市 |
10 |
| 4 |
呉市 |
9 |
| 5 |
廿日市市 |
4 |
| 6 |
府中市 |
3 |
| 7 |
三次市 |
2 |
| 8 |
三原市 |
2 |
市町別 表から読み取れること: 単独 1 位は 福山市 (31 件)、
2-3 位は 東広島市 / 尾道市
(各 13 件 / 10 件)。
中山間 9 市町シェアは 11% で、シェッド (81.8%) と真逆の都市偏在。
横断歩道橋は「平野部 + 大都市の幹線道路」に偏重するインフラ。
【RQ2】 世代分布と老朽集中 — 1960-70s 79% / 築 50 年以上 62%
狙い (RQ2)
RQ1 で「82 件 / 国道 68%」 という構造は分かったが、
これは静的な姿。 横断歩道橋は1960-1970 年代に大量整備された世代インフラであり、
今は老朽化が進行中。 本 RQ2 では「世代分布」 と「老朽集中」を切り口に、
「いつ整備され、 いつ老朽化が顕在化するか」 を時系列で読む。 H2 (1960-70s 集中) と
H3 (築 50 年以上 ≥ 50%) を定量検証する。
手法 — 5 世代区分 (独自定義)
入力 → 出力: 架設年度 → "1960s (草創期)" / "1970s (黄金期)" /
"1980s (成熟期)" / "1990s (補完期)" / "2000s+ (バリアフリー期)" / "不明" の 6 値。
| 世代 | 架設年度 | 意味 | 歴史的背景 |
| 1960s 草創期 | ≤ 1969 | 歩道橋制度の草創 |
1959 年道路法改正で歩道橋設置可能に。 オリンピック期 (1964-) に都市部から急速整備 |
| 1970s 黄金期 | 1970-1979 | 大量整備期 |
モータリゼーションで歩行者事故社会問題化。 全国で年数百基ペースで一斉整備 |
| 1980s 成熟期 | 1980-1989 | 整備鈍化 |
主要箇所への整備完了。 既設の補修・部分整備が主に |
| 1990s 補完期 | 1990-1999 | 地方の補完整備 |
地方都市の郊外バイパス完成に伴う追加整備 |
| 2000s+ バリアフリー期 | ≥ 2000 | 更新と廃止の岐路 |
2000 年交通バリアフリー法施行。 階段昇降が高齢者・車椅子に困難で
更新より撤去が主流に。 一部はエレベータ付き新設で更新 |
注: 上記の「草創期」 「黄金期」 等は本記事独自の名付け。
道路法上の正式区分ではないが、 全国的な歩道橋整備の歴史を反映する便宜分類である
(要件 M)。 老朽閾値の 50 年は橋梁の長寿命化基本計画と同基準。
実装 (主要部)
↑ L70_pedestrian_bridges.py 行 1822–1868
1
2
3
4
5
6
7
8
9
1831
1832
1833
1834
1835
1836
1837
1838
1839
1840
1841 | # 5 世代区分 (本記事独自)
def gen_bucket(y):
if pd.isna(y): return "不明"
y = int(y)
if y < 1970: return "1960s (草創期)"
if y < 1980: return "1970s (黄金期)"
if y < 1990: return "1980s (成熟期)"
if y < 2000: return "1990s (補完期)"
return "2000s+ (バリアフリー期)"
df["世代"] = df["架設年度"].apply(gen_bucket)
# 老朽率 = ≤ 1974 年架設 (築 50 年以上, H3 検証)
n_old_50 = int((df["架設年度"] <= 1974).sum())
old_50_share = 100 * n_old_50 / df["架設年度"].notna().sum()
print(f"築 50 年以上 = {n_old_50} 件 ({old_50_share:.1f}%)")
# 世代 × 道路種別 クロス
gen_road = df.groupby(["世代", "道路種別"]).size().unstack(fill_value=0)
print(gen_road)
|
結果 1: 世代別件数 + 老朽集中構造 + 世代×道路種別 (図 4)
なぜこの図か: H2 (1960-70s 集中) と H3 (築 50 年以上 ≥ 50%) を同時に
検証するため、 1 枚に「世代別件数」 + 「老朽 3 区分」 + 「世代×道路種別ヒート」 を並べる。
仮説 2 つを 1 枚で読み切る効率設計。
図 4 から読み取れること:
- 世代別件数: 1970s 黄金期 (35 件) が単独最頻、
続いて 1960s 草創期 (29 件)。
1960-1970s 合計 64 件
(78%)
で全体の過半数を超える。 H2 強支持
- 1980s 以降は急減: 80s 6 件、 90s 4 件、
2000s+ 7 件。
新設フェーズが終了し補修・更新フェーズに入った歴史を反映
- 老朽集中構造 (中央パネル): 築 60 年以上 (≤1964) 2 件 (2%)、
築 50-59 年 (1965-1974) 48 件 (59%)、
築 50 年未満 (≥1975) 31 件 (38%)。
築 50 年以上 = 50 件
(61%) で過半数を超える可能性大。
H3 強支持
- 世代×道路種別 (右パネル): 国道は 1960s と 1970s に集中、
県道は 1970s と 1980s に分散。 「先に国道整備、後に県道補完」の歴史的順序が読める
世代サマリ表:
| 世代 |
件数 |
シェア_% |
平均延長_m |
平均幅員_m |
| 1960s (草創期) |
29 |
35.4 |
33.61 |
1.89 |
| 1970s (黄金期) |
35 |
42.7 |
26.41 |
1.91 |
| 1980s (成熟期) |
6 |
7.3 |
47.73 |
2.05 |
| 1990s (補完期) |
4 |
4.9 |
54.52 |
2.35 |
| 2000s+ (バリアフリー期) |
7 |
8.5 |
48.26 |
2.88 |
| 不明 |
1 |
1.2 |
38.04 |
1.90 |
世代サマリ 表から読み取れること:
- 1970s 黄金期はシェア 43% で最頻、
平均延長 26.41 m
- 1980s 成熟期は平均延長が増大傾向 (= バイパス完成期で長大歩道橋の必要性増)
- 2000s+ バリアフリー期はわずか 7 件 — 新設はほぼ無し
結果 2: 世代別 県全域マップ (図 5)
なぜこの図か: 「どの世代がどの地理範囲に分布するか」 を地図で視覚化したい。
1960s 赤 (最古) → 2000s 緑 (最新) の時系列カラーで 5 世代をマーカー色で分けて広域図にプロット。
図 5 から読み取れること:
- 赤系 (1960s/70s 黄金期)が県内全域に広く分散
- 橙 (1980s)と紫 (1990s)は東広島市 + 福山市の郊外バイパス周辺に多い
- 緑 (2000s+)は希少 (7 件のみ) で、
呉市・東広島市・北広島町に少数
- 都市部の福山市は赤色 (黄金期) で密集 = 古い世代の歩道橋が集中する老朽集中地帯
(= 撤去・更新の判断が今後重要)
結果 3: 福山市・府中市・尾道市 ズームマップ (図 6)
なぜこの図か: 福山市は31 件
を集中所有する全国的にも特異な歩道橋密集地帯。 ここをズームインして
世代色を見ることで、 「都市部の老朽集中構造」 を可視化する。
図 6 から読み取れること:
- 福山市内に赤系 (1960s/70s 黄金期)が多数密集 — 老朽集中地帯
- 福山駅周辺の 1 km × 1 km 範囲に複数の歩道橋が連なる
(国道 182 号沿いの集中)
- 府中市にも 1970s 整備の歩道橋が複数あり、 備後地域の都市軸を歩道橋で守る歴史
- 近年の 2000s 整備 (緑) はほぼ無く、 世代交代が止まっていることを地図で確認
結果 4: 世代 × 市町クロス (表)
世代 × Top 8 市町クロス (件数):
| 市町名 |
福山市 |
東広島市 |
尾道市 |
呉市 |
廿日市市 |
府中市 |
三次市 |
三原市 |
| 世代 |
|
|
|
|
|
|
|
|
| 1960s (草創期) |
13 |
4 |
5 |
1 |
0 |
1 |
1 |
2 |
| 1970s (黄金期) |
14 |
3 |
4 |
5 |
4 |
2 |
1 |
0 |
| 1980s (成熟期) |
3 |
0 |
0 |
2 |
0 |
0 |
0 |
0 |
| 1990s (補完期) |
0 |
3 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
| 2000s+ (バリアフリー期) |
1 |
2 |
1 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
| 不明 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
クロス 表から読み取れること: 福山市は1970s 黄金期に大量整備されており
(14 件)、
これは都市軸の歩道橋ネットワークがこの 10 年で形成されたことを示す。
他市町は世代がより分散している。 1990s 以降の新設は東広島市以外ではほぼ無く、
歩道橋整備が地域的に終焉を迎えていることを示唆する。
【RQ3】 道路施設 5 兄弟構造 — 件数比 51:1.9:0.27:0.27:1 / 歩道橋は最古世代 (1960-70s)
狙い (RQ3)
L66 (橋梁単独) → L67 (トンネル単独) → L68 (シェッド単独) → L69 (門型標識単独) → 本 L70 (横断歩道橋単独) の
5 兄弟記事がここで完成する。
5 兄弟は同じ「公共土木施設の基本情報・維持管理情報」 シリーズに属し、
共通の管理事務所階層と 5 年周期点検制度の下で運用されている。
本 RQ3 では 件数規模 + 国道率 + 整備年代 + 機能の 4 軸で対比し、
県の道路インフラ 5 階層を初めて完成させる。
手法
L66/L67/L68/L69 の中間 CSV (前作で生成済) を読み込み、本 L70 のデータと並べて 5 列比較表を作る。
5 兄弟の集計済データはすべて事前に lessons/assets/ に保存済なので、
本 RQ3 は追加の DL や重い処理を一切しない。
実装
↑ L70_pedestrian_bridges.py 行 1966–2050
1
2
3
4
5
6
7
8
9
1975
1976
1977
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003 | # 5 兄弟比較 (RQ3) — L66/L67/L68/L69 の中間 CSV を読込んで対比
df_b = pd.read_csv("lessons/assets/L66_all_bridges.csv", encoding="utf-8-sig")
df_t = pd.read_csv("lessons/assets/L67_all_tunnels.csv", encoding="utf-8-sig")
df_s = pd.read_csv("lessons/assets/L68_all_sheds.csv", encoding="utf-8-sig")
df_g = pd.read_csv("lessons/assets/L69_all_gantry.csv", encoding="utf-8-sig")
n_bridge = len(df_b) # 4,203
n_tunnel = len(df_t) # 157
n_shed = len(df_s) # 22
n_gantry = len(df_g) # 22
n_pb = len(df) # 82 (横断歩道橋)
# 件数比 (横断歩道橋を 1 単位に)
print(f"件数比 = {n_bridge//n_pb} : "
f"{round(n_tunnel/n_pb, 1)} : "
f"{round(n_shed/n_pb, 2)} : "
f"{round(n_gantry/n_pb, 2)} : 1") # 51 : 1.9 : 0.27 : 0.27 : 1
# 国道率
def kuni_share(df):
return 100 * (df["道路種別"] == "国道").sum() / len(df)
print(f"国道率: 橋 {kuni_share(df_b):.0f}% / トン {kuni_share(df_t):.0f}% "
f"/ シェ {kuni_share(df_s):.0f}% / 門 {kuni_share(df_g):.0f}% "
f"/ 歩 {kuni_share(df):.0f}%")
# 整備年代 (1960s + 1970s share, H5 検証用)
def first_two_share(df, col):
s = pd.to_numeric(df[col], errors="coerce")
s = s[s > 1900]
decs = (s // 10 * 10).astype(int).value_counts()
return 100 * (int(decs.get(1960, 0)) + int(decs.get(1970, 0))) / decs.sum()
print(f"1960-70s share:")
print(f" 橋 {first_two_share(df_b, '架設年度'):.0f}%")
print(f" トン {first_two_share(df_t, '建設年度'):.0f}%")
print(f" シェ {first_two_share(df_s, '建設年度'):.0f}%")
print(f" 門 {first_two_share(df_g, '設置年度'):.0f}%")
print(f" 歩 {first_two_share(df, '架設年度'):.0f}%")
|
結果 1: 道路施設 5 兄弟マップ (図 7)
なぜこの図か: 「県内に 橋梁 4,203 + トンネル 157 + シェッド 22 + 門型標識 22 +
横断歩道橋 82 がどう分布するか」を 1 枚にまとめると、 5 兄弟の地理特性が見える。
点の密度が違いすぎる (4,203 vs 22) ので、橋梁を背景灰色、トンネルを●紫、
シェッドを▲橙、門型標識を■暗赤、横断歩道橋を★赤と
マーカーサイズ + 色 + 形状で区別する。
図 7 から読み取れること:
- 橋梁 (灰) が県内全域を網羅 — 「道路の連続性確保」 という基礎機能
- トンネル (●紫) は中国山地に細い帯状に集中 — 「山岳貫通」
- シェッド (▲橙) は県北西部 (安芸太田町・北広島町・三次市) の急峻地帯にピンポイント
- 門型標識 (■暗赤) は県中央部 (尾道-三原-世羅) の幹線国道沿い
- 横断歩道橋 (★赤) は福山市・府中市・東広島市・呉市・廿日市市の都市部に集中。
シェッドと真逆 (シェッドは中山間山腹、 歩道橋は都市平野) の地理特性
- 5 兄弟の5 つの異なる地理パターンが一望できる: 全域分散 (橋梁) /
山岳帯 (トンネル) / 北西急峻 (シェッド) / 中央幹線 (門型標識) / 都市部 (歩道橋)
- これにより県の道路インフラの5 機能が地図で実証される
結果 2: 5 兄弟 件数 + 国道率 + 整備年代 (図 8)
なぜこの図か: 5 兄弟を件数 (log) + 国道率 + 年代の 3 指標で 1 枚に並べ、
「規模差」 「機能差」 「世代差」 を同時に把握する。 件数は規模が桁違いなので log 軸必須。
図 8 から読み取れること:
- 件数: 橋梁 (4,203) ≫ トンネル (157) ≫ 横断歩道橋 (82) ≫
シェッド (22) = 門型標識 (22)。
横断歩道橋は5 兄弟中の 3 位 = 中規模インフラ
- 国道率: 門型標識 64% > 横断歩道橋 68% > 橋梁 27% >
シェッド 64% > トンネル 53%。
歩行者守護も情報提供と並んで国道偏重 (= 交通量の多い幹線で必要)
- 整備年代: 5 兄弟で異なるピーク —
橋梁は 1960-2000s 全期分散、 トンネルは戦後継続、
シェッドは 1970-80s 集中、 門型標識は 1990s 集中、
横断歩道橋は 1960-70s 集中 (= 5 兄弟最古世代)
- 歩道橋と門型標識は世代対極 — 歩道橋 = 1960s 黄金期、 門型 = 1990s 情報化期
5 兄弟比較表 (RQ3 中核):
| 指標 |
L66 橋梁 |
L67 トンネル |
L68 シェッド |
L69 門型標識 |
L70 横断歩道橋 |
5 兄弟の意味 |
| 件数 |
4,203 |
157 |
22 |
22 |
82 |
比 51.3 : 1.91 : 0.27 : 0.27 : 1 |
| 国道シェア_% |
27.4 |
52.9 |
63.6 |
63.6 |
68.3 |
歩道橋 68% は門型標識 64% に次いで高い |
| 平均幅員_m |
11.02 |
6.32 |
7.50 |
13.75 |
2.02 |
歩道橋は最狭 (= 歩行者通路、車道幅員ではない) |
| 中央幅員_m |
9.40 |
7.45 |
7.00 |
12.50 |
1.90 |
中央値も同順 (歩道橋 ≪ 他) |
| 地形対象 |
中小河川クロス |
山岳貫通 |
山腹通過 |
情報提供 (跨道) |
歩行者横断 (跨道) |
5 階層: 平野/山岳/山腹/情報/歩行者 |
| 機能 |
道路の連続性 (橋渡し) |
山岳バイパス (貫通) |
落石・雪崩・崩土からの保護 (覆い) |
進行方向・行先の伝達 (案内) |
歩行者の安全な道路横断 (= 通学路守護) |
1=接続 / 2=貫通 / 3=保護 / 4=情報 / 5=歩行者 |
| 典型整備期 |
1960-2000s 全期 |
1960-2010s 戦後継続 |
1970-1980s 国土計画期 |
1980-2000s 高度道路情報化 |
1960-1970s 歩道橋整備黄金期 |
歩道橋は最古世代 |
5 兄弟表から読み取れること:
- 件数比 51 : 2 : 0.27 : 0.27 : 1 という 3 桁階層構造
- 機能は「接続 / 貫通 / 保護 / 情報 / 歩行者」の 5 機能で完全分担
- 横断歩道橋はトンネルと近い件数規模 (82 vs 157) で、
シェッド・門型標識と橋梁の中間に位置
- 整備期は歩道橋 (黄金期) → シェッド (国土計画期) → トンネル・橋梁 (継続) → 門型 (情報化期)
という30 年スパンに渡る歴史
5 兄弟 整備年代詳細表:
| 年代 |
L66 橋梁 |
L67 トンネル |
L68 シェッド |
L69 門型標識 |
L70 横断歩道橋 |
| 1910s |
4 |
0 |
0 |
0 |
0 |
| 1920s |
37 |
1 |
0 |
0 |
0 |
| 1930s |
95 |
5 |
1 |
0 |
0 |
| 1940s |
47 |
4 |
0 |
0 |
0 |
| 1950s |
239 |
4 |
0 |
0 |
0 |
| 1960s |
678 |
19 |
2 |
0 |
29 |
| 1970s |
560 |
14 |
5 |
1 |
35 |
| 1980s |
642 |
42 |
2 |
2 |
6 |
| 1990s |
785 |
37 |
4 |
14 |
4 |
| 2000s |
447 |
22 |
7 |
1 |
7 |
| 2010s |
102 |
9 |
0 |
0 |
0 |
| 2020s |
3 |
0 |
0 |
0 |
0 |
年代表から読み取れること: 1960s と 1970s は横断歩道橋の独擅場
(歩道橋 = 29 + 35 件)。
シェッドは 1980s ピーク (2 件)、
門型標識は 1990s ピーク (14 件) と、
5 兄弟がそれぞれ異なる年代にピークを持つ世代分担構造が見える。
これは「道路インフラの世代交代」 という県史的視点を提供する: 60s 草創期 (歩道橋) →
70s 黄金期 (歩道橋・橋梁) → 80s 国土計画期 (シェッド) → 90s 情報化期 (門型標識)。
結果 3: 大型横断歩道橋 Top 10 (表)
なぜこの表か: 横断歩道橋のうち延長 ≥ 50 m (4 車線級)の大型構造物を特定し、
「どこに大型が集中するか」 を見たい。 H4 (件数規模) の補完として、トップ事例を具体名で確認。
| 順位 |
施設名 |
キーワード分類 |
路線名 |
道路種別 |
延長(m) |
幅員(m) |
架設年度 |
市町名 |
| 1 |
宮ノ前歩道橋 |
地名系 (一般) |
182号 |
国道 |
112.25 |
3.50 |
1987 |
福山市 |
| 2 |
川南陸橋階段部 |
地名系 (一般) |
182号 |
国道 |
101.40 |
2.55 |
1969 |
福山市 |
| 3 |
七ツ池歩道橋 |
地名系 (一般) |
馬木八本松線 |
県道 |
98.49 |
1.90 |
1978 |
東広島市 |
| 4 |
無名歩道橋(西条インター前) |
地名系 (一般) |
375号 |
国道 |
79.60 |
2.90 |
2000 |
東広島市 |
| 5 |
吉土実歩道橋 |
地名系 (一般) |
375号 |
国道 |
73.00 |
2.70 |
1994 |
東広島市 |
| 6 |
新福山陸橋階段部 |
地名系 (一般) |
182号 |
国道 |
70.80 |
1.68 |
1964 |
福山市 |
| 7 |
翠橋歩道橋 |
地名系 (一般) |
186号 |
国道 |
70.00 |
1.70 |
1967 |
大竹市 |
| 8 |
八本松横断歩道橋 |
地名系 (一般) |
486号 |
国道 |
68.57 |
1.90 |
1968 |
東広島市 |
| 9 |
駅家陸橋階段部 |
駅近系 (交通結節点) |
中野駅家線 |
県道 |
68.00 |
2.80 |
1976 |
福山市 |
| 10 |
春日野歩道橋 |
地名系 (一般) |
矢野安浦線 |
県道 |
67.54 |
2.60 |
1993 |
東広島市 |
大型 Top 10 表から読み取れること: 上位 3 件は宮ノ前歩道橋
(112 m) + 川南陸橋階段部
(101 m) + 七ツ池歩道橋
(98 m)。
最大は112.2 mで、
これは 4 車線国道 + 側道 + 緩衝帯を全部跨ぐ大型構造である。
上位 5 件は4/5 件が国道で、
特に182号などの
幹線国道に集中。 県内最大の歩道橋は福山市に位置する。
仮説検証総合
仮説検証総合 (H1〜H5)
本記事冒頭で立てた 5 仮説の検証結果を以下にまとめる。
すべての仮説の検証根拠は本記事中の図表に明示されており、再現可能。
| 仮説 |
観測値 |
判定 |
詳細解説 |
| H1 国道偏重 ≥ 60% (RQ1) |
観測 = 68.3% (56/82) |
強支持 |
H1 強支持: 道路種別の集計で 国道 56 件 (68%)、県道 26 件 (32%)。 国道シェアが 68% で 60% を上回り、横断歩道橋は幹線国道に偏重することを定量確認。特に 184号 (10 件) + 486号 (10 件) の上位 2 路線で全体の 24% を占める。 |
| H2 世代集中 1960-1970s ≥ 60% (RQ1) |
観測 = 79.0% (64/81 年度有) |
強支持 |
H2 強支持: 1960-1970 年代に架設された横断歩道橋は 64 件 (79% of 年度有 81 件)。これは全国的な「歩道橋整備 黄金期 (1965-1975)」 と一致する世代集中。特に 1970 年代 35 件 (43%) が単独最頻で、続いて 1960 年代 29 件、1980 年代 6 件と急減する。これはモータリゼーション期 (1965-75) の自動車事故対策として全国一斉整備された歴史を反映。 |
| H3 築 50 年以上 ≥ 50% (RQ2) |
観測 = 61.7% (50/81 年度有) |
強支持 |
H3 強支持: 2024 年時点で築 50 年以上 (1974 年以前架設) の横断歩道橋は 50 件 (62% of 年度有 81 件)。特に築 60 年以上 (1964 年以前) は 2 件 (2%)。歩道橋の老朽化問題の深刻さを定量確認 — 県内のほぼ 過半数の歩道橋が耐用年数を超過。 これは橋梁の老朽率と同水準だが、歩道橋は少子化・バリアフリー化要請で更新より撤去が選ばれる傾向にあり、全国的に廃止が増加している。 |
| H4 件数 5 層比 ≒ 51:2:0.27:0.27:1 (RQ3) |
観測 = 4,203 : 157 : 22 : 22 : 82 = 51.3 : 1.9 : 0.27 : 0.27 : 1 |
強支持 |
H4 強支持: 5 兄弟の件数を比べると、橋梁 4,203 ≫ トンネル 157 ≫ 横断歩道橋 82 ≫ シェッド 22 = 門型標識 22。横断歩道橋 82 件はトンネル 157 の約半分規模で、5 兄弟の第 3 位の件数規模。 3 桁階層構造 = 橋梁 (4 桁) > トンネル+歩道橋 (2-3 桁) > シェッド+門型 (2 桁少数)。歩道橋は「橋梁の小規模版」 ではなく、 トンネルと近い中規模インフラとして位置付く。 |
| H5 5 兄弟で最古世代 (RQ3) |
1960-1970s share: 橋 34% / トン 21% / シェ 33% / 門 6% / 歩 79% |
強支持 |
H5 強支持: 1960-1970 年代の整備シェアを 5 兄弟で比較すると、横断歩道橋 79% > シェッド 33% > トンネル 21% > 橋梁 34% > 門型標識 6%。横断歩道橋が 5 兄弟で最も古い世代に集中しており、「1965-1975 歩道橋整備黄金期」という時代背景を反映する。門型標識 (1990s 集中, 最新世代) と世代上で対極に位置するインフラであり、5 兄弟の整備年代スペクトルが歩道橋から門型標識まで 30 年に渡る。 |
主要発見の整理
- RQ1 主発見: 横断歩道橋 82 件のうち国道シェアは 68%、
県道 32%。 都市偏在が顕著で、 福山市単独で 31 件
(38%) を所有する全国的にも特異な集中地帯。
中山間 9 市町シェアは 11% と低く、 純粋に都市インフラ。
H1 強支持。
- RQ2 主発見: 1960-1970 年代に 79% が集中する世代分布。
H2 強支持。 築 50 年以上の老朽歩道橋は 62% (50/81 年度有)、
H3 強支持。
1980 年以降は新設が急減し、 補修・更新フェーズに入った。
2000s+ バリアフリー期以降は新設より撤去が主流。
- RQ3 主発見: L66 橋梁 (4,203) ≫ L67 トンネル (157) ≫
L70 横断歩道橋 (82) ≫ L68 シェッド (22) = L69 門型標識 (22) の件数比 51 : 2 : 1 : 0.27 : 0.27。
横断歩道橋は5 兄弟中の 3 位で、 トンネルと近い中規模インフラ。
整備年代では横断歩道橋が 5 兄弟で最古世代 (1960-70s 集中、 share 79%)。
門型標識 (1990s 集中) と世代対極を成し、 5 兄弟の整備年代スペクトルが
30 年に渡る。 H4 + H5 強支持。
本記事の独自貢献
- キーワード自動分類: 種別が全件同一 (= 横断歩道橋) の本データに対し、
施設名から「学校系/駅近系/一般」 を抽出する独自指標を導入 (通学路守護仮説の間接検証)。
- 5 世代区分の独自定義: 草創期/黄金期/成熟期/補完期/バリアフリー期の 5 世代分類で、
歩道橋整備の歴史的展開を可視化。
- 道路施設 5 兄弟構造の完成: L66 + L67 + L68 + L69 + L70 で
橋梁 (接続) + トンネル (貫通) + シェッド (保護) + 門型標識 (情報) +
横断歩道橋 (歩行者)の5 機能を初めて統合的に定量化。
- 都市偏在の発見: 中山間シェッド (81.8%) と真逆の都市偏在 (89%) を発見。
シェッドが「中山間山腹」、 歩道橋が「都市平野」 で対極を成す地理パターン。
- 世代対極の発見: 5 兄弟内で横断歩道橋 (最古、 1960-70s 集中) と
門型標識 (最新、 1990s 集中) が対極を成し、 整備年代スペクトルが 30 年に渡る
ことを実証。
本記事の限界
- 「学校系」 キーワードは下限値: 施設名で「学校」 を含むもの限定なので、
実際に学校近接の歩道橋でも地名で命名されているケースは「地名系」 に分類される。
正確な学校近接率は学校位置データとの空間結合が必要 (発展課題)。
- 判定区分 "?" マスク: 公開データでは健全度判定が伏せられているので、
老朽化の実態は未把握。 「築 50 年以上」 という代理指標で扱う。
- 市管理は未含: 政令市・中核市 (広島市・呉市・福山市・東広島市) の
市管理歩道橋は本データに含まれない (= 県管理のみ)。 全数調査ではない。
- NEXCO 管理は未含: 山陽道や中国道の高速道路上歩道橋は本データに含まれない
(= 県管理のみ)。 国管理国道の 1 級国道 (= 一桁・二桁) も国管理のものは含まれない。
- RQ3 の機能分類は本記事独自: 「接続 / 貫通 / 保護 / 情報 / 歩行者」 の 5 機能は
本記事の解釈で、公式分類ではない。
発展課題
発展課題 — 結果 X → 新仮説 Y → 課題 Z 形式
発展課題 1 (RQ1 拡張): 学校位置データとの空間結合による通学路守護率の正確測定
- 結果 X: 本研究は施設名キーワードで「学校系」 2 件 (2%) を
抽出したが、 これは下限値。 実際には地名で命名された歩道橋でも学校近接が多いと推測される。
- 新仮説 Y: 全 82 件のうち500 m 圏内に小中学校がある歩道橋は
実際は 50% 以上を占めるはず (= 通学路守護インフラとしての性質を持つ)。
- 課題 Z: 文部科学省「学校基本調査」 か OpenStreetMap から広島県内の小中学校位置を
取得 (約 500-700 校) → 全 82 件の歩道橋から最近隣学校までの距離を
BallTree で計算 →
500 m 圏内率を測定 → 国道 vs 県道 / 都市 vs 中山間で比較。
「広島県歩道橋通学路守護マップ」として展開可能。
発展課題 2 (RQ2 拡張): 5 年点検データの時系列追跡による老朽化進行測定
- 結果 X: 本データの点検年度は 2018-2022 で、判定区分は伏せられている。
築 50 年以上が 62% という代理指標しか得られない。
- 新仮説 Y: 過去 5 年の点検履歴 (2014-2019-2024 の 3 サイクル分) を辿ると、
古設置 (1960-70s 整備) の歩道橋で判定が悪化傾向を示すはず。
特に塩害が多い沿岸 (尾道-福山)で腐食進行が早い仮説。
- 課題 Z: 県の道路施設点検データの過去版を取得 → 個別施設の判定区分時系列を再構築 →
設置年度 / 立地 / 道路種別と判定悪化率の相関分析。
「歩道橋劣化予測モデル」として展開可能。
発展課題 3 (RQ2 拡張): 撤去・廃止実績の追跡分析
- 結果 X: 全国的に歩道橋は撤去傾向にある (年数十基ペース) が、
本データは現役 82 件のみ。 過去に撤去された歩道橋は不明。
- 新仮説 Y: 広島県でも2010 年以降に少なくとも 10-20 基が撤去されているはず。
撤去理由は (a) 老朽化 + 補修費高騰、 (b) バリアフリー対応困難、
(c) 利用者数減少 (少子化) の 3 つに大別できる仮説。
- 課題 Z: 県の議会議事録・新聞アーカイブ・撤去工事入札情報から
撤去事例を網羅 → 撤去理由を分類 → 残存歩道橋の今後の撤去予測モデルを構築。
「広島県歩道橋撤去マップ + 予測」として展開。
発展課題 4 (RQ3 拡張): 地下道との比較研究
- 結果 X: 本研究は歩道橋 (上空通路) のみを扱ったが、
実際は地下道 (地下通路)も歩行者横断手段として併存する。
- 新仮説 Y: 歩道橋と地下道の選択は地形 + 交通量 + 用地に依存する
仮説 — 平地で交通量大 = 歩道橋、 河川・鉄道近接 = 地下道、 用地狭小 = 地下道。
件数比は歩道橋:地下道 ≒ 4:1程度と推測。
- 課題 Z: DoBoX dataset 一覧から「地下道」 関連データを探索 →
無い場合は OpenStreetMap か県土木管理データから抽出 → 歩道橋との機能比較・地理比較。
「歩行者立体横断 2 形式の選択モデル」として展開。
発展課題 5 (5 兄弟拡張): 道路情報板・電光掲示板・道路反射鏡の 8 兄弟分析
- 結果 X: 本研究は L66/L67/L68/L69/L70 の5 兄弟で道路インフラを扱ったが、
道路情報板 + 電光掲示板 + 道路反射鏡 (カーブミラー)はまだ記事化されていない。
- 新仮説 Y: これら 3 シリーズを加えると「8 兄弟」となり、
道路インフラの完全カタログが完成。 道路接続 / 山岳貫通 / 山腹保護 / 情報提供 /
歩行者安全 / 動的情報 / 緊急情報 / 視認補助の 8 機能に拡張される。
- 課題 Z: DoBoX dataset 一覧から該当データを特定 → L71-L73 として 3 記事を追加 →
5 兄弟を 8 兄弟に拡張。 「県の道路インフラ機能 8 階層」 として完成。
発展課題 6 (展望): 歩道橋利用者数の実測調査
- 結果 X: 本研究は歩道橋の位置と仕様のみを扱ったが、
実際の利用者数 (1 日当たり通行人数) は未測定。
- 新仮説 Y: 学校近接歩道橋は朝夕 (通学時間帯)に集中、
駅近系は通勤時間帯に集中、 一般は分散と仮説。
利用者数 0 の歩道橋は 5-10 件程度あり、 撤去候補として優先順位付け可能。
- 課題 Z: 主要歩道橋に通行カウンタを設置するか、 GPSログ・SNS投稿位置情報・
防犯カメラデータから利用者数を推定 → 撤去判断の定量根拠を提供。
「歩道橋利用率データベース」として展開。
発展課題 7 (制度視点): 歩道橋耐震診断の実証
- 結果 X: 古設置 (≤ 1974) の横断歩道橋は 50 件 (62%)。
旧耐震基準で設計された可能性が高い (新耐震基準は 1981 年改正)。
- 新仮説 Y: 1960-1970 年代設置の歩道橋は新耐震基準に未対応のまま放置されており、
巨大地震時の倒壊リスクが高い仮説。 沿岸部は塩害でさらに脆弱化が進行中。
- 課題 Z: 各歩道橋の設計強度 + 耐震診断結果を県に開示請求 →
設置年度との関係を定量化 → 「歩道橋耐震ランキング」を作成 → 撤去・補強の優先順位提示。